提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
ほのぼの日常パートですッ!!
「…あちいよお……」
その日は記録的な猛暑に見舞われた。
だけならまだいいよ?
エアコンがね…動かんのよ。
電力の供給システムが暑さでダウンなの。
え?冷蔵庫とか?
そこら辺はね?食べないと死ぬじゃん?大丈夫!ご都合良く供給システムは別稼働だから。
え?そっちは無事なのかって?
君のような勘のいい奴は…嫌いじゃないよ。
「……暑くないですか?提督」
と言うのは大淀。
「あぢい…」
「制服も脱いだら如何ですか?見てるこっちも暑いです」
「でもさ…制服だし…」
「憲兵も誰も居ない島ですよ…?」
「せやな!!」
「てかね?ベルファスト…君はすごいな…そんな服装で顔色ひとつ変えてないじゃないか」
「完璧なメイドですので」
と誇らしげに言うのはメイドのベルファスト。
このクソ暑い中でも顔色ひとつ変えず、汗ひとつかかずに仕事をしている。
「フフフ…ご主人様もまだまだですn…」
ポトリ…
彼女のスカートから何かが落ちた。
「あん?」
「それは…」
氷嚢…的なやつ…?
「ご主人様ッ伏せてください!曲者おおおおお!!!」
ベルファストは俺を地面に伏せると言う名の叩きつけを行った後にソレを掴み取り窓から外へと放り投げた。
「おい」
「曲者でした。ご主人様のお命が危のうございました…まぁ!おでこをやられましたか!!申し訳ありません!私が居ながら…」
「おいゴルァ!この傷はお前のせいじゃい!!」
「まだどこに潜んでいるか分かりません!私はパトロールに参ります」
「その必要はない!お前自体が危険物だ。違法物所持の疑いで身体検査だ」
俺はベルファストの服を摘みバサバサと振ってやる。
「ちょっ!セクハラです!ご主人様ぁ!」
隙間から漏れる空気がめっちゃ冷たい。
ちくしょう…しかもいい匂いがっ!!!
ボトボトと落ちてくるアイスノン的な奴たち。
「………」
「おい、ベルファスト?言い訳は?」
「…黙秘権を使います。」
「治外法権なんだわ…」
「弁護士を呼んでください」
「島だから居ねえよ」
「おい…駄メイド!!」
「メイド服暑いですもん」
「俺のお前への評価を返せッ!!」
というわけで俺も着替える。
気分だけでも涼しく…アロハシャツを羽織り…海パンにサンダル!
サングラスに麦わら帽子!
大淀とベルファストか見惚れてる気がするが気にしない。
その直後に…
「ダーリンさん……あづいですう…榛名は大丈夫じゃな…」
と、入ってきた榛名が
「ふおおお!!大丈夫です!いや、榛名は大丈夫じゃありませんんんん!!!!」
と抱きついて来たのには驚いたな…。
「腹筋が…アロハシャツからこんにちはしてる腹筋があああ」
暑さでおかしくなってしまったらしい。
「なんだと!?!?」
「提督の腹筋!?」
「提督の裸!?」
「提督の生まれたままの姿!?」
どんどん酷くなってないか??
「提督!?はだけたアロハシャツ…?その下は何も着ていない…ですって!?」
「チラリと見える筋肉がセクシーよおおお!!」
「榛名ぁぁあ!!何抜け駆けしてるデース!!」
「集まるな!暑い!!」
叫んだりしたらダメだ…暑い…死ぬ。
「暑さでヤバいよお…」
「なんかないかなあ…提督…?」
「暑いし…部屋暗くしてから怪談話するかー」
阿賀野「え?」
矢矧 「怖い!」
桜赤城「本気ですか!?指揮官様」
迅鯨 「本物出たらどうするの!?」
「お前らが言うなッ!!」
龍驤 「呪いとか…怖いやん?」
「お前の発艦方法も割とオカルトじゃね?」
「一緒にしないで!」
「それに提督も似たようなものでしょ…」
なんて冷静に突っ込まれる!!
「…確かに」
だよねえ…。
俺も死んだら生き返ったり、変な世界に行ったり…。
アレ?俺って怪談?
なら…
俺って能力者!?!?
今ならいける気がするッ!!
救は叫んだ!!
「波紋疾走!!!」
何も起こらなかった…。
「いでよ!星の白金!!ザ・世界!!!」
……
…
まあ…何も起こらんわね。
いや…厳密には起こった。
艦娘が引いたのだ。
確かに場の空気的な意味で時は止まったようだ…。
更に言えば…場の空気を冷やす能力はあったらしい……悲しみ。
迅鯨が言う。
「救君…?マンガの技を叫ぶくらい暑さにやられたの?」
そうだったああ!!
この子知ってたわぁあ!!!
「好きだったよね、その漫画」
言わないでええ。
「もしかして、暑さにやられたの!?大丈夫!?死なないで!提督!」
違ううう!ごめん!ごめんなさいいい!!!
「提督さん?緑茶飲みますか?」
コトリとコップにストローを挿してくれる。
「おお!由良か、ありがとう…どうだ?大分調子は良くなったか?」
「私…私の提督さんの為に頑張りますね♡」
ん?会話成り立ってる?
「「「「ん?」」」」」
「提督ー!!暑いよー!ぱないよー!!」
「鬼怒…お前そんなキャラだったか?」
「まあ…今は楽にしようかな〜なんて思ってて」
「そうか」
.
まあ、素で居られるのは良い事だ。
「私達2人は…提督の為に頑張ります!」
「ホント、だいぶ馴染んで来たよなあ…」
と、摩耶が言う。
「あん時は焦ったよねえ…」
足柄が言う。
「でも…あの時の提督はカッコ良かったなあ…私達の為にあんなデカいのに立ち向かって行って……惚れました!」
緑茶を吹き出す俺。
「鬼怒ぅ!?」
「大丈夫ですか?!私の提督さん!!大丈夫です!私も惚れています!!」
と、優しく拭く由良。
「あっ!お姉ちゃん近い!ずるい!」
「「「「ん?」」」」
「提督…?」
「救君?」
「ご主人様?」
「提督さん?」
「「「お話が…」」」
この後の提督の姿は言うまでもない…。
「あなた…?随分と幸せそうですね?」
「いや、鳳翔…これはだな?」
「はぁい…提督さん?あーーん」
「………美味しいよ!鳳翔!」
「……嬉しいのですが…見せつけられると妬きます」
「だって手使えないのに…」
そう、両手は骨も折れて使い物にならない。
つまり、自分では何もできない。。
ぶっちゃけ鬼怒と由良が手伝ってくれている訳で…。
特に由良がすんごいべったりしてる。
「なら私が食べさせてあげますよ!!」
その時!
ガラッと戸が開かれる。
「「「「待った!!」」」」
「私達も」
「提督に」
「あーんしたい!」
「着替えも」
「お風呂も」
「トイレも…」
「お任せください!」
「いや…そこまでは…」
「さあさあさあ!!」
「プライバシー!プライバシー!!!!」
カイ◯キーになりたいとここまで思ったことはない。
あっ、通信交換してくれる友達居ねえや…。
また楽しい日常が戻ってきた。
「提督?」
「大和…今回は君のおかげで本当に助かった」
「メガネ壊して怒られちゃいましたね」
「せやな…。でも、本当にありがとう」
「そう言ってもらえたら…幸せです」
「大和…コレを……」
「コレは……」
君の信頼と…誠実さに応えた…指輪。
「ねぇ…提督?」
「その手でどうやって着けてもらえるの?」
「あ…」
「…気合!」
「こ、今度でも!いいですよ!?」
「今じゃなきゃダメなんだ!!」
「大和…今からの事は目を瞑ってくれ」
と、彼は痛みを堪えながら包帯を取り箱を開けて指輪を取り…。
大和の左手の薬指へ…。
「……ありがとうございます」
そして…誓いの……
「提督の唇…意外と柔らかいのですね」
「茶化すなッ」
「ありがとうございます!コレからもよろしくお願いしますね?あなた♡」
無論…包帯を取り替えに行った際には…
めっちゃ怒られた。
鳳翔って、あんなにキレるの?
「大和…?どうした?嬉しそうな……あっ!!それは!」
「武蔵…ウフフ。やっと私もよ…凄く幸せな気分」
「いや、どうやって着けて……まさか自分で!?今回の功績を掲げて奪い取り…自分で着けたのか!?」
「そんな訳ないわよ!」
「秘密よ」
「足か…口か…」
「もう辞めなさい!!」
何故私を選ばれたのですか?金剛さんも居たのに…
ん?
お前が一番よく分かってくれそうな気がしたから。
勘…ですか?
んーー
確信…かな。
この作戦…になってないけどて…作戦!
君に任せたいと…必ずやってくれると言う確信。
こうしてうまく行った訳だ!
提督らしいですね
…で、どれだけ期待に添えられましたか?
ニコッと笑って…
俺の想像を超えるくらい完璧に!
「確信……完璧…かぁ」
大和は自室の窓辺で温和にはにかんだ顔でずっとその左手を眺めていたそうな。
今日知ったのですが…きりたんかゆかりさんでの読み上げ機能ってのがあるんですね。
何か…嬉しいような恥ずかしいような
画才が有れば挿入絵も描くのですが……
画才も文才も…どこかに置いてきたので……
オラァ!日常パートだッ!
糖分!修羅場!糖分んん!!
主人公の療養は続くよ!
両手が使えない状況って美味しくない?!
さて、
お楽しみいただけましたか?
投稿ペースは…まあ、触れないでおきましょう。
少しでもお楽しみいただけたなら幸いです。