提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「敵機!多数こちらに接近!更に右側の霧から迂回して抜けて来ます!!」
「相手も…二手に?」
「多すぎる!」
「霧の中では戦えない…この数が…私達の後ろに向かったら…皆の前に突然現れたら…鎮守府も…近海域で戦闘中の皆も…無事じゃ済まない」
赤城は覚悟を決める。
「皆さん!聞いてください!戦闘可能範囲が広いのは霧を抜けたこちら側です!ここで食い止めます!!」
赤城が皆に伝達する。
「…大淀さん!情報伝達と援軍要請を!…そして奴らをここに全て引きつけて戦闘します!合図と同時に砲撃で敵の視線をこちらに向けます!!」
「大淀さん!援軍の到着…奴らの鎮守府近海までの到着時間は!?」
「およそ…5分です!!」
テスターβはニヤリと笑う。
『そうだなあ…運命の5分間…てとこかしら?』
「ふふ…」
「まるで運命の5分間って訳ね…」
深呼吸をする……。
赤城は前を向く。
加賀が赤城に言う。
「赤城さん!私達なら絶対やり遂げれます!!」
頷く飛龍達。
「皆さん…共に勝ちましょう!乗り越えましょう!」
「開始します!!」
「蒼龍、飛龍、長門、天龍、ゴーヤ、翔鶴、比叡、川内はこのまま此処で!他は私と共に右側の侵攻する敵を食い止めます!!」
「やるよ!」
「飛龍!あれ!」
蒼龍の指さす先には……
「……赤城さんに加賀さん……あとは…」
『シズメテ…助けテ…』
『貴方達モ…沈むノヨ…』
『…同じ飛龍でも……容赦しません』
重桜鏡の飛龍がそこに居た。
赤城に対するのは
「こっちは………」
『赤城サン……』
「加賀…さん…に鳳翔さん…まるで予想されてたみたいね…」
「それに…」
「桜赤城さんまで…」
『……』
鏡の桜赤城はニヤリと笑う。
「……加賀…天城姉様…」
『…桜赤城…お前はここを超えられない』
『…沈んでちょうだい』
桜赤城の前には…桜加賀と桜天城が居た。
あなた達は私の知る2人じゃない…。
でも…その強さは知っている。
「…赤城先輩……しゃきっとして下さい?」
「桜大鳳…?」
「先輩が弱気だと…私達も不安になりますよ」
「退いて!赤城さん!お願い!!」
『無理ヨ!!体…ウアア!!』
蒼龍と赤城が対峙する。
制空権争いは激しさを増して一分の隙もない。
「きゃあ!!……さすが…前で引っ張ってきた一航戦…。でも!私達だって!!」
全てに極限まで集中する。
「…ッ!!」
『どうした?まだまだですよ?』
飛龍同士の戦いも熾烈を極めている。
矢を掴む手が痛い。
でも…負けられない!!
「長門さんッ!!」
「うむ!!」
翔鶴と長門が連携する。
が…
攻撃は激しさを増す。
艦娘達だけじゃない。
ほかの艦船や深海棲艦も相手にしなくてはならない。
援軍が来るまで…
絶対に後ろに行かせない!
私達は!
守るんだ!!
……
…
「はぁッ…ハァっ…」
頬に汗が伝う。
ぴちゃんとその滴が海に落ちる音すら耳に入る程の集中。
「さすが……鳳翔さん…ハァッ……」
『…赤城……お願イ……モウ…立たナイデ…』
『一航戦の誇り…私達の方が上なんですよ』
「無理ですよ…絶対に…行かせやしないッ!!」
『あっちハ、モウ…沈んデルのニ……?』
「え?」
ちらりと左側の視界に炎が映った。
「炎…?まさか!?」
運命の5分間…。
本当に…運命の5分間…だとしたら?
「飛龍ッ!蒼龍ッ!!!」
赤城が見たのは…
炎に飲み込まれた2人と
膝から崩れ落ちている翔鶴…。
その翔鶴を攻撃から庇う長門。
傷ついた比叡達だった。
多少の違いはあれど…
あの時と同じー…
「嘘…」
嫌な予感がして皆の方を見る…。
ズキン…
頭が痛いッ…これは…
これは?
桜赤城がハッとする。
運命の5分間…
そんなワードが頭を過ぎる。
「まさか…まさか!!」
『そうだ!全て繰り返されるッ!お前も…ここで沈むんだッ!!!』
運命の歯車は…
「そんな……」
ダメなの…?
再現する海域
即ち…運命すらも……?
いや!!
そんな運命…覆してやる!!
今迄もそうだった!!
ずっとそうだった!!
何度も何度も抗った!!
踏ん張って相手を睨み弓を構える。
「負けられないッ!!!」
前を向いた時だった…。
「赤城さぁぁぁぁぁあん!!!」
加賀の叫びだった…。
嘘ッ!?
直…上……?
全てがスローに見える。
こちらに叫ぶ加賀さんも
飛龍も蒼龍も…
まるで運命に引き寄せられるように…
いや…どう足掻いても
私達の命はそちらに流れるの…?
ズドオオオン!!!
わた
し
嘘よ…
「赤城……!?」
『余所見をする余裕はあるのか!?』
爆風で吹き飛ばされる桜赤城。
「ぐうっ…!!」
「加賀!天城姉様!!」
「わかっているでしょう!?おやめなさい!あなた達は利用されてるの!だから…」
『これが私の正義だッ!!』
桜加賀が言う。
「そんな事ないわ!」
『弱ければ死ぬッ!常に正しいのは勝者だ!』
『お前が正しいと示したいなら…私達に勝て!』
『赤城ちゃん…一思いに…沈めてあげる』
『それが…運命なのだ!』
「違うッ!」
「私は…私達は…!!」
「幸せな明日の為にこの運命を!!」
『私達を殺して…でもか?』
と、桜加賀が言う。
ズシンとその言葉が心に突き刺さる。
「……うわよ」
『何かしら?赤城ちゃん?』
「背負うわよ…あなた達の思いも…命も…。でも見てなさい!!絶対に後悔させないッ!私達の見る明日があなた達の思い描いた世界にして見せる」
『………勝てねば所詮戯言…お前も所詮はコピーなのだ!!』
爆撃機が桜赤城を捉えて爆撃する。
直撃…。
ガクリと膝から崩れる。
ドロリと額から血が……。
「指揮官様…」
桜赤城が手を伸ばす…。
赤城は…私は知っておりますとも…。
私が…素体のコピーである赤城である事くらい。
あの日…あなたは言ってくれました。
お前はお前だと…私だから良いんだと。
私は…
私は…
私は耐えながら歯を食いしばった。
ここは…?
赤城が目を覚ます…。
「赤城…加賀…皆…」
提督……。
「…慢心してませんでした……いや…私達なら大丈夫と言うのが慢心でした…」
「赤城…」
「…繰り返すのですか?私達という存在は!逃れられない中にあるのですか?!私達は負け–––「赤城…」
救がその言葉を塞いだ。
「はい…」
「
「は?」
思わず加賀や大和達全員で聞き返した。
救は続ける。
「六駆組達が育てた米が収穫されたからな…足柄にカツも揚げてもらって…炊き立てのご飯でカレーを食べよう」
「提督…何を言って…」
「俺が皆のおかわりも満足行くまで作るからさ」
「何を言っているんですか!こんな時に」
思わず睨んで言ってしまう。こんな時なのにッ!!と…。
「だから皆で
「「「「…ッ!!」」」」
家に帰る…。
皆で帰るんだ…。
その言葉が私達の心に突き刺さった。
帰る…
そうだ…あそこは…
私達の生まれた家。
沢山の思い出の詰まった…
愛する人の待つ…
私達の帰る場所ー…
沈んだら帰れない。
あの人のカレーも笑顔も…
楽しい時間も何もかも!
そして何より…
提督が信じてくれてるのに…私達が応えなくてどうする!
このまま終わる…そんなの嫌だ!!
チャプリ…
水面に浮かぶ私達の心はは現実に戻ってきた…
「…カレーか…」
誰かがポツリと呟いた…。
「ふふっ…」
「ククク…」
「「「ハハハハハ!」」」
大爆笑だった。
こっちは運命だとか何だとか重たい話をしているのに…私達の愛する提督は…カレー食うから帰って来いなんてさ!
帰るんだ…だなんて…。
だから負けられない…
「皆さん…行きませんか?」
「提督に…もう嫌だってくらいカレーを作ってもらいましょう?」
「…それは…譲れませんね…!!」
行きましょう…ー!!
…どうか
少しでいいです…。
提督…。
あなたの力を貸して下さい。
あなたの温かい力があれば…また立ち上がれます!!
赤城 改ニ 戌
比叡 改ニ
暁 改ニ
蒼龍 改ニ
飛龍 改ニ
長門 改ニ
大和 改
霧島 改ニ
川内 改ニ
天龍 改ニ
大淀 改
ゴーヤ 改
白露 改ニ
翔鶴 改ニ
「…皆……」
ホッとする桜赤城…。
「さあ!桜赤城さん…行きましょう…」
『馬鹿な…お前達は…確かに沈んだはず…!!』
桜加賀達が狼狽える。
『何度でも沈めてや…
ズドン!!!
『!!』
砲撃が横から飛んできた。
誰だッ!?
「外したッ!!角度調整!!」
「了解!!」
「赤城さん!!遅くなりましたであります!!!」
「あきつ丸、千代田、矢矧、鬼怒、古鷹、シオイ、響、秋月、熊野到着しました!」
「桜赤城殿…こんなにボロボロになって…よく耐えてくださいました!もう大丈夫であります!」
乗り切った…!!
「ありがとう…」
「これが仲間の絆です」
『…!!?』
「…え?」
パキン…
一瞬何が起きたか赤城達には分からなかった。
桜赤城を含めた…KAN-SEN達が消えたのだ。
「…桜赤城殿……?」
肩を貸していたはずの肩が軽くなった。
あきつ丸はキョロキョロと周りを見渡す。
そしてー…
誰も居なくなった…。
「うわ!?」
突然海に投げ出された救。
「おい!陸奥!?どした??」
陸奥に何かあったのか?と声を掛けるが返事はない。
通信も何も聞こえない…。
体調は良くなりましたー!
コロナは陽性になりませんでした…何だったんだ…あの症状は…。
毎日投稿…完了……!!
2ヶ月連続…ッ!褒めて…褒めて…。
まだこのパートおわってないけど…
少しでもお楽しみ頂けたら幸いです!
感想などお待ちしてまぁぁす!!!