提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
138話も投稿してますのでご注意下さい!
鬼がいる…。
鬼神がいる。
そう言われ続けて来た。
麗の初期艦は武蔵だった。
か弱い乙女には強い戦艦を……と言うわけではなかった。
武蔵は所謂、問題児だった。
『強者にのみ従う』
これを信条としていた武蔵
「骨がないなッ貴様!そんなので俺の提督が務まるのか!?」
上官を殴り大本営へと返された。
「その程度で泣くな!!…チッ…」
激を入れたつもりなのに…また返された。
「…俺は貴様らの飾りじゃない!!」
説教したら、また返された。
片っ端から提督に殴りかかっては負傷させ
尖った性格から、受け入れられる訳がなく…
その日の武蔵は、また同じだろう…くらいにしか考えてなかった。
兵器として…
都合の良い女として…
威厳を借りる為…
そんな奴ばかりだった。
が
その娘は、まだ若かった…いや、幼かった。
屈託のない笑顔で言った。
「あなたが武蔵さん?カッコイイ!私は里仲 麗と言います。よろしくお願いします」
世間では…中学生にもなっていないだろう。
こんな小さな子にも戦いに身を投じろと言うのか?
と憤りさえ感じるのに…
この子は笑顔をやめない。
同情だった。
俺が守って導いてやらねば…と思った。
打算だった。
こいつを強くして…俺を舐めた奴らを…。
予想は当たり前に当たり、周囲の目や態度は麗にお世辞にも良いとは言えない……いや、正直に言おう。
反吐が出る程に最悪だった。
幼き子…
そういう趣味の奴も居たのだろう。
涙を堪える子
そういう趣味のやつも居たのだろう。
私から見ても可愛い
そういう趣味のやつも居たのだろう。
私を押し付けた時点で
コイツは期待されていない。
ましてや、私らの赴任先は…
かつては英雄が居た……とされる残りカスの
蒙武鎮守府…
決して
悔しかった。
私は誇り高き大和型弐番艦の武蔵だ。
皆が憧れる、恐怖する。
最強の一角の艦娘のはず。
だから…強くしてやろうと思った。
私は知っていた。
麗が何年もずっと…毎日泣いているのを
私は見ていた。
窓から見える外の人間の普通の生活を羨ましそうに見ているのを
私は気付いていた。
麗が今迄の日常を捨てるために苦悩しているのを
私は聞いていた。
彼女がどれほど罵られようと努力を辞めなかったことを
私は見ないフリをしていた。
全ては…最強の名の為に
私は信じていた。
それが…麗と私達の為になると。
ある日の事だった。
他の鎮守府の提督に麗がバカにされた。
麗はいつも通り…笑いながらすみませんと言っていた。
俺は…何故かカチンと来て相手に文句を言った。
すると…相手は激昂して、提督に歯向かうとは!…と俺を殴ろうとした。
丁度いいぶん殴ってやる!!
と思って俺は相手を殴った…。
が
「だめえ!!!」
そこに麗が割り込んできたのだ。
俺の拳をまともに受けた麗は飛んで行った。
「うっ!あうっ!……」
「おい!バカ!何してんだ!!」
俺はすぐさま駆け寄った。
「だ、だめだよお…武蔵」
麗は痛いとも言わずに笑いながら俺に言った。
それに何故か腹が立ってしまった。
「いいんだよ!!あんな奴」
「テメェは悔しくねえのかよ!!あんなに言われて…舐められて…悔しくねえのか!!!」
麗は笑わずに言った。
頬は紅く腫れて口元からは血が出ていた。
各所は擦り傷。
怖かったのだろう、足も震えていた。
「悔しいよ…」
でも…と麗は続けた。
「でもね?武蔵のこの手は…あんな人達を殴るための手じゃないよ」
「笑顔を守るための手なんだよ」
「だって…」
麗は思い出していた。
ある日の事を…。
『よくやったぞ…麗』
と、頭を撫でてくれた武蔵の手を。
その時の武蔵の微笑みを。
両親と離れてこんな世界に放り込まれ…嫌な事しかなかった生活の中で
初めて私を褒めてくれたことを。
麗は震える手で武蔵の手を握りながら本物の笑顔で言う。
「あなたの手はこんなにも優しくて…温かいのだから」
「あなたの手は…皆を幸せに出来る手だから」
ぽろぽろと涙と血を流しながら言う麗。
初めて言われた。
鬼だとか、クズだとか…たくさん言われて来た。
何を思ったかこの小娘は…俺の手をあったかいと言いやがった。
何故だろう…
何故だろう?
何故こんなにも…心が痛いのか
痛いだろうに、辛いだろうに
なのに…自分よりも俺達の事を心配して…。
鬼の目には温かい涙が流れていた。
「
それ以来、私は提督に忠義を尽くす事を決めた。
私は強くなる為に…仲間にドーピングした。
皆…
「姐さん達の為!私達の為に!」
「提督をバカにされない為に!」
と、協力してくれた。
そう…ズレていたのだ
より良い鎮守府…というのは
麗は皆が笑えるような鎮守府を作りたいと思っていた。
武蔵達は提督を誰にもバカにされない鎮守府を作り上げると誓った。
そこからは…皆も知る通りだ。
あの提督との出会いが私達を大きく変えた。
笑顔も増えた。
麗が笑うようになった。
悔しいし、ヤキモチも妬くけど…私達も、奴を気に入っている。
大本営の時も…やっと心から頼ってくれた…。
それが本当に本当に嬉しかった。
いずれ、世界が平和になれば私らは不要になるだろう。
その後のことはわからないが…
今はこの時が…たまらなく愛おしい。
麗
いつもありがとう。
私達はお前が大好きだぞ。
腹を貫かれたらしい
麗の驚く表情が見えた…。
まだまだこれからなのに…
やっと命を預け合う仲になったのに
やっとスタートラインに立てたのに…
力が入らない。
血が溢れて止まらない。
これは助からない。
すまん…麗…。
心優しい鬼は
静かに眠った。
登場する艦娘は必ずしも原作とキャラが一致していない場合もあります
。標準語の金剛や浜風…的な?
オラオラ系艦娘…。
え?甘いお話は…?
ほら、お盆だから……
え?意味がわからんて?
廊下に立っていなさい!!
お気に入りが470超えましたね…。
ありがとうございます!!
今日の夕飯はカレーよ!!
少し豪華にカツカレーよ!!
評価や感想や応援メッセージも頂いて…嬉しいです!
もっと下さい!
夕飯が更に豪華になります!…私の!!!
目指せ焼肉…。
えー…
あとは質問に答えますね
うぬが好きなシリアスな話は…何だ!?
我は…迅鯨ちゃんのトコ♡ (原文ママ)
うむ…
次回までに考えておきましょうぞ…
神様お願いのシーンは知人に 元聖職者にそんなこと言わすなよ…と冷静に言われました!
皆さんのも気になりますね
どの話が好きでしたか?
いつもの!!
お楽しみいただけましたか!?
少しでもお楽しみいただけたなら幸いです!