提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「……」
「またお前達とやれるとはな…」
「今回は…正々堂々と行かせてもらうッ」
「負けないデース!」
バチバチと火花を散らす両軍。
メンバー
西波島
金剛 桜加賀 吹雪 蒼オークランド(赤) 桜三笠 陸奥
猛武
武蔵 リシュリュー 金剛 響(ヴェールヌイ) 電 長門 天龍
「…本気のチョイスじゃん…」
「負けたくないもん」
麗も答える。
え?ウチのチョイス?
皆が鬼のやる気を見せたのすよ。
「やりまぁぁあす!!!」って。
まあ…このメンバーが来るのは予想出来たからこのチョイスにした。
ぶっちゃけ…金剛と赤で大体の艦隊には勝てるだろうけど…
相手も強くなったから全力で行く。
赤に関しては刀は禁止な!と伝えている。
ん?相手のが1人多いって?
蒼オークランドは赤に交代できるから…その人数カウント。
「さて…演習とはいえ…本気でやって欲しい」
「無論…MVPも考えてある」
おおー!っと歓声があがる。
「あと特別賞な…MVPと同じく頑張っていた奴を投票で決定するぞ」
「該当者は俺が何でも一つ常識の範囲内で叶えよう…ボーナスでも休みでも…」
場の雰囲気が変わった。
皆がマジになったんだろう…
「デートでもいいんですか?」
と、言ったのは猛武の金剛…。
「ん?俺と?」
「はい」
「…まあいいよ」
照れつつも明るくなる猛金剛。
え?マジ?コイツ何言ってんの?みたいな顔の猛武組。
「さすがはライバルッ!見る目があるデース!でも、正妻は私デース!」とかいうウチの金剛。
お前はお前で何で敵を増やしたのか?
「ふむ…では…例えば…その相手が私でなくても良いのか?」
猛武蔵がニコニコと質問する。
「………なんとなくわかったわ…良いよ」
うん…麗とデートしてくれ!だろう?
「聞いたか…?ここは麗の為に…頑張らないか?」
「無論…猛金剛の気持ちもある…私達は私達の為に頑張ろう!!」
「「「「「「はい!」」」」」」
「……」
「……」
「ダーリンと旅行…」
「指揮官と結婚式…」
「提督と……ふへへ」
演習に参加しないメンバーからも無言の圧力を感じる。
……ウチの鎮守府のメンバーが悪魔に見えてきたよ…。
まあいいや…やろう…
「はじめえええ!!」
号令と共に始まった。
桜加賀は即、発艦させた。
「兵は神速を貴ぶ…だったか?」
「行けッ!!空は私に任せろッ!!」
「行くぞ!響!電!!」
真っ先に空母を狙うは猛武蔵と猛電、猛響。
桜加賀へと猛進する猛武蔵の前に立ちはだかったのは…
「YOUの相手は…私金剛デース!!」
「えええい!!」
猛電と猛響の2人目掛けて砲撃するのは吹雪。
「…頼りにしているぞ?吹雪」
桜加賀が笑う。
「はい!!」
「桜三笠さん!!」
陸奥が声をかける。
「うむ!」
桜三笠が相手を見据える…その先には…
「お前達の相手は…!」
「私らだ!!」
猛長門と猛リシュリューが居る。
「ヘーイ!蒼オークランド!一緒にやりましょー!」
「はい!…行きます」
蒼オークランドが構える。
「負けません!」
猛武蔵、猛天龍、猛金剛と対峙する。
「予想通りの組み合わせ?」と麗が聞いてくる。
無論、その通りである。
だが…例え猛武蔵と吹雪がかち合ったとしても…引けを取らない…もしくは中破くらいまでは持ち込む自信はある。
「…ウチのは強いよ?」
「うん…だから…どこまで私達が強くなったか…見て欲しいの」
吹雪、桜加賀 VS 猛武響、猛武電
桜加賀は他メンバーへの牽制を行いながら腕を組んで2人と戦う吹雪を見つめていた。
「まさか…空母を守りながら戦えると思ったの?」
「私達はそこまで甘く無いのです」
「…はぁっ…ハァ…ぐっ…」
中破状態の吹雪。
ギリギリ…雷撃が行えるか?くらいの中破。
対峙するのは響と電。
「…容赦はしないのです」
「……馬鹿めが…」
桜加賀が言った。
「貴様らはバカだ」
「なっ!?」
「守りながら戦えるか…?だと?」
「舐めるなよ…吹雪を…」
「守れてるんだよ……貴様らは現に私にかすり傷一つ負わせてないだろう?制空権も私達のものだ」
「例えそちらに空母が居たとしても…同じだと思うがな」
圧倒的な自信とでも言うか?
この状況でそれを発言できるならそうだろう。
だが…
「…」
事実だ。
放つコンビネーション射撃も何もかも…彼女は全てを塞いでいる。
1人相手に苦戦する2人。
「…吹雪は役割を分かっている」
「制空権を握る事…」
艦攻を2人に向かって放つ桜加賀。
「そんなもの…!」
対空を行う2人。
そしてそれを撃ち落とす吹雪。
「何?!そんな事が…可能なのかい?」
2人は驚愕した。
一隻の駆逐艦に…2人分の対空射撃を対空射撃で撃ち落とすなんて。
壁…
圧倒的に高い壁。
最早要塞の高壁と同じほどに思える。
吹雪から後ろが見えない。
同じ駆逐艦とは言え…ここまでの高みに上り詰めているのか?
認めるわけにはいかない!
私達が…強いんだッ!!
「舐めるなぁッ!!!」
2人が突っ込んでくる。
2人縦に重なって…
そう、以前に宮川の山城相手に完封勝利した戦法…。
それが吹雪に牙を向く。
「…電、今だよ」
響が合図を出し、電が動く。
電が左にズレ…死角に回り込む……ズドォン!!
「…!?魚雷がーッ!?…きゃあ!!」
電は被弾した。
「なっー?電…ー?」
「目の前に…吹雪!?!?…きゃあ!!」 ズドン!
響も同じく被弾する。
何が起こった?
私はわかる…吹雪に撃たれた…。
なのに…なんで電が?
「…魚雷が……」
何とか立ち上がろうとする電が言う。
「魚雷…?バカな…そんな…」
「吹雪…君はあの状況で魚雷を放っていたのか?!」
「うん、そうだよ」
あり得ない…
なぜなら吹雪は一瞬たりとも電の方に視線を動かしていなかったのだ。
「何で…そんな芸当が…」
吹雪は予測した。
こう出るだろうと…だから電に向けて広範囲に魚雷を予測で放った。
だから電に背を向けてでも響を主砲で撃ちにいった。
響は見た。
吹雪の魚雷が全て無くなっている事に。
「まさか…予測だけで…だというのかい?」
「恥ずかしいけど…うん、そうだよ」
「それがウチの最強の随伴艦だ!!良くやった!!吹雪!後は任せろ…」
「しまった!そうだ!相手は1人じゃなかったッ!!」
間に合わないッ!!!
なら…せめてあの空母に一撃ッ!!!
「う お おおおお!!!」
猛響は桜加賀を狙って砲撃や魚雷を放つ。
「させないっ!!」
吹雪がそれらを撃ち落としにかかる。
「でも…これはどうかな?」
時間差で放たれていた最後の魚雷は真っ直ぐに桜加賀に向かう。
ズドドドドド!!!!
弾雨が2人に降り注ぐ。
上空から一気に攻めたてられて…2人は轟沈認定を受ける。
その中で彼女は見た。
吹雪は…その魚雷の進行路に入って桜加賀を庇った。
「きゃぁぁあああ!!」
煙が立ち込め…その中から大破状態の吹雪がヨロヨロと立ち上がった。
「…まも…り…きりまし………た」
戦闘の要を守り切る。
それが彼女の役割…。
彼女はそれを全うしたのだ。
ガクッと膝をつく吹雪。
そして優しく支える桜加賀。
「「負けた……」」
桜加賀は一つの傷も負う事なく、制空権の制圧を遂行できた。
「ねえ!吹雪ッ!!」
響が聞く。
「もし…魚雷が外れていたら……?」
吹雪は魚雷を全弾放っていた。
それはつまり、外したら自分はガラ空きの背中に撃ち込まれる…ということ。戦場ならば死ぬ事もおかしくない選択なのだ。
なのに彼女は当たる事を信じ切ったように私に主砲を向けた。
何故ー?!
「外しませんから…」
「!!」
「嘘です…外せないからなんです」
「桜加賀さんなら…どうにかしてくれるでしょうけれども…私は何がなんでも制空権を取ってもらう為に勝たなくちゃいけなかったんです」
「……2人のコンビネーションは最強だと思っていた…でも…うん、まだまだだ…負けたよ…完敗だ」
「…もっと強くなるのです」
後に彼女達は猛雷や猛暁とその名を轟かす水雷六駆として西波島の六駆と大演習で争う事になる。