提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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199話 碧い航路の果てへと ④ 強くその想い、紡いで

……生まれた時からこうだった。

 

 

 

何の為に戦うのか…?

 

何の為に死ぬのか?

 

 

暗い海には希望なんてない。

 

 

 

青い海の先に…

戦いの果てに…答えは見つかるのか?

 

 

 

 

分からないけど…

それは…分からないけども…

ひとつだけ分かることがある…

 

 

夜明けの光のようなあなた…。

 

 

 

私は…私達はこの為に…

 

この道があなたに通じているのなら…あなたの為に参りましょう…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「金剛!!いくら怨念とやらが見かけだけでも抜かるなよ!」

 

 

「はい!」

 

『……』

 

 

 

 

「む?我が…もう1人…」

 

『…時代遅れの艦は……我と共に沈め…この旗の下に!』

 

「それは…Z旗…」

 

「時代遅れとて…出来る事はあるッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた?誰か来たみたいよ?」

俺を乗せる陸奥が言う。

 

 

「ああ…アレは、鉄血のグラーフ・ツェッペリン…」

 

 

 

「指揮官!!」

鉄ビスマルク達が後ろからやって来た。

 

 

 

「お前!指揮官を離れて…なぜ奴側につく!?」

鉄ビスマルクは彼女に問う。

 

「…」

 

鉄グラーフ…彼女は指揮官に問う。

「指揮官よ…何故お前は戦うのか?こんなに傷ついて…勝ち目のない戦に」

 

「鉄グラーフ…」

 

「…変わらぬ運命なら…滅びた方がいいのだ…お前も…私達も」

 

 

「俺が戦う理由はー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふむ…そろそろか?』

絶望に染まる者達…。

 

絶望から立ち上がり更なる力を得た者達。

 

 

ある者は沈み、ある者は傷つき…

分かる…どんどん濁るのが分かる。

 

濁り切った…ドス黒い程の負の力に溢れた魂達を…

あの男のように…集めさせてもらうぞ!!

 

 

 

『全て!!悉くッ私の下へ!!」』

 

 

 

 

一瞬の事だった。

 

 

 

 

テスターβの持つ

黒のメンタルキューブから御蔵が作り出したモノが黒い光を放ったかと思えば…全ての者が吸い込まれた。

 

 

 

 

 

鏡の海域ではセイレーンが大きな力を持つ。

 

弱り切った者から刈り取るなど、造作もない程に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「理由はー…!?!?」

 

 

 

ジャパン…!!

いきなり水面に落とされる。

「陸奥!?おい!?」

 

 

 

 

 

「嘘だろ…?皆…?」

 

 

シンとする水面

 

セイレーンの艦船の崩れた甲板だろうか?流れてきたそれにしがみつく。

とにかく海から上がって周りを見る。

 

 

やはり…何もいない…。

 

 

立ち上がった皆も

後ろにいたはずの皆も…

俺を乗せていた陸奥も…

 

 

 

シンー…と静まり返った海は、自分の鼓動すら聞こえてくるような程で…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くの方に見えたテスターがニヤリと笑った気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途端に一気に不安になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冷や汗が頬から水面に落ちるー…

その後にすらビクッとしてしまう。

 

 

 

 

 

 

ダメだ…

 

 

 

 

 

何だ…?

 

 

 

 

 

どうしよう…

 

 

 

 

 

「こ…金剛?」

「陸奥…?赤城?!扶桑!?誰か!!三笠!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰か…返事を…してくれ…何が…

 

 

 

「指…揮官様」

スマホから声がする。

 

「指揮官…大丈夫です」

 

「TB…?」

ホッとした…良かった…。

 

「皆は?」

 

「…存在を確認できません」

 

「は!?さっきまで居たんだぞ!?」

 

「…恐らく…回収されたのでしょう…」

 

「…今までにそんな事は無かった!!」

「どうすれば…」

「そうだ!また魂の、皆に力を!…」

 

 

「不可能でしょう」

 

「…麗ちゃん達に…」

 

「この海域から出られる可能性は0%です」

 

「大本営に…!」

 

「どうやってここから抜け出すのですか?」

 

 

 

 

「なら…どうしたら!!」

語気が荒くなる。

 

 

 

 

 

 

「ごめん…」

…TBちゃんに当たっても仕方がない。

 

 

「……指揮官…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

「知識に無くとも…その心とあなたの魂には刻まれているはずです。艦娘…やKAN-SENと幾重にも紡いで来た絆をお持ちのあなたなら」

 

「…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「な、何を……?」

 

 

あなたの心です

 

 

「その絆は…あなたと彼女達の繋がりは…こうも簡単に掻き消されるものなのですか?」

 

 

「諦めないで下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

頭に過ぎる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺はお前達と共にある…俺は1人じゃないしお前達も1人じゃない!』

 

 

 

『愛してるヨー♡ダーリン!!』

 

『これだけは…貴方だけは何があっても譲れませんッ!!』

 

 

『あなたのいない世界は…要らない』

 

『勝利も…敗北も…あなたとなら…』

 

 

『この命もあなたと共に…』

 

『『『『ずっと…愛しています!』』』』

 

 

 

 

 

 

あぁ…俺が…信じないでどうする?

 

すまない…俺が不安になって。

 

俺が1番信じているんだ…アイツらを信じているはずなんだ!!

 

 

 

 

 

 

「指揮官…あなたの中に…いつでも道はあります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくりとテスターがこちらへやってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この発明品は素晴らしい…確かに強い力を感じる。

かくも人の欲望や願望とはこれ程に…。

 

 

 

…だが…これで世界を根底から覆す程の力を得られるのか?

 

………

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

『何故お前は…そこに居る?絶望…していない?』

 

 

 

 

 

『神崎 救』

 

 

 

 

俺は…目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは……?

 

 

 

皆がここに居る……。

敵も味方も……

 

何故?

 

 

 

…確か私達は………

 

 

 

 

改ニや改へとパワーアップしたのに…

 

 

ここは…?

 

 

体が…ない?!

 

 

 

 

 

嘘よッ

 

 

 

運命を乗り越えられなかった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぐっ…」

涙が溢れてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何故泣く?扶桑』

『どうせ…私達は運命に流され続けるだけの存在なんだ』

 

 

 

『そうだ…桜赤城姉様…お前達も…私達は負けたのだ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに指揮官…提督が居ない。

 

置いて来てしまったのだ。

 

愛する人を…守りたい人を置いて来てしまったのだ。

 

 

 

『そんなにそいつが全てなのか?』

『私達は駒なんだ』

 

 

『私達も提督のところにはもう帰れない』

『皆同じなんだよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諦められる訳無いじゃない!!」

 

 

 

 

 

桜赤城が叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

『愛する指揮官…………こんな状況なのに何故?君は眉ひとつ動かさない?』

 

 

 

「………」

救は目を開く。

 

 

「出てこい…俺達は負けてない…ッ」

 

 

 

 

 

『…は?』

 

「…そんな事で…俺達の全ては無にはならない」

 

『何を言っているのか?ここは鏡面海域だぞ?この中の彼女達はもう君の艦達じゃないんだぞ?声なんか届くはずもない』

 

 

 

 

 

 

確かにそうかも知れない…

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()() ()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来い!!!」

 

「例え…どんな方法を使おうと…俺達を引き裂くことなんか…出来ないッ!させない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実体を持たない姿(魂だけの姿)のお前達に何が出来る』

 

 

 

 

 

 

 

「諦めない事…」

 

 

『何を言い出すかと思えばッ!!!』

 

『単なる慰め…傷を自ら舐めることか?!馬鹿馬鹿しいッ!』

 

 

『生み出され…戦いの中に生死を見出しすしかない私達だぞ?』

 

 

無意味に生み出され…

無価値に…戦い

無様に死ぬだけなのだッ!

 

 

『そこには何も無いッ!!』

鏡の桜加賀が吠える。

 

 

 

 

『私達も…もう帰れない…』

『幾多の艦娘が…こうして囚われ…死んで行く…あの人に会うことも、仲間に会う事もできない…自分で死ぬ事も…』

 

 

 

 

 

 

「…その通りだ……」

 

鉄グラーフが言う。

「指揮官ですら…奴らの駒にすぎない…」

 

 

「グラーフ…」

鉄ビスマルクが言う。

 

 

「あの世界でもそうだった!見えるんだ!奴の後ろに…奴の運命の糸を引く何かが!!」

 

「ただ…苦しいだけの世界ならッ!!いっその事滅んでしまえば良いんだ!!」

 

 

 

 

 

「それなら…誰も傷付かずに済むんだ!」

 

 

「理想を…夢を追い続けても…こんな絶望しか…暗い未来しか待っていない…誰かの掌の上の生き方しかできないなら…」

 

 

「…私は…ッ!全てを諦めたいッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡の艦娘とKAN-SENが言う。

 

 

 

『造られた私達に…ッ』

 

『…利用された私達に…』

 

 

 

『誰も…セイレーン以外に…もうこの手を取る人なんて…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「居るさ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

『は?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官…!何故ここに居るッ!?」

鉄グラーフが叫んだ。

 

 

馬鹿な…有り得ない!

人間が…この魂だけが囚われる空間に入ってこられる筈がない!

 

 

 

「…言ったんだ…。皆と共にあるって」

 

「たったそれだけで…?それだけのために?!」

 

「お前も…その1人なんだけどな」

 

 

「……馬鹿だ…お前は馬鹿だ!何故わからん!賢くやらない!逃げても…命乞いをしてでもお前は生き残るべきなのに!!!!」

 

 

 

 

「馬鹿で良い」

 

 

「!?」

 

 

 

「諦めて俺1人逃げるのが賢いってなら…俺は馬鹿で良い」

 

 

「共にあるってのは…どんな時でもって事だ!例え死中だろうと…俺は約束したんだ!!!!」

 

 

 

 

「…!!」

皆が息を呑む。

 

 

 

 

 

「それに…生き残るべきと言って心配してくれるんだな…ありがとう鉄グラーフ…」

 

 

 

「…いや…それは…………そうか…馬鹿で…いいか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『話中にすまんな…貴様…先程…居るといったな?!誰が手を取るんだ?」

 

「鏡の桜加賀…か」

 

 

 

「居るじゃ無いか!目の前に」

 

 

 

『は?』

 

 

 

 

「目の前に居る艦娘もKAN-SENも…俺も含めて俺の仲間はお前達の手を取るさ」

 

 

『何故…?敵だぞ?お前を…お前達を斃さんとする敵だぞ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前達は…何の為に戦って居るんだ…?』

誰かが聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなのずっと変わらないわ…愛する人と共に夢見る明日の為」

 

 

「…愛する人と共に歩む明日の為デース!!」

 

 

ずっと超えて来た。

不可能と言われようと…どんな絶望的な場面だろうと…。

 

 

 

 

 

『綺麗事だ!空想だ!!口でなら何とでも…』

 

 

 

 

 

赤城と扶桑が答える。

「私達は1人で戦ってないわ…あの人の思いも全て一緒に背負って戦場に立っているの…だから提督はここに来てくれた」

 

 

 

 

 

『とは言え…今更何も………!?』

 

 

 

 

 

 

鉄グラーフは見る。

艦娘やKAN-SENに繋がる光を…。

 

 

それは指揮官から伸びていた。

 

 

一際輝く魂。

それは…特別すごい魂ではない。

 

()()()()()()()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

彼女達には眩しすぎるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信じ合うからこそ…?

 

「お前もな」

 

鉄グラーフは見る。

 

自分へも伸びるその光を。

 

 

指揮官…お前は…私まで…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…俺はやはり1人じゃ何もできん。今も海で1人だ。TBちゃんは話し相手だけだし…アイツ居るし…」

 

「俺がここに居られるのも…今、生きていられるのも皆のおかげなんだ…」

 

「だから俺は全てを懸けてお前達の隣に居たい!この鏡をぶち破って…」

 

 

「俺の見る明日は……お前達が笑顔で過ごせる明日だ。」

 

「艦娘だろうがKAN-SENだろうが…普通に笑って…戦いで傷つく事なく、好きな生き方のできる…そんな明日が欲しい」

 

 

「だから…俺達が頑張る」

「だからこんな所で立ち止まれない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時微かに

何かが光った気がした。

 

 

それは…

 

 

 

何故かそこにあった。

 

 

 

 

 

『何だそれは…まさか…』

鏡の桜加賀が言う。

 

 

 

 

 

 

「ダーリンがくれた…髪飾り…」

 

 

『いや…それは…やはり…。黒いメンタルキューブ…』

『何故この世界にないものをお前達が…』

 

 

 

 

 

 

暗いそれは…温かな光を放っていた。

 

そして…

そこから何かが飛び出して来てくる。

 

 

 

それは…金剛の魂と桜赤城のメンタルキューブ()にふよふよと何かが漂って来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、かつて####、###であった者。

 

 

 

それは

 

 

 

 

 

 

 

 

例え偽物と言われても最期まで足掻いた2人…。

 

 

 

 

 

 

 

 

今はただのカケラとなって静かに眠る彼女達。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒビだらけのキューブに魂に彼女達が寄り添うように…

埋めるように…

 

 

 

 

 

 

『……何だ…お前は…まさか…』

鏡の桜加賀が言う。

 

 

 

『この感じ……まさか』

鏡の比叡が言う。

 

 

 

 

 

 

「Oh!!!あなた達…まさか!!」

 

 

『2度も…あの人のお役に立てるなら…ネ』

ボヤリと姿を見せたのは……あの金剛だった。

 

 

 

「……あなた!」

 

 

『任せますね…もう1人の赤城…』

続いて…やはりあの時の桜赤城。

 

 

 

 

 

 

 

『……』

 

 

 

彼女達は見た。

私達と同じ存在であった筈の者が…奴らの力となろうとして居るのを…。

 

 

 

彼女達は見た。

その魂が…まるで欠けた部分を補うように彼女達に寄り添い溶け込むのを…。

 

 

 

 

 

 

 

『……バカな…』

魂が溶け込む…だと?

ヒビだらけで今にも壊れそうな魂が…直るだと!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「OK・受け取りました……この愛は…本物デース!」

 

 

 

「ええ!ありがとう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛の髪飾りが…もっと輝いた。

 

 

温かい光…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故諦めない?

 

 

「明日が待ってるから」

 

 

 

何だその答えは…

でも何でだ?何故その言葉にこんなに心が躍るんだ?

 

 

 

 

 

いや…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

髪飾りから出てきた魂が形を変える。

それは神通…。

あの時の神通が前に一歩踏み出した。

『私も…連れて行って』

 

 

 

「君は……」

 

 

彼女は…救に助けを求めた神通であった。

彼女は敵として倒される道を選んだ艦娘であった。

 

 

 

『私も…あなた達の言う明日へ連れていってください』

 

『あの人の所に帰れる気がするの…』

『今度は…あなた達の力になりたい…お願い』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それに続いて何人もが踏み出す。

 

 

 

 

 

皆の前には…セイレーンの駒達の姿もあった。

 

 

 

セイレーンに利用された者達の…魂が…語りかけてくる。

 

 

 

 

 

 

私達も見たい…その明日を

 

…ごめんね。こうなっちゃって…

 

 

羨ましいな…

 

 

 

私達はもう…戦えないけど…

 

この想いと…心を一緒に明日に連れて行って欲しいの…

 

 

アイツに…キツい1発!お見舞いしてくれ!

 

 

 

 

 

 

 

『赤城…』

 

『扶桑…』

 

 

[あなた達なら超えて行ける!]

 

『超えて見せて!私達に…その向こう側をみせて!!』

 

 

 

「あなた達ならできる!」

 

「…勝って!お願い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女達が手を差し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

差し出された艦娘の手をとる西波島のメンバー…

 

 

 

 

「金剛…やっとお礼を言えマス…。ダーリンを守ってくれて…ありがとう」

 

 

『ううん…私の心は…あの人の中に生きてるカラ』

『そして…あなた()の中にも…』

 

 

手から…力が伝わる。

 

 

力が…溢れてくる!!

 

 

 

 

 

これは……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……フッ』

 

 

「……桜加賀?」

 

 

『……何をボサッとしている?』

桜加賀の声だ。

 

 

 

 

『…私も…連れて行って?……』

桜天城が言う。

 

「あなた達……いいの?」

 

 

『…お前の言う明日に賭けてみたくなった』

 

「それでいいの?」

 

 

 

 

 

「赤城姉様…今、何を成すべきか…それは私が決める!そして…()()()()()()()()()()

 

 

 

 

「さあ…立て!!……私の力…受け取れ!!」

 

 

『赤城…頼んだわよ…』

 

「ええ!」

 

 

 

 

スッと体に入ってくる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには…艦娘もKAN-SENも無く…

出された手を掴む西波島のメンバーが居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女達は勝ったのだ。

セイレーンの呪縛に勝ったのだ。

 

肉体を失おうと…その誇りは気高く…

彼女達は…明日へと進む者に力を与える。

 

彼女達は皆の中に入って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞いたことがある。

 

彼女達自身から力を受け継ぐ方法…。

 

 

 

彼女達の魂や誇りや…全てを受け継ぐ強化を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近代化改修(力を受け継ぐ)

 

 

 

 

 

 

 

 

強化(想いを受け継ぐ)

 

 

 

 

 

 

 

すごい…改化とは違う感じ…。

内側から…力が…湧き上がる。

 

これが受け継ぐって事…?

 

 

 

 

 

 

 

 

艦娘達だからこそKAN-SEN達だからこそできる事。

 

 

想い紡いで行く事。

 

彼女達の生きた想いも力も魂も全て…

本当の意味で受け継いで背負い…心を共にする

 

継承強化。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡の三笠が言った。

『もう1人の我よ…受け取れ……我が…時代遅れあっても出来る事はあると言ってくれたな?』

 

『ならば…示してくれッ!!もう一度…この御旗を…勝利の風で!!』

 

 

「コレは…Z旗……。…確かに受け取った…!!お前達の力…我の体に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…いつも通り…行こうか」

救が言う。

 

 

 

「いつも通り…?」

三笠達が疑問に問う。

 

 

 

「桜赤城ー!今回は譲りマース!掛け声するデース!」

 

 

「え?私?」

 

 

 

 

「ええそうね!やっちゃって!桜赤城さん!」

 

「ダーリンの本体も待ってるでしょうし…」

 

 

「掛け声…?」

三笠は頭にハテナが浮かんでいる。

 

 

 

 

 

 

 

彼女達は立ち上がる。

何度も

何度も

 

例え艤装が悲鳴を上げようと

 

例え悲しみが待っていようと

 

例え…

強大な相手が居たとしても

 

 

 

 

 

目指す明日の為に

夢見る明日の為に

 

 

 

その愛は…想いは

世界すらも越えるのだから!!

 

「もちろん…この愛は…指揮官様と共に…魂の全てを愛に変えて炎になります!」

 

 

燃え上がる炎は…カミをも焼き尽くしますッ!!

 

 

 ばぁにんぐ…!! 

 

 ラァブ!!! 

 

 

 

 

彼女達はさらに行く!!

皆の思いも魂も全てを…共に!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…恥ずかしい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビシッ…

 

 

 

『なっ!?』

 

 

キューブにヒビが…!?

熱い!!とても持っていられないくらいに熱く!

 

 

 

 

 

 

「来い……来い!!!」

 

 

 

 

 

 

バキン!!!

『砕けてしまうッ!!』

やめろ!!これが砕けたら…!!全てが!

 

 

 

 

 

『指揮官ッ!!何をしたッ!!!!!させるな!!』

 

 

命令と共にル級が救に飛びかかる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ル級は吹き飛ばされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周囲が光る。

黄金に輝く水飛沫は…柱となって天に向かう。

 

 

そこから現れる…彼女達。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総旗艦が旗を煌めかせ…水面に立つ。

 

立ち上がる度に更に更に強くなる彼女達の絆!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姿は変わらぬが…

そこ知れぬ力を感じる…。

 

 

 

 

『…予想外も過ぎてしまえば邪魔なだけだ…!!』

 

 

もういい…

もうここからは意地だ…。

キューブから艦船達を召喚する。

 

ビキンと…黒のキューブが砕けた。

 

もういい…。

全力でお前らを消してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『復活おめでとう!!』

だが!!圧倒的な数の差は変わらないッ!!

 

 

 

ずらずらずらと生み出される駒、駒、駒、駒、!!!

 

 

「例え少し強くなった所で…何も変わらない!不可能だ!!!!愚かな…駒なんだ…指揮官!!お前の無力さを知るがいいッ!!」

 

 

 

圧倒的物量…いくら強かろうと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この何千年と

未だに破られてない戦法がある。

 

 

 

簡単だ。

数で囲んでボコボコにする。

 

かの有名な戦術家も如何に敵を囲むかを考える程に。

 

 

 

『今のお前達がまさにそれ!!絶対に勝ち目はない!不可能だ!!貴様らは包囲されて居るッ!もう意地だ!貴様だけは殺してでも私の物にしてやるッ!!!!』

 

『お前の周りを…目の前で殺して…お前を私の奴隷にしてやるッ!!この虫ケラがぁぁあ!!!!』

 

 

 

「…指揮官…」

 

「TBちゃん…?」

 

「大丈夫です」

 

「あなたは負けない!」

 

「何故なら…私達が居るから!!」

 

ブツッ…とスマホの画面が真っ暗になる。

 

「TBちゃん!?」

 

 

『…あははは!!結局は…失敗するんだ!いい加減理解しろ』

 

『貴様には不可能だ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不可能?………?違いますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なに?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイレーンは見た。

()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

「馬鹿な!!!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせ致しました…。よく…耐えられました…さすがです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…誇らしきご主人様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




改や改ニはあるのに近代化回収や強化が出てこないのはこういう使い方をしたかったのです。
実際は雷装値等の強化ですが…似たようだものだと捉えて設定に組み込んでます。


さて…物語も終盤に入りました!
明日には200話になります!
土曜日なのでね、早めに投稿します!






タイトルと副題は…うん
これに関しては…ピンと来た方も居られるのでは?




でも聴いて見て欲しい曲です。



少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです!

感想やコメント等お待ちしてます!
お気軽にお願いします!



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