提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
私は走っていた…あの人の元に。
泣きながら走った?
知らなかったのだ。
彼がこの世界とは別の世界から来たこと…。
尊敬する人が目の前で死んだこと。
戦ったこと…殺されたこと。たった1人の知り合いもいないこの世界でいきなり戦いに巻き込まれたこと。
深海提督のこと…。
殺気のような威圧感を放っても悲しい顔をしたのは…あの人にとって 艦娘しかこの世界に拠り所がないから。
あの人が死んで欲しくないと言ったのは、敬愛する人を失って…自分の命すら失ったから。
あの人が認めてくれたのは命を懸けて守るってことがどういう事か…命の重さを知っているから。
それでも戦うのは…艦娘と何の恩義もないゲームとやらの中の世界の為。
何も話してくれないのは…話してはいけないから。
それでも優しいのは……受け止めてくれるのは…すり潰されるのも、心を殺すことも…死ぬことも、失うことも知っていたからだ…。
謝らなくっちゃ!
さっきのことも、本当は自分がわからなかったことも何もかも!!
わかった。私は…私は…この感情は…
さっき居たはずの場所に彼は居なかった。
…そうだよね……いないよね。
「……そうだよね」
「あれ?用事終わったの?」
彼は居た。手に2つ飲み物を持って…
「はいどーぞ!寒くてさ… 麗ちゃんも1つどうぞ」
「ごめんなさい!!!!!!」
私は彼に抱きついた…抑えられなかった?
「おおう?!どうした!?」
私は言った…泣いた…。
聞いた事、私の考えていたこと、訳がわからないこと…楽になりたかった事。
何もかも喋った。乱暴な言葉もあっただろう…。
それでも…彼は何も言わず聴いてくれた…。
「死なせたくないんだよ。俺らは命を守る為に戦うんだから…それにね?」
「君の考えもなんとなく分かるよ、わからなくなることも…偉そうな事は言えないけどね… でも本当に君の事は尊敬してるよ!すごいと思うんだ、小さな頃からたくさん我慢したんだろうって…俺にはできないな…うん」
またそーやって欲しい言葉を掛けてくれる…。
「ねえ…寂しくないの?この世界で…帰りたくないの??昔の世界に」
「皆が居るから… 彼女達も…君も居るから」
「私も…?」
「そうだよ!人と艦娘とって区別は俺にはないけど…俺にとって君ははこの世界で大切な人だよ」
「わかりました…」
きっとこれが彼の普通なんだろうな…。
ダメだ…こんな 私…じゃダメなのに…資格もないけど。
「さあ!デートの続きだ続きだ!」
「場所わかるの?ここら辺の」
「わかんねーや!!」
麗ちゃんにゲームセンターに連れて来てもらった。
エアホッケーでボコボコにされた!
小太鼓の名人でも負けた!
ガンシュートでも負けた!
この娘には容赦という言葉がないのだろうなあ…。
でもクレーンゲームだけは苦手らしい!!
「はい!このぬいぐるみとれたよ!」
俺が少し得意げにできた瞬間だった…店員に取れやすくしてもらったのは内緒だ!
救君がアザラシのぬいぐるみをとってくれた。
何回か両替に行ってたのも、店員にお願いしてたのも知っている。
でも…嬉しいな…。
きゅっとそのぬいぐるみを抱きしめた。
「えへへ」
プリクラも撮った…
と言うより写真に近いんだね。
でも印刷されたのを見て笑みが溢れる。
手を繋いで歩く。
さっきとは違う繋ぎ方で、指を絡めて。
たくさん迷惑を掛けた…好きになる資格なんてあるのだろうか?
でも、ああ…好きなんだなって思った。
私もあの輪の中に入りたかったのだ。
わがままな話だが…言い寄らない、馬鹿にしない他の人とは違うこの人に惹かれていたんだと思う。
私を罰しない特別な理由が欲しかったのかもしれない。
私は最低だろう…
こんな感情をぶつけて、掻き回して…。
知ろうとせずに感情的にぶつけて、逃げて、他の人に教えられて、戻って泣いて…甘えて。
でも、それでも優しく受け止めてくれて大切な人と言ってくれるんだもの…もっと隣に居たくなっちゃったよ。
もうすぐ帰らなきゃいけない。
次は夫婦で1日居られるけど、それも楽しみだけど…。
今この時がとてつもなく愛おしい。
帰りの船を待つ港で私は言った。
「救君」
「うん?」
「私、あなたが好き」
「こんな私だけどね それでも好き。あなたの周りには沢山の艦娘が居るけど…重婚してるけど… 私負けたくないな」
次の1日夫婦の時はもっと楽しく幸せに一緒に居たいな。
「えへへ」
自室でぬいぐるみと写真を見つめる麗。
写真は綺麗に写真たてに入れられている。
「好きって言っちゃったなあ…」
負けられなあなぁ… 頑張らなくちゃ!
この頑張りは嫌じゃない…そう思った。
世話の焼ける人ねーー
ライバルを増やしただけでは?加賀さんーー
私は負けません 提督の隣は譲れませんーーー
ふふふ 私もその1人なんだけどなあーー
なんとなく 考えにドロドロとした何かを持たせたかったのですが
思考もなにもかもぐちゃぐちゃな麗というキャラ付けで行きました
本心で庇ったのに 楽になりたかった
認められて嬉しいのに 理由がわからない
そんな彼女の考えことを吹き飛ばすような 救の優しさの理由
ややこしくなりましたが
結果として彼女も堕ちました
次回 はその麗ちゃんが1日嫁になります
大丈夫か(๑╹ω╹๑ )鎮守府!!
アンケートのご協力をお願いします(๑╹ω╹๑ )
5/19くらいまで募集します たぶん
麗ちゃん嫁回の次の回 (次回の次回)
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ここは!提督と艦娘の何か日常「普通」
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いやいや!提督と艦娘の日常 「病み」
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何の!提督が艦娘に何かを迫られる話
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あえての!ア○レンからの来訪者「修羅場」
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筆者の脳内にお任せ 「カオス」
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ケッコンカッコカリ組とのお話