提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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227話 猛武鎮守府奪還作戦 ② それが彼女の選ぶ道

目の前には鎮守府を囲おうとする宮川達と阻もうとする深海棲艦達。

三つ巴の戦い。

 

 

 

 

「あン?クソッ…タイミング悪ィな…」

 

「って…おーおー!あン時のお嬢ちゃんか!ギャハハ!」

()()()()()()()()()()

 

 

 

「フン!嫌味な奴だな…」

 

 

「そっちは…ああ!桜さンかァ!最強も見る影ねぇなァ」

 

 

 

「んでお前は………ふん」

静を一瞥して笑う真希。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ…不出来にしちゃあ良くやったよ」

 

 

「何?」

 

まさか!と桜達が振り返る。

 

 

 

「ごめんなさい…」

 

 

 

 

 

 

 

「…ぅ……ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさい」

 

泣きながらこちらに銃を向ける静達、

 

 

 

「家族が人質にされてるんです!ごめんなさい!こうするしかなかったんです!!」

 

 

「宮川ッ!貴様ッ!!」

 

 

「あン?使えるもんは…何でも使わないェと損だろぉ?」

ケタケタと笑う真希。

 

 

「あなたはそんな人じゃなかった筈だよ!真希ちゃん!!」

 

「……ハァ?何知ったような口を叩いてンだよォ…?」

「前々からテメェは気に入らなかったンだよ!今度こそ死んどけや!」

 

 

 

 

 

 

迫り来る2つの勢力。

 

 

 

桜の判断は早かった。

 

 

 

 

 

 

 

「麗…俺が道を切り開くッ!!行って将大と合流して外側から攻めて来い!深海棲艦と三つ巴の戦況なんだ…。奴等も深追いはできまい」

 

「桜さんは!?」

 

 

「……大丈夫だ」

 

 

麗はその意図を察した。

 

「そんな!嫌ですよ!一緒に乗り切りましょう!!」

 

 

そう言うのは分かっていた…だから…

 

 

「やかましいッ!!」

桜は怒鳴った。

 

 

 

「いいか?麗…時には下したくもない決断を下さなければならない時があるッ!」

「貴様のその甘さが…時には仲間を危険に晒すんだぞ!!」

 

 

 

 

そして優しく麗の肩に手をおいて言う。

 

 

 

 

 

 

 

「…私達にとって大切なのは未来なんだ。私達の仕事は…その未来を潰えさせない事だろう?」

「お前もその未来の中の一つなんだ」

 

 

でも…と泣きじゃくる麗の頭を撫でる。

 

 

 

 

「猛武蔵…リシュリュー!分かってるな?」

桜は艦娘に問いかける。

 

 

「わかってる…」

と返す2人。

 

 

 

 

 

「……行け!!」

 

 

 

 

 

「桜さあん!!待ってて!絶対…絶対!!」

 

 

 

 

 

 

 

お前は…優しすぎる。

 

 

だが…その優しさは…今の世になくてはならないものなんだ。

だからお前の行くべき正しいと信じる道を行けー…

乙女なら…何が何でも生きて大切なものは守って見せろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は…舞鶴の虎ッ!!」

 

 

 

 

 

 

ふと、ある男の姿が頭を過った。

 

 

彼女はフッと笑う。

彼女にとって守りたい者は1人の男。

自分を認めてくれた…年下の男。

 

 

「……この気持ちが…好きだと言う気持ちなら…喜んでそれに従おう…」

 

 

「愚弟よ…奴を頼むぞ」

 

「神崎よ!!自信を持てッ!!貴様は…この私が惚れた男なのだ!!」

 

 

「麗よ!!お前は…私が惚れた男が惚れた女なんだ!!、負けるな」

 

 

 

 

 

「さあ……いざ!参るッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆…一緒に死んでくれるな?」

 

 

 

「もちろん!なんてたって…」

「最強の艦隊ですから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虎の異名は伊達じゃなかった。

近付く者は深海棲艦だろうと、艦娘だろうと薙ぎ払った。

 

 

 

 

「くらいなさいっ!!」

 

ズドォォンと大和から主砲が放たれる。

 

「「ぐううう!!!」」

 

舞大和の砲撃は一度放てば最低でも2人を大破においこんだ。

 

 

 

「そらそら!!おっそおおおい!!!」

「よそ見はダメだよ!」

 

 

誰一人として舞島風を捉える事すら出来ない。

 

 

 

 

 

 

静達の艦隊はそもそも、交戦の意思が少ないのか…

割とすぐに攻略できそうだった。

人質があるとはいえ…敵対してる以上、仕方ないと言い聞かせた。

 

 

 

 

絶対に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「救ちゃん!!姉貴が!!くそっ!こっちもひでえ!!多い!!」

通信で将大は救に話しかける。

 

 

 

 

 

「なんとなくこうなる事は分かっていた。」

 

 

 

「は?」

将大は叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「救ちゃん!?何故だ!!それじゃ姉貴はッ!!」

「クソッ!!今から姉貴達の方へ行くッ」

 

 

「ダメだ!!そこの戦線も崩すわけにはいかない!!」

 

 

「何でだッ!!救ちゃん…お前は……」

 

「……諦めてるわけではない」

 

 

「なに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響く轟音。

馬鹿げたもんだ…。

 

守り合う同士が傷つけあって…。

 

 

 

いくら強かろうとも四方を囲まれればジリ貧になる。

少しずつ押される舞鶴チーム。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐうううう!!」

旗艦の舞長門が被弾した。

 

「くそっ!負けるかぁぁ!!」

 

 

 

「しつけーンだよ!早く沈めやぁあ!!!」

止まる事のない猛攻に押される。

 

 

 

 

 

 

「あぐっ!!」

桜を乗せた伊勢が被弾して桜は海へと弾き飛ばされた。

 

 

 

「桜ッ!?」

急いで桜を乗せ直す伊勢。

 

「ま、まだ大丈夫だ…」

その頭からは血が流れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

思い出す。

 

 

戯れに膝枕をしてもらった…。

 

 

どうか少しで良い…

このまま…このままで居させて欲しい。

 

君の温かな膝が…肩が好きだった。

 

君の明るい表情か好きだった。

 

君の人を思いやるとこが好きだった。

 

君の…全てがいつの間にか好きだった。

 

 

 

ありがとう…

 

 

感謝する…

虎と恐れられた私に…楽しい時間をくれて…。

 

 

 

こんな状況でなければ…もっと生きていられたのか?

恋…愛だの…

 

 

 

 

「……いや、大丈夫だ!まだ、まだやれる!!」

 

 

 

 

「うおおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう退場しとけやァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

宮川と山城宮陽炎、宮比叡が桜に襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諦めてるって訳ではないとは?どう言う意味だ!」

「…麗ちゃんと合流した後だと助からない!!」

 

 

「……いや……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドドドドド!!!

襲い掛かる3名の艦娘の前に艦載機からの掃射がばら撒かれる。

 

 

「あン?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿者ぉ!!何故行かないッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜は狼狽した。

 

何故なら麗が来たから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…決めたんですッ!!もう…誰も…誰一人として…死なせないって!!」

 

「私は私の信じる道を…行きますッ!」

 

「これが私の…選ぶ道なんですッ」

 

「命令違反というなら罰してください!また皆で笑い合って居られるなら…罰くらい受けます!」

 

「麗……」

 

 

 

 

「との事だ!桜さんよ!」

リシュリューが言う。

 

「ウチの麗も我儘になったんだ」

武蔵が笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『戻るよ…武蔵』

 

 

『なっ!?麗?!』

 

 

『戻るの!!後悔したくない!死なせたくない!!なら!!私達がやるしかないの!』

 

 

『私達ならできるッ!!明日を守るなら…今ここでやらなきゃ!!』

 

 

『……麗がそう言うなら』

 

『武蔵!?』

リシュリューは武蔵に言う。

 

『…いや、私達の鎮守府だ』

『…それに……あの本気の目の麗は…神崎でも動かすのには苦労するだろう…。そして………それでこそ私らの提督だッ!!』

 

 

『皆!!私に力を貸してッ!!桜さん達を助けて…作戦を遂行します!!』

 

 

『命令違反だぞ?』

 

 

『皆を救えるなら…いい!!私が全部責任を負います!!』

 

 

『…いや、全員でだ!!行くぞ!!皆ァ!!反転だぁぁあ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが彼女の決断。

甘いと言われようと…戯言だと言われようと…。

死なせたくない。

 

何故なら…彼女の役割もまた

明日を守る事だから。

 

その明日の中に…桜達も含まれているから。

だから麗は戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「麗ちゃんは…アイツらは強いから!」

「麗ちゃんは…桜姉を置いて行かない」

 

 

「…なっ……」

 

「将ちゃん!早めにその戦線を終わらせてから合流に向かってくれ」

 

 

「…早くそう言ってくれよう!心臓に悪い……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疲弊した桜の前に立つように…

麗達は静や真希、深海棲艦達の前に立ちはだかる。

 

その背中は…

いつかの英雄達のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

『オマエ』

 

 

駆逐艦棲鬼が麗に飛びかかる!

 

「きゃあ!?」

 

 




630…お気に入りありがとうございます(´;ω;`)



はい、麗が主人公ですね。
彼女も色々経験して少しずつ良い意味で我儘になってきました。
ある意味成長が凄い子です。



明日は…お休みをもらいますうう



少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです!


感想等お待ちしてますっ!!
ぜひ!よろしくお願いします!
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