提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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連休なんで…連投しときますかね…。
本日2話目の投稿です!ご注意ください!


閑話
129話を読んでからご覧ください!


130話 星に手を伸ばす者へ ⑥ 鉄の決心

……皆は黙っている。

 

 

大和に戦艦に乗せられて大本営に向かっている。

 

処刑を見届ける為に。

 

 

「大和…あなたは、提督を見殺しにするの?」

「あなたは…本当にそれでいいの?」

 

 

「おい、余計な口は慎め!」

と兵士に止められる。

 

「ぐっ……」

 

「武蔵…どうにかならないの?」

 

「すまない…私とて本気を出した大和には勝てない…」

 

 

 

 

 

 

もうすぐで大本営に到着する…と言う時に大和は言う。

 

「私は…世界最大の戦艦大和としての誇りを持って生まれました」

 

「今でも…その誇りは持ち続けています。私の使命は世界の平和を取り戻す事…。だからその為なら何でもすると決めたのです」

 

「生まれた時…私は思った。今度こそやりきる…と」

 

「人の体を持った事に何の意味があるのか…。意思を持つ事にはきっと意味がある…そう考えました」

 

 

「何の話だ?」

長門は訝しげに言う。

 

それでも大和は続ける。

 

「あの人は馬鹿なんです…馬鹿だから処刑されるんです」

 

「おい!大和!!いくらお前でも!」

長門が思わず叫ぶ。

 

 

「その馬鹿は…お前達は兵器じゃない…俺と同じだと言うんです」

「それどころか…私達無しじゃもうダメだ…なんて」

 

 

ふぅと一息を吐き、

「その馬鹿は例え危険と分かっていても……突き進むの。彼女達を助けに行くの。…むしろ、私はそうでないあの人なんか見たくない」

 

 

「何の…話?」

 

「何を言っているの?」

艦娘が口々に疑問を投げかける…。

 

 

ーーーまさか……と、何人かは思っただろう。

 

 

「…命懸けで無茶しに行ったんです」

 

 

「そんな馬鹿だからこそ…愛せるんです」

 

 

ーーそうだ、きっとそうだ!

 

 

その目は兵士の方へ向いていた。

 

「あなた達にはわからないでしょうけど…」

 

 

 

 

 

 

「あの時…あの人が捕まった…時から覚悟は決まっていたわ」

 

「私は…初めから…」

 

 

ーーきっとそうだ…と…何人かは分かったはずだ。

 

 

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ーー大和は最初から裏切ってなどないと。

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

龍田はキョトンとしていた。

 

 

 

 

 

 

大和は連行される提督からメガネをかけて貰ったのだ。

着任の祝いに…と。

 

そう。

明石達が作った…脳波から最適解を読み取る程のAI搭載の好感度ゴーグルを。

 

大和がソレを叩き割ったのは嫌悪の感情からではない。

救の意図をゴーグルを通して読み取ったからだ。

後に証拠を残すわけにはいかないから粉々にするしかなかった。

 

それに関しては少し落ち込んでいる。

 

 

 

 

鬼怒は仕方なく行っている。

艦隊計画の探りを行え。

元帥閣下を探せ。

大本営は全て敵と思え。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は…彼女達を助けたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

故に金剛達に頭を下げて作戦に乗るようお願いした。

 

その時に金剛が言った。

ー私を沈めなさいーと。

作戦とは言え大破させるなんて……。

 

「敵も味方も欺いてこそデース」

 

 

「しかし!しーーっと!大和に良いとこ取られたデース!」

「でも、やるのです!」

「やりましょう!」

「聞かれるまでもありません」

 

 

 

鳳翔、吹雪、電、天龍、川内、青葉は地下牢から外へと抜け出して情報を集めて御蔵の捉えられている所へ行き元帥を奪還を指示。

 

 

蒙大淀には事情を説明し、裏から情報を流してもらう。

あの時、鎮守府には来ていなかったと言うことにして。

 

 

 

 

「私達は……あの人のために戦います。あの人と見る幸せな未来の為に…決して死ぬのを見に行く訳ではない!!!」

 

 

「私はいつだって提督の指示にしか従いません」

 

 

「まさか!!!」

兵士が銃を構える前に大和が組み伏せる。

 

「…私は!!西波島鎮守府の戦艦大和!あなた達の思い通りに行く訳ないじゃない!!」

 

 

 

「大和…!」

 

 

「何だ?」

「おい!反乱だ!!」

 

「裏切り者め!!」

奥のドアから兵士が雪崩れ込んで来る。

 

 

 

 

「遅いッ!!」

川内、天龍がそれらを組み伏せる。

 

 

「待たせたな!大和」

 

「ええ、首尾の方は?」

 

「バッチリ!おじさん達にもお願いしてる!私達は壁から…おじさん達は正門から!!」

 

 

 

 

「…大和?」

 

 

 

 

 

 

 

「同じ艦娘が……兵器だとか…危険だとか言われて蔑まれ、疎まれ、挙げ句の果てには…生きる権利すら奪われて…そんな事は許されない!!」

 

「私達は提督も仲間も死なせません!」

 

 

 

 

 

大和は皆に言う。

「ごめんなさい…黙ってて…でもこうする必要があったの」

 

 

 

「心配かけたな…龍田」

「天龍ちゃん…??」

 

 

「大和さん!なら、お姉様は?」

 

「沈んでませんよ、今頃先に提督の元へ行っています」

 

 

 

 

榛名はへたり込んだ。

「よ…良かった…」

 

「で?鳳翔さん達は?」

 

「別の部屋に…元帥閣下や他の方達と居ます」

 

「良かった…無事なんだ…」

 

 

 

「皆…ご苦労だ……」

御蔵が現れて言う。

 

 

「「「「「はっ!ご無事で何よりです」」」」

 

「君らの働きのおかげじゃよ」

 

 

 

 

 

とある集積地に元帥は囚われていた。

重要人物の監視という事で守りは固く姫クラスが多く居る中に彼女達は攻め込んだ。

 

鳳翔、吹雪、電、天龍、川内に青葉のメンバーは苦戦した。

 

それでも…大和から託された任務、大好きな提督の為に彼女達は戦った。

敗戦一色の中…そこに

 

「ここねー?」

と、やって来たのは桜赤城達…姫ちゃんに鬼ちゃん。

 

彼女達もまた、大和に隔離されたメンバーであった。

深海棲艦組や所属不明艦として勾留されている…という体で彼女達は別方面からの集積地への進行をお願いされていた。

 

 

「指揮官様の命を脅かして…今すぐにでも大本営ごと消し炭にしたいですけど……お願いされた任務はやり遂げます」

 

「皆……」

「よおおおし!!反撃だぁぁあー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆は大和から全ての話を聞く。

決して金剛も誰も沈んでもない事、兵士や皆を地下牢に近付けない為で、拷問なんかやってない事。

 

絶対に失敗できないので敵も味方も欺く必要があった事。

 

そして、ごめんなさいと頭を下げられる。

 

どんな誹りも文句も甘んじて受けよう…と思った。

 

なのに…

 

「バカヤロォ…1人で背負いやがって…」

なんて、涙声で言う艦娘。

 

「大和も…キツかったよね…」

と、泣いてくれる艦娘。

 

「…大和…辛かったろ?重かったろ?ごめんな」

逆に謝る艦娘。

 

「皆の代わりに…悪役になって…疑ってごめんなさい」

抱き締めてくれる艦娘。

 

 

皆は口々に私を労ってくれる…。

 

 

 

「良い仲間を持ったなあ…お前も神崎も…」

御蔵がニコリと大和に微笑みかける。

「元帥閣下…」

 

「はい!!行きましょう…!提督と仲間を取り戻しに!」

 

 

 

 

 

 

 

目の前には高い壁がある。

 

「砲門…目標!忌々しいあの壁に!!」

大和が言う。

 

 

 

「今迄に私達の前にあった壁なんかより…よっぽど低いな」

武蔵が大和の肩に手を置き言う。

 

 

 

「私達は…必ず取り戻します!!撃てーーーーー!!!!」

 

 

轟音と共に崩れる壁。

艦はそのまま中へと突っ込んで行く。

 

 

「見えたぞ!提督だ!!」

 

「鬼怒が…提督を助けている?!」

 

「……やはり、奴もこの鎮守府のメンバーだな」

 

 

 

 

さあ…皆さん!行きましょう。

 

大和は甲板へと行き、声高らかに言う

 

「西波島鎮守府艦娘一同、処刑に反対を具申します!!」

 

「提督と仲間を返してもらいましょうか!」

と。

 

 

 




鉄の心…。
冷ややかなイメージを持ってもらえたら…よかったです。
でも…鉄の心も鉄の決心も冷徹な鉄でなく、鉄のような決意の意味を持たせてます。



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