提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「旦那様あ〜起きてくださーい!朝ご飯が出来ましたあ!」
「おはよう…翔鶴」
「朝ごはんにしますか?それとも…わ・た・し?」
「…とりあえず顔洗ってきます」
あの真面目な翔鶴がねえ…
一晩経った後ですらそう思う……。
てか…ずっと見つめられてたしなあ。
というか…抱き締められてた気がする。
良い匂いだった……。
瑞鶴と格闘してた時もそうだけども…
意外とあのギャップが良いなと思う自分が居る。
てか瑞鶴も可愛かった。
…おや?背中に寒気が走ったぞ?
出会った頃は…何というか…
硬いイメージがあった。生き方も考え方もそう。
責務として…俺についてくる、そんな感じ。
いつからかは…打ち解けたと思ってたけど…そこまで思われてたんだなあ…。
…指輪渡そうかな……先に。
あ、おかえりなさい♡と迎えてくれる翔鶴。
「で?どちらにしますか?朝ごはん?それとも私に「翔鶴」
「…はーい♡私ですねー…って」
「え?」
「わたし?」
「いえす」
「わ…わたし…」
え?
聞き間違いでしょうか?
今…朝ごはんにしますか?私にしますか?と言って…顔を洗ってくるねと流されたので終わったタイミングで聞き直したのですが今旦那様は翔鶴とはっきり言った気がします、はい。私はあれでしょうか?拗らせすぎて幻聴が聞こえたのでしょうか?謎は深まりますのでもう一度聞いてみましょうか
「私ってのは…翔鶴ですよね?」
「もちろん君だ」
「…はぁ…なるほど…」
聞き間違いじゃなかったぁあ!!間違いなく私だったぁぁあ!!え?朝からですか?朝から…やっちゃうんですか?
いえ、私は全然良い…ハッ…!?朝ご飯作る時に汗を少しでもかいた可能性が…ッ
ここはお風呂にはあるべきだと思いますが…ハッ!まさか…まさかぁ!2人でお風呂に…?大胆すぎます…大胆すぎます!!こんな朝から…2人でお風呂で濃厚な……『翔鶴…良いだろう?』『お待ち下さい…旦那様ぁ〜』なんてやったりするのでしょうかぁ!?!?あーーー!旦那様ぁぁい!!
ちらっと救の方を見る翔鶴。
「ここで…でも良いかなあ」
え…ここでってのは…今すぐここで致すんですね!?
お風呂なんか要らねえ!と…そう仰るんですねえ?分かりました…うへへ…この翔鶴…きっとやってみせます…五航戦の誇りに賭けて…戦艦だろうが一航戦だろうが…負けてたまるものですかッ!!え?弩級戦艦?…胸じゃないんですよ!大切なのは!!大丈夫!そこは別のでカバーしますからぁぁあ
「…それが旦那様のお望みなら…」
スルスルと服を脱ぎだす翔鶴。
「え?翔鶴さん?ちょっと…?」
あたふたと目を隠したりする救。
「さあ!お召し上がれッ!」
両手を広げて……oh………
「ふ、服を着てくれええ」
「…?」
説明に5分くらいかかりました。
翔鶴にするの意味は…指輪を渡したかった訳で…
いや…食べて良いなら食べたいさ。
終身まで皆に捧げる覚悟もある。
だけれとも…その線を越えるのはまだ先だ。
「…やっと渡せるな」
「ご飯前ですまない。受け取ってくれるか?」
「……指輪」
「あぁ…夫婦で朝ごはんを食べないか?」
「………はい」
ぽろぽろと、涙をこぼす翔鶴。
「翔鶴?」
「私にとって…提督は全てなんです」
「以前は…生まれてきた意味も…死ぬ意味も」
「あなたを守る為に生まれて」
「あなたの為に死ぬ」
「それが…五航戦…いえ、西波島航空戦隊の翔鶴なのです」
「それだけで十分だと思ってた…筈なんです」
「でも…愛されたいと思ってしまったんです」
「その気持ちは日々大きくなって……何年もお慕いしておりました…ずっと…ずっと」
「何度も私には魅力が無いのかと思ってました。妹に負けて…嫉妬もしました。あなたの目に写りたくて…無茶もしました」
「生まれてきた意味も…生きる意味も、死ぬ意味も変わりました」
「あなたを守る為に生まれて…」
「あなたと共に歩んで…」
「あなたと共に死にたい」
そう思うようになったんです…
「現に私はあなたに抱かれたいです」
「あなたに指輪を差し出されて……思考が止まるくらいに…幸せなんです」
「翔鶴…」
お前本当にさっきまでと同一人物か?
「俺は…お前を見ていた。秘書艦が伸びて残念そうにするのも、ずっと隣に来ようとするのも…守ってくれるのも…」
「愛してるとも」
「いや…ここまで愛してくれる君がいるのが幸せなんだ」
「だから…もっと隣で幸せと明日を分かち合いたい」
「喜んでお受けします」
涙ぐみながら…
それでも笑顔で俺にそう言った翔鶴。
ずるいなあ…その表情…。
ドキッとするくらい可愛い。
たった数グラムに満たない程の銀細工。
他の人は…その重みがすごいとか…
指輪の感じが良いとか…慣れてきたときに指についた跡が心地いいとか…言うけれども……
その通りだった。
この数グラムにも満たないものに私の今の幸せがこんなにも詰まっていて…
この左手に伝わる重さは…
こんなにも私に愛の実感をくれる。
「……」
そのキスも…意味が変わる。
誓います。
ずっと…あなたと共に…
「はぁぁああ♡これで私も…嫁…♡」
「旦那様ぁー!私は幸せですううう」
「旦那様ぁぁあ!好き!好きい!だいしゅきー!!」
「俺もだいしゅきー!!」
「さあ!朝ご飯が冷めますよ?」
「急に元に戻んなや…頑張ったんだぞ?」
皆に見送られてから街へ出た。
街では全開でベタベタ甘えてくる翔鶴。
ありふれたデートもその指輪のおかげで少し変わる。
繋ぐ手はいつもより強く握られて…
歩くスピードは少し遅い。
いつもの一緒の景色や場所なのに…
いつもよりもドキドキと胸が高鳴って…
食べるものすら…滅多に食べない高級品のように感じる
ううん…味よりも、あなたがそばに居る事が嬉しすぎてわかんない。
心なんて要るか?と思った事もある。
でも…今は思う。
こんなに素晴らしいんだ…って。
翔鶴はクスッと笑う。
その横顔を見ながら…高鳴る胸に手を当てて…
「?ん?どした?」
「いいえ…」
「ただ…」
「ただ?」
「幸せなんです…愛しています♡旦那様」
「そうか…幸せなら俺も幸せだ!愛してるよ」
「私ですね?」
「うん?」
「桟橋や海から見る鎮守府が1番好きなんです」
「ほー…なんで?」
「ここは…私が生まれたところで……」
「私が帰る場所で…」
「私を待つ人達が居る所で…」
「あんなに小さかったところが、ボロボロだったところが…こんなに大きくなって…沢山のメンバーで溢れて」
「それを見て行くのが…堪らなく幸せに感じるんです」
ピトッ…と肩に顔を預けてくる翔鶴。
「…この幸せをくれて…ありがとうございます」
「ほんと…ギャップだらけだよなあ…君は」
「可愛いなあ」
「…ありがとうございます♪旦那様♡」
「はい…これを」
翔鶴は小さな箱を差し出した。
「開けて良い?」
「はい!」
中には…羽の裏ボタン。
「鶴の羽?」
「はい!」
「その羽がきっとあなたを守ります」
「たくさん無茶して…危ない目に突っ込む旦那様へ…恩返しできる羽はないので…それで」
「ありがとう…」
「あ!瑞鶴の鶴も鶴ですけど…私ですからね?翔鶴ですからね!?」
「お、おう…」
「旦那様ぁあ!!」
「好きですー!大好きですー!!」
「あれ?そのキャラで行くの!?」
「はい!やっぱり愛してると伝えないと…ね!」
それからと言うもの…翔鶴は素で行動するようになった。
…こう言うキャラもええよね……
他の犠牲者は誰になるかな?ヤベーヤツ化されるのは…
少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです。
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