提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「……」
「はい、救君!お待たせ!お夕飯ですよ」
「はーい!」
「久しぶりに2人きりでも良い?」
なんて聞いてみる。
「ん、俺も2人の方が良いかな」
「…え!?」
「ど、どうしたの?」
「……」
「あんな出会いだったけどさ」
「いつの間にか君が隣にいてさ…救君!って呼んでくれるようになってさ…いつも、支えてくれて感謝してる」
「…あの時もさ…怖かったんだ、正直ね」
彼が言うのはこの前の…艦娘達の前に立った時の事だろう。
確かに有り得ない。
人…が砲撃から何かを守るなんて絶対に有り得ない。
でも、私は何故か応援した。
馬鹿げた話なのに。
「君が負けるなって叫んだ声が聞こえてさ…ああ…やれる!って思ったんだ」
「俺が捕まった時も…命懸けで助けてくれようとしたんだろう?」
「武蔵に怒られたけどね」
「それでも…その後見たよ…この猛武鎮守府のメンバーと兵士殴り飛ばして…俺の為に手を挙げて反対してくれたね」
「嬉しかったなあ…」
「ありがとう…俺の為に…本当に」
「中々言えないけど…いつもありがとう」
「当たり前だよ!だって大好きな人だから…!」
「いつも無茶ばかりして…私は…救君が居なくなったら…そんなこと考えたく無いけど…耐えられないよ、壊れちゃうよ!」
「麗ちゃん…」
「もっと頼ってよ…?」
「私は…あなたの隣で、あなたを守れるように強くなる」
「あなたが私を守ってくれるように…私もあなたを守るの」
「でも…いつでも一緒に戦えるわけじゃないから…」
「お願いだから無事に帰ってきてね」
ニコリと彼女は笑って言う。
同じなんだ。
誰かの出撃を見送るのと同じように…俺が思うように、彼女も思うのだ。どうか無事に…と。
そして帰ってくるたびに思うんだ。
生きててよかった…と。
「……少しだけ良い?」
「ん?どしたの?」
彼は何も言わずに私に寄り掛かった。
「ま、ま救君…?」
「…麗ちゃん……安心するなあ…」
「ただいま……」
「…おかえり」
私はドキドキしながら彼を抱き締める。
「…………」
「いつでも私もそばに居るよ」
「離れてても…私も…呼んでくれたらすぐに駆けつけるよ?」
「ありがとう」
「ご飯…冷めちゃうよ?後で…たくさん…ね?」
「そだね…食べよう!」
「美味しいよ」
「本当?良かった」
(行け!そこだ!麗ッ!押し倒せッ!!)
(抱き締めた!?そのまま倒れ込め!)
(違ううう!そうじゃないいいいいいい!)
(飯なんか後だろうがぁぁあ!!)
「今日は手作りシチューとロールキャベツです」
「あと、ローストビーフ!パンは焼いて見ました」
「ほー!本格的!」
「いいお嫁さんになるね」
「……わざと?」
「いいお嫁さんだ」
「もちろん…救君のお嫁さんです」
「ご馳走様でした」
「うん!部屋に戻ろうか」
…で?
「……」
「すんまへんなァ…こっから先は工事中ですわ…」
「おたくさんらは…アッチに泊まってもらえっか?」
突然黒ずくめの艦娘達に通せんぼされた。
泊まるところが使えないではないか。
「おやァ?お二人さんなら丁度いいなあ…あっちの部屋使ってな」
その方向を見ると……旅館かな?
提督の間?え?こんなのあったっけ?
麗の方を見ても、知らないよ!?と首を振っていた。
視線の端っこで妖精さんがグッタリしていたので、どこの鎮守府でも妖精さんは……くっ……。
「……まあ…仕方ないか」
「…いいの!?」
これはスルーできない流れだな。
うん、従おう。
ちなみに麗が武蔵の方を見たら口パクで言っていた。
「わかってんだろ?仕留めろ…!確実にッ!」
んで?
部屋に入ったら?どうなったか?
「…ラブコメの匂いがしマース……」
「指揮官ー!?ズルくない?…あ!お邪魔してまーす!」
部屋に窓に天井に…!!
ウチのメンバーが居ました。
「…え?」
救君の方を見たけれど首を全力で振っていた。
そこに猛武蔵がやってくる。
「どうだ神崎提督よ……露天風呂付きの部屋……って!何でお前達がここに居るんだ!?」
「おうおう…やってくれてんなぁ?猛武蔵さんよぉ〜」
「ダーリンさんからお泊まりしますなんて文が来たら…そりゃ来るでしょおおお?」
何だ何だ?と騒ぎを聞いてやって来る猛武メンバー。
慌てふためく提督2人に黒いスーツの艦娘達。
何?抗争が始まんの?
とりあえず場所移動しない?
「おおぅ!?何でぇ?あの部屋はァ…にゃんにゃんして下さい感バチバチやんけぇ?のう!猛武の若頭よぉ…」
「金剛…もう少し穏便な言葉…「三笠の姐御ォ!姐御は抑えてくだせえ!頭が出るまでもありやせん…」
「む…そうか…」
おい、桜三笠…何嬉しそうにしてんだよ…止めろよお…
「事と次第によっちゃあ…大和の主砲が火を吹くぜ?」
「え?あ、はい、そうだぞ〜」
大和…無理すんな…。
「あぁん?!不法侵入が何言ってんだコルァ…こちとら…お嬢の為を思ってやってんだよぉ…」
「未だにお嬢に手も出さない奥手の為に舞台用意してんだよおおお」
「あー…奥手はわかるわー…じゃないです!おま!引くに引けなくなるだろうかぁあ!!」
「阿呆!チャンスなんじゃあ…麗にとってもチャンスなんじゃあ…」
「そうだろ!?お嬢ッ!?」
「え!?私!?」
「そうじゃ!お嬢もあの男とにゃんにゃんしたかろう!?」
「そ、そりゃ…私も奥さんだし?色々したいけど…で「ほら聞いたか!?お嬢も期待したんじゃ!」
「ちょ!ダーリン!?ダーリンはどーなの?」
「………え?」
それお前が聞く?
「アホかあ!金剛おお!麗みたいなないすばでーの女が居たら襲いたくなるだろおお!?」
と、猛武蔵が吠える。
うん、否定はできんよな。
「とにかく…ダーリンのハジメテは渡せまセーン…」
「何ッ!?ハジメテだとおおお!?」
「聞いたか!?お嬢おおお!!」
やめてくんない?ナチュラルに童貞を叫ぶのやめてくんない?
「麗ぁぁ!やっぱりハジメテは…好きなひ…で「黙ろうか…」
うわあ…麗ちゃんがキレた…。
纏めて全員正座させられる,
「麗ちゃんが怖いデース」
全員がフルフルと震えているのは笑える…けれども人のプライバシーを叫び続けた奴らに鉄槌が下されるのは愉快である。
「失礼よ!人の事をアレコレと」
そーだ!そーだ!!
「するしないは救君が決める事よ?奪い合いなんてダメに決まってるでしょ」
「「「「はい」」」」
「え?金剛はもうやったんじゃなかったの?」
「…してないデース…」
おい、そんな目で見るな…。
「魅力無い?」
ジロッと全員が見て来る。
あれ?立場変わった?
「いや…そんな事ないぞ?」
慌てて答える。魅力?毎日が誘惑やねん。
耐えてんねん。こちとら。
「でもなあ…誰が最初とか何か言うじゃん」
「真剣に悩んだ結果なら誰も文句は言わないデース」
「……私もだよ?」
「……」
クッソ気まずいやんけ!何やこの空気…。
「2番目からは戦争デスケド」
そゆとこよ?皆様?
「まあ!この話は終わり!で!?お前らこれからどーすんの?」
「あ、ここに泊まります」
「どっちにしろ月曜日は演習なので…」
あー…忘れてた…そーだった…。
「いいの?麗ちゃんは」
「…うん!」
少し寂しそうな麗…
そんな麗にボソボソと耳打ちする。
「え?いいの?…それならうん…いいよ」
と、にこやかなら麗は言う。
「よーし…明日演習な」
と、救は言う。
「「「は!?」」」
驚く一同。そりゃそーよ。
「んで…麗ちゃんとはまた別に旅行に行くわ」
「「「んな!?」」」
「後今日は麗ちゃんと寝ます」
「「「「のおおおお!!」」」」
崩れ落ちる西波島メンバー。
「「「「おおおおお!!」」」」
ガッツポーズで喜ぶ猛武メンバー。
なにこれ…面白い。
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ありがとうございます!(๑╹ω╹๑ )!
大人な会話も挟みつつ平和な日が続きました。
次回は別の話です。
その後は…演習編です。
ウマ娘…お馬さんのお話も少しずつですが更新してたりします。
良かったらご覧いただけたら幸いです。
良かったらお気に入り登録お願いしますー。宣伝でした。