提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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208話 新しい一歩を

あれから新堂達は艤装を解除して

街へ土下座まわりをして…街の復興の手伝いとその他諸々を約束して…頑張っているらしい。

 

 

 

麗ちゃん達も同じくウチにいる事になった。

 

京極達と元帥さんは神無島に戻って行った。

麗のそばに居てやってくれと言って。

 

 

 

 

 

再建された…3代目の鎮守府もそれなりに大きく

増えたメンバーや麗達にも問題なく部屋割りができた。

 

 

 

私室も少し広くなり、家具も新調された。

 

もちろん…鍵は既に変えた。

おのれ…桜大鳳めッ…。

 

部屋に帰ったら

「お帰りなさい♪指揮官様」ですわよ?!

ビビったわ…。

 

 

 

隠れた奴らも含めて外へ放り出して椅子に座る。

 

 

やっぱり我が家はいいなあ…と心から思う。

神無島組には申し訳ないけど…いや本当に

 

 

 

んでんで

執務室も少し変わった。

 

 

 

大淀が執務担当長…そして秘書艦。

 

桜ベルファストがメイド長、桜シリアスがメイド…あと、たまに艦娘達…

 

 

桜明石と桜不知火は工廠、新設された売店へと配属。

 

 

 

俺たちは猛武組と共同や交代で小々波市の街の警護と、復興支援…新堂達の監視と神無島への物資運搬等もこなしている。

 

 

 

 

 

 

個性豊かすぎる面々がどうなる事か…。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて心配をしたりしなかったりしながらぼーーっとしながら伊良胡の新作最中を食べる。

これがなかなか美味しくて…。

 

「どうですか?」

ニコニコと聞いてくる伊良胡

今作のいちご餅最中は相当の自信作らしい。

 

最中生地は少し厚めであるが外はさっくり…中はもっちりとしており

 

餡と苺の相性も良い…

 

つまり…?

 

 

 

 

「うーん…うまい…」

 

「どうぞ、お茶です」

 

「うーーーん…合う…」

 

 

 

「喜んでもらえて何よりです」

 

 

横にちょこんと座る伊良胡。

 

「そーいや…初めてかな?2人きりって」

 

「そうですね。提督さんは人気者ですから…」

 

「……」

 

沈黙が流れる。

 

 

 

 

 

「あの…提督さん?」

 

伊良胡の方から話しかけてきた。沈黙にしびれを切らしたか?

 

 

 

「…私はできることはそんなにありません」

 

「食堂や入渠のお手伝いくらいで…」

「…間宮さんや鳳翔さん達に対抗してみて最中をつくったり…そこから始まったんですけどね」

 

 

 

そういえば伊良胡の最中は突然メニューに増えたな…。

 

 

「…ん?対抗?」

 

 

「提督さんは甘いものが好きだと聞いたので…食べにきてくれたら嬉しいなあ…と」

「私もお会いできる時間が少ないので…」

 

 

「………」

 

そうだった。

間宮や鳳翔達以上に伊良胡と接する時間は少なかった。

盲点すぎた…申し訳ない。

 

「ごめん」

 

「い、いえ!責めてる訳じゃないんですよ?!」

「いや…うーん…少し拗ねて…ます」

 

 

少し考え込むように言う彼女。

 

 

 

 

 

 

「私だって…あなたの事が好きなんですよ?」

 

 

ちゅっと唇に触れる伊良胡。

 

 

「…次はたくさん時間下さいね?」

 

はい、と差し出された最中。

「麗さんの所に持って行ってあげて下さい」

 

「あの2人もよく食べてたものなんで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西波島の端の方

そこに墓がある。

 

 

麗はそこに居た。

 

 

 

目を閉じて手を合わせている。

 

「…?救君?」

 

「ごめん…邪魔した?」

 

「ううん、鎮守府の再建と…色々な報告」

「救君は?」

 

「コレを…」

 

彼が差し出したのは最中。

あの2人が好きで私とよく食べた…

うるっとしてしまう。

 

「伊良胡さんから?ありがとう…お礼いわなくっちゃね」

 

 

「ここで食べていかない?」

 

「え…」

 

 

いくつかの最中をお墓に供えて手を合わしてから

すとん…と近くに腰を下ろす。

私も同じようにする。

 

もぐもぐと最中を食べる。

 

 

「美味しい」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

彼の横顔は…儚げな顔だった。

でも…

しっかりとした目だった。

 

こっちを見てニコリと笑いかけてくれる。

 

 

私もニコリと笑い返す。

 

 

 

本当に彼も強いなと思う。

 

 

 

 

彼が居なければ…私は崩れ落ちて、起き上がれないだろう。

それほどに彼の存在は大きい。

心から愛している…うん。愛している。

 

 

大好きだよ…救君。

 

 

2人のおかげで…私は今もここに居るよ…

見ててね…

私は頑張るから!!

 

 

大好きだよ!電!響!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーーー!!!ズルイッ!!」

 

「ん?」

 

「むっ!!麗よ!2人だけでズルくないか!?」

 

「指揮官様ぁ…私達をお忘れですか?」

 

 

武蔵や桜赤城や皆が居た。

 

わいわいと皆がやってくる。

 

 

 

皆の手には…

酒やら飲み物やらお弁当やら。

 

 

「間宮さん達が作ってくれたんですよー!」

 

 

 

 

 

 

 

しんみりとした雰囲気は…

とある2人を囲んでの昼食となった。

 

 

 

 

 

お供えしながら皆で楽しく食べる。

 

こんな日がまた来てくれて嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう…おいしいよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう風に乗って聞こえて気がした。

 

「!!今のは」

 

私は立ち上がって周りを見回す。

 

 

 

 

でも居ない。

 

 

 

 

 

「どうした?麗…」

皆が心配そうな顔でこちらを見てくる。

 

 

「今…2人の声が…」

 

 

 

「…楽しそうで見に来たのかもよ?」

 

と、救君が言う。

 

 

 

 

うん

きっと居るんだね。

 

 

 

 

見てて?

2人が帰ってきた時に…またお腹いっぱいご馳走できるくらい平和な所にして見せるから!!

 

 

 

 

 

優しく風が私の頬を撫でた気がした。

 

 




湿っぽいお話…?

誰もが少しずつ前に向かうお話。


人は忘れるから生きていられる
苦しいことや悲しいことを全部覚えてたんじゃ
辛くて仕方ない

というセリフがとあるゲームのバッドエンドの中にありまして…。
主人公を慰めるセリフなんですが物凄く突き刺さったんですよね。


聞いたことある人居ますかね?

全年齢対象のゲームなんですけど
めちゃくちゃ黒いんですよ。一部のエンディングが…




でも…覚えてなきゃいかないものもあるわけで…

覚えてるからこそ生きて行けるってのもあるわけで









少しでもお楽しみ頂けたら幸いです。




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