提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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本日2話目の投稿です!

156話も投下してるのでご注意下さい!


157話 己であるが…故に ③ 深紅の瞳に光る

頭の中が霧がかかって…る。

 

行かなくちゃ…とにかく…ユウダチを…シラツユの無念を…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夕立…」

 

「夕立は頑張るっぽい…」

「夕立は…夕立はッ!!」

 

「まだ……まだ!!戦えるっぽい!ユウダチを倒すっぽい!!」

 

 

「夕立ッ!!」

 

シン…と静まり返る。

 

 

「お前は……何故戦う?」

 

「シラツユの無念を…ユウダチを助けるっぽい!」

「助けられたから…返すっぽい!」

 

 

 

「その為に…恩を返す為に沈めるのか?死んでもいいのか?」

 

「沈めるっぽい!死んでも大丈夫っぽい!だって…それが救われた私の責任だから!!」

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿野郎!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「え…」

 

 

 

「ダメだ…」

 

「何で!!」

 

夕立の顔はあからさまに苛立っていた。

 

 

 

「このままじゃユウダチが…シラツユが可哀想だ!!

助けられた命だから…その為に使うんだ!!」

 

 

夕立は叫んだ…

言ってはならない言葉…を。

 

 

 

 

 

 

 

頭が痛い。

 

 

 

「別に私1人居なくても!明日はやってくるっぽい!」

 

 

 

夕立は泣きながら言う。

 

 

 

そうだ

明日は必ずやってくる。

 

 

当たり前のようにやってくる。

 

そこに大切な人が居ようが居まいが‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「要らねえよ!!そんな明日ァ!!」

 

 

 

 

 

救も叫んだ。

 

 

 

 

「やってくる明日にお前が居ないなら…俺もお前を守ったシラツユも…此処にいる皆も…きっと思うはずだ……そんな明日は要らない…と。」

 

 

 

「…提督…?」

夕立は提督の言葉に飲まれている。

 

 

「俺達の望む明日には…誰も欠けちゃあいけないんだ…。死んでも…沈んでも良い奴なんか…居ない!!」

 

 

「どんなに不器用な奴でも、バカな奴でも、抜けてる奴でも、ヤベーヤツでも、無愛想な奴でも、デレデレな奴でも…どんな奴でも…俺には大切な奴なんだ!!」

 

 

 

 

「でもッ!あの子はッ!私を…!」

そうだ…助けたのだから…私には……。

 

 

「なら!尚更その為に沈むんじゃねえ!!!」

 

 

「ッ!!」

 

 

 

 

「ソイツは…もう1人の白露はテメェに最後の最後に…なんて言った!!」

「思い出せッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて言ってたっけ…?

 

 

 

そうだ

 

 

そうじゃないか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕立は思い返す。

 

 

 

 

たった一瞬…。

 

 

 

たった一瞬だけ…でも最期に…彼女を守る為に姉となった…シラツユの言葉を…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『夕立チゃん…?…泣かナイで…?お姉……ャン…が…イモートを守ルノ二…理由ハ要ラナ…イ……デ…ショ??』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『生きテ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕立の頭の中の霧に風が吹いた。

 

 

 

 

 

「…生きて……って言ったっぽい……」

 

 

 

 

 

 

夕立の肩を掴む。

 

 

 

 

「……ここにも居る白露でも時雨でも…同じ事をしただろうさ」

「なら…お前はそれでも…その想いを知っても沈みに行くのか?」

 

 

 

「……」

 

 

 

 

「夕立…お前は託されたんだ!!」

 

「え…」

 

 

 

「明日だ…!お前の…ユウダチの明日だ!!!」

 

 

 

 

「明日…?」

 

 

「ユウダチはずっと止まってるんだ……過去に雁字搦めにされて…時計なんか進んじゃいない」

 

 

「本当はあのシラツユがそうしてやりたかったはずなんだ!姉として…。でも…お前も死なせたくなかったからお前に託したんだ!だから…お前が解き放ってやれ!奴を…夕立に戻してやれ!!」

 

「あのユウダチを助けられるのはお前しかいない!深海棲艦のまま死なせるな!!!」

 

「背負え…沈んだアイツ(もう1人の姉)の言葉も想いも何もかもも…!!お前には…姉が2人も居たんだぞ!!!」

 

 

「………」

…私なんかが……後押し…?

 

 

 

「まだ理由が足りねえか?」

 

 

「え?」

 

「なら……俺も理由になってやる…夕立…コレを…受け取ってくれ」

 

 

「………指輪?」

 

 

 

 

頭の中の風が強くなる。

 

 

 

 

 

 

「誓い…だ。俺はお前を離さない…。だからお前も…絶対に帰ってくるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

「…お前が帰ってくる理由に…ならんか?」

「同情だとか…そんな為じゃない!俺は…お前にも俺の明日の1人で居て欲しいんだ」

 

 

 

 

 

「そして…この馬鹿げた事を始めた奴らをぶっ飛ばしてやろうぜ」

 

 

 

「……ムードもないっぽい…」

 

「うるせぇ」

 

「提督は私を…好きっぽい?」

 

「あぁ…愛してる」

 

「私が居ないと…困る?」

 

 

「あの世の果てまで追いかけるくらいにな」

 

 

 

 

提督が近づいてきてー…

 

 

唇に…感触が……。

 

 

 

「これでどうだ?」

 

 

「…ちゅう…されちゃった…ぽい」

 

 

 

 

 

 

 

夕立の頭の中の霧が…晴れた。

 

 

 

 

 

 

そうだ…。

私は…シラツユの意思を任されたんだ…。

 

 

 

 

「……わかったっぽい」

『生きて…明日を迎える為に戦ってくるっぽい!そんで…ユウダチを…解放して……このツケを馬鹿野郎に払わせてやるっぽい!!」

 

救には夕立にシラツユが重なって見えた。

 

 

 

 

 

「……夕立」

白露が話しかける。

 

 

「白露お姉…」

 

「夕立は大丈夫っぽい!!行ってくるっぽい!あのユウダチにシラツユの気持ちを伝えてくるっぽい!!」

 

 

「うん…あの子をお願いね?」

 

 

 

その目は…もう…下じゃない。

真っ直ぐに向いていた。

 

 

 

 

「白露型……夕立…改…行くっぽい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

夕立がドックから出撃する為にゲートへ向かう。

白露にはその背中が何だか少し大きく見えた。

 

 

 

 

 

 

出撃ゲートで準備をしてる時だった。

 

 

 

 

『夕立ちゃン』

そう声が聞こえた気がした。

 

 

 

シラツユ……うん…居てくれるんだね。

 

 

 

「…私には2人の白露お姉が居るっぽい!!アナタもお姉っぽい!!」

 

 

 

そのシラツユは…

 

シラツユは…ニコリと笑い…夕立に溶けて行く。

 

 

「うん!私が一緒に戦うよ!!シラツユも提督も…」

 

 

 

 

 

心が燃える!!

 

アツい…体が熱い!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぽぽぽいーー!?」

 

 

「体が…本当に熱いっぽいーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白露は焦った。

「夕立が光ってます!提督!?って提督もおおお!?」

 

 

 

 

救は目を閉じて…そのまま言う。

 

「行け!夕立ッ!お前なら…行けるッ!!為すべきを成せ!!」

 

「ぽーーーーい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

–––夕立  改二–––

 

 

 

「夕立が……あの姿は!時雨みたいに……」

 

 

 

 

その姿は…時雨のように…白露のように…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの目…は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……シラツユ…力貸してくれるんだね」

 

 

うん…と、聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

「2人でユウダチを助けるっぽい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

出撃ゲートから夕立が出る!!

 

 

 

 

「夕立 改ニ!出るよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワカラナイ、ワカラナイ、ワカラナイ、ワカラナイ。

何故シラツユは…夕立を助けた!

私を撃った!裏切った!!

 

奴か!?夕立が何かしたのか?!

 

 

 

右目に映ったシラツユは泣いていた…

今は見えないけども…きっとそうなんだ…そうに違いない。

 

 

 

 

なら

殺さなければ…

奴を殺して…シラツユを…

 

 

 

 

 

 

#####を解放……?

 

 

 

 

何だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

#####ってなんだ?

 

 

 

 

 

 

 

ユウダチは頭に何かが過ったが…ソレが何かわからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに夕立が現れた。

 

 

 

その目は……まるで……

 

 

 

 

 

「何ダ…お前…ソノ目ハァァァア!!!」

 

 

 

「……シズメ…その目ガ気に入ラナイッ!!」

 

 

 

 

そう…

夕立の目は…

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()() 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さあ…()()と…踊りましょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウダチ…今解放してあげるっぽい!!」

 

 

 

 

「シラツユは…何故アイツの味方ヲ……!!!」

 

 

 

「ええええい!!」

夕立が突っ込む!

 

 

 

 

「フン!!」

ユウダチが夕立を蹴り飛ばそうとする。

 

 

「うっそ……ガッ!!」

受け止める…が、一撃が…重い…。

 

 

 

改二でも…こんなに差が!?

 

 

 

 

 

射撃にしても…

格闘にしてもユウダチは強かった。

 

 

 

 

 

ユウダチは艦隊計画と深海化で強化されている。

 

改二になったとは言え、夕立よりも遥かに強い。

 

 

 

 

1VS1なら尚更だ。

 

 

 

 

 

 

 

「ユウダチは…強いね…でもッ!」

 

 

 

 

 

「ハン!1人デ、何ガ出来ンダ!!何故…シラツユはお前ナンカヲ……」

 

 

 

 

 

違う。

 

 

 

 

 

夕立には…居るんだ!!

 

シラツユが居る。

 

尚更…帰る理由になった提督が

帰りを待つ姉妹が

皆が居るんだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シラツユにとっては…夕立は妹なのだ。

 

だから

最後に彼女の艦娘としての記憶が…本来の夕立の姿を映して

夕立を守ろうとさせたのだ。

 

 

あのまま行けば彼女は間違いなく夕立の敵であり、ユウダチの概念的なアネだった。

 

だが、運命は時として別の歯車と噛み合う。

 

夕立の「お姉…」の声が…シラツユに届いてしまったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またもや彼女を導くのは数奇な運命の歯車。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「夕立ーーー!!負けるなー!!」」」

白露が後方から叫ぶ。

 

白露は夕立が心配で近くまで出て来ていたのだ。

 

 

 

 

当然その声は…西波島の夕立に向けて出された声…。

 

 

 

 

なのに

ユウダチに届いてしまった。

ユウダチは反応してしまった。

 

 

無意識か

己の砂粒程度に残された夕立としての記憶からか…

 

 

 

特に…焦がれた

白露#####の声に…

 

 

「?シラツユ?」

 

 

 

 

夕立はその一瞬を見逃さなかった!!

 

「今だッ!そこぉォオッ!!!!」

 

夕立が懐に飛び込む!

 

 

 

「ッ!?」

ユウダチは驚く。

 

しかし、遅れたのは一瞬だ、何の問題も……

 

 

 

 

 

––いや

 

 

 

 

 

–––夕立が消えた!?

 

「ドコ二!!?」

 

 

 

 

––違う!!

 

 

 

 

 

 

シラツユに潰された目で出来た死角だ…!!!

 

 

また…コイツは…シラツユに導かれた…のか!?

何故…アイツを導くの!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

懐に身を沈めながら肉薄する夕立。

 

 

 

聞こえる…。

 

響くんだ!

 

聞こえるんだ!!

 

ユウダチを…

 

イモートを助けてってお姉の声が!頭の中で響くんだ!!

 

 

 

 

提督は私にしか出来ないって言ってくれた!

 

 

 

–––だから、私は夕立としてその声に応えるんだ–––

 

ユウダチに…届けるんだッ!!

 

 

夕立は叫ぶ。

 

「ユウダチイイイイイイイ!!!」

 

 

 

 

酷くその声が頭に響く…。

 

 

 

 

「夕立いいいい!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

交差する2人…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウダチは見た。

 

 

 

–––左目に映った獣の様に低く接近した夕立は…此処でのシラツユによく似た紅い眼だった。

 

目障りなほどに綺麗な……紅い目。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うああああああっ!!くらええええ!!!」

 

 

 

 

また一瞬遅れた!!

反撃…にィィ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウダチは見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無いはずの目は…####を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

右視界に映る暗闇にかつての…シラツユ#####を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんと一緒に帰ろう?ユウダチちゃん」

 

笑顔で呼びかけるの在りし日の幻影(白露お姉ちゃん)の姿が––

 

 

 

 

 

 

 

 

「オ……ネエ…チ…」

 

 

 

笑って……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ……シラツユお姉ちゃん(思い出した)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、シラツユは…ユウダチを本当の妹と知っていた…いや、分かった。

 

そして、彼女は選択した。

 

艦娘の白露として–夕立を守ることを

 

ユウダチの姉として…彼女を守るために、彼女に…これ以上仲間を傷つけさせない為に…艦娘として彼女に対峙する事を。

 

 

彼女は夕立に託していったのだ

声にこそ出していないが…

ユウダチを…頼むと。

 

 

 

妹を守るのに理由は要らないー

あの言葉は…

彼女(ユウダチ)に仲間殺しをこれ以上させない為に。

もう1人の妹(夕立)を死なせない為に。

 

 

彼女が白露であるが故に…

姉は命を賭したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お姉ちゃんが笑ってる……

 

あぁ…そうか…

お姉ちゃんが泣いてたのは……

 

姉として…

私を…自分で助けられなかったから…か…

私の事を…(夕立)に任せなくちゃいけなかったから……。

 

そして…

私がお姉ちゃんを庇ったことを

ずっとごめんて言ってたんだ…

 

 

 

 

 

ごめんね…お姉ちゃん…。

 

 

 

 

 

 

 

「同じ夕立として…妹として…あなたの全てを背負って行くっぽい!!」

 

 

 

 

シラツユが言ってる…。

あの子を…壊してと聞こえる。

 

 

 

違う!

そうじゃない!

 

あなたも…妹殺しにさせない!!

 

 

 

だから…

 

ごめんシラツユ…

やっぱり夕立は…撃てないっぽい

 

だから…夕立なりにぶつけるっぽい!!

 

 

 

 

 

夕立は…ユウダチの持つ武器を自らの武器で殴り落として

 

 

 

 

想いを込めて脚を繰り出す。

 

 

 

  

 

 

 

 

夕立のゼロ距離での蹴りは––

ユウダチを…ユウダチの心を貫いた。

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い…出した…

 

お姉ちゃんは来てくれた。

 

最後の最後に

思い出の中にあった…

見たかった…あの笑顔で……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ネエ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

「…何?」  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でアナタハ私ノ手ヲ…?敵ナノニ」

 

 

夕立はユウダチの手を取っている。

あの時の自分とシラツユのように。

 

 

「私の中にはシラツユお姉が居るっぽい」

 

 

「だからユウダチも…私の姉妹…ぽい」

 

「私も…姉妹…?」

 

 

 

 

姉妹–何故だろう

その言葉で…涙が溢れる。

 

 

 

 

 

「…お姉チャン…が…帰ロ…ウって……」

 

「うん…」

 

 

ユウダチは左手で夕立の顔に触れる。

 

 

ポロポロと崩れる親指で彼女の目元に触れる…。

 

 

「その目……おネエちゃんにソックリデ……綺麗」

 

 

 

そう…私が言ったんだ…

紅くて綺麗だねって…。

 

あの時のシラツユお姉ちゃんは…嬉しそうだったなあ…

 

 

 

 

 

「ありがとう…」

夕立はその手に手を重ねて…

 

 

 

ユウダチを抱き締める

壊れてしまわないように…そっと

 

 

 

「ア………お姉チャン…?迎えに来て…くれたン…ダネ」

 

 

 

「…」

その姿は………私には見えて……いや、見えた。

私から出て行く…彼女の姉が。

 

 

「ウン…行く…ヨ」

 

 

 

 

「今を生きる…もう1人の…私……あなたは特別…な夕立…。」

 

「お願い…もう…こんな…辛い思いをする…艦…娘が居なくなるように…」

 

 

 

 

「約束するっぽい!!」

 

「だから…シラツユお姉と一緒に私の中で…見てて」

 

 

 

 

……優しいんだね…

 

 

 

「あ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー行こう?夕立

 とシラツユ(白露)が言う。

 

 

 

––お姉ちゃん!!痛かったよね?ごめんね?

 ぽろぽろと泣くユウダチ(夕立)

 

 

 

 

 

––夕立…大丈夫…私こそ…目ごめんね?

 

 

 

ーううん!大丈夫!

 

 

 

ー良かった。さあ、行きましょ?置いて行くよ?

 

 

 

 

––待ってよ!一緒に行くっぽい

 

 

 

 

––うんうん。一緒に…行こうか

 

 

 

 

––ねぇ!今日の夕飯はー……

 

 

 

 

 

 

その2つの光は…重なり合うように還って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウダチは還った。

姉と自分に見送られながら…

姉に手を取ってもらって

 

 

 

「っはーーーーー!!!」

 

「終わったっぽい」

 

 

 

「ううん…始まり…。もうあなた達みたいな艦娘を増やさない為に」

 

 

夕立は海に寝転がり言った。

 

それは自分に向けて

姉妹に

 

もう一つの姉妹に

 

提督に

 

 

 

 

 

 

もし、艦隊計画に巻き込まれてなかったら…

こんな悲劇は無かっただろう。

 

 

 

 

 

もし、シラツユが夕立を助けなければ…夕立は改二になる事もできなかった。

そもそも、今は海の底に沈んでいただろう。

そしてユウダチは夕立を沈めた艦娘になっていた。

 

もし、シラツユがユウダチの目を撃ってなければ…死角に入ることも…

ユウダチがシラツユを見ることも無かった。

 

 

運命とは小さな歯車か変わるだけで大きく変わる。

 

 

 

もう1人の姉によって生まれた運命。

 

 

 

 

 

 

 

誰も知らない…

きっと知ることはない姉妹の物語。

 

 

 

 

悲壮な運命を辿りながら…

辿り着いた海で…

 

 

 

姉は…最後まで2人の妹守ったのだ。

 

 

 

夕立は泣いた。

とかく泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

寝転がる妹を姉が迎えに行く。

 

姉は…あのシラツユとユウダチの分まで夕立を抱きしめる。

 

「お帰り…夕立……」

 

「…ただいま」

 

2人で…泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…次はアイツかなあ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長門……」

 

「提督ッ!!出撃許可を!!」

 

 

「ダメだ…」

 

 

 

 

 

俺は長門と喧嘩しに来た。

 




ユウダチ編です。



少しでも良いなッ!と思って頂けたら幸いです(๑╹ω╹๑ )




いくつかですね
最終回近いんですか?
終わっちゃうんですか?続けてくださいというメッセージを頂いております。


やめませんよ!!

ほぼ!ほぼ!毎日の投下もやれる限りは…

ただ、投稿の為に薄くしてしまうと本末転倒なので
まあ…できる範囲で早めに投稿しますよー!

応援していただけるとありがたいです!


コメントやメッセージお待ちしています!
お気軽にお願いします(๑╹ω╹๑ )!
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