提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
設定もガバガバでござます。
つまりはいつも通りでございます。
1度起きた事は…すでに起こった事であり、つまり2度目も3度目も起きる可能性はある。
何が言いたいかって?
「は?」
え?ここどこよ?
海?
ん?
ゆられてる?
また…イカダぁ…?
え?
何?死んだの?
昨日まで……えと…確か……
皆でわいわいと…
そうだ、確かに皆と居たはずだ。
悪酔いして1人で船旅に出る…なんて事はない。
拉致…にしても、誰にもバレずに俺を運び出すのはほぼ不可能だ。
……内部犯以外ににはー…
なんて考えていると…
「グルルぁあ!!」
マジ?深海棲艦いんの?
報告!そりゃ海だもんな!!
てか少し姿が違くない?
え?助け来ない奴?
「まじか!!」
ヘンテコ生物が迫った…その時だった。
ドガァアン!!
と、爆発と共に沈むソイツ。
恐らく魚雷が爆発したのだろうか?
何はともあれありがたい…。
時雨あたりか?
「何やってるんですか!!」
「危ないですよ!?」
聞き慣れたような…初めて聞くような声の先には…少女が居た。
「…助かった……」
「…別基地所属の…艦娘…か?」
「?知ってるのですね?正しくは…かん娘…ですが」
見たこともない娘が立っていた。
少なくとも俺のデータベースには存在しない娘。
見た目は……駆逐艦か軽巡…か?
初月のように身長は高いが…なんせ装備が…その…物足りないのだ。
その彼女は言う。
「私は…こんごう」
「こんごう型の1番艦、こんごうです!」
「金剛……ね…」
って!?
「こんごううううう!?!?」
思わず叫ぶ。
ビクンと驚くこんごう。
「…な、なんですか!?」
「いや待て…金剛って魚雷あったっけ?」
「なかったよねえ!?」
「あれ?夢か?」
見れば多少面影はあるが…
なんか服装もすんごいシンプルだし……
「何を独り言を…」
慌てるこんごうの元に数名のかん娘がやってくる。
「お姉様!」
「大丈夫ですか?」
「おや?その人は?」
「きりしま!みょうこう、ちょうかい」
「人の反応はこの人だったんだけど……なんか…」
「お姉様?大丈夫ですか?」
みょうこうと呼ばれた娘が心配そうに尋ねた。
お姉様ねえ…
お姉様!?
「は?」
「比叡は?榛名は?」
「あの姉妹ですか…」
「知り合いなんですか?」
「いや!あの2人と金剛と霧島で金剛型四姉妹だろう!?」
「何を言ってるんですか?」
「こんごう、きりしま、みょうこう、ちょうかいの4人で護衛艦こんごう型四姉妹ですよ?」
「ここは日本か?」
「はい、そうですよ?」
「……」
確かに現代では…こんごうはその4人だ…。イージス型の護衛艦…。
「…あなたは?誰なんです?」
「あー……」
「……漂流者?」
とりあえずの現状事実を伝える。
「連行します」
きりしまだけが訝しげに救を見つめていた。
「……」
「何ですか?人の顔をジロジロ見て…」
「ううん…少し懐かしくて…」
「初対面なのに?」
「うっ…」
「西波島の神崎…とか知らない?」
「……知りませんね」
「そうか…」
その言葉に1人だけピクリと反応した者がいた。
「あなたは一体誰なんですか?」
口を開いたのはきりしまだった。
「きりしま…?」
こんごうは突然の発言にびっくりしているようだ。
「お姉様…私はこの男が何者か気になって仕方ないんです」
「旧金剛四姉妹…何故知ってるのですか?」
「それに…西波島と言えば…旧時代の鎮守府の場所…」
「「旧時代?」」
俺とこんごうの声が重なる。
「はい、旧世代のものではありますが…知るものは少ないはずなんです」
「あなたは一体…?」
ガチャリと武装を向けるきりしま。
「敵と内通している可能性があります…」
「そも、イカダで漂流なぞ…妖しさの塊じゃないですか」
「…深海棲艦と繋がってる可能性も捨てきれません…」
深海棲艦との繋がり…
その言葉に他の娘も反応する。
「西波島の鎮守府に連れて行ってくれないか?」
「何を…」
「俺が何者か証明出来るかもしれない」
イカダを引っ張られる事数時間ー。
「ここが西波島ですよ」
打ち捨てられたような廃墟。
だが…懐かしい鎮守府はそこにあった。
「…マジか…」
と、彼はポツリと言った。
とてもじゃないが誰かが生活してるとは思えない程の…。
ここに彼を証明するものは恐らくないだろう…と彼女達は思う。
「……」
しかし、彼はスタスタと進んで行く…。
慣れ親しんだ場所を通るように、迷う事なく進んで行く。
「……!?」
こんごうは見た。
ほんの刹那の事だった…。
資料で見た艦娘が見えたのだ。
「今のは…?」
「お姉様…?」
「ん…なんでもない…」
埃だらけの執務室と言う看板がある部屋まで来た。
「…あった」
彼は執務室で足を止めて…埃が被った壁から額縁を降ろした。
ふぅっ!と息を吹き、手で埃を払うと…写真が出てきた。
「これは?」
「ん?俺達の写真…」
「これがあなただとでも言うのですか?馬鹿馬鹿しい」
「…そう思うなら思ってくれ」
「お前達にとったらバカみたいな幻想だと言っても…」
「俺にとっては…かけがえのない
「……感じない…なあ…」
「……」
「…」
彼がスルーした書物らしきものを見る?
古く、掠れたその中の名前を彼女は見た。
「…俺は神崎 救」
「西波島鎮守府の提督をやってる者だ」
神崎 救
その名前が目の前にはあった。
「ありえません…」
「何故?」
「それは…100年以上も前の話ですよ」
きりしまがそれを告げる。
「100年?」
「はい」
「うっそつけえええ!!霧島ァン!」
「そろそろからかうのは止せええ!」
「金剛ぉー?お前もいつもみたいにダーリン♡でこいよ!」
「……」
皆無言である。
「神崎 救…数々の戦果を修めて海の平和拡大に大きく貢献した人物です。しかし、老齢で亡くなられたと聞いております」
「確かに資料で見た、写真と瓜二つな方ではありますが…」
「……マジか…」
「……俺はこの後どうなる?」
「……いち被害者としてあなたの家…街まで責任をもって持って送る事は可能です」
「ここが家なのに?」
「…まだ信じられません、あなたが虚言を言っている可能性もあります」
「……その方が嬉しいよ」
と言う彼の顔は…寂しそうな顔だった。
その時…がちゃり…とドアが開いた。
一斉に武器を構える。
「誰ですか!?」
その主は…私達の声なぞ耳に入ってないと言わんばかりに言った。
「…提督…?」
その声の主は……
ピンクの長い髪の女の人だった…。
「……お前は……?」
「提督…提督ッ!!」
その人物は…大泣きしながら彼に飛びついた。
「…提督……?」
「本当にお前か?」
「はい…!私ですよ!私です!ずっと待ってました…!120年ですよ!ずっと…ずっと待ってました」
「あなたが死んでから…ずっと…またその魂が戻ってくると信じて……」
「死んで…って生きてるけど?」
「ま、待ってくださいッ!その話は本当なのですか!?」
120年…待っていた…?
きりしまが話を遮って叫ぶ。
「あなたは一体…」
「私は龍鳳です」
あれ?龍鳳っていたっけ?