提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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212話 再会… ②

「お前達は…誰ですか?」

 

そこに居たのは…憤慨する桜赤城と桜大鳳…。

 

「こら!お前達…指揮官のご両親だぞ!」

と、桜三笠が2人を叱る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……偽物ですわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞きたくない言葉が聞こえて来た。

 

 

 

「……迅鯨さん…あなたなら分かるでしょう?」

 

「え……」

 

「お二人の魂に会ったあなたなら…」

 

 

 

 

「あ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…2人とも…彼をお前なんて呼んでない…それに!お母さんは…救ちゃんって呼んでた…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母親を名乗る方がぎくっとする。

 

 

 

 

 

 

 

「あなた……指揮官様の名前の漢字書けますか?」

「誕生日は?」

 

「何故あなた達は…彼の前から姿を消したのですか?」

 

 

 

 

「…ま、まもるは……守衛の…守……。だってそう名付けたから…」

 

「誕生日は…記憶が…ごめんなさい…曖昧で…」

 

「…色々事情があったのよ…」

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()

桜赤城が言う。

 

 

「そ、そうよ!あなたを危険な目に合わせる訳には行かなくて…」

 

 

 

迅鯨が俯いて言う。

 

()2()()()()()()()()()()()()()()

 

「あと…誕生日はクリスマス…雪の降る日に生まれたそうです」

 

「救君の字は救済の救です…」

 

 

「そう!神にちなんで……「いえ…」

 

「たすく…と読ませようとしたそうです…。でも…誰かを守れる存在でいて欲しいから"まもる"と読ませたそうです。彼に最初に救われたのはご両親だからその字を使いたかったそうです」

 

 

 

「………」

ギリッと2人はしている。

 

 

 

「……」

救は黙っている。

 

 

 

 

 

 

 

「…最低な嘘で…指揮官様を傷つけるなッ!!この羽虫共ッ」

 

 

桜赤城がブチギレた。

 

「…本当にご両親なら……3人で暮らして貰うのも良いと思いました。しかし…違和感を感じて…」

 

「指揮官様を見送ったお2人が…お金を…なんて言うはずがないッ!別れて寂しかったはずの…お2人が…名前の呼び方も全て…忘れるはずが無いッ!!!」

 

桜大鳳が続く。

 

「それに…戦争のない世界から来たなら…軍属することに何かしら言うはずだ!」

 

 

 

 

 

 

「良いだろうがッ!!どーせたんまり金持ってんだろ!?少しくらいいいじゃねえか!!親ってことで親孝行代もらって悪いのかよ!お前だって喜んで馬鹿みたいに信じてただろうが!?」

 

「嘘でも良い思いできたんだからよお!!」

 

 

 

 

 

 

「…この……」

金剛が睨みつける。

 

 

 

「……誇らしきご主人様を…侮辱するなッ!!」

シリアスが叫ぶ。

 

 

 

「…ご主人様が… どれだけ辛い思いをして来たか…知りもしないくせに…」

ベルファストが見たこともない表情で言う。

 

 

 

「…アンタ達…覚悟は出来てるんでしょうね……」

 

 

 

「脅しか!?」

 

「おー!?やって見ろや!民間人には手出しできねえんだろ?艦娘ってのはよー!!」

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

パァン!!

 

ドカッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迅鯨が父親と名乗る方を殴り

麗が母親を名乗る方を思いっきりビンタした。

 

 

 

 

「な…な…」

ワナワナと震える2人に彼女達は言う。

 

 

 

 

 

「私の大切な…この世に1人しかいない…掛け替えのない人をこれ以上侮辱しないでッ!!」.

 

「お前達が最低だと言うことは十分わかった!!これ以上は…許せない!どうにかなりそうなの……」

 

 

全員が麗に気圧される。

今にも殺しかねない程の殺気を放ちながら言う。

 

 

「きっと嬉しかったはず…。会いたくても会えない人に会えたのは…。

でも…それを利用して…救君の気持ちを踏み躙るようなことをしに来た貴様らが許せないッー!」

 

「…お前…民間「これ以上喋らないで!!!」

 

 

「本気であなた達を消したくなる…」

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…林のとこから来たんでしょ」

救が言う。

 

 

 

 

「……ならどうした?殺すか?」

 

 

 

 

「うんにゃ?」

「帰って良いよ」

 

 

 

「「「「「「は?」」」」」」

 

全員が驚く。

 

 

 

「て、提督…?」

「救君?」

 

 

 

「え?だって機密なものもないし…そもそも親じゃないって何となく感じてたから…」

 

 

「えぇ…」

 

「いや〜…うん…でもめっちゃ腹立つから早く帰った方が良い」

 

「テメェらは…踏み込んじゃいけないとこに…土足で踏み入ったんだ」

 

 

 

 

 

「……ひっ」

 

「……わ、わかったわ!ごごごめんなさい」ガクガク

 

 

 

「あの林ってのも…金髪の若いくせによく考えついたなあ…」

 

「…?違うぞ…俺達が頼まれたのは…スキンヘッドの林だぞ」

「アイツをもう一度殺す…って言ってたくらいアンタを恨んでたぞ」

 

 

2人は怯えながら帰る。

まあ…特に問題はないだろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「……あなた…」

 

「……ん?鳳翔か…どした?」

 

「落ち込んでないか心配で…」

 

 

 

 

「んー…親については全然ショックじゃないけど……」

 

 

つまるところ…林は2人いた。

実際にクーデターをやったのは林Bとして

林Aは…

 

もう一度俺を殺す……

転生者として知っている

両親が居ないことも知っている…となると……

 

 

奴は…俺がぶん殴った上司…の可能性がある。

 

 

そうなると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物凄くやりやすい…。

全部まとめてブチ返してやる…ッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督ッ!!!!」

ドアを開けて血相を変えた艦娘達が入ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま…ママよッ!!甘えてもいいのよ!」

 

「待て!私の方がママだ!!」

 

「否…妾の方が…いろんな意味で包容力が有り…」

 

 

…雷…武蔵……桜信濃……。

 

 

「落ち込んでるのを慰めるのも…ママの役割よ!」

 

 

 

「いや…あの…俺は全然…」

 

 

「強がらないで…」ぎゅっ…

「頼って欲しいの…弱ってる時は…」

 

 

「むぐ…むぐぐっ!」

ちゃうねん!弱ってないねん

今…お前達の柔らかな…体で窒息しかけてんねん…。

 

 

 

「暴れないで…落ち着いて…落ち着いて……」

 

ちゃうんや…落ちそうなんや…

 

 

あ…

 

 

 

 

 

父さん母さんが見える…

 

 

 

 

 

 

 

 

がくん

 

 

 

 

 

 

「あら…よっぽど嬉しかったのか!寝てしまったぞ」

 

 

 

 

「あー…あなたぁ!?!?」

鳳翔が悲鳴を上げた。

 

 

 

ある日の来客の話だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢を見た…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢に見た…夢を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父さんが居て…母さんが居て……子供の姿の俺が居て……

 

テーブルを囲んでご飯を食べる。

 

 

「ほら!今日は救ちゃんの好きなホッケの塩焼きよー」

 

「おー!良かったな!救!学校はどうだった?」

 

 

 

「学校はねぇ…麗ちゃんて子が友達になったよ」

 

「女の子かー!!いいじゃねえか」

 

「あらあら…モテるのねえ」

 

 

 

 

 

 

味も感じるし…匂いも感じる…素敵な夢だ。

 

 

 

…どれだけ求めても

どれだけ足掻いても手に入れられない…

 

記憶の中をいくら探ろうと

どれだけお金を積もうと

どれだけの戦果をあげようと

 

叶うことのない夢。

 

 

 

この光景は

本当の夢でしか見られない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どした?」

父さんが聞く。

 

 

 

「…行かなくちゃ……」

いつの間にか今の姿に変わった俺が居る。

 

 

 

 

 

「そう…」

 

「気を付けて行くんだぞ」

 

「私達は…ずっとあなたのそばに居るからね…」

「こうやって…でしか会えなくてごめんね」

 

「何の思い出も作ってやれなくて…すまん…」

俯く父親に母親…。

 

 

「大丈夫さ!一生モノのプレゼントを貰ってるから」

 

 

「…え」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この命と……神崎 救…2人がくれた名前があるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母さんは泣き崩れた。

父さんも涙目だ。

 

「また…会いにくるよ」

 

 

「ご馳走様…!行ってくるよ!」

 

 

 

 

 

「「…いってらっしゃい」」

 

 

2人は赤い顔で笑顔で見送ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目が覚めた?」

 

「…秋姉さん…」

 

「凄いね…胸で窒息ってするんだね」

 

 

「…ソウダネ……」

 

 

「良い夢見られた?」

 

 

「うん」

 

「良かった…」

「……ありがとう」

 

 

「え?」

 

「あの時…秋姉さんが父さん母さんを連れて来てくれたから…顔を見られたし話もできた」

 

 

周りには心配してくれているであろう皆が居る。

 

 

 

 

 

何も無いわけじゃない…。

ただ…少し足りなかっただけなんだ。

 

でも…それを補って余りあるくらい愛してくれる皆が居る。

 

 

 

 

 

「皆!俺はもう大丈夫!」

 

 

 

 

 

「さあ…今日も頑張ろう!!」

 

 

 

 

迅鯨には一瞬、彼が少し大人に見えた…。




お気に入りが610に!
ありがとうございます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)




夢は覚めない限り夢はなので


メンタルへの攻撃は基本戦法です。




少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです。




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