提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
その日、寮というより、アズレン建屋に衝撃が走った。
敵襲である。
敵襲ーーッ!!!
一気に緊張が走る。
目標…門前です!
門番は、桜霧島と…戦艦加賀…
…笑顔で通したぞおおお!!
最奥に控える桜長門は震えていた。
あの桜長門が…だ。
「来ますよ……」
桜赤城が襖を見つめる。
スッ…と開かれた襖…。
「おーい、桜長門ー!メロン貰ったんだー!皆で食わない……ん?」
そう…やって来てのは指揮官。
え?桜長門の震え?
緊張してですよ。
「あ、あ…し、ししし指揮官…よ、よく来たな」
「あ…あかあかあか…赤ちゃん…お茶を出しなさい」
「赤ちゃん…?」
救が首を傾げる。
「名前忘れてますね…あまりの緊張で」
そんなことがあったり……
三大陣営になってからというもの…救の身の回りの世話をするメイドや………色々な役職(?)は増えた。
日々の来客も増えた。
濃いキャラも増えた…
朝食中の事であった。
「下僕」
桜ドイッチェラント
「害虫」
桜シェフィールド
「庶民」
桜エリザベス
「「「一緒してもいいのよ!?」」」
此奴らの呼び方だけは嫌いだわ。
確かに庶民であるけども…やはり…うん、傷付くし嫌だ。
「やめてくんない?」
「何よ!せっかく遊びに来てやったのに!」
「一緒に飯を食う栄誉を与えてやろうかと…」
ダメだ…
俺はこれ以上は無理だ。
「伊良湖…ごめん、部屋で食べる」
そう言って提督は部屋に戻って行きました。
「一緒にご飯が食べたいならそう言えばいいのに…ご主人様…ご機嫌斜めですよ?あれ」
蒼カールスーエルが言う。
そう、彼女達はアホなのだ。
素直に言えばいいのについ、高圧的、威圧的態度をとってしまう。
曙や霞を見てみなさい。
素直に「提督ううう〜♡」なんですから。
今の今だってご飯食べよ?が言えなかった末路である。
救自身もそろそろ灸を据えてやろうかと思って行動に出た訳である。
「どどどどどどどうしよう!?シェフィールド!?」
「あああ謝りに行きましょう!?」
「私としたことが…」
焦る三馬鹿。
蒼エリザベスを見習え!
あの子はあの子で「指揮官?だらしないのはダメよ?」
とか、「女王様って呼ばないでって!」みたいな感じなのよ。
ほら、出口を見てください。
「あら指揮官、ご機嫌よう?ご飯は部屋で食べるの?」
「お、蒼エリザベス。そうだよ、部屋で食べるよ」
「ふーん…私も行っていいかしら?たまには一緒に食べましょう?」
「良いよー!なら外で待ってるよ」
「寒いから先に部屋に行ってなさい?ご飯が冷めてもいけないわ」
「アレが同じクイーンエリザベス?」
「お前パチモンじゃないのか?」
ドイッチェラントに言われる桜エリザベス。
「女王としての気品…」
桜シェフィールドも頷く。
「コラ!どう言う意味だ…!」
「でも…悔しいけど言う通りだわ……」
少し時間が経った後…。
執務室のドアを叩く。
コンコン…
「はい?」
大淀が答える。
「桜エリザベスとシェフィールド…ドイッチェラントです」
と、シェフィールドが言う
「……どうぞ」
ガチャ…
「下僕!謝罪よ!!」
「がいち…謝罪に参りました」
「帰れ」
「私何も言ってな……」
桜エリザベスが全てを言う前に…
「申し訳ありません…ご主人様の申し出ですので…」
バタンとその希望は閉ざされた。
「ちっがあぁぁああああう!てか、アタシ何も言ってないいいい!てか!!桜ベルファストは誰の味方よおお!!」
頭を抱える桜エリザベス
「私の馬鹿!私の馬鹿!私の馬鹿!何で!何で害虫って言葉が出て来るの!!」
ブツブツと呟くシェフィールド
「………………」ガンッ!ガンッ!ガンッ!!
無言で壁に頭を打ち付ける桜ドイッチェランド。
「お、お姉ちゃん…」と、桜シュペーがガチで心配するレベル。
それを見つめる蒼カールスーエル。
「素直になればいいだけでは?」
「それが出来たら苦労しないわよお…」
涙目で返す桜エリザベス。
「無駄なプライドは…意味ないと思いますよ?あれをご覧ください?」
その先には救と桜シリアスの姿が…。
『シリアスは…ダメなメイドでございます…どうか…どうか…ケダモノのようにお仕置きを……』
『いや、仕事完璧にできてるよ?』
『…なら撫で撫でとキスを…ご褒美に…この卑しいメイドに…ください…』
「素直ですよ?」
「で…しょみ…じゃない…指揮官は?」
「あ…はいはいってしようとしてますね…」
『シリアスううううう!!!』
『シリアスッ!!どさくさに紛れて何をしてるんですか!?』
桜ベルファストがシリアスの肩を持って振っている。
「待ちなさい…」
「あのままの通りにやったら私達の未来は見えてるわ…」
「解体か…除籍か……ね」
桜ドイッチェラントが溜息混じりに言う。
「いや、ないですから」
ツッコむ蒼カールスーエル。
「いえ…最悪、慰みものにされるかも…」
青ざめた顔で桜シェフィールドが言う。
「ないですから」
呆れ顔でツッコむ蒼カールスーエル。
「家畜同然の扱いで…来る日も来る日も性の捌け口にされるのよッ」
涙目で叫ぶ桜エリザベス。
「……はぁ」
「頭の中に綿飴でも詰まってるのでしょうか…」
「……で?素直になれない…と?」
桜三笠が言う。
「仕方なき事…皆舞い上がるもの…」
「…桜信濃様も指揮官様の前では……ね…」
「…桜赤城……妾は桜長門程ではない…」
いや、どっちもかわらんよ…と言う言葉を飲み込む桜赤城。
アズールレーン宿舎。
鉄血も重桜も関係ない。
どの陣営だろうとあの指揮官の下では同じなのだ。
ただあの人と同じ時を過ごしたい
それは皆変わらない願いなのだ。
だがもう少し素直になれたら…
きっともっと幸せな毎日が待っているに違いない。
彼女達の頑張りはまだまだ続くのだ。
「誇らしきご主人様ぁあ♡」
「指揮官様あー♡」
「指揮官様あ♡…こら!ローン!被るでしょう!?やめなさい」
「桜大鳳さんこそ…被りますよ?」
「そんなことより…指揮官様?隣に座っても良いですか?抱きしめて欲しいんです」
「はぁぁあッ!?」
「それは私がお願いしようとした事ですけどおお!?」
「退きなさい?小娘…それは私の仕事です」
「あ、桜赤城先輩…」
「くっ…何たる正妻オーラ…」
「しかしッ!負けませんわ!!」
「そこは私のポジションですううう!」
始まるガチンコバトル。
あれ?なんの話だったっけ?このお話?
愉快な仲間達…?
世間はクリスマスムード!
私は仕事だぁあ!!
少しでもお楽しみ頂けたら幸いです!
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