提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「はあ!ハァッ」
息を切らせながら逃げる提督。
その後ろを追いかける…というより、追い詰める影。
彼に…今まさに、魔の手がかかろうとしている。
無論、彼にはその理由を知る由もなく…
物事の転機、展開は突然やってきて降りかかるものだから。
「やめてくれ…頼むッ」
後退りしながら逃げる提督
「ツカマエタ……」
「……提督…」
「もう逃しませんよ…!!」
「腹括ってくださいッ!!男なんですから!」
「いや…その…」
「ズボンを脱がさないでえええ!!」
そう、彼の貞操の危機(笑)だ。
「原稿完成にはですね!リアルな見本が必要なんです…よッ!」
「終わった後の処理も任せてもらっていいですから!」
「早くヌードモデルになってくださいッ!」
青葉が提督を脱がそうとしている。
「あ、青葉ぁ…提督嫌がってるよ…」
「何言ってんですか!?秋雲!?未だに恥ずかしくて見られないとか言ってネットでも(ピーー)を検索もしてなくて、描けないのはアンタでしょーよ!」
「(ピーー)言うなって女の子が」
脱がされながらも突っ込む救。
「うう…だけど…」
「だから好きな提督さんの(ぴーー)を資料として見せてもらってそのまま愛してもらおう作戦なわけなんですよ!」
「だから(ピーー)言うなって」
「何言ってんですか!私ゃ記者ですよ!?そんくらい平気ですよ!そんなのねえ!気にしてたら記者が務まりますかッてね!」
「あら?経験豊富かな?」
「…………その話は置いといて…」
「秋雲…いえ!オータムクラウドォ!見たいんだろう!?提督の…ピーーーが!!」
「初めて(見るの)は大好きな提督!って決めてたんでしょおおお!?」
「あうう…でもぉ…」
「皮一枚破るんだ!オータムクラウドッ!脱皮だ!生まれ変われ!」
「そぉして…この提督のパンツの皮一枚破るんだ!」
「理想郷はそこにあるうううう!!」
「……なるほど…できるかな?」
「全然上手いこと言ってないからッ!!やめて!?これ普通にヤバい案件だから!!」
「やめてえええええ!!!!!」
ゴクリ…と生唾を飲み込んだ秋雲がオドオドとしている。
「提督…秋雲はね…漫画描いてもね?……その…ピーーーだけ描けないの…」
「だから…その…提督の……見せてくれませんか?」
「青葉………上目遣いでもダメッ!!ダメえええ!!!」
『…秋雲って絵を上手に描くよねえ』
『そうかなあ?』
『…うん、描き込みも細部まで丁寧だし……いっそのこと漫画販売にしてみたら?』
『そ、そんな事まではできないよ』
『この間宮さんに怒られてる提督なんかリアルで面白いけどなあ………ん?』
青葉は一冊の本を見つける。
『………ふぅん』 パラっ
『へえ…』ペラペラ
『…なあに?……って!その本は!?』
『この絵…秋雲と提督だよね?』
『!?!?!?』
『ほー…こう言う事…したいんだ?』
『ほほー…濃厚な…』
『d@m@'gmg.pmm』
『慌てない、慌てない』
(寧ろなんか安心したよ』
『……でもさ…これ…ピーーーの部分書いてないよね』
『あう…だって…見たことないし』
『ネットとかあるじゃん』
『嫌だよ!誰のかも知れないモノなんか見たくないし、恥ずかしいよ』
『なら…提督のは?』
『………』
ボッ…と顔が赤くなりプシューと言う音と共に倒れ込む秋雲。
『……純なのかねえ…』
それからというもの…
「…ん……ふぁあ…朝か……」
「ん?」
「恐縮ですッ!!」
布団に潜り込んで来る青葉。
「寝起きは特にマズイッ!!」
コンコン…
「……俺専用のトイレなのに…?」
「恐縮でぇす!」
「トイレはやめてッ!」
「開けてください!お風呂はいりたいのー!!」
「青葉ァァ!てめええええ!」
「恐縮ですううう!!」
「お風呂迄来るのおおお!?!?」
ところ構わずやってくる青葉。
それが冒頭に繋がる…。
「ダメだよ…青葉…」
「こうなったら…間接的にでも!!」
「金剛さん!提督の主砲についてお尋ねしたいのですが…」
「…ほう…」
渋い顔でニヤリと笑い対応する今後。
「ズバリ…どれほどの……?」
「…三式d…「やめい」
「やめい…」
「2人とも……本当にやめてください…」
救が本気で頭を下げた。
「ぐぬぬ…」
悔しがる青葉だが、もう1人は違った。
秋雲は後悔した。
その姿に後悔したのだ。
「やめよう…青葉…」
「何で!?ー……ッ!?」
青葉は見た。
涙を浮かべる秋雲を…。
「これ以上やって嫌われたくないよ…青葉」
「秋雲…」
トボトボと部屋に戻って行く秋雲。
「……青葉」
「不知火?」
「…もう少し考えた方が良いです」
「……」
「秋雲、明後日からの夫婦体験、延期にしたらしいわ」
ドキりとした
忘れていた…そうだった。
明後日からだったんだ…。
「な、なんで…」
「…提督に嫌われたって…泣いてる」
「そ、そんな…」
「最後まで断り切れずに着いて行った秋雲も悪いし、暴走した青葉も、悪いと思います」
「ジャーナリズムとは…人を不幸にするものではないと思います…」
「あなたの書く青葉新聞も…」
「秋雲の描くマンガも…」
「末の妹と仲良しなのは知ってますので…陽炎型一同、怒ってないですが…もう少しだけ考えて下さい」
急いで部屋に走る。
「…秋雲…」
「ご、ごめんなさい…」
「ううん…私も悪いの」
「わ、私は…」.
「ただ、作品を完成させたいだけなの…」
グッと堪えて秋雲が言う。
「だからそれが不完全なのが辛かったの」
「……秋雲…」
「そうだね…アンタ…提督の事大好きだもんね」
「だって…秋雲の描く提督…どれも凄いリアルで…笑顔なんか凄いんだもん」
「うん…好きな人だから…ネットとかそんなので完結させて描きたくなかったの」
「ごめんね?青葉…。私の為に色々と…やってくれて」
「でも…嫌われたら悲しいから…」
「……私は何をやったんだろう…」
あの顔が物語っていた。
こんなに…こんなに……
友達の為だった。
でもそれは友達の為にならなかった。
何が記者か
何がジャーナリズムだ。
私は…友達を傷つけた…
「提督…」
「…青葉…」
「そんなに警戒しないで…しないから」
「…ごめんなさい」
「…もういいよ」
「お願いがあります」
「何でもします」
「ん?」
「提督は…秋雲嫌いですか?」
「そんなはずないよ」
「愛してるさ」
「私の事は嫌いでも良いです」
「でも、秋雲の事は嫌いにならないでください」
「青葉……?」
「明後日は…秋雲との夫婦の日だったんですよね」
「あぁ…でも、秋雲が延期を申請してきてな…」
「お願いします、もう一度…提督から誘って下さい」
「どう言う事だ?」
「私の暴走で…秋雲は提督に嫌われたと思ってるんです」
「悪いのは私なんです」
「罰は何でも受けます、取材も…新聞制作もやめろと言われたらやめます」
「でも!それ以上に…友達を悲しませたままになんかできないんです」
「不知火からもお願いします…」
「不知火!?」
「ぬいぬい!?」
不知火も横から出てきて頭を下げる。
「お願いします」
その奥からも陽炎型と衣笠がぞろぞろとやってくる。
「あ!この…!パパラッチめ!」
「こら…嵐…」
「そも…なんでピーーーなのさ」
「…これを」
不知火が一冊の本を差し出す。
「これは……おれ?………ブッ!?」
「そうじゃ…提督と…秋雲の…らぶ絵じゃ…」
「本人に見せるのは…描いた側も描かれた側もキツイと思うけど…」
「見て欲しいな…アイツがどれだけアンタを好きか…」
「……つまり?」
「秋雲は俺に嫌われてると思って…夫婦体験を延期したと…」
「んで…原因が俺のピーーーだと…」
「「「「はい」」」」
「……………うそん」
オータムクラウド
と
ブルーリーフ
少しでもお楽しみ頂けたら幸いです。
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