提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
––例え…不可能と言われようと…
もう私達は1人じゃない
お前に見せてやる…思い出させてやる
温かな…光を–––
–––力を貸して
––あなたの想いは…私が引き継いだから
私が…止めてみせる…
あの子に…夜明けを–––
ご注意
今回の話はほーーんの少しだけ重めです。
史実通りではない話。
オリジナルな解釈、
オリジナルなキャラ展開
胸糞話。
過度な表現等が出る場合がございます。
沈みゆく艦娘を見下ろして彼女は言う。
「お前達デモダメカ…」
「イツニナレバ…私らヲ救ッテクレル奴ラハ…」
「……」
「ドシタ?シラツユ…」
「ウウン…なんデモナイ」
シラツユと呼ばれた彼女も同じく沈みゆく艦娘を儚げな表情で見る。
何だろう……私は…何か…。
何度生まれ変わっても…
やり直しても
姿が変わっても…同じ事を繰り返すだろう。
だって…それが運命…私の在り方だから…。
––––––––––––––––
「……」
膝を着き、動かない長門。
「ああぁぁああああ!!!!!!!!」
水面に向かって泣き叫ぶ夕立。
「旗艦長門…大破!!意識不明!轟沈寸前!!!」
「夕立も大破!精神が錯乱状態です!!」
「直ぐに救助、撤退を優先しろっ!!」
「敵は!!」
「依然、健在!1人は負傷してる模様………ー!?引き上げます!撤退しています!!」
「………次ハ…殺ス」
「…長門……オマエナラバ……」
夢を見る。
ここは…海?
ん?酒匂…?いや…他にも…アメリカ…?
どうした?
皆
どうした?
ん?何だあの光は…
あれは…
……何だ…
あれ?
お、お前達…
何故こちらに武器を向ける?
やめろ
やめろ!!
私は…
今度こそ…役に立てる筈なんだ!!
裏切らない––––––で
目が覚める。
酷く魘されたのか寝汗が凄い、
…知っている。
あの光が何か…何なのか。
過去は常に自分の背中に居る。
それはどう足掻いても背中から落ちない。
その後の…夢は……
誰かが私に声を掛ける…
「長門!!」
この日は哨戒任務にあたっていた。
とは言え、最近では海はそこそこ平和である…が慢心すれば、もしもの時に対応出来ないので欠かさずやるのが大切。
「ぽーいぽーい」
長門が夕立に問う。
「夕立…何か見えるか?」
「何も…居ないっぽーい!」
「こっちも…特にないわ」
と、大鳳も答える。
「…静かな海ですね」
神通が言う。
「そうですねえ…」
比叡がキョロキョロと見ながら言う。
「ん?」
「あれは…」
3体の正体不明勢力を発見。
深海棲艦か?
「当たリだけド…違ウ…」
長門と夕立は何か嫌なものを感じ取った。
1人が口を開く…。
「私ハ…ナガト…カツテ…艦娘ノ長門ト呼ばレタ…成れの果テ…」
眼帯をした奴はナガトと名乗った。
「私ハ…ユウダチ…」
目つきの悪い…ユウダチという奴だった。
「私はシラツユ…」
真っ赤な…綺麗な程の紅い目をした奴だった。
「コノ2人ニハ…艦娘ノコロの記憶ハナイが…艦娘ガニクイ事だケハ確カダ」
長門はハッとした。
「…戦闘配備!!」
長門が叫ぶ。
「…長門と夕立以外の相手ハ…奴ラニヤラセル…」
大鳳達の前に深海棲艦が現れる。
「私達に…用だと?」
ナガトと名乗ったモノは急接近を行い
長門の首を掴む。
「は、早いッ!」
「離せ…ぽい」
シラツユが夕立の首を掴む
「ぐっ…くうっ」
「弱イ!!」
「コンナ奴ラノ為に…私…達ハ……」
2人の首を持つ手に力が篭る。
ぐにゅん…と何かが頭に流れてきた…
何だ…コレは。
「何の…事…だ」
「知らンカ…まァ…ダロウナ!!!私ラハ…」
「な…に?」
「この前に…真壁から助け出したはず…なのに」
「真壁…?シラン奴ダ…」
「なにっ!?」
「初期ノコロの被験体ハ…ソノ存在を秘匿サレタ…」
「ツマリは口封じサレタ訳だ…。私ラは…沈み行ク中デ深海化スルコトデ生きなガラエタ!!」
「……あの時ト同ジダ!!」
「アノ光の中ト同ジ…結局ハ人ニ…仲間ニ殺さレル…」
「お前ニモ記憶ガアルダロウ!!」
「…サア!!私ト一緒に…死合オウ…ソレコソ運命ナノダ!!」
「……誇りも失ったか……今楽にしてやる!」
「うおおおおお!!!」
長門が突っ込む!!
躱す 躱す躱す。
躱すだけでなく、的確にカウンターを決めてくる。
長門が、あの長門が押されている。
「このっ!!」
繰り出したストレートをいなされ…肘打ちのカウンターを貰う。
「ぐううっ…ならっ!!」
急降下でしゃがみ、足払いを仕掛けるが…飛んで躱されて蹴りを貰う。
「うぐっ!!」
ハァ…とナガトが溜息を吐く。
「…マァ……強インダロウガ……所詮ハ…ソノ程度ッ!!」
ナガトの拳がマトモに腹に決まる。
「ぐぶっ…!!」
口から血が出る…。
呼吸が整わない。
「……ココがお前ト私ノ死ニ場所ナンダ……」
ナガトは長門の髪を掴み…頬につく血を舐める。
「やめろッ!!」
振り払おうとするが…蹴り飛ばされる。
「……ぐっ…」
「ナァ…助ケテクレヨ!!」
「同ジ長門ジャナイト…救エナインダ!!一度目ハ仲間や敵と共に葬ラレ…2度目ハ…ヤット役に立テルと思ッタノに!実験材料デ…仲間ニ裏切ラレ…」
わかるか?この悲しみが…
何を成すこともなく…沈んだ気持ちが…
純粋に…世界の為だった。
あの時…私は戦って死ぬ事が出来なかったから…。
今度こそ…誰かの役に立って死ぬんだと…思った。
だが…それは想像を絶する苦痛だった。
頭に…強い艦隊のデータを流し込まれる。
頭が追いつかず…パンクしそうになる!!
気分が悪い…。
なっ!!まだやれる!!私は…まだ…役に立てるんだ!!
頼む!
私の死に場所は此処じゃない!!
頼むッ…
まて…
何故お前達が…其処に立っている?
なあ…
何故なんだ?
オイ…待て…何故こっちに砲門を向ける…?
何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故
どうして…私…は
沈んでいる…。
仲間の…砲撃で…人間に沈められる……?
二度も…
お前達は…私ヲ…
悔しイ…ニクイ…!!!
「っ…あ……」
コレは…ナガトの過去のイメージか?
くっ…頭にモヤがかかったような…
同じ長門型故の…?
「お前ナラ…ワカルダロ?!サアワタシニ意味ヲクレ!!」
そうだな…同じ私しか…お前の苦しみは…わかってやれない…
2度も裏切られた…のなら…尚更だな。
わかったよ…ナガト…。
例え…ここで刺し違えても…お前を解放してやる!!
その時だった……
「!!!!!」
深海棲艦が放った弾が長門に直撃した。
仰反る長門。
マトモに腹部を貫通していた。
「ゴフッ……」
長門は吐血し…
ドシャリ…と水面に膝を着く。
「バカナ……クッ…何故!!!〜〜〜〜ッ!!!!」
長門は息も絶え絶えに動かない。
「ダメダ………だメダ…私ガ殺サレ…殺さナイト…」
くるりと…夕立の方を見る。
「向コウハ……フム…」
シラツユは夕立の首を掴んだままじっと夕立を見つめていた。
「ドウシタ?シラツユ」
「何デモ…」
と、シラツユは夕立を蹴り飛ばす。
「うあっ」
「このぉ!!」
起きあがろうとするがユウダチに踏みつけられる。
「シラツユがオカシイ…?オマエ………死ネヨ…夕立…」
ユウダチが笑いながら夕立を踏みつける。
ガッ!ドコッ
「うっ…あ!!」
何これ…何か…変なのが頭に流れ込んでくる…。
ニクイ……
ただニクイ。
あぁ…そうか…
艦隊計画で…仲間に沈められた……から…?
それに…あなたは…
「……」
シラツユが夕立の首を掴み持ち上げ投げ飛ばす。
「ぐっ…がっ……」
水面に叩きつけられる夕立。
「…マア…ワタシは…艦娘ガ…人ガニクインダ……トイウカ…ナンダカお前ガメザワリだッ……死ネ」
ユウダチは夕立に砲門を向ける。
何か引っかかる…。
シラツユは夕立に何かを感じている。
深海棲艦の記憶しかないのに…
何だ
何が引っかかるんだ?
夕立…
ユウダチと同じ名前…?
何か意味が…?
ドォン…という音と共に…砲撃が夕立に向かって…放たれた。
「夕立!避けろ!!」
救が叫ぶ。
「夕立!!」
白露も叫ぶ。
「……無理っぽい…」
体が動かない…。
…ユウダチとシラツユと同じように…私も…。
「提督……白露お姉…」
夕立は鎮守府に居る姉の名前を呼んだ…。
ごめん…と諦めた言葉を言いたかった。
白露…?
「……夕立…?」
体に衝撃が走る。
あぁ…ここが…夕立の最後…
じゃない…砲撃の衝撃じゃない!!
その衝撃は–––
「危なイ!!夕立チャン!!」
夕立はシラツユに突き飛ばされたから–––
なんと…敵であるはずの…シラツユが夕立を庇ったのだ。
「え…??」
「伏せテ!!」
シラツユが砲撃から夕立を庇う。
驚いたのは夕立だけではなかった。
「ナッ…!?」
「シラツユ……?!裏切ルノカ!!」
有り得ない!
私達は…生まれた時から深海棲艦で…
3人で生きてきた…
まさか…シラツユが…?
何で?!何で!?
何故裏切る!?
「ヤメテ!ユウダチ!!」
「ヤハリオカシクナッタノカ!!…裏切るナラ……お前モ!!シズメッ!!!」
ユウダチは容赦なくシラツユに向けて弾を撃ち込む。
「ガッ…グウ…ッ」
彼女は耐えた。
ガクン…
撃たれた足が挫けた。
耐えた
腹にねじ込まれる感覚…痛い
耐えた
左腕が吹き飛んだ
耐えた
右眼近くに銃弾が…目がやられた
耐えた
もう感覚もない
それでも…
何発も耐えた
例え足が挫けようと
例え片腕が吹き飛ぼうと
顔面にブチ込まれようと…
綺麗と言ってくれた目を失おうと…
それでも
「死ネヨオオオオォォ!!!」
更に更に撃ち込むユウダチ。
「アアァァァア!!させナイッ!!」
歯を食いしばって耐えるシラツユ。
何故なら後ろに…夕立が居るから。
暴風雨のように撃ち込まれる弾丸。
それでも…
彼女は
決して退かなかった。
覚えているのは…冷たい海にナガトとユウダチと生まれたこと。
ナガトが…私をシラツユ、もう1人をユウダチと呼んだからシラツユと名乗っている。
ソレより前の事は覚えてない。
何か大切なことを忘れてる気がするのに…
頭にもやがかかってわからない。
でも…何故か思い浮かぶのは…
私を守ろうとした誰か…
ユウダチは私の目を紅くて綺麗と褒めてくれた。
ナガトは深海化の影響か?と言っていた。
よくわからない。
艦娘を沈めるたびに…あの悲壮な顔を見るたびに何故か頭と胸が痛んだ…
そのことを聞くと
「カナシイダケダ…」
とナガトは言った。
ナガトは何故か殺し合える艦娘を探しているらしい。
今日夕立と言う艦娘に会った。
敵…憎い。
でもユウダチと同じ名前…なんだろう?
何かが引っかかる…。
でもわからない。
でも…
白露…の言葉…
あの声と顔で思い出した…。
私は…白露…
「このッ!!!」
深海棲艦を退けた比叡がユウダチを捉えるて砲撃する!!
「当タルモノカ!!」
「ソコ…」
シラツユもユウダチの砲撃が止まるのを見逃さなかった。
命を振り絞って放った攻撃は…ユウダチの右眼を抉り穿った。
シラツユも反動で脚が砕け散る。
「ウウッ」
「ギィァァア!!!…クソ!邪魔シテ…クソ!!…クソオオオオオオ」
右目を押さえたユウダチが叫ぶ。
「ゴメン…ネ」
バシャ…と海面に崩れ落ちるシラツユ…。
「な…何で……」
体を何とか起こしてシラツユの元へ行く夕立。
「何で敵の私を助けたっぽい!!?」
彼女は砕けて…ボロボロのシラツユを抱えて問いかける。
理解できない。
敵なのに……何で?何で?
シラツユは…その綺麗な紅い目を夕立に向けて…
残った右手で夕立の顔に触れて答えた。
『夕立チゃん…?…泣かナイで…?お姉……ャン…が…イモートを守ルノ二…理由ハ要ら…ナイ……デショ……??』
微かに…記憶の底に眠る
姉妹の記憶
暖かくて……
甘くて…
もう…もっと昔の事は思い出せないけど…
アナタの言葉で……思い出せたの……
ユウダチは…あの時…仲間の砲撃から私を庇って沈んだ…
本当は私が守らなきゃいけないのに…
ごめんね
深海棲艦化して…わすれちゃって…
ごめんね…ユウダチ…
アナタを裏切る形になって……
でも…
私にとって…ゆうだち は……妹だから
アナタを…なか…し…にさせたく……
お願い…夕立ちゃん…
この気持ちも今…あなたに流れてると思うけど…
憎しみなんかに…負けずに…
ユウダチを… …
『生きテ…』
夕立に触れる手から力が抜けて…パチャリ…と海に落ちた。
そしてそのまま彼女は……砕けた。
「あぁ……」
「あぁぁぁぁぁぁぁああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」
艦娘に本当の姉妹…と言う概念があるかはわからない。
同一艦も複数存在する。
鎮守府に居る白露は夕立の姉だ。
ユウダチにとってもシラツユは姉であったはずだ。
シラツユも…また同じくどこかの片隅に白露としての意思を少なからず持っていた。だから…ソレを思い出した彼女は…敵なのに最後に
夕立は叫んだ。
頭に色んなものがモヤと一緒に流れ込んでくる。
理解が追いつかない。
でも…わかることがひとつだけあった。
シラツユは私を守って死んだこと。
ナガトはその光景に驚いた…
何だ今のは…一体…。
馬鹿な…そんなはずは……
いや、ユウダチも傷がある…
ここは一旦引こう。
「ユウダチ…退クゾ」
「ウウ…目が……アレ…シラツユは何デユウダチじゃナクテ夕立を庇ッタノ……?」
「ウッ!!」
暗闇の右目にシラツユが映る。
彼女は…泣いていた。
ごめんね…と。
何故泣いている…?
裏切ったんだろう?
なのに…何故?
「…毒サレタンダネ…奴等ニ…大丈夫…絶対二沈メルカラ」
ユウダチはナガトと退散して行った。
響くのは夕立の叫び声だけだった。
加賀が来ると思ってたんだ!!
今書いてるんだ…。
そーだよ!!保存忘れもしたんだよ!!
本当にごめんなさいッッッ
というわけで突然のシリアスパート開始
終わるまでには書いておきますので…
質問に答えます。
もっと…甘い生活を…送りたいんじゃあ…。
今月は皆勤賞ですか?スタンプあげますね?
ラジオ体操かな?
多分皆勤賞…?
Twitterやってませんの?
何かデフォが毎日?更新してるんで…
お知らせの意味がないかな…と。
休んでよ!!
休むよ!どこかで!!
色々なメッセージありがとうございます♪
いつでもお気軽に頂けたら嬉しいです!