提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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190話 桜大鳳と1日夫婦 ②

こんな私…

 

お役に立つ…

 

 

その言葉を桜大鳳はよく使う。

よし…今度は…俺の番か…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コレなんか如何ですか?」

 

「ん?いいねそれ」

「てか……あーーなんでもない」

 

よく俺の好みわかったな…って言葉は無意味だもんよ。

やめておこう。

 

「それどーするの?」

 

「指揮官様がお部屋に来て下さる時にお出しするお茶用です」

 

「そのお箸は?」

 

「その時にお料理をお出しする時のお箸です」

 

 

 

 

 

 

「その枕は?」

 

「指揮官様がお泊まりするときのため用です♡」

 

 

「布団とかは?」

 

「一緒の布団で寝ますので…」

 

「狭くない?シングルでしょ?」

 

「その方が…一緒にいられるので…」

 

「なら、他にも服とか必要だよなー」

と笑いながら冗談を言ってみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?もう有りますわよ?」

予想通りというか…当たってはいけない予想が当たった。

うーーん平常運行!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんやかんやで買いまくった桜大鳳。

 

「沢山買ったなあ…俺関係のやつ」

 

「ええ!貴方のお役に立てるなら!」

 

「……ふむ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショッピングを済ませた帰り道

 

 

「…うふふ……」

 

桜大鳳は思い出したように笑う。

 

「ん?」

 

「私の作った合鍵…コレクションしてくれてたんですよね?」

 

「ん…まあね」

 

「それは…私の事を意識してくれてる…んですよね?」

 

 

「まあ…好きだから作ったんだろう?」

「最初はマジかーーって思ってたけど…懸命に作るお前の姿を思うとなあ…捨てられなくてなあ」

 

ぶっちゃけ…

最近はクオリティもあがってきて少し…少しだけ!

楽しみなところもある。

 

 

「それに……愛してるからなあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…こんなカンレキでもですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンレキとは…艦歴…つまり、彼女達が艦として辿ってきた道だ。

 

…空母としての大鳳…。

 

僅か3ヶ月での轟沈…初の戦場での事だった。

 

 

これが結構重要視されてたりする。

着任拒否も珍しくはないのだ。

故にコンプレックスに感じる者も少なくない。

 

即ち、桜大鳳のカンレキは良いものでは無い…と言われてる。

彼女もその1人だ。

 

だから言う。

 

お役に立ちます。

––だから見捨てないで。

 

 

貴方のために…

––だから私を見て。

 

 

 

と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?」

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

「だから?」

 

「え…いや…嫌にならないんですか?」

 

指揮官様は指輪を磨きながら言います。

「なら嫌と言ったら好きを諦めて…出て行くのか?仕事上だけで一緒に悩んだりしてくれるのか?」

 

「いえ!そんな事はありませ…ん」

 

「お前から見て俺はそう言う奴か?」

 

「いえ…」

 

 

「なら答えは出てるじゃ無いか」

「それに…俺は言った筈だぞ?」

 

 

「例え…ここ数年で180本の合鍵を勝手に作るバーサーカーだろうと、君を愛していると」

「…でもぉ〜?そんなこと気にしちゃう…悪い子には…指輪は返してあげませーーーん!」

 

 

「!?!?!?!?」

「し……しきかんさまぁ!?」

「い、嫌です嫌です嫌です嫌です嫌です!!ください!返してください!」

 

それ無しでは生きていけません!

それ無しだと…もう足りないんです

1人の時でもあなたを感じられるものだから

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「何でもしますから!」

 

 

 

 

「違う」

 

 

 

 

 

 

「…え?」

 

「役に立つとか立たないとかじゃ無い」

 

 

「それなら…俺の事を愛してくれる他の強い空母の子の方が良いか?」

 

「………ッ」

 

 

 

「違うな」

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「他の桜大鳳でもダメだ」

 

「俺の為に…世界を超えてくるくらい愛してくれる…バカなKAN-SENの桜大鳳じゃないとダメなんだ」

 

他の大鳳も…まあそのくらいするか…?

いや…ないだろう。

君だから…来たんじゃないのか?

 

 

「泣きながら一緒に悩みましょう?私達も背負いますと言ってくれる暖かさをくれる君じゃないとダメだ。…そんな君が好きだ…愛している」

 

「…しき…かんさ…ま?」

 

 

「役に立つとか…立たないとかじゃない…ありのままの君で居てくれるなら…コレを今一度受け取って欲しい」

 

 

カチリと合わせた指輪を台にはめて差し出してくれた。

 

 

 

「はい……私は……居ます!ありのままで……あなた様のそばに…居させてください!!」

右手を差し出す桜大鳳。

 

 

「左手を……」

 

「え……はい!!」

 

 

赤城先輩と同じ…

左手の指輪…

 

 

ちう……

 

 

 

え?

あの…指輪に夢中で…

一瞬過ぎて!!!ああ!!私の馬鹿あ!!

 

 

 

「しししししし指揮官様ぁ!!…あの……もう一回……お願いします」

 

「ん…」

ぎゅっと彼を抱き締めた。

意地でも唇を離さなかった。

 

涙が溢れてくる。

ありがとう…ございます指揮官様…。

 

 

 

 

 

 

 

 

物凄い力で抱き締められた。

キスをする口も離してくれなかった。

 

彼女から流れる温かいものが…きらりと見えた。

涙だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷは…指揮官様…もっと…もっと…ぐす…壊れるくらいに抱き締めてください。壊れてしまうくらい愛してください」

 

 

 

 

私を愛してください–

その言葉に全てが篭っていた。

 

 

カンレキを重要視する世界だからこそ…

 

 

 

 

 

 

まあ、俺はそんなもの気にしては居ないのだが…

彼女にとっては大きいのだろう

でも…そんな思いはしないで欲しい。

大切なのはお前自身なのだから…

 

 

 

わかったよ…と

 

 

それに応えるように強く強く抱き締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体と…口が少し痛い…

本気でやって来たな…桜大鳳め…

 

 

 

 

 

 

「…もう……離しませんからね?」

 

目の前に居るのはキラ付けされた桜大鳳

 

 

 

「離れてくれるな」

 

「はい」

 

 

 

 

「あ!でも鍵は変えるからね!虹彩認証にするわ」

 

「そんな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

181本目の鍵を作りながら思います。

 

私も指揮官様に救われたんだ……と…。

私が力になるつもりだったのに…。

こんな(カンレキ)……いえ

空母 大鳳()を愛して下さる指揮官様…。

 

 

きっとお守りします。

ずっとおそばに居ます…。

離しませんから…。

 

 

 

 

 

 

え?

あの!?

 

指揮官様ぁ!?

 

それは……えへへへへ

 

あ"ーーー!!!没収だけは!!没収だけはーー!!!

 

 

え!?もう鍵変えたのですか!?

虹彩認証…!?!?

 

 

 

 

 

むむむ

 

指揮官様…?片目…………ですよね!

無理ですよねえー……はう…。

 

 

 

え?

たまにならお茶に呼んでくれたら?

こちらから行くよ…ですか?

 

は、はははははい!!

お待ちしています!

 

お待ちしています!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなやりとりがあったとか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……鍵が変わってますぅぅ!?」

 

「くっ!!コレじゃあ……くそう!!」

 

 

 

 





ぎこちない話ですが…
どうでしょうか?

彼を彼女が支えて彼女を彼が支えて…。
そんなお話にしたかった…。

少しでもお楽しみ頂けたなら幸いでーす!


感想などお待ちしていますー!!
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