提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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お盆休みをくれと言ったな?
アレは本当だ。


閑話 夏の日に想う

 

 

未来を生きる君へ

 

 

どうか忘れないで欲しい。

 

彼女達はこの国を守る為に生まれて来た事を。

 

かつての絶望的な…死しか生まない海を、世界を救う為に…彼女達はもう一度この世界に帰って来た事を。

 

 

 

 

 

 

どうか忘れないで欲しい。

 

彼女達は…命懸けで戦って来たことを。

 

例え傷付こうとも…死の淵に在ろうと、彼女達は戦い抜いた。

数多の弾雨を…仲間の死を超えて…

 

ただひたすらに (未来)を生きる君の為に彼女達が戦った事を。

 

 

 

どうか忘れないで欲しい。

 

その彼女達と共に数多の人が戦った事を。

 

決して表に出ない…影の中には、英雄とも呼ばれない人が居る。

 

しかし、彼らは…例え日向に無くとも、それでも明日の為にその命を捧げた事を。

 

 

 

 

 

きっと…もっと別の生き方も有ったはずだ。

 

きっと…もっと幸せな生き方が出来たはずだ。

 

きっと…もっと辛い別れをしなくて良かったはずだ。

 

きっと…もっと生きたかった者が居たはずだ。

 

 

 

 

 

しかし…

 

それでも

 

 

別れも、涙も、悲しみも、憎しみも、怒りも、喜びも、幸せも、何もかもを糧にして皆は歩み続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうか忘れないで欲しい。

 

 

 

俺達は絶望の世界に居た。

それでも…諦めず…前を向いて、手を取って、歩み続けて…その生を全うした事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は…特別な日。

 

 

 

とある…いや

 

過去に生きた皆が…その生を駆け抜けた…果ての日。

 

様々な生き方が其処には在った。

 

志半ばで…その生涯を終えた者。

その果てを見届けた者。

全てを見送った者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの命の上に俺達は立っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例え、今その姿を変えようとも、彼女達の誇りは変わらない。

例え、今その記憶が薄れて行こうとも、彼女達の"生きた"という事は決して変わらない。

 

 

 

 

 

 

未来となっては

語る人の方が少ない。

 

 

未来となっては

其れを知る方法が少ない。

 

 

俺達の戦いもいつかは"過去のモノ"となる。

俺の事も…彼女達のことも忘れ去られる日がくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今年もやるのー?」

 

「おー…やるぞ」

 

 

 

「……律儀ねえ」

「片隅にしか記憶がないかも知れないのに」

 

 

「まっ、そんな所も…好きなんだけどね」

 

 

 

 

俺達は燈を海へと見送る。

灯籠流しと…呼ばれるものだ。

 

 

 

 

 

「綺麗だよねえ……」

 

 

 

あの燈は、かの者達を見送る光。

 

 

「うーーん、慣れないなあ…今の私が居て…艦の時の私を……うーーーん!!!」

 

 

「…ちゃんと帰れるかなあ?」

 

 

「帰れるとも…」

 

 

 

 

その燈は…旅立って行く。

俺達はそれを見送る。

 

 

 

「全員…」

 

「敬礼ッ!!黙祷ッ!!」

 

 

「…………」

 

遠くへ…小さくなって行く燈に想いを馳せる。

 

 

 

静寂が周囲を包むgう

 

 

「よし!」

 

 

 

「毎年、しんみりするよねえ〜」

 

「そうよねえ…」

 

「今年も…間宮あい…「…寂しいのは俺には合わん!!」

 

 

突然提督が叫んだ。

 

 

「!?!?」

 

「て、提督…?」

 

少女達は戸惑っている。

しかし、その提督はニヤリと笑った。

 

 

 

「やれぇ!!天龍ーー!!!!!!」

 

提督の叫びがこだまする。

 

 

「おっしゃァァア!!待ってたゼえええ!!!!」

 

天龍がそれに応える。

 

 

「??」

「提督?いった…きゃぁあ!!」

 

ズドオオオン!!

 

轟音と共に地面が明るくなった!

 

「あ…」

 

皆が闇夜を見上げる。

 

その光は……どこまでもどこまでも空に昇る。

 

今を必死に生きるように

 

 

そして

轟音と共に

暗闇の空に…大輪の華を咲かせた。

 

 

 

 

 

そして…また暗闇に戻る空。

 

 

 

 

 

ーそう

 

ーだから忘れないで欲しい。

 

ー確かにそこにはあったのだ。

 

ー 君の目に写らなくとも…長い歴史から見れば一瞬のものとは言えども…確かにそこにあったのだ。

 

 

 

 

 

「今のは…花…火…?」

 

「凄い…きれえ…」

 

 

 

 

 

「あはは……いいぞ!!もっとやれーー!!」

 

 

 

「よっしゃー!!やるぞ!やるぞおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 

ー見上げればある空や月のようにに…いつでも見える歴史でないけれど。

 

ー花火のように一瞬しか輝かなくとも…

 

ー皆の目に一瞬しか写らなくとも…

 

ー長い歴史の一欠片でしか無くとも

 

ーもう、誰も覚えていなくとも…

 

ー知って欲しい…そして忘れないで欲しい。

 

 

ー彼女達が…俺達が、暗闇の海で未来を切り開く為に駆け昇る花火のように生きて輝いた事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーどうか君も忘れないで欲しい。

 

ー"君達が居る"という……皆が居た…(未来)を…。

 

 

 

 

 

 

 

 

何発も何発も

夜空に大輪の花が咲く。

 

 

心を奪われる美しさ。

 

この時は…全てを忘れて、ただ…その美しさに息を呑む。

 

 

 

 

 

「提督…さん?」

 

「俺は覚えているからな」

「お前達と共に歩む…この今を」

 

 

 

「指揮官様?」

 

「何言ってんのさ!」

 

「私達だって…忘れるわけないですよ!」

 

「愛する人と…歩む今を絶対に忘れません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『綺麗な花火…なのです!特等席なのです!』

 

『そうだな……おっ?よもぎ餅か…こしあんの方が好きなんだけどなァ』

 

『粒も美味しいのです!』

 

『歯茎とかに引っ付くんだよ…』

 

『もー!せっかくのお供え物なんですから…』

 

『てか!あの野郎!精霊馬が…瑞雲じゃねえか!』

 

『凄いクオリティ…なのです』

 

 

 

 

 

 

 

 

『親父が…手を合わせてくれてるみたいだな』

 

『私の名前も呼んでくれています…』

 

『ありがとう…親父』

 

『提督の好きな…メロン…ありますよ!』

 

『あ!親父が食ってる!待って!お供えして!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

『かーー!夏子ー!やっと大和をお母さん呼び出来たねえ!』

 

『バカ亭主も…酒はこの日だけにしたんだねえ…』

 

『笑顔で…何よりさ!しみったれたままなら…化けて出てやるつもりだったんだ!!』

 

 

 

 

 

 

『いいんだ…』

 

『あの人達が僕達を覚えて居てくれるなら』

 

 

 

『それだけで…アタシらの人生に意味があったってコトさね』

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

「どうしたの?」

 

「いや…今何か…」

 

「?何もないよ?」

 

「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また来年も花火見たい!」

 

「また…来年…な」

 

願わくば…来年も…その先も

皆と共にありますように。

 

 

これは君がもしかしたら知るかも知れない…

まだ彼女達しか知らない一夏の記憶。




人が本当に死ぬ時は忘れられた時…なんて言葉がありますね。
本やネットを開けば日向に居る人にはその称賛の光が当たりますが…
名前も残らない…誰かの記憶にしか残っていない人も称賛されるべきだと思います。


お気に入りが490ですと!!
今日は…ハンバーグよお!!
チーズものせちゃうわ!!

ありがとうございます!(´;ω;`)

皆さんのおかげで成り立ってます…本当に。






え?お盆休みくれって言ってただろう?ってメッセージをくれた方…。

違うんだマイケル
聞いて欲しい…いや、聞いてくれ

俺は休むつもりだったんだ…。

なのに…だ

あれー?おかしーな…

手が…勝手に…

ダメだ!ダメだ!って思ったんですけどね?

気付いたら…投稿ボタンが…押されてたんだ…。



感想やメッセージお待ちしています!
少しずつ…メッセージでもカオスなメッセージや、やり取りが増えましたが…嬉しいです!


明日の天気は晴れですとか言うメッセージをくれた君…そう君だ。





雨だったじゃないか……。







いつでもお気軽にどうぞ!

好きなシリアスエピソード

  • 1 鉄底海峡編
  • 2 蒙武との演習編
  • 3 紫陽花の咲いた日に
  • 4 正義の在りどころ
  • 5 誰が為に鐘は鳴る
  • 6 西波島大決戦
  • 7 焦がれる背中に
  • 8 あなたと逢いたくて
  • 9 青い海に燃える
  • 10 星に手を伸ばす者へ
  • 11 麗と武蔵 最強の名の下に
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