提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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133話 星に手を伸ばす者へ ⑨ 届く声

麗が鬼怒が叫ぶ。

 

「「もう苦しまなくていいんだよ!!私が手を離さないから…絶対に離さないから!!!!」」

 

 

 

 

『『本当…?』』

2人は言う。

 

『『幸せに…なっていいの?…なれるの?』』

 

 

目の前の2人は言ったのだ。

「幸せになって良いんだ!思いっきり笑って、泣いて、後悔して、喜んで…普通に生きていいんだ!だから…目を覚まして…こっちを見ろ!」

 

『『この汚れた手でも…?あなたは…この手を取ってくれるの?』』

 

「取るに決まってるでしょ!」

麗は言う。

 

「お姉ちゃんの妹よ?それに私も汚れてるわ…?それに…あの提督は欲張りみたいだから」

鬼怒も同じく言う。

2人は、はっきりと言い切った。

 

 

 

 

「何をしている!!早くやらんか!!」

真壁が言う。

 

 

 

コレが…心…?

ワタシ…私を受け入れてくれるの?

 

「行こう……()()!」

 

初めて…その名を呼ばれた…。

 

 

 

 

 

いいの?鬼怒…?

 

「当たり前よ!お姉ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

『『嫌です…もう嫌だ!!』』

 

『『……私は…普通に生きたいです』』

 

 

 

 

「ふざけるな!……何!?コントロールが効かない…だと!?馬鹿な…他のやつも…だと?」

 

 

「お前らが何をしてきたか忘れたのか!?そんな汚れた手と体を…誰が?俺以外には、い「「います!!」」

 

真壁の言葉を遮って鬼怒が叫ぶ。

 

 

「なに?」

 

 

 

「…提督!!良いですね?!」

鬼怒が叫ぶ。

「ああ!!」

 

「武蔵!皆!!!良いよね!!」

麗が隣を見る。

「うむ!お前の決定が私たちの道だ!!」

 

 

救が言う。

「俺が手を取る!!これより!由良は西波島鎮守府の所属艦娘とする!!」

 

麗が言う。

「私が手を離さない!!金剛、他艦娘の所属は猛武鎮守府が引き受けます!!」

 

 

 

瞬間、戦う艦娘の動きが止まった。

 

 

「う…ぁ…」

 

頭を押さえる艦娘も居た。

 

 

 

 

 

「そんな勝手が通用すると思うなぁッッ」

 

「「通します…!!」」

 

 

「なら……纏めて沈んでしまえ!!!この国は…いや、海は俺のものなんだ!!」

 

出てこい!と言うと深海棲艦がわらわらと海からやって来た。

 

 

 

「救君!あとの艦娘は私達に任せて!」

 

 

 

 

「こんな酷いことをする奴なんか…ぶっ飛ばしちゃって!!」

 

 

 

 

 

「おう!!」

 

 

 

 

 

「猛武全員に命令します!!艦娘の保護及び敵の殲滅…!!これは…自由と尊厳を取り戻す戦いです!」

麗はまっすぐと皆を見据えて言う。

 

 

「聞いたな!ぶっ飛ばせだとさ!!やるぞお前達!!」

鎮守府メンバーへ言う救。

 

 

「「進めえええ!!」」

 

 

「「「「「「おおお!!!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

「三式弾…装填、全砲門用意…大和…推して参ります!」

「全門発射ーー!!!」

 

大和の砲撃が敵を薙ぎ払う。

 

 

 

「暴れ足んねえんだよおお!!!」

天龍が、龍田が武器を手に駆け回る。

 

 

 

 

「鬼怒…由良、行くぞ」

 

「え?」

「どこにですか?」

 

「あの野郎をぶっ飛ばしに!」

「金剛!!やれるだろ?そこは任せたぞ」

 

 

「んー♡了解ネー!ボスの首は2人に譲りマース」

 

 

 

 

 

 

 

「アラ…余裕ネ?」

 

遂に戦艦棲姫が動いた。

 

 

「…お前なんか相手になんないヨー…?」

 

 

 

 

 

 

鉄拳    一撃

 

 

 

金剛の一撃はいとも容易く戦艦棲姫を轟沈寸前に追い込んだ。

 

「ぉ…ごぉ 」

地面にめり込む。

 

誤算だった。

まさかこの艦娘にそれほどの力があるとは…

 

 

 

 

「……フフ…強い……ワア…デモネ…タダでは帰レナイナ」

 

 

 

 

棲姫は飛びのいた。

 

そして…とある場所へと行く。

 

 

 

「む?!この状況をどうにかしろ!」

 

真壁は焦っていた。

ここまでやられるとは…想定外だと。

 

「エエ…ソウネ」

 

戦艦棲姫は真壁に歩み寄る。

 

「おい!何だ!!」

 

「おい!?」

 

 

「お」

 

 

 

「なっ…!?」

 

 

 

 

 

空母棲姫は…………真壁を食らった。

 

 

 

 

 

「は!?」

 

「嘘でしょ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「武蔵!ここは、任せます!……金剛!行きましょう!あの馬鹿を殴りに」

 

「あぁ!行ってこい!!」

「そうだ……金剛!!」

 

武蔵が金剛を呼んだ。

 

「は、はい!」

 

「提督を頼んだぞ!金剛!!」

「任せたわ!金剛!」

「やっちゃえ!金剛!!」

 

皆が私の名を呼んで…言ってくれる…。

 

「はいっ!!」

 

 

 

そして…2人が真壁の方に向かおうとした時…

その2人も…その異様な状況を目にする。

 

 

「え?」

 

「あれ…食べられて……え?」

 

 

「ウフ…アハハハハハハ」

 

「アイツ…食いやがった…!!」

 

ソレは姿をボコボコと変えていった。

そして…

もはや異形と化したナニカが其処にいた。

 

 

 

「アイツをここから出すな!!全力で阻止しろおおおお!!」

 

わかる。

コイツは此処で止めなきゃならないと。

 

 

 

 

 

「ウア…ァァアアアアアアア!!」

 

叫び声だけでもわかる…体が怖がってると。

 

 

 

 

 

叫び終わったソレは…静かに言った。

「フム…手始めに……」

 

 

ドォン…。

 

音がした時には既に長門と雷が吹き飛ばされていた。

 

「きゃぁあ!!」

「うぐっ…ううう!」

 

たった一撃で轟沈寸前まで追い込まれた2人。

 

しかし、ソレはそれ以上2人をターゲットとしなかった。

 

 

そして、ソレは圧倒的に強かった。

 

 

「まさか…私の砲撃も…殆どダメージが無いなんて…」

 

「tyngydg##/az」

ただ、ソレの放つ砲撃は逆に皆を確実に追い込んでいる。

 

「きゃあっ!!」

大和が被弾した!

これ以上の攻撃はマズい。

 

「大和!下がれ!」

 

「うっ…申し訳ありません…」

 

「天龍達もだッ!大破者は下がれ!!」

 

 

 

 

 

 

「このおおお!!バーニン!ラァブ!!」

金剛渾身の一撃!!

 

まともに当たっ………たが

軽く受け止められて…投げ返される。

 

「シィット!…強すぎるネー………きゃぁあ!!」

 

爆音と共に追撃するソレ。

 

金剛も中破状態に追い込まれる。

 

 

 

「アハ…アハハハハハハ!」

「この力こそ…世界を手にするのにふさわしい!」

 

 

「真壁の意識が!?」

 

どれだけ頑固なんだよアイツ…。

食われて取り込まれたのに…意識を奪い取りやがった…。

 

頭はキレて、強さは深海棲姫以上とか…チートやんけ!

なんて思う暇もない…。

 

 

「うん…おや?まだ生きていたのか?虫けら…いや、落ちこぼれの出来損ない諸君…。勝てないことは分かったろう?」 

 

「まあ…殺すけど…もう、抵抗しないのか?」

 

 

 

「俺は…此処を足掛かりに全世界を手に入れてやるぞッ」

「出来損ないで役立たずの貴様らを有用な兵器にしてやったのは誰だ!俺だ!薄汚れた体を使ってやったのも…利用してやったのも…

貴様らの汚れに汚れた手を取ってやっていたのも…生かしておいてやったのも俺だ!!

最後くらい…新しい俺の礎に…足下の屍となれよ」

 

 

「なぁ…鬼怒よ。愚かにも姉が帰って来ると信じて罪ない提督を何人も捕まえたな!」

 

「由良は妹のことも忘れて…奴が捕らえた無実の人を何人も殺したな!」

 

「コンゴウは……余計な感情を持たなければ…そのまま戦いで死ねたら幸せだったのになァ…道具が余計な感情を持つなんてな!」

 

 

 

「貴様らは…兵器としても…道具としても…何としても…出来損ないの……カス以下の存在なんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブチィ…と頭の中で音がした。

 

 

 

男はキレた。

 

 

「テメェは…絶対にぶん殴る…」

 

 

ザワッ…

周囲の者は驚いた。

それは今迄に感じたことのない男の感情だった。

あの人が……こんなに怒っているなんて…と。

 

 

 

ゾクリ…

…深海棲姫だったソレは、その殺気を放つ者の方を見る。

 

 

人間だった。

 

自らの存在より矮小で弱いやつからの殺気に怯えたと言うのか!?

有り得ない……。

 

 

 

 

「テメェだけは許さねえ…」

 

男は拳を握りしめ、歩みを進めた。





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