提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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159話 己であるが故に ⑤ 帰還…そして

「帰還した」

 

3人は帰ってきた。

 

 

 

夕立と長門は、

改ニになっただけでなく

何か覚悟が決まったような顔は…ひとまわり成長したような…?

 

 

「さあ!!馬鹿野郎をブチのめすっぽい!!」

 

「どこにいるんだ!馬鹿野郎は!!」

 

 

 

やる気は空回りしていた…。

まだ犯人もわかってねえよ…。

 

 

 

てか…俺が動けねえよ…。

全身包帯だよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光を恨み、仲間に沈められたナガトは…温かみを忘れて、己の在り方と死に場所を求めて迷い続けた。

 

 

 

 

艦娘としての夕立は姉を守ろうとした。

棲姫としてのユウダチは人を憎み、殺そうとし…姉に焦がれた。

 

 

 

 

 

シラツユは…

彼女はその生命を賭して夕立を守り抜いたのだ。

そして、妹をこれ以上艦娘殺しにさせない為に…

 

 

 

 

 

 

 

西波島の夕立は妹であるからこそ

もう1人の姉の想いを背負って歩く。

 

 

西波島の長門は…温かさを知るからそこ…誇りを胸にナガトを背負い歩き続ける。

 

 

 

 

 

己であるが故に

その生き方に従った。

 

 

歩んだ道が違うから…

その生き方は変わった。

 

 

 

 

交わる事のないはずの生き方は数奇な運命に導かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死とは生きること。

 

例え、何を残せずとも、為せずとも…其れを継ぐ者が居る限り…

背負う者が居る限り…

決してその燈は消えない。

 

 

 

 

彼女達は伝えられたのだ、受け継いだのだ。

3人の意思を…想いを…その燈を。

 

 

そしてそれを背負って明日へと進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府には御蔵が来ていた。

 

久しぶりに来たら提督が艦娘と殴り合いの末、包帯ぐるぐる巻きって…ねえ…と言っていた。

 

 

「敵旗艦はナガトで…艦隊計画破棄後に深海化した模様です…我らの方で彼女達を呪縛から解放しました」 

と、かいつまんで説明するのは救…。

 

「長門に夕立に…白露か…奴らも…浮かばれるだろう」

そう話すのは御蔵だった。

 

 

「……はい」

 

 

 

 

「…じーさん…誰が何の為に艦隊計画を進めたんだろうか?」

 

「…わからん……」

 

「……そも…そんな短期間であれほどのデータが集まるのかな」

 

「かなり秘匿されたものじゃったようじゃ。今となっては…大石や真壁もおらんしのう」

 

 

「………ですよね」

 

 

 

 

 

 

「それより…この空気なんじゃが……」

 

 

 

「………」布団に潜る救。

 

 

 

 

 

 

「……で?言い訳は?」

 

 

「……無い」

布団の中から返事する救。

 

 

「この前と言い今回と言い!ダーリンは馬鹿野郎デース!!」

 

「艦娘…もといゴリラ娘相手に殴り合いの喧嘩を仕掛けるなんて…一歩間違ったら死ぬんですよ!!」

 

「そうだよ!!そんな…事…」

 

「ゴリラは言い過ぎじゃないか?」

と、長門が苦言を呈する。

 

「「うるせーわ!本気で提督殴りやがって!」」

 

「ぐっ……事実だ…」

長門は磔にされて、駆逐艦勢に柔らかい棒でポコポコ叩かれている。

 

 

 

 

 

 

「や、やめるんだ…天使達ッ」

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

「喜んでね?」

 

「寧ろ…ご褒美じゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

「意味ないけえ…本気でやるんよ?」

 

と浦風達が本気で叩く。

 

スッパァァン!!!

 

そのしなりは…ムチのようだった…。

 

 

「っー!ッー!!!!」

声にならない悲鳴をあげる長門。

 

 

「はーーい」

と、駆逐艦勢(幼)と駆逐艦勢(大人)勢が叩いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

それを見た救…。

 

 

包帯だからやらないだろう…は通用しなさそうな事を理解した。

 

 

 

 

 

「座って口を…言葉を並べるだけが伴侶か?」

「違うだろう?俺は…伝えたかった…長門に…」

「例え相手がお前らでも同じ事してたよ」

 

 

 

 

「…提督…」

「そうだよね…」

 

 

 

と、艦娘は言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「––––なんて納得すると思ったか!!ばっきゃろう!」

 

 

 

「不器用人!」

「バーカバーカ!!」

「とーへんぼく!!」

「変態!!」

 

 

「言いたい放題だな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全身包帯に言われてもねえ……」

 

「…せやな…」

 

「敵じゃないもんねえ…長門さんは…味方のはずなのに…」

 

 

 

 

 

 

「もはや才能ですねご主人様。何かある度にお怪我をされるのは…」

 

「言い方よ、言い方」

 

 

 

 

 

「ねえ…提督?」

 

「どした?夕立」

 

「目が…戻らないのですが…」

 

「……にんじん食べる?」

 

「ウサギじゃねーよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

後日、また

島の端の方に小さな石碑を建てた。

 

 

彼女達は、それでも、この国と人の為に戦ったのだ

戦おうとしたのだ。

それだけは忘れてはならない。

 

例え皆が分からなくとも…俺達は覚えている。

 

 

だから彼女達の死が無駄にならないよう…

平和の礎となったことを証明する為に…

俺達は進み続ける。

 

 

 

花束を海へ流し…

 

「敬礼ッ!」

 

 

ビシッと敬礼をする…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ…収穫が無かったわけではない…。

解決…できるかは不安だが…これ以上あの子達を増やさない為に…頑張ろう。

 

 

 

 

傷を治すのもね…

 

 

 本当、最近怪我ばっかり…




こんにちは?

今回は裏テーマとして 死 がありました。

この作品では轟沈=死…ではない捉え方もしております。
生まれ変わったりしますしね。


生傷が絶えない提督ですが
まあ…大丈夫でしょう。


謎は残りましたが…
果たしてクソ野郎をぶちのめすことはできるのか?



次からは扶桑とゴーヤ編です(๑╹ω╹๑ )!




少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです!




ユウダチやシラツユの立ち位置
夕立や長門の想いはいずれも死を厭わないものでした。
引かれ合うものがあるのかも知れません。
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