提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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280話 クリスマスの日に

12月25日…

この世で一番嫌いだった日。

 

周りを見ても惨めに思い、孤児院仲間の誕生日のお祝いですらそう感じていた。

 

なのに…

 

 

 

「だぁありん!メリークリスマス♡」

 

朝一に飛び込んできたのは金剛。

抱きついてきて頬擦りしてくる。

 

 

んちゅー!

ちゅっちゅっと等身大どころかマリアナ海溝クラスの愛情表現で甘えてくる。

 

「昨日は幸せなプレゼントをありがとう〜♡おニューの髪留めと髪飾り似合う?似合う?」

 

全員へのプレゼント配布は終わっている。

本当にサンタクロースさんは凄い。

艦娘やKAN-SEN、戦姫への配布だけでも…くっそ時間を使ったんだ…世界中の子供へ…なんて無理だよ。

 

 

だって…アイツら寝ねえんだもの…

酒盛りじゃあ!とか

サンタ狩りじゃあとか…。

もうね…アホかと…

 

「もちろん、似合ってて可愛いよ」

 

 

「えへへー♡嬉しいデース」

 

 

「一番最初に言わせて下サーイ」

「Happy Birthday ♡ダーリン」

「このマフラーをプレゼントしマース」

 

「手作りですけど…頑張ったヨー…」

 

「あったかいよ!ありがとう」

おいで!と、両手を広げてみる。

 

「ダーリン♡」

彼女は嬉しそうに飛び込んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて…と、金剛は言う。

「フォローミー!」

 

 

彼女は彼の手を引いて歩く。

 

 

 

 

「おはようございます!提督」

「プレゼントありがとうございます」

 

執務室に居たのは大淀と桜ベルファストに蒼カールスルーエ

ニコリと挨拶をしてくれる。

 

「ご主人様…お誕生日おめでとうございます」

「今日だけでなく…これからもよき日になりますよう…」

 

「こちらは私達からの贈り物です」

 

「これまた…高そうなコートだねえ」

 

「お気に入り頂けたら…幸いです」

 

 

 

「たーくさん色んな子が来ると思いマース♡楽しみですね」

秘書艦金剛と共に執務に入る。

 

 

 

 

コンコン…

ノックが鳴る。

「どうぞ」

 

「私だ…」

と、部屋に入ってきたのは長門や吹雪に大井、明石に暁。

 

「提督…誕生日おめでとう」

「皆で来たかったのだが…人数が多くてな。残りの者は夕食の時に言うそうだ」

 

「わざわざありがとう」

 

「コレが…私個人からの……贈り物だ」

と、袋を渡される。

 

「開けても…?」

 

「ああ!きっと喜ぶはずだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「島風コスプレセット?」

 

 

 

「そうだッ!!」

「提督も是非この機会に駆逐kぁぁぁぁぁぁあー…

 

長門の言葉が最後まで発せられることは無かった。

ボタンを押したら…あのアレだよ

床が開くやつ…。

長門は落ちたのだ。

 

後に桜アークロイヤルと蒼ヒッパーが同じ目に合う。

 

 

「指揮官!誕生日らしいな!この駆逐艦のコスプ–––––

 

 

「指揮官よ…こn–––…

 

 

 

 

 

 

 

「明石にはボーナス出さなきゃな…」

いや、マジで…。

 

 

 

 

 

その後もたくさんやって来た。何名かは下に落ちて行ったが…

それも含めて楽しい。

 

 

 

 

 

 

 

夕飯時には皆に手を引かれて食堂に連行された。

 

 

「「「お誕生日おめでとう」」」

 

パァンとクラッカーが鳴って俺にヒラヒラと降り注ぐ。

前よりも…更に増えた皆に囲まれて祝われる。

 

 

皆がおめでとう、と前を通るごとに声を掛けてくれる。

 

迅鯨や麗ちゃん、桜さんに…大ちゃん達も。

 

 

 

ケーキもプレゼントも…

それよりも…

 

皆が居てくれる方が何より嬉しい…

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

「…おいおい…もっと喜んでくれよう!今日はクリスマスだー!」

 

「みんなでワイワイやろうー!」

 

 

 

「そうだな!!」

 

 

 

「日頃から皆…ありがとう!俺は………俺は…」

 

 

「皆といられて幸せだ」

「この幸せを守りたいから…戦う」

 

「やっぱりどんな時でも隣に皆が居ないのは耐えられない」

「自分勝手と思ってくれていい、タラシだと言われてもいい」

 

「それでも俺は皆と…ずーっと居たい」

 

 

「今年もたくさん、ありがとう」

 

「今日は…パーッと行こうぜ!!」

 

 

 

 

 

「乾杯ッ!!」

 

「「「かんぱぁぁあいい!!」」」

 

 

 

 

「ダーリンさん!えへへ…ありがとう」

 

「指揮官…ありがとうね?」

 

「ん?何のこと?」

 

「今年も…サンタクロースがやってきたの」

無論、彼女達は分かってる。

俺がサンタだと…。

でも、敢えて言わないのだ。

 

 

「良かったじゃないか」

あくまでも俺は違うととぼける。

 

 

 

 

 

 

「でも今年のサンタは…イチャつくカップルだったと報告が上がってますよ?」

おい、鹿島ァ…何つった?今?

 

一気にムードが変わる…。

ラスボスのような笑みを此方に向ける鹿島。

 

「…まあ…サンタも1人じゃ配りきれなかったんじゃないか?」

 

「…えらくサンタの肩を持ちますね?」

おい、香取…貴様もか?

え?何で?何でそんなダークサイドに堕ちるの早いん?

 

「ま、まあ…でもアレですよ!」

「サンタはサンタですから」

 

さすが大淀ッ!!

俺がサンタじゃないというこの空気もぶち壊さずにまとめようとしてくれる…!そこに痺れて憧れる!!

 

「めっちゃイチャつきながら配ってたらしいですよ?腕組んで」

 

「説明してください?提督?」

堕ちるん早すぎッ!!大淀さぁン!!

 

 

「何でサンタは私を連れて行ってくれなかったのかな…」

麗ちゃん?深海化するん?そのオーラ…やめよ?

 

 

 

 

 

 

え?その後?

もちろん逃げましたとも!

 

それも楽しいクリスマス。

 

 

 

今では1番大好きな日だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

24日の夜の事…。

むしろ25日の夜中?

 

 

 

『メリークリスマス…なんて……』

『よし…寝てるな…?』

 

最初は金剛…にプレゼントふぉーゆー。

 

『待ってましたヨー♡ダーリンサンタクロース』

 

『テメッ…起きて…』

 

『ダーリンは最初に来てくれると信じてマシタ。なら、それを一番に開けるのも…私じゃないと』

 

ベッドからむくりと起き上がり座ってニコニコとコチラをみる。

 

『見られない事前提なのにシッカリとサンタのcostumeをするダーリンは可愛いデース』

 

『やめないか』

 

 

 

『まあ…なら…君には特別に…』

 

『…?』

 

口づけが終わると私の手には小さなプレゼントが置かれていた。

子供みたいに静かにはしゃぎながらそれを開ける。

 

 

髪飾りと髪留めと…。

 

そして…『愛してる』のコトバ。

 

 

『幸せデース…。ダーリン…ありがとう』

 

行ってしまうダーリンの背中に抱きついた。

行かないで?私の隣に居て?

そう言いたい。

でも…独り占めはダメだから…彼を振り向かせて更にキスをする。

この時が永遠に続くようにと願うくらいに長めのを。

 

 

『………』

 

『行ってらっしゃい…サンタさん』

 

 

おう…と彼は行こうとする…が立ち止まって振り返った。

 

 

 

『金剛?』

 

『?』

 

『サンタってさ…今の俺どう?』

 

『カッコいいデース!!』

 

『違うくて…トナカイとか足りなくない?』

 

『トナカイ連れてなくても最高のサンタクロースデース!!』

グッと親指を立てるコンゴー…。

 

『……マジか…』

 

ニコニコと周りにキラキラを発しながらの金剛。

 

 

 

『…鈍感め…』

と、彼がチラリとトナカイのツノのカチューシャを見せてくる。

 

『…夜道は…トナカイ連れてないと危ないらしい…』

 

 

 

 

あっ…と、やっとそこで察したらしい。

少し顔を赤らめて金剛が返す。

 

 

 

『………鼻は光りませんよ?』

 

『なら…寒いから側に居て温めてくれ』

 

 

 

 

『・・・ハイ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜中に2人で回るプレゼント配りデート。

幸せそうなサンタとトナカイが鎮守府に小さな幸せを運んだとか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オネエサマ…ズルイ……ハルナモ…』

 

『はいはい!寝ますよ!榛名姉様』

 

 

 

 

 

 

 

 

『青葉…落書きしとこ……』

 

 

 

 

 

12月25日…

今は1番好きな日…。

 

 

 

 

 

 

『お腹いっぱい…羨ましけしからん…』

『ズルイズルイズルイズルイ』

 

そんな声もBARにあがったらしい。

 




メリークリスマス(๑╹ω╹๑ )

サンタ?来てないんですが…どこかで迷ってるのかな?
どこかで見てないですか?


私はここだぁ!!





さて…提督と艦娘達のプレゼントのやり取りはまたどこかでやりまする。
長門達はもう一度落ちます。




少しでも、お楽しみ頂けたなら幸いです!


感想などお待ちしています(๑╹ω╹๑ )
サンタもお待ちしています…ぜひ…。
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