提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
響く轟音……戦闘音だ。
ここは猛武鎮守府、里仲 麗が提督を務めていた鎮守府。
例のクーデターにより、組織は壊滅…鎮守府は宮川達に乗っ取られていた。
住民達への当たりも強く、不満は溜まるがそこは軍人達である。
しかし、力で捩じ伏せられて声を上げることすら出来ない。
世間の声は上がる。
"軍は必要なのか?"
"本当に私達を守ってくれるのか?"
だが、彼女達は耳を貸さない。
強大な力を持つ者達にとっては…小鳥の囀り以下にしかならない声だから。
そして…
宮川 真希の目の前には敵がいる。
手も足も出ない…敗北。
たった1人の深海棲艦相手に部隊は壊滅においやられる。
奴は突然やってきた。
鎮守府に居座る彼女達の所へ。
たかが駆逐艦棲姫1人…と、彼女達は笑った。
次の瞬間だった。
加古と古鷹が吹き飛ばされた。
駆逐艦と侮ったやつの砲撃で…だ。
『か、かかれええええ!!奴を生かしておくンじゃねええ!!』
真希の号令の下に艦娘達が飛びかかる…が。
「…何なのよッ!!あンたはァ!!」
舌打ちをしながら相手を睨みつける宮川。
山城は隣で肩で息をしている。
『………』
投げかけられた言葉に彼女は答えない。
ただ一言だけ発した。
『…チガウ』
「…くっ…山城ォ!全員!一旦捨てて立て直すわよッ!」
「ハイッ!!」
宮川達は猛武鎮守府を後に敗走した。
駆逐艦棲姫が猛武鎮守府を占拠した。
そう密偵から連絡が来てから数日。
街の人も麗を心配する声も多く、ウチのような前例があるので
猛武鎮守府奪還作戦を立てることとなった。
麗は妙な胸騒ぎを感じていた…。
何だろう…言葉にできないけど…でも、確かな胸騒ぎ。
「不安か?」
少し肌寒い夜風の中に佇む私に…あったかいコーヒーを差し入れてくれたのは桜さんだった。
…最近は一緒に行動することも増えたから割と仲良くなった。
ミルク多めと砂糖…の代わりにチョコ?
「甘いものは落ち着くらしいから」
男勝りな所もほんの少しずつ…ほんの少しずつ直ってきてる……ような気がする?
「……ありがとうね」
そして何よりライバルである…。
『おーーい!救ー!!買い物行くから行こーぜ!!』
『ん?桜姉…いいよ!』
『おーい…手ぇ繋ごうぜ』
悩みの種は…多いよう…。
「ここにずっと居るのも幸せ…なんだろうけど…やっぱり鎮守府は私の家だからね…」
「あの2人のためにも…取り戻さなきゃ!」
「今回の作戦は…麗ちゃんと桜姉で遂行してもらう」
「補佐として将ちゃんにも遠海域まで同行してもらい、場合によっては戦闘に参加してもらおうかな」
「「「はい!」」」
「俺と巌さんは鎮守府海域と呉海域を警護するよ」
「え?俺も?」
「当たり前です」
「総指揮は…麗に任せる」
救は初めて麗を呼び捨てに呼んだ。
「……はい」
それは彼女を信頼しての言葉。
海軍大将としての麗への指名。
「…大丈夫、麗ちゃんならやれる」
「うん!」
明朝、作戦は開始された。
「もうすぐ近海域に入る……うん?…アレは……」
猛武鎮守府海域近くで…誰かがこっちへ向かってる?
敵…か?と身構えるメンバー…。
が…
「敵じゃありませえん!!」
眼鏡をかけた女の子と数名の艦娘が涙目で手を振っていた。
「……」
「た、助けてくださいいい!!」
「あなた達は…?」
「ば、僕は織田 静と言います!僕達は……宮川の圧政に耐えかねて逃げ出したんです!お願いします!撃たないで!!」
話を聞くと…宮川はかなりの強硬派らしく、味方の人間ですらも使えなければ処分する…らしい。
「私は…今から鎮守府を取り返しに行くんです。あなた達は…えと……」
「な、なら!僕達も…行きます!たくさんやられたんで…少しでも仕返ししたいんです!あなた達の力になれると思います」
「……えと…」
「……俺達はお前達のことを知らない。だからお前達を庇う、守る余裕は無いぞ」
「え、ええ!大丈夫です!奴等から鎮守府を取り戻しましょう!」
「………」
猛武鎮守府近くは何とも異様な雰囲気にあった。
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