提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
2話構成のお話です。
ほのボノ日常カイです。
嘘です。クッソシリアスです
胸糞注意
「妹を知りませんか?…よく出来た可愛い子なんです」
彼女は尋ねる。
妹に会う為に。
「妹を知りませんか?」
「…知らねえよ!来んな!!」
「…そうですか…すみません…」
「妹を知りませんか?」
「…居るよ?…えへへ」
そう言って嘘をつく奴も居ました。
「…ウソツキ……!!!」
「え…?嘘ッ!やめ…ごめ…ぎゃぁぁあ!!」
ずっと…探して……
居ない…いない…イナイ
どこにイルノ?
「……妹を知りませんか?……よく出来タ可愛い子なんです」
「……とりあえずお茶でも如何ですか?」
「え?」
副題 太陽を探して
ボサボサした白髪頭で…目は死んでいて。
身体中がボロボロになった艦娘。
何故艦娘だとわかったか?
海の上を体を引き摺りながら来たから。
隣にいた初月も一瞬固まってたもの。
「妹さんを探して…?」
「はい…」
「妹さんの名前は?」
「……思いイ出せないんです…顔はあんなに出てくるのに」
ほうほう、顔は覚えてるなら…
「…紙とペンを…」
描いてみてください…とお願いする。
震える手で描いた絵は…
「………?太陽…?」
その紙に書かれたのは太陽。
たった一つの大きな太陽だった。
「はい、あの子は私にとって太陽でした」
「妹は他にも居るはずなんですけど…あの場所にハ…あの子しか居なくて…」
「……まずは入渠するか」
と言っても無駄なのは何となくわかる。
あきつ丸と同じ…感じがしたから。
帰ってきた時に一緒に居た明石は首を横に振る。
その予想は当たっており、何かが進展する訳ではなかった。
「提督さン…すみません…私なんかの為ニ」
「んにゃ…困った時はお互い様だよ」
「………」
「ウチに暫く居るといいよ、たくさん艦娘も居るから…何かきっかけになるかもよ」
「…ありがとうございます」
「こんにちは」
「こ、こんにちは…」
「えと…あの…あなたは?お名前は何とお呼びすれば?」
「あ……えと…」
「なら白いから白ちゃんでどうかしらあ」
「こら、愛宕!」
「失礼でしょ!ごめんなさいね!」
「いえ…白ちゃんでいいですよ」
「…愛宕………」
「なにかしらあ?」
「あなた…綺麗ね」
「本当?ありがとう」
この鎮守府の人はとても親切で優しくて…。
親身に話を聞いてくれた。
覚えてる限りで話す。
喧嘩したこととか、恋愛話とか…
ちぐはぐの話でも彼女達は熱心に聞いてくれて…
真剣に糸口を探してくれた。
久しぶりに食べたご飯は…温かくて…涙が出た。
愛宕が横でよしよししてくれた。
……優しい子ね。
「ぱんばかぱーん!提督さんー?」
「ん?愛宕?どした?」
「白ちゃん…なんだけどね?」
「うん?白ちゃん?」
「ええ、白ちゃん、あのぼろぼろの…」
「ああ、白ちゃんと呼んでんの?どしたの?」
「白ちゃんは高雄よ…」
愛宕は言った。
「高雄…?高雄ォ!?」
「ええ…わかるの…高雄だって」
「でも……」
微かに残る服を見れば高雄型か?とは思ったが…髪も白く…。
いや、ストレスか…??
どれ程のストレスを与えればああなるのか…?
「きっと探してる愛宕…妹はもう居ないと思うの」
「…彼女も長くないと思うの…だから…私がそばにいてもいいかしら?」
「愛宕…分かるのか?」
「高雄は高雄だから…少しでも………ね?」
「わかった」
一目見て分かった。
なぜか分かった。
まるで引っ張られてるかのように…。
「わかった…同じ高雄としてお願いするよ…愛宕」
西波島高雄は言う。麻耶、鳥海にも事情を説明した。
愛宕がそばに居ることも、必要に応じて皆が手伝うことも…。
「愛宕?」
「ええ、私がお世話するわ〜何でも言って頂戴?」
「優しい子ね…妹みたい」
「案外そうだったりして?」
「あなたは高雄じゃない?愛宕…探してない?」
「…ごめんなさい…思い出せなくて…」
彼女が何をしたかったのか…それを思い出す為に…。
その願いは叶った。
最悪の形で…。
『あ…居た居た』
『沈んだ妹を探す馬鹿が居た』
重巡棲姫。
浜辺に居た2人に邂逅した。
頭の中で何かが見えた。
そうだ…お前だ…。
「……オマエ…あの時のッ!鎮守府を襲った奴!」
『そーだけど?』
『まだ深海化してなかったんだねえ』
「あなた…まさか!!」
愛宕が構える。
「うわぁぁッ!!」
彼女は艤装を展開しようとする……が、展開できない。
『武装無し?当然かァ…。死にかけだもんなァ!!さっさと堕ちてしまえよ!時間かけたんだからさあ…』
「グウ…ウア…」
『おー?いいね?あと少し?』
「あなた!やめなさいッ!!」
と、愛宕が間に割って入る。
『おやぁ?代わりの妹かい?悲しくて涙が出て来るよ……』
そうだ…思い出した…。
私は高雄型1番艦…高雄。
妹……を探していたんだ……。
「…くっ…ダメ…あの子…に会うまで…ハ…」
「そうよ!高雄!だめ!負けないで」
チッと舌打ちをする棲姫。
『あと少しなんだけどなあ……うーん……お前がこっちに来たら強そうなのに…』
仕方ない…と重巡棲姫は言う
『妹を沈めたのも私なのにね』
「「え?」」
一気に血の気が引く。
「でもあの子は…帰ってきたのに……」
『死ぬ間際まで追い詰めて…返してあげたの…逃げ切った訳でも勝ったんでもないよ?あいつは…』
『お姉ちゃあん…提督ぅ〜…ってずっと言ってたっけ?アハハ』
『そーそー!通りかかったお前らに看取られたんだっけ?』
『そん時からお前はターゲットだったのさあ!』
『ジワジワと、時間をかけて…鎮守府も仲間も全部壊して…心を闇に染めて……』
どんどんと絶望色に染まる高雄。
『その悔しさを晴す事なく……恨みで黒く染まりなさい?』
『仕返ししてもいいよ?………あ…無理か…武装もないもんね?』
ケラケラケラ
悪魔が居るならコイツだろう。
楽しそうに笑う棲姫。
「…ア…ァァァア!!!お前えええ!!」
高雄がバチバチと音を立てる。
メキメキと体にヒビが入って行くき、深海化が進む。
「ダメよ!高雄ッ!!抑えて!!」
様子見してた西波島の高雄達が抑える。
「グウッ…奴ガ!イモートヲをおおおお!!皆ヲオオオオオ!!」
彼女は血の涙を流していた。
ケラケラと笑う棲姫。
『トドメにその提督と偽モンの姉妹をぶち殺してやるよおおお!!』
ブチッ…
「黙れえぇぇぇえええええ!!」
ドゴッ…
何かが棲姫の腹にブチ当る。
「ガッ……」
ゾクリ…何かに悪寒が走る棲姫。
吹き飛ばされる棲姫。
その子は…普段から底抜けではないが明るい子だ。
姉や他の妹と違って怒ってる所なんかそうそう見ることはない。
その艦娘がキレた。
今までに見たことがない程に憎悪を持って殴り抜いた。
「…アタゴ……?」
高雄は言う…。
「許さない…」
明日に続きます〜
自分でも悲しくなる胸糞表現でした