提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

271 / 453
265話 れっつごーとぅー猛武鎮守府 ③

「……」

 

「はい、救君!お待たせ!お夕飯ですよ」

 

「はーい!」

 

「久しぶりに2人きりでも良い?」

なんて聞いてみる。

 

「ん、俺も2人の方が良いかな」

 

 

「…え!?」

「ど、どうしたの?」

 

 

 

 

「……」

「あんな出会いだったけどさ」

 

「いつの間にか君が隣にいてさ…救君!って呼んでくれるようになってさ…いつも、支えてくれて感謝してる」

「…あの時もさ…怖かったんだ、正直ね」

彼が言うのはこの前の…艦娘達の前に立った時の事だろう。

 

確かに有り得ない。

人…が砲撃から何かを守るなんて絶対に有り得ない。

でも、私は何故か応援した。

馬鹿げた話なのに。

 

「君が負けるなって叫んだ声が聞こえてさ…ああ…やれる!って思ったんだ」

 

 

「俺が捕まった時も…命懸けで助けてくれようとしたんだろう?」

 

「武蔵に怒られたけどね」

 

「それでも…その後見たよ…この猛武鎮守府のメンバーと兵士殴り飛ばして…俺の為に手を挙げて反対してくれたね」

「嬉しかったなあ…」

 

 

 

「ありがとう…俺の為に…本当に」

「中々言えないけど…いつもありがとう」

 

 

 

「当たり前だよ!だって大好きな人だから…!」

 

「いつも無茶ばかりして…私は…救君が居なくなったら…そんなこと考えたく無いけど…耐えられないよ、壊れちゃうよ!」

 

 

「麗ちゃん…」

 

「もっと頼ってよ…?」

「私は…あなたの隣で、あなたを守れるように強くなる」

「あなたが私を守ってくれるように…私もあなたを守るの」

 

 

「でも…いつでも一緒に戦えるわけじゃないから…」

 

 

「お願いだから無事に帰ってきてね」

ニコリと彼女は笑って言う。

同じなんだ。

誰かの出撃を見送るのと同じように…俺が思うように、彼女も思うのだ。どうか無事に…と。

そして帰ってくるたびに思うんだ。

生きててよかった…と。

 

 

 

 

 

 

「……少しだけ良い?」

 

「ん?どしたの?」

 

 

 

彼は何も言わずに私に寄り掛かった。

「ま、ま救君…?」

 

「…麗ちゃん……安心するなあ…」

 

「ただいま……」

 

「…おかえり」

私はドキドキしながら彼を抱き締める。

 

 

「…………」

「いつでも私もそばに居るよ」

「離れてても…私も…呼んでくれたらすぐに駆けつけるよ?」

 

「ありがとう」

 

 

 

「ご飯…冷めちゃうよ?後で…たくさん…ね?」

 

「そだね…食べよう!」

 

 

「美味しいよ」

 

「本当?良かった」

 

 

 

 

 

 

(行け!そこだ!麗ッ!押し倒せッ!!)

 

(抱き締めた!?そのまま倒れ込め!)

 

(違ううう!そうじゃないいいいいいい!)

(飯なんか後だろうがぁぁあ!!)

 

 

 

 

「今日は手作りシチューとロールキャベツです」

「あと、ローストビーフ!パンは焼いて見ました」

 

「ほー!本格的!」

 

「いいお嫁さんになるね」

 

「……わざと?」

 

「いいお嫁さんだ」

 

「もちろん…救君のお嫁さんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご馳走様でした」

 

「うん!部屋に戻ろうか」

 

 

…で?

「……」

「すんまへんなァ…こっから先は工事中ですわ…」

「おたくさんらは…アッチに泊まってもらえっか?」

 

 

突然黒ずくめの艦娘達に通せんぼされた。

 

泊まるところが使えないではないか。

 

「おやァ?お二人さんなら丁度いいなあ…あっちの部屋使ってな」

 

その方向を見ると……旅館かな?

提督の間?え?こんなのあったっけ?

 

麗の方を見ても、知らないよ!?と首を振っていた。

視線の端っこで妖精さんがグッタリしていたので、どこの鎮守府でも妖精さんは……くっ……。

 

 

 

「……まあ…仕方ないか」

 

「…いいの!?」

 

これはスルーできない流れだな。

うん、従おう。

 

 

ちなみに麗が武蔵の方を見たら口パクで言っていた。

 

「わかってんだろ?仕留めろ…!確実にッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んで?

部屋に入ったら?どうなったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ラブコメの匂いがしマース……」

「指揮官ー!?ズルくない?…あ!お邪魔してまーす!」

部屋に窓に天井に…!!

 

 

ウチのメンバーが居ました。

 

 

「…え?」

救君の方を見たけれど首を全力で振っていた。

そこに猛武蔵がやってくる。

 

「どうだ神崎提督よ……露天風呂付きの部屋……って!何でお前達がここに居るんだ!?」

 

 

「おうおう…やってくれてんなぁ?猛武蔵さんよぉ〜」

 

「ダーリンさんからお泊まりしますなんて文が来たら…そりゃ来るでしょおおお?」

 

 

何だ何だ?と騒ぎを聞いてやって来る猛武メンバー。

慌てふためく提督2人に黒いスーツの艦娘達。

何?抗争が始まんの?

 

 

とりあえず場所移動しない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおぅ!?何でぇ?あの部屋はァ…にゃんにゃんして下さい感バチバチやんけぇ?のう!猛武の若頭よぉ…」

 

「金剛…もう少し穏便な言葉…「三笠の姐御ォ!姐御は抑えてくだせえ!頭が出るまでもありやせん…」

 

「む…そうか…」

おい、桜三笠…何嬉しそうにしてんだよ…止めろよお…

 

「事と次第によっちゃあ…大和の主砲が火を吹くぜ?」

 

「え?あ、はい、そうだぞ〜」

大和…無理すんな…。

 

 

 

「あぁん?!不法侵入が何言ってんだコルァ…こちとら…お嬢の為を思ってやってんだよぉ…」

「未だにお嬢に手も出さない奥手の為に舞台用意してんだよおおお」

 

「あー…奥手はわかるわー…じゃないです!おま!引くに引けなくなるだろうかぁあ!!」

 

 

「阿呆!チャンスなんじゃあ…麗にとってもチャンスなんじゃあ…」

「そうだろ!?お嬢ッ!?」

 

 

 

「え!?私!?」

 

「そうじゃ!お嬢もあの男とにゃんにゃんしたかろう!?」

 

「そ、そりゃ…私も奥さんだし?色々したいけど…で「ほら聞いたか!?お嬢も期待したんじゃ!」

 

 

「ちょ!ダーリン!?ダーリンはどーなの?」

 

「………え?」

それお前が聞く?

 

 

 

「アホかあ!金剛おお!麗みたいなないすばでーの女が居たら襲いたくなるだろおお!?」

と、猛武蔵が吠える。

うん、否定はできんよな。

 

 

 

「とにかく…ダーリンのハジメテは渡せまセーン…」

 

「何ッ!?ハジメテだとおおお!?」

「聞いたか!?お嬢おおお!!」

 

 

 

やめてくんない?ナチュラルに童貞を叫ぶのやめてくんない?

 

 

「麗ぁぁ!やっぱりハジメテは…好きなひ…で「黙ろうか…」

 

うわあ…麗ちゃんがキレた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

纏めて全員正座させられる,

 

「麗ちゃんが怖いデース」

 

全員がフルフルと震えているのは笑える…けれども人のプライバシーを叫び続けた奴らに鉄槌が下されるのは愉快である。

 

「失礼よ!人の事をアレコレと」

 

そーだ!そーだ!!

 

「するしないは救君が決める事よ?奪い合いなんてダメに決まってるでしょ」

 

 

「「「「はい」」」」

 

 

 

 

 

「え?金剛はもうやったんじゃなかったの?」

 

「…してないデース…」

おい、そんな目で見るな…。

 

 

「魅力無い?」

ジロッと全員が見て来る。

あれ?立場変わった?

 

 

「いや…そんな事ないぞ?」

慌てて答える。魅力?毎日が誘惑やねん。

耐えてんねん。こちとら。

「でもなあ…誰が最初とか何か言うじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真剣に悩んだ結果なら誰も文句は言わないデース」

 

「……私もだよ?」

 

 

「……」

クッソ気まずいやんけ!何やこの空気…。

 

 

 

「2番目からは戦争デスケド」

そゆとこよ?皆様?

 

 

 

 

 

 

「まあ!この話は終わり!で!?お前らこれからどーすんの?」

 

 

 

「あ、ここに泊まります」

「どっちにしろ月曜日は演習なので…」

 

あー…忘れてた…そーだった…。

 

 

「いいの?麗ちゃんは」

 

「…うん!」

少し寂しそうな麗…

そんな麗にボソボソと耳打ちする。

「え?いいの?…それならうん…いいよ」

と、にこやかなら麗は言う。

 

 

 

「よーし…明日演習な」

と、救は言う。

 

「「「は!?」」」

驚く一同。そりゃそーよ。

 

「んで…麗ちゃんとはまた別に旅行に行くわ」

 

「「「んな!?」」」

 

「後今日は麗ちゃんと寝ます」

 

「「「「のおおおお!!」」」」

崩れ落ちる西波島メンバー。

 

「「「「おおおおお!!」」」」

ガッツポーズで喜ぶ猛武メンバー。

 

なにこれ…面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お気に入りが680
ありがとうございます!(๑╹ω╹๑ )!


大人な会話も挟みつつ平和な日が続きました。

次回は別の話です。
その後は…演習編です。









ウマ娘…お馬さんのお話も少しずつですが更新してたりします。
良かったらご覧いただけたら幸いです。
良かったらお気に入り登録お願いしますー。宣伝でした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。