提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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本日2話目ノ投稿デス
ゴ注意下サイ


独自展開有リ

胸糞注意



188話 虚写す鏡の海 ③ 覚悟

「汝達は指揮官様を…!!」

と、桜信濃が言う。

 

 

しかし、榛名達の目は一切の揺るぎは無く…

「いいえ…私達は提督を信じていますッ!任せられた任務を遂行します!」

 

 

 

 

「榛名さん!ここは私達が…!榛名さんはあの人達の元へ!!」

赤城達に提案されて榛名はビスマルクの方へと向かう。

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘中の赤ビスマルク達。

 

「む?」

 

 

別の勢力がセイレーンの艦船を攻撃している?

ええい、もう訳がわからん…。

 

 

と、その時

「ビスマルクさんですか!?」

と声を掛けられた…が見知らぬ奴だった。

 

「知り合いか!?」

 

「いや……新手かッ!?…いや、なぜ私の名前を知っているッ!?」

 

「ダーリン…いえ、提督にあなた方と合流するように言われて来ました!」

 

「ダーリン…?提督…?誰だそれは!」

 

「神崎 救と言う人ですが…」

 

 

 

その名前は…!

「指揮官の名前…」

ティルピッツが反応する。

 

「貴様ッ!指揮官の居場所を知っているのか?!さてはセイレーンの手先か」

 

 

この状況では怪しまれるのも仕方ない…

赤ビスマルク達は榛名に砲身を向ける。

 

 

「聞いてください!」

榛名は説得を試みる。

 

 

「お前達のような奴が何名もいた!でも敵だった!」

 

 

 

 

敵…?

どういう事?

 

でも今は…それよりも…

 

榛名は艤装を解いた。

 

「敵意はありません!どうか信じてください!」

榛名は必死に呼びかける。

 

 

「…奴の言うように…味方なのか…!?」

「まて!罠かもしれん…」

 

懐疑的になる2人。

 

 

お互いに膠着状態が続く。

 

 

 

 

 

 

「お待ちなさい…2人とも!榛名さんは味方です!」

 

 

 

 

桜赤城だった。

 

「桜赤城……」

 

 

 

 

………

……

 

 

 

「なるほど……」

 

大まかにではあるが桜赤城から説明を受ける2人。

 

 

そこに

 

「すまん!遅れ…た」

大和に連れられてずぶ濡れの救が合流した。

 

 

「……指揮官…」

 

「あなたが…」

 

「お…画面で見た通りか…ビスマルクとティルピッツだな?」

「大変だったろう…よくここまで耐えてくれた」

 

 

 

 

 

 

 

 

何気な一言だろう…。

しかし、何故かその言葉にグッと来るものが胸から込み上げて来た。

 

「いや…指揮官と合流できて…幸運だ」

貴方は本物の…私達の指揮官か?

何故ここに?

その者達は?

 

もっと聞きたい事もあったが、今はその言葉で十分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「して…指揮官よ。私達が偽物だと思わないのか?」

 

 

 

 

「その時はその時さ」

 

むう…と言う赤ビスマルクだが…

 

 

 

 

 

 

「……なあ指揮官」

赤ビスマルクが言う。

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

その言葉にハッとする救。

 

 

「どういう事だ?!」

救の目が変わった。

 

 

「コイツらも…鬼みたいになるのか?」

 

 

「鬼…?どういう…「ダーリンさん!!アレを」

言葉は榛名に遮られた。

榛名の指差す方には他鎮守府の神通らしき後ろ姿があった。

「きっと神通さんです!!」

 

「お!居たな!保護を……」

 

艦娘達が其方へと行く。

 

 

 

赤ビスマルクも、ふとそちらを見る。

「…アイツは……!!やめろ!!指揮官!」

 

指揮官の方へ走り出す赤ビスマルク。

 

 

 

「神通さん!もう大丈夫で……」

 

 

 

「ア…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

振り返った神通は……神通だったものは…

 

 

 

「!?!?」

ばっと後ろに飛び退く榛名と救。

 

 

 

「指揮官!もうここに居るカンムスとやらは……もう!アレは…」

追いついた赤ビスマルクが言う。

 

 

 

 

そこには…深海化…

今までにも見たことがない様な艦娘だった者が佇んでいた。

 

 

 

「…キューブで何かされたのかもしれない」

赤ビスマルクが言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KAN-SENを創るのは…

 

 

 

リュウコツとなるメンタルキューブと

"艦としての記憶" "情報"

 

奴らは…

そこを利用したのか?

 

深海棲艦の情報、艦娘の情報を軸に

無理矢理組み替えたのか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時…神通だったモノが言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助け…て…あァ…西波島ノ…提督……?…お願イ…助けテ」

 

 

「おお!今保護して……」

 

 

その神通であろう艦娘は笑顔で言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺しテ…」

 

 

 

「!?!?」

 

 

 

「少シずツ…意識が無くなルノ…嫌…化け物ニなって死ヌのも…皆ト戦うノモ嫌なノ……」

 

「お願イ…」

 

 

 

 

 

 

「私ヲ…まダ…艦娘だカラ……今ノ内に…艦娘のママ沈めテ……」

 

 

 

 

悍ましい光景だった。

艦船に…駒として艦娘が利用されていた。

半分深海化し…微かに残った自我で助けを求めていた。

 

 

そこら中から響く声。

 

見れば…無数の艦娘だった者達がこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

「諦めない…で下さ……」

榛名が言葉をかけようとした時だった。

 

他のカンムスだった者が叫んだ。

 

「諦めないでナンテ言わナイデ!!自分の事は自分ガヨク分かる!自分が…自分で無クナるのが分カルの!」

 

「なら…セメテ…せめテ…温かい思い出ノ中デ眠りたい」

 

 

 

 

 

 

「どうする!?指揮官!」

赤ビスマルクが指示を仰ぐ。

 

皆の注目が救に集まる。

 

 

 

 

 

「・……」

 

何故…こうなる……?

 

どうすれば良い?

 

また答えが出せない自分が居る。

苛まれる自分の心。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アぁ…」

 

神##?は思った。この提督は優しいんだ…と。

ギリギリまで私達の事を考えてくれて……

でもそれじゃあ…遅い。

私達も…限界だから

 

ならせめて…

その優しさの中で…眠りたい(沈みたい)

 

 

 

 

 

–––ごめんなさい––優しいあなた––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウグァァァア!!」

彼女は駆け出した。

一直線に救の元へ向かう。

 

 

「くっ!」

 

判断が……!!

 

 

こちらへ来る神通

間に立ち塞がる大和

 

 

 

 

 

 

「提督ッ!!!危ないッ!」

大和が神通だった艦娘に砲撃する。

 

 

 

ドォン!

 

 

 

 

その艦娘は…

砲撃と共に半身が…吹き飛び

 

 

 

 

 

 

 

「……ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう…ごめんなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑顔とその言葉と共に彼女は…砕けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ…お前…わざと…」 

救を含め皆にはその言葉と表情が見て聞こえた。

 

「そんな……」

 

 

 

 

 

 

 

「ぅぁああ!!!」

「ガァア!!」

 

それを真似してか…

奇声を上げてコチラヘとやってくるかつての艦娘達。

 

ある者は涙を浮かべて

ある者は助けを求めて…

 

沈めテ…と。

 

 

 

 

 

 

「ヤメロ!お前達ッ!!やめてくれえええ!!」

 

 

その言葉は届かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴様は甘すぎるッ!!』

『非情にならねばならない時が来るのだ!』

 

とある男の声が脳裏に浮かぶ。

 

 

 

 

 

 

 

彼女達は選んだのだ。

艦娘として雷撃処分で味方を沈めたと言う意識を持たさない為に

 

敵として倒されることを…

 

彼女達なりの優しさ…が

最後の気持ちがそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

「ダーリンさん!…榛名が代わりに指示を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…全員構え!!!」

 

 

 

 

 

榛名が代わりに指示を出そうとするのを遮って救が指示を出す。

 

 

 

「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

「指揮官…様?」

 

 

 

 

 

 

「彼女達を…せめて艦娘のまま…眠らせて欲しいッ。すまない…俺に力が無い為に…」

 

 

無力な俺を許せ…

背負う。

お前達の無念も…その誇りも全てッ!!

お前達の轟沈を…無駄にはしないッ!!

 

 

「……撃てぇええええええええええ!!」

 

 

 

 

 

 

轟音と共に沈み行くかつての同志達。 

 

パキンと砕ける者。

沈む者。

 

 

 

 

だが誰1人として恨む顔をしなかった。

こんな決断をさせて申し訳ないと言う顔とありがとうと言う者達だけたった。

 

 

 

 

「あああああぁッ!何がありがとうだよお…!ちくしょおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

割れた鏡は消え行こうとも…

 

残された者は…傷は深く。

 

 

 

 

 

 

 

「ダーリンさん…」

榛名は泣きながら彼を抱きしめる。

 

 

「……ありがとう…榛名。大丈夫…だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…敵性侵食を確認、元に戻す術もなく…彼女達の意向に沿って…雷撃処分としました……」

「うちのメンバーに確認させてる艦娘のリストは送ってあります…」

 

 

「そうか……それは辛い役割をさせた」

「当該鎮守府へは俺から説明しておく…からお前は休め神崎…」

 

 

 

 

 

 

電話を切り一息つく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…しかし…神崎…お前にはもっと辛い現実が待っているかもしれん…」

巌はポツリとつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さて!今日からもがんばるか!!」

救が伸びをしながら言う。

 

 

「もう大丈夫なのですか……その…お心の方は」

桜赤城が話し掛ける。

 

「まあ…キツいけどさ…アレで彼女らが救えたなら…と思うしかないよ」

 

 

「さあ!飯行こう!」

 

 

「…絶対に!」

 

「ん?」

 

「何があっても…お隣で貴方様をお守りします」

 

「ああ…ありがとう」

 

 

 

どこか小さく見える背中は……儚げで…

 




闇が深い話となりました。

非情になるというより
腹括ると言うか何というか…。

オリジナル展開ですがお楽しみ頂けたなら幸いです。


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