提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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262話 由良と1日夫婦 ③ 暖かさをありがとう

幸せとは何だろう?

 

 

 

あれから本当に悪夢を見なくなった。

 

 

 

そして…

 

やばい…。

この人への想いが…本当に大きくなって行く。

悶えるくらいに。

 

「今日は…甘えて良いですか?」

 

「今日に限らずいつでも!」

 

 

 

 

「良いのかな…私が…こんな…」

 

 

「いいとも…ほら、行こう!由良」

 

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

提督さんとお出掛けをする。

 

街は冬景色になって澄んだ景色は遠くまで綺麗に見渡せる。

吐く息は白くなって風に乗る。

私が今もここに生きていることを実感させてくれる…

 

 

「寒いですね」

 

「そうだなあ…寒いなあ…」

なら…と手を繋いでくれた。

コレで少しはあったかいだろう?なんて言ってくれる。

あなたの握ってくれる手の温もりが…嬉しくて…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「由良…お昼はオムライス…食べない?」

 

「はい♡」

 

 

ドキドキする…。

こんなに胸がドキドキするものなの?好きな人と2人きりって…。

 

 

一つのオムライスを2人で食べます。

とろっとろの卵が乗ったオムライスは…とても美味しくて…。

鬼怒に怒られそうなほどに贅沢で…幸せなお昼ご飯。

 

「提督さん?あーん」

 

「あーん」

「うん、余計に美味しい」

 

「…」

 

「ん?」

 

「わたしも……」

 

「はい、あーん」

と、提督さんと濃密な時間を過ごしています。

 

 

2人で手を繋ぎながら…空いた左手を空にかざして見ます。

太陽にキラッと反射する指輪は…とても綺麗で…。

 

 

 

本当に幸せなんだなと強く思います。

 

 

 

 

 

「危ないよ…」

なんて肩を寄せてくれて車が来たら私を守ろうとしてくれる。

「俺がこっち歩くね」

なんて歩くところを代わりながら。

 

「…あ……」

前に雑誌で見た…コート。

鬼怒も似合うよー?なんて言ってくれた…。

 

 

 

 

え?50000円!?

このコートが!?嘘?!

思わず二度見…からの三度見を行う。

はい、値段は変わりませんね…雑誌でも値段は見てなかったなあ…

 

「どうですか?お客様…そちら人気でラスト一着です」

 

「え?!あ…あの…」

「もし…買わなければあちらのお客様が…お買い求めしたいそうで……」

 

 

確か…私の財布の中身は……足りない…

諦めるしかないかなあ…なんて思って居た。

 

「どうぞ…」

 

 

「良いですか?」

 

「はい。奥さんの方が似合うと思うので…」

 

その夫婦は…にこやかに帰っていった。

 

 

 

少し気まずそうな提督さん。

 

 

「て、提督さん?」

 

「ごめん…」

 

「え…いや!良いんです!私にはなかなか似合わないですよ!これも運です!仕方ないですよ」

 

本当は…欲しかったけど…

似合ってると言ってもらいたかったけど…仕方ない。

 

 

「いや…うん」

「鬼怒に聞いてたんだ…」

「だから…」

 

 

 

 

 

「ご予約の神崎様ですね?こちらお取り置きしていた分です」

 

「…買ってたんだ…うん。だから由良が買ったら…危なかった」

 

 

 

「いつの間に…」

 

「いや、本当は前もって渡そうと思ってたんだけど…取りに来られなくて」

 

 

私に付き添ってたから…?

後で他の人にお使い頼まなかったんですね?って聞いたら…

君への贈り物だからね。自分でやんなきゃ!

って言ってました…。

 

 

 

 

 

一気に明るくなる由良。

 

 

「わ、私に?」

 

「うん」

 

「着てもいいですか?!」

 

「うん」

 

コートを脱いで…店員に促されて、新しいコートに袖を通す…

 

 

「どう…ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄く似合ってる…」

 

 

「えへへ…ありがとうございます」

 

 

欲しかった言葉…

あったかいのはコートだけじゃなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道…

ふと後ろから…こっちに来ないの?と声が聞こえた。

 

でも…

「こっち」って提督さんが私の手を引っ張ってくれた。

 

 

「確かにまだ君の中に重く残ってると思う…」

「でも…少しずつ前を向こう」

 

「俺が君を守るから」

 

 

 

 

 

「提督さん…」

嬉しかった。

この人について来て良かった…。

手を取ってくれた人があなたで良かった…。

 

 

 

「愛してます…私…私!今度こそ愛するあなたを守り切ってみせますから!」

 

言葉にならない思いは…涙となって溢れる。

私はそれ以上の言葉が思いつかなくて…

 

彼に飛び込んだ。

 

 

今度こそ…

今度こそ…!!皆…見ててください。

これで私の罪が許される訳ではないけれども…

それでも私はこの命で今の大切な人を守って行きたい。

 

 

だから見てて…

 

見守ってて…

 

きっとやり遂げるから…。

 

 

 

 

 

「ゆっくり帰ろうか…」

 

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の手を取ってくれた愛しい人。

私と一緒に深い闇に降りて来てくれたあなた。

ありがとう…。

 

 

これからもずっと…

あなたのそばに居させてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん!元気そうで良かった!」

 

「鬼怒。心配かけてごめんね?」

 

「ううん!大丈夫!」

「それより……」

 

「指輪もコートも羨ましいなァ…」

 

「えへへ…」

 

「むー!幸せそうな顔見せつけちゃってー!ズルイぞー!」

「飯!飯とデザートおごれー!!」

 

姉妹でにこやかにご飯に向かう姿があったとか…。

 

 

 

 

「…鬼怒?そろそろ容赦して欲しいな…」

 

「お姉ちゃんの財布を空にしてやるううううう」

 

 

 

 





やっぱり幸せになって欲しい…!!
幸せになるべきだ!
幸せにしよう!





はい、少しでもお楽しみ頂けたら幸いです!



感想などお待ちしています!!
お気軽に…よろしくお願いします!!
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