提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

264 / 453
258話 翔鶴と1日夫婦 ①

「提督…明日1日ですが、この不束者をよろしくお願い申し上げます」

深々と三つ指をついて頭を下げるのは翔鶴。

明日からの1日の為に前夜からお願いに来たのだ。

 

 

はーーー!!

旦那様の部屋ぁぁあ!!

旦那様って…私ったらぁ!!

ダメよ!翔鶴!落ち着きなさい…

 

 

 

「硬いよう!?もっと気楽に行こう!?」

「なんか皆は今くらいから来るし…うん、もっと甘えてもいいんだよ?」

 

 

「…よろしいのですか?」

 

「うん」

 

「本当に?」

 

「おう」

 

「後悔しませんね?」

 

「ん、あ、ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プツン…

 

 

 

 

 

 

「旦那様あぁぁ!!」

 

 

ガバァ!!

 

突然翔鶴は救に飛びついた。

 

 

 

「!?!?!?」

 

 

「あぁー!旦那様ッ!旦那様ぁあっ!!」

「好き好き好きしゅきー!!!」

 

普段の翔鶴からすると、到底考えられない姿がそこにはあった。

 

え?

何これ?

この人本当に翔鶴?

 

「はーーー」

 

目を♡にしてスリスリと擦り寄って甘えてくるこの子が…

あの翔鶴?

 

 

 

 

 

 

 

 

「うそおおお!?」

 

 

 

「どうしましたか?私の旦那様?」

 

「私の…てか、おまッ…お前は誰だ?」

 

 

 

「あなたの…あなたの妻です!翔鶴です!」

 

 

 

「明石になんか変なクスリ飲まされた?」

 

「至って普通ですが?」

 

「え…」

「なら…素がそれ?」

 

 

「普段はだいぶ抑えてます」

 

「……」

 

「でも…いいんですよね?今日、明日くらいは…」

「それとも…幻滅しましたか?」

 

 

「……ぶふっ」

 

「?」

 

「ハハハハハ」

笑い出す救に戸惑う翔鶴。

 

 

「ハハハハハ!あはハハハハハー…ひぃー腹が…うほほ」

 

「あ、あの提督?」

 

 

「いや…真面目気質な翔鶴にこんな一面があったなんて…数年一緒にいても分からないとこもまだまだあるんだなあ…ってさ」

 

「我慢なんかしなくていいだろう?いつでも素で居てくれる方がいいよ」

 

「周りを見てみろ〜?」

 

 

『ダーリン!バーニングラブデース!』

 

『榛名は…ダーリンさんと…♡』

 

『指揮官様あ♡……あら?虫が…』

 

『指揮官〜♡』

 

 

 

 

「部屋に忍び込む…偶然を装って15回も遭遇する…」

「…そんな奴もいるんだぞ?」

 

「それはそれで大丈夫なのですか?」

 

「慣れる」

 

「…慣れですか…お強いですね」

 

 

 

「まあ…なんだ…。俺は素で居てくれる方が嬉しいぞ」

 

 

「……」

考え込む翔鶴…。

 

 

 

「??どした?」

 

 

 

「あ…いえ、こうやって堂々と甘えられたら嬉しいのですが……でも…この姿はあなただけに見せたいと思う自分も居るんです」

 

 

「本当ギャップがヤバいよね翔鶴は」

 

「でもやっぱり甘えたい〜!」

やっぱりガバッと飛びついてきて頬擦りする翔鶴。

とてもじゃないけれども5分くらい前まで厳粛に三つ指ついてよろしくお願いしますねと言っていた人物と…同一とは思えない。

 

まあ…「うふふ…」と普段は大人しくても…

戦闘中になった瞬間に「オラァ…!血ィ見せろやぁぁあ!!」

なんて言う奴もいるしなあ…。

 

「旦那様ぁ〜ダーリン〜」

 

 

「提督さん〜失礼…す」

 

「あら?瑞鶴じゃない…どうしたの?」

 

「???あれ?えと…えと…」

「あれ…なんか一瞬…凄い意外な翔鶴姉「なんのことかしら?」

 

「いや…あ「見間違いじゃない?」

 

「でも…あ「瑞鶴?」

 

翔鶴はトン…と瑞鶴の肩に手を置いて…耳元でボソリと言った。

 

 

「世の中にはね?知らない方が賢いこともあるのよ?」

 

 

ボソリと…。

 

「ヒッ…」

縮み上がる瑞鶴。

 

「翔鶴…」

 

「…はあ…まさか瑞鶴に見られるなんて…」

 

 

「し、翔鶴姉?」

瑞鶴はガクガクと震え上がっている。

余程怖かったのか…

 

「てて提督さん」

と、引っ付いてきた。

とりあえず震える瑞鶴をよしよし…と慰める。

 

「ず、瑞鶴ぅぅ!?」

 

「こら!翔鶴…瑞鶴が怖がってるだろう?お前達は姉妹なんだから…てか…瑞鶴すらこのキャラ知らなかったんだ…」

 

「前にキャラ変わった時はそうだったけど…素だとは思わなくて…」

 

あぁ…確かにそんなこともあったな。

前に明石の薬かなんかで皆のキャラが変わった時に翔鶴が今みたいな感じだったな。

 

確かにあの瑞鶴が全力で逃げ出してたもんなあ…

 

「……ごめんなさい…瑞鶴」

俺に怒られて少ししょんぼりする翔鶴。

 

「…翔鶴姉…私こそごめん…」

 

 

 

 

 

「……どんな空気やねん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…そうだ!これ、遠征の報告ね!遅くなってごめんなさい」

「……翔鶴姉」

 

「何かしら?」

 

「わ、」

 

「「わ?」」

 

「私だって…提督…いえ!旦那さんの事…愛してるからッ!!」

チュッ…と投げキッス……してから顔を真っ赤にしてうずくまる瑞鶴。

慣れないことをするから……

 

「…おうふ…」

 

「な…なんですって!?」

 

「私だって負けないもん!ねー!あなたー♡しゅきー!しゅきー!」

 

「…瑞鶴ッ!!あなた絶対最初から見てたでしょう!!」

 

「そりゃそーよ!あんな空気で入れる訳ないでしょ!?」

 

「な、なら…怖がってたのは…」

 

「甘いわ!翔鶴姉!!……それもテクニック…よ…」

 

 

 

「「うがーーーっ!!」」

 

 

始まる姉妹大乱闘。

瑞鶴も加賀以外と取っ組み合いなんてするんだねえ…なんてお茶を飲みながら見守る救。

 

あれか?

「私の為に争わないで!!」ってやつか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……良いドロップキックしてんじゃん…瑞鶴…」

 

「翔鶴姉こそ…すごいアイアンクローだったわよ」

 

 

「…プロレスかな?」

 

 

ガッチリと握手を交わしてから解散する馬鹿姉妹。

 

 

「………って!瑞鶴うう!報告書おおおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…疲れたよおう」

 

「あら?お疲れですか?なら寝ます?一緒に♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目の前でジーッと見つめられたら寝れないよ」

 

 

 

 

「お気になさらず♡」

 

 

いや…お前が言うなや…と思いながら眠りに落ちる提督だった。

 

 

 

 

 

 





さーせん
ウチの所属の翔鶴はこんなんです。
ヤベーヤツランキングがあったら上位に食い込みます。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。