提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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216話 呉鎮守府奪還作戦 ②

優勢にも思える戦況…

しかし…

それでも相手の物量は多い。

 

当然として援軍もやってくる。

 

 

 

「…くそ…やっぱり大阪方面から来たか…」

 

「鳳翔!そっち方面は任せたぞ!!」

 

「はい!あなた!」

鳳翔が島風達を連れてそちらの迎撃に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

物量が…多い!

「くそ…姉貴ならこんな時…」

焦る将大。

 

 

 

 

 

俺には特別な能力がある訳ではない。

凡人だ。

 

 

 

たまたま妖精が見えて…姉の後ろをついて行っただけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

認められるように…

 

救ちゃんのような力もない…

どうしたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「将ちゃん……いや」

 

 

 

 

 

将大ォォ!!

 

 

 

 

 

 

「救ちゃん!?」

 

 

 

 

大きな声だった。

彼は敵陣の中…目立つのも厭わず大きな声で俺に話しかけた。

 

 

「追いついたら…憧れは終わるのか?」

 

 

「憧れ…じゃ追い越せない!!」

「憧れている限り…追い越せない!!」

 

「肩を並べたいのなら…超えたいのなら……」

 

「もっと貪欲に…桜を超えて進めッ」

 

「後ろには俺も居るッ!!」

「背中は任せて…行ってこいッ」

 

 

 

 

 

 

 

ハッとした。

憧れたまま…

そう、ずっと後ろを着いて歩くのか?

 

 

違う。

 

姉貴には…戦いの世界じゃないとこで

フツーに幸せになって欲しい。

 

 

いつまでも頼ってちゃ…それはできない…

 

 

なら…

俺が進まなくちゃならないだろう!

 

俺が…

姉貴の住む…平和な世界を守らなければならないだろうッ!

 

 

 

憧れじゃあ…超えられない。

 

もう

背中を追いかけて行く時間は終わったんだ。

 

 

 

 

もう…

背中を預けあって…

 

いや!

 

 

俺が姉貴を引っ張って守って行くんだッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………敵わねえなあ…」

 

そうだ…。

 

俺は………俺には

我慢して待ってくれている仲間がいるじゃないか…。

 

 

今だろう?

 

越えるのも…何もかも今じゃないか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…今だッ!!!」

 

号令をかける。

 

 

 

「全員…よく耐えた!!今だぁッ」

呉長門が言う。

 

 

 

ズドォン!!!

号令と同時に起こった爆発。

 

–––––それは轟音。

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

彼女達は待っていた。

 

 

自分達の帰る家を奪われ

思い出を踏み躙られながら…

 

それでも

 

 

じっと地下で耐えながらその時を待っていた。

 

 

 

「何ぃ!?」

 

 

 

 

彼女達…主力部隊は地下に隠れていた。

 

それは彼女達だからこそ知る強さ故の弱さ。

 

 

 

 

西波島のように四方を海に囲まれていない瀬戸内海という特性上

陸路からなら住民が気付く。

深海棲艦は陸からは来ない。

海でも入り口は2箇所、故に守りやすい。

 

 

なれど内側からは脆い。

 

攻められる側は

外側の攻撃を守るからこそ強い。

 

が…内側から壊してやれば…外と内に挟まれる。

 

 

 

 

 

 

「報告しますッ!!」

「出撃ゲート地下!…鎮守府地下!…工廠地下!全てから…呉の艦娘が強襲してきました!!」

 

 

「何だと!?」

「急ぎ、応戦しろッ!!」

 

 

 

 

「私達の家を…土足で踏み荒らした覚悟は出来ているなッ」

 

 

 

 

 

呉メンバーはそもそも強かった。

大和を含めて何名かは大本営へと行った。

 

ブインから長門を含めて何名かがやってきた。

元から旧知の仲とはいえ将大は分け隔てなく彼女達と接した。

 

彼女達が彼を信頼するのに時間はかからなかった。

 

 

 

そして彼女達はある意味の敗北を喫した。

海軍のクーデターである。

 

 

その借りを今返す時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおお!!!」

 

ぶつかり合う艦娘達…

 

 

 

 

「…くそっ……」

 

 

 

 

 

 

鎮守府から桜と麗が見守る。

 

 

「俺…いや、私は今まで将大が虐められようとも甘い言葉をかけた事など無かった。むしろ、厳しい言葉を投げかけていた」

 

「でも…それは、決して奴のことが嫌いだとかそんなのではない」

 

 

「私は知っている…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「–––––なぜなら…アイツは……強いから」

クスリと…桜は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……将大?」

「私を忘れたのか?…この世で一番お前に近くて…頼りになる嫁を」

 

 

 

 

 

 

 

「…力を貸してくれるか?」

 

「だから嫁になったんだ」

 

 

 

 

 

 

ブインからここに来た。

皆は暖かく迎えてくれた。

今は俺の家だ。

 

 

 

鎮守府に到着し、金谷達を目指す将大達。

 

「呉長門…呉鳥海……恐らくは…金谷をぶちのめしたら此処の艦娘は抵抗しない」

 

「む?何故だ?」

 

「…投降する艦娘も多い。昔からキツいやつなんだ。自分勝手で…艦娘達も辟易してるはずだ」

 

 

 

「なるべく…投稿を勧めながら進んでくれるように皆に通達してくれ」

 

 

「わかりました!!」

鳥海は伝達を行いながら進む彼らを見送る。

 

 

「…ここからは私が相手です!提督の邪魔はさせませんよ!」

 

 

 

 

 

 

息を切らせながら執務室へと辿り着いた将大。

 

 

そこには…金谷と…金谷の秘書艦であろう陸奥がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「金谷…返してもらうぞ!俺の…俺達の家を!」

 

 

「返すかよッ!!お前も…奴も潰してやる!」

 

 

 

 

「…こんな意味のないことは止めろ!見ろよ!皆も疲弊して…それでもお前の命令に従って…」

将大が言う。

 

 

「陸奥…提督の無茶を止めるのも秘書艦としての仕事じゃないか?」

呉長門が陸奥に向けて言う。

 

 

「…うるせえよ!コイツらは…俺の道具だ!持ち主の指示に従うのが道具だろう」

 

 

「…ごめんなさい……長門さん…。これしか…私達にはなくて」

 

 

 

 

 

 

 

 

金谷手袋を将大に投げつけた。

「…お、俺と決闘しろおおお!!」

 

「は?」

 

 

 

フーフー言いながらコチラを睨む金谷。

状況を必死で理解しようとする将大。

唖然とする相手の艦娘達。

 

 

「……決闘…?」

 




うーーん。
金谷君は初期構想よりマイルドなクズになりました。
もう少しクズでもよかったのかな…



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ありがとうございます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
今後ともぜひぜひよろしくお願いします!


少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです。

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