提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
幸せとは何だろう?
あれから本当に悪夢を見なくなった。
そして…
やばい…。
この人への想いが…本当に大きくなって行く。
悶えるくらいに。
「今日は…甘えて良いですか?」
「今日に限らずいつでも!」
「良いのかな…私が…こんな…」
「いいとも…ほら、行こう!由良」
「はい」
提督さんとお出掛けをする。
街は冬景色になって澄んだ景色は遠くまで綺麗に見渡せる。
吐く息は白くなって風に乗る。
私が今もここに生きていることを実感させてくれる…
「寒いですね」
「そうだなあ…寒いなあ…」
なら…と手を繋いでくれた。
コレで少しはあったかいだろう?なんて言ってくれる。
あなたの握ってくれる手の温もりが…嬉しくて…。
「由良…お昼はオムライス…食べない?」
「はい♡」
ドキドキする…。
こんなに胸がドキドキするものなの?好きな人と2人きりって…。
一つのオムライスを2人で食べます。
とろっとろの卵が乗ったオムライスは…とても美味しくて…。
鬼怒に怒られそうなほどに贅沢で…幸せなお昼ご飯。
「提督さん?あーん」
「あーん」
「うん、余計に美味しい」
「…」
「ん?」
「わたしも……」
「はい、あーん」
と、提督さんと濃密な時間を過ごしています。
2人で手を繋ぎながら…空いた左手を空にかざして見ます。
太陽にキラッと反射する指輪は…とても綺麗で…。
本当に幸せなんだなと強く思います。
「危ないよ…」
なんて肩を寄せてくれて車が来たら私を守ろうとしてくれる。
「俺がこっち歩くね」
なんて歩くところを代わりながら。
「…あ……」
前に雑誌で見た…コート。
鬼怒も似合うよー?なんて言ってくれた…。
え?50000円!?
このコートが!?嘘?!
思わず二度見…からの三度見を行う。
はい、値段は変わりませんね…雑誌でも値段は見てなかったなあ…
「どうですか?お客様…そちら人気でラスト一着です」
「え?!あ…あの…」
「もし…買わなければあちらのお客様が…お買い求めしたいそうで……」
確か…私の財布の中身は……足りない…
諦めるしかないかなあ…なんて思って居た。
「どうぞ…」
「良いですか?」
「はい。奥さんの方が似合うと思うので…」
その夫婦は…にこやかに帰っていった。
少し気まずそうな提督さん。
「て、提督さん?」
「ごめん…」
「え…いや!良いんです!私にはなかなか似合わないですよ!これも運です!仕方ないですよ」
本当は…欲しかったけど…
似合ってると言ってもらいたかったけど…仕方ない。
「いや…うん」
「鬼怒に聞いてたんだ…」
「だから…」
「ご予約の神崎様ですね?こちらお取り置きしていた分です」
「…買ってたんだ…うん。だから由良が買ったら…危なかった」
「いつの間に…」
「いや、本当は前もって渡そうと思ってたんだけど…取りに来られなくて」
私に付き添ってたから…?
後で他の人にお使い頼まなかったんですね?って聞いたら…
君への贈り物だからね。自分でやんなきゃ!
って言ってました…。
一気に明るくなる由良。
「わ、私に?」
「うん」
「着てもいいですか?!」
「うん」
コートを脱いで…店員に促されて、新しいコートに袖を通す…
「どう…ですか?」
「凄く似合ってる…」
「えへへ…ありがとうございます」
欲しかった言葉…
あったかいのはコートだけじゃなかった。
帰り道…
ふと後ろから…こっちに来ないの?と声が聞こえた。
でも…
「こっち」って提督さんが私の手を引っ張ってくれた。
「確かにまだ君の中に重く残ってると思う…」
「でも…少しずつ前を向こう」
「俺が君を守るから」
「提督さん…」
嬉しかった。
この人について来て良かった…。
手を取ってくれた人があなたで良かった…。
「愛してます…私…私!今度こそ愛するあなたを守り切ってみせますから!」
言葉にならない思いは…涙となって溢れる。
私はそれ以上の言葉が思いつかなくて…
彼に飛び込んだ。
今度こそ…
今度こそ…!!皆…見ててください。
これで私の罪が許される訳ではないけれども…
それでも私はこの命で今の大切な人を守って行きたい。
だから見てて…
見守ってて…
きっとやり遂げるから…。
「ゆっくり帰ろうか…」
「はい!」
私の手を取ってくれた愛しい人。
私と一緒に深い闇に降りて来てくれたあなた。
ありがとう…。
これからもずっと…
あなたのそばに居させてください。
「お姉ちゃん!元気そうで良かった!」
「鬼怒。心配かけてごめんね?」
「ううん!大丈夫!」
「それより……」
「指輪もコートも羨ましいなァ…」
「えへへ…」
「むー!幸せそうな顔見せつけちゃってー!ズルイぞー!」
「飯!飯とデザートおごれー!!」
姉妹でにこやかにご飯に向かう姿があったとか…。
「…鬼怒?そろそろ容赦して欲しいな…」
「お姉ちゃんの財布を空にしてやるううううう」
やっぱり幸せになって欲しい…!!
幸せになるべきだ!
幸せにしよう!
はい、少しでもお楽しみ頂けたら幸いです!
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お気軽に…よろしくお願いします!!