提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

222 / 453
胸糞表現あります。


217話 呉鎮守府奪還作戦 ③

「提督…もうやめましょう!」

「皆も疲弊して…傷ついて…これ以上はやめましょう」

 

金谷に縋るように懇願する陸奥。

 

 

 

「うるさいッ!!」

「俺は認めない…。こんな奴が…こんな奴らが俺より評価されるのも!あの人に好かれるのも…!納得しないッ」

 

縋る金陸奥を払い除けて叫ぶ金谷。

 

 

 

「金陸奥ッ!!」

呉長門が金陸奥の所へ駆け寄る。

 

「…ごめんなさい…ごめんなさい…」

 

 

 

 

「金谷…お前…」

 

「うるせえ…受けろッ!決闘を受けろ!」

 

「俺達は同期じゃないか!!」

 

「だから気に入らねえんだよ!」

「お前達は何かと昔から優遇されてよ…。お前は桜さんに助けてもらってばかりで…気に入らねえ」

「なのに…お前も適正があるからって海軍入りして」

 

「ヨーイドンが提督かよ!」

「俺ですら何年も掛かってたってのに!」

 

「俺の方が昔から優れていたはずなんだ!!」

 

「お前が居るから桜さんは……」

 

 

「そしてお前ェ!!神崎!!」

「別の世界から来たくせに…俺より目立ちやがって…」

「桜さんに気に入られた…?」

 

 

「お前らが邪魔なんだよ!!」

 

 

 

「金陸奥ゥ!!何故戦わない!!奴らを…艦娘どもを殺せえええ」

 

「提督…もう…お願いします…。やめてください」

 

「うるさいッ!お前らは道具なんだッ!!」

「俺の為に…奴らを殺せええええええ」

 

 

 

 

「……」

 

ゴシャッ…

 

殴られてぶっ飛ばされる金谷。

 

 

 

 

「…ぐへっ」

「何しやがるッ」

ギロッと殴った人を見る金谷。

 

 

「………れ」

彼は怒っていた。

 

 

 

 

「な、何だよ」

 

 

「彼女達に謝れえええええ!!」

 

 

 

将大がキレた。

 

「くだらない理由で戦いに出てんじゃねえよ」

 

 

「彼女達はお前の道具でも何でもないッ!!見てわからないのか?彼女達がそれでもお前に寄り添おうとしている事を」

 

「姉貴がお前に見向きもしない?当たり前だッ!!」

「貴様みたいな奴を…姉貴が…認めるものかッ」

 

「下らねえ!!そんなことの為に俺達は住む家を奪われて…」

「ふざけんなッ!!」

 

 

 

 

「謝れ…ッ!!身を挺してこの世界を…守ってくれてるあの娘達に…!めちゃくちゃなお前に…それでも付いてきてくれる彼女達に…!間違えるお前を必死で止めてくれる彼女達に謝れッ!!」

 

「道具…が…」

狼狽える金谷。

 

「周りを見てみろよッ!見えねえのか!?彼女達の流す涙が…!」

「道具が涙を流すのかッ!!」

 

 

「そんな奴に…提督を名乗る資格もねえ!姉貴を好きだとか言われたくねえ」

 

 

 

 

 

「……決闘だったな…受けてやるよッ」

言葉と共に蹴りを入れる将大。

 

 

 

 

 

「ぐっ……!?」

 

 

 

 

 

 

が…金陸奥に受け止められる。

 

 

「お前……」

 

金陸奥は言う。

「…ごめんなさい…それでも…クズでも…私達にとっては…かけがえのない提督なんです」

 

 

「…よくやった!金陸奥!!ソイツを…殺せッ!!」

 

 

「提督ッ!!もうやめましょう!!」

ドスッ…と金陸奥が金谷に拳を叩き込む。

 

 

「あぐ…」

ダラリと倒れ込む金谷を抱える金陸奥。

 

 

「……!?!?」

脳内処理が追いつかない将大と呉長門。

 

 

 

 

 

「…我々の負けです………」

「自分勝手とは承知してますが…見逃してもらえませんか」

 

 

「でも…ソイツは…」

 

「ええ…それでも…やはり私達の提督ですから……」

「…間違ってるとわかってても……止められない私達にも責任はあります」

 

 

 

「…無理なら……私の命でどう?」

 

 

 

 

 

「…卑怯だぞ」

 

「ええ…でも…やっぱり大切だから…」

「…次に会う時は……演習相手であったらいいわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぞろぞろと引き上げて行く艦娘達。

 

 

 

 

 

結果として…旗艦と提督の敗走という事で鎮守府を取り返しはできたものの…

 

 

……負けだなぁ。

………複雑な気分だ。

 

 

根本的な解決にはなってない…

ピンチは凌げたんだけど……

 

 

 

 

 

疲れた…。

気合も入れたのに……空回り感が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?何これ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…どうやらまだまだ生きてるみたいだよ?」

 

「…大丈夫だ!絶対に俺たちは負けない」

「にしても…兄さんはすげえな!何で奴が転生者だってわかったんだ?」

林の前には兄と呼ばれる人物が居る。

 

 

「んー?知ってる奴に似てたんだ…」

 

 

 

 

 

 

「…俺の人生を壊した奴になあ」

男は左頬を摩りながら言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します!」

 

「ん?何だ?」

 

 

「西波島が奪還されたようです!」

「他の者の所在、新堂の所在も掴めてません…」

 

 

「そう…新堂は裏切ったか…殺されたと見るべきだね」

 

 

「あと…」

 

「ん?」

 

 

「…申し訳ありません。税収が高いと住民から不満が…」

 

 

 

 

 

 

 

「なかなかうまくいかねえよなあ…」

弟…孝が言う。

 

 

 

「それをどうにかするのがテメェの仕事だろう?」

兄は弟の顔を掴んで言う。

 

「…いいか?帝国海軍はな?お前達を守ってやってるんだぞ?たった一食の飯が食えないくらいで安全が買えるんだ…」

 

 

「いいか!貴様は今やこの軍…いや、国のトップと言っても過言じゃない…わかるな?」

「貴様の言うことが

「俺は…奴をこの世界から消したい…」

 

 

「だから表は貴様にくれてやるんだ…これ以上俺を怒らせるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…すみません……負け…ました」

 

そこには別室からモニターに向けて林に平謝りする金谷と艦娘達の姿が…

 

 

 

「あぁ……うん、いいよ」

そっけなく返事を返す林兄。

 

 

「あ、ありがとうございます!!すぐに態勢を整えて…」

 

「いや……疲れただろう…休むといい」

 

「え?」

 

「いえ!閣下!私達は…」

 

 

 

金陸奥は察した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生かす気は無いと。

あの目は…奴らとは違う…ゴミを見るまでも無い。

まるで…何も無いところを見る目だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おやすみ…」

 

 

 

 

 

 

「提督ッ!!」

必死に彼を庇おうとする艦娘達。

 

なんとか守ってみせ………

 

 

 

 

 

パチュン…

 

1発の弾丸は容易に守るべき人の頭を撃ち抜いた。

 

 

「……」

ダラリと力なく倒れる金谷。

 

 

「う…あ……うぁぁぁぁあ!!!」

「貴様ァァアッ」

 

 

 

ガラス越しに見えた…奴に砲身を向ける…が

そこに艤装はなかった。

 

 

 

 

そうだ…

ここに入る前に解除しろと言われたんだ…

 

 

 

そこまで計算…

ああ……クソ…

 

 

 

 

ごめんなさい……

ごめんなさい…

 

 

 

 

 

次々と倒れて行く仲間達。

 

 

 

 

クソ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな…軍…滅ん…で–––––…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…やりすぎじゃ無いか?…宮川よ」

 

 

「えー?負けて帰ってきたんですよ?当たり前じゃない…」

「雑魚はねえ…死ぬべきなんですよ」

 

 

「コイツらも…アイツらも…新しい時代には邪魔なんですよ」

亡骸を蹴りながらケラケラと笑う宮川と呼ばれた女。

 

 

「…帰るよ……」

ぞろぞろと隊を引き連れて帰って行く彼女達。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

「…お前達もああなりたくなかったら…頑張ることだな」

 

 

 

「は、はいいい!!」

 

 

 

 

「に、兄ちゃん…コイツらは……?」

 

 

「いつも通りだ…海へと返しとけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の中に沈む。

 

意識はもう途切れかけている。

 

 

あぁ…

悔しい…

誰か…この無念を……

 

 

 

 

 

 

 





割とカスみたいなキャラも出てきます…。



少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです。


感想などありましたらぜひ、よろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。