提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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228話 猛武鎮守府奪還作戦 ③ 里仲 麗

静は驚いた。

彼女達は悪い人達じゃないのは知っていた。

でも、大切な家族が半ば人質のようにされていて…逆らえなかった。

代わりに彼女は艦隊に「1発たりとも弾丸を当てないで」と命令を下していた。

 

 

 

麗が戻ってくるなんて思わなかった。

 

 

援軍を呼ぶ頃には…あの虎ですら、狩られて居るだろうと思っていた。

 

なのに彼女は戻ってきた。

2度と誰も死なせないと言う意味はよくわからなかったが…

真剣な目で…泣かずに帰ってきて私達の前に居る。

 

それに比べて…私は……。

 

 

 

 

 

 

『オマエ…オマエエエエエエエエエ』

 

棲鬼が麗に組みついて叫んだ。

 

 

「このッ離れろ!!」

武蔵に弾き飛ばされる棲鬼。

『ミツケタ…』と、笑いながら彼女達を見つめる棲鬼は皆を見ながら

『邪魔ダナ…』

と、呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『オマエハユルサナイ』

 

「はァ?意味分かンねぇ」

 

 

 

 

 

 

「まぁいいやァ…纏めて…皆殺しだァァア!!」

 

「桜さん!後方から支援お願いします!」

 

「え…あ、あぁ!」

 

 

 

 

桜には一瞬彼女がとてつもなく大きく見えた。

 

猛武鎮守府ー…。

英雄の居る鎮守府の名を継いだ鎮守府。

 

それは重荷だったろう。

とてつもない重圧だっただろう。

しかしー…

 

 

守りたいものの為に戦う。

理屈だとか命令だとかじゃない。

 

届く範囲で守れるものは全て守りたい。

 

 

 

今の彼女の…いや、彼女達の背中は…

紛れもなく英雄の名を冠するに相応しい姿になりつつある。

 

 

「武蔵!要注意は深海棲鬼と棲姫!そして…宮川さん達だよ!」

 

「了解ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…さて……あなたは…どうするのかな」

 

 

「静ちゃん」

 

 

「…里仲…さん…」

 

「立ち上がらないの?」

 

「…自分が間違っているのは分かってます」

「でも…しょうがないじゃないですか!!両親や兄弟を人質にされて…逆らえる訳ないじゃないですか!」

 

「うん…そうだね」

 

「…ッ!!なら!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたが胸を張って家族に戦ったと言えるならね」

 

 

ズガン…と言葉が胸に刺さる。

 

「私にも…家族が居るよ…。花嫁姿を早く見せろって言う両親が…ね。それに…愛する人も居るよ!……うん、今の私も命令違反をした…部下としては最低な奴だけど……もう私の大切な人を誰も死なせたくないから!!」

 

 

「だから、もしも私がここで死んでも胸を張って言えるんだ!!」

 

「私はッ…自分の進むべき正しいと思う選択を精一杯生き抜いたんだ!!って!!!!」

 

 

 

 

でも負けられない…

私には…好きな人がいて…愛する人がいて!

私を愛してくれる皆がいるから!!!

 

 

「あなたが…その道を行くなら…私は!あなたを超えて行く!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ…

私は…幼い弟や妹…両親を守る為にここに来たんだ…。

なのに…顔向けできる事をしていない!

 

ここで失敗しても…責任を取らせるって形で殺されるだろう…

そうなったら家族はどうなる?一緒じゃあないか!!

 

 

なら…せめて…

あの人に逆らうとしても…私は私の成すべき事をした!って胸を張って言える軍人でなくっちゃ!!

 

 

 

「…ぁ…」

 

言え!!

言うんだッ!!

 

「ぼ…僕…は」

 

言ええええええ!!!

 

「…里仲さんと共に…胸を張れるように戦うよ!!」

 

 

 

 

「うん!よーし!心強いよ!」

「なら…まずは…桜さん達を安全な所へ!誘導と護衛とをお願い!将大さんが来たら状況を伝えて!」

 

 

「さ、里仲さんは?」

 

 

「私は…私の家を取り返してくるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迫り来る深海棲艦と真希の艦隊と戦う猛武勢。

やはり、武蔵とリシュリューが中でも群を抜いて戦果を上げる。

 

 

 

乱戦の中真希は思った。

勝ちたい…いや、負けたくないと。

何があってもこいつらには負けたくない…と。

 

特にこの姫クラス、鬼クラスには負けられない。

 

 

 

ならば…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

纏めてやればいいだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真希は命令を下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

味方諸共掃射せよ––––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当然。

誰が想像できようか?

 

味方艦ごと沈めようと…いや殺そうとするなんて。

 

 

離れたところから列をなした戦艦、重巡組が砲撃を放つ。

空からは爆撃がー。

 

 

 

 

 

 

「うぐううう!!」

「提督!?そんな!?」

 

『グァッ…』

『バ、バカナ』

 

「嘘っ!?」

 

 

 

 

戦況は一気に傾いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だよね?里仲さん!?」

 

「麗ッ!?返事をしろッ!!麗っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

死を覚悟した。

 

 

 

 

 

 

 

が…私は生きていた。




はっぴーはろうぃん!
お気に入りの数が634…武蔵
はい…さーせん…。



少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです!

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