提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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321話 足柄と1日夫婦 ②

「さあ!行きましょう!今日は私に任せてね!」

 

ぶっちゃけ結構前から今日の事は全て任せて?なんて足柄が言うから俺はノープラン。

妙高達曰く、かんなり色々と姉妹を振り回してリサーチしたとか…

さすがは飢えた狼…か?

 

 

 

「まずはココ!モーニングのオススメよ!」

 

「カフェのモーニングか」

 

ええ、そうよ!と通されたお店は結構…好みかも。

ログハウス風の建物の窓からは森を眺める事ができる…上に店内には暖炉が設置されている。

何だこれ?俺の好みにドストライクじゃん…。

 

 

メニューはトースト…プレーン、マーガリンシュガー、チーズ

半分のパンが3つで3つの味を楽しめる…だと?!

残りの1つは…ラスク風にされていて…コーンポタージュにつけて!?

 

 

「…………めっちゃ美味い」

 

プレーンが美味い!そして何より…チーズマヨ?これやばい激ウマ…

毎日でも食べ……たら殺されるな…うん。

 

 

「本当!?気に入ってくれた?嬉しいなあ」

 

足柄もニコニコと嬉しそうに一緒に食べる。

 

「こーやって…好きな人と好きなところに行くのが夢だったの」

照れてはにかんだ足柄にドキッとした。

 

 

 

 

手を引かれて歩くのは何だか珍しい気がする。

と言うより…少し焦ってる…?

 

 

嬉々とした表情は変わらないが………

 

 

 

 

「お昼はぁ〜〜ココ!ナンカレー屋さん♡」

 

「ほう!!」

 

「ここのね?チーズナンとシーフードカレーがおすすめなの!」

 

「なんだ!?このとろけるチーズは!?めっちゃ伸びる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どんどん行きましょ!」

足柄が俺の腕に抱きついて歩みを進める。

 

 

ゲームセンターも行った。

服屋も見た。

おまかせコースはかなり充実したデートとなった。

 

 

 

「夕飯は私が作るから…一緒に買い物して帰りましょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りの船の上での事だった。

荷物を置いた足柄が俺を甲板に呼んだ。

 

 

不安そうな、切なそうな、儚そうな顔の彼女は俺に問いかけた。

 

 

 

 

「ねえ?提督?私…言った通りに幸せにできてる?」

「あれから守れる艦娘で居られてるかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ…

ずっと不安だったんだな。

 

色んな事を負い目に感じながら過ごしたのだろう。

責めたのだろう。

 

そんな必要ないと言っても気にするのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

彼女なりに…ずっと頑張ったのだろう。

確かに幸せだ。

うん…。

 

 

 

 

いや

 

 

 

違うだろう?神崎 救。

確かにソレも有りだろう。

幸せにしてもらうのも有りなんだ。

でも違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が彼女を幸せにするんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

伝えよう

あの時…悔しかったと。

 

 

 

 

 

 

 

 

だから…

 

 

 

「足柄」

 

「ん?何?」

 

 

 

 

 

 

 

「コレを…君に」

 

 

 

 

「あ……指輪…」

本人もきっと存在を忘れていたソレを差し出す。

 

 

 

俺が言葉を発する前に彼女が喋った。

「あ……そっか…私…あはは…」

 

 

「本当に良いの?私が貰っていいの?」

 

 

 

 

 

彼女は言う。

 

「提督は私のせいで…一回刺されて死んで…那智にも殴られて…」

「私が居たから…ああなったのに優しくて…」

 

「本当に私なんかで––––––

 

 

 

俺はその言葉を遮る。

 

 

 

 

 

 

 

「お前を守ったのは…艦娘だからでも…上司として…提督としてではない」

 

「愛する1人を守りたかったから!1人の男として…君を」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ッ!!」

 

 

 

 

「俺は…足柄を守ることが出来て良かったと思ってる」

 

 

 

 

 

 

「俺は…幸せだぞ?」

「確かに死んださ、殴られたさ…でも…今もちゃんと生きてる。生きて…君の目の前に居る」

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも」

 

 

そう、でもと彼は言ったのだ。

一気に不安になる私。

ドキドキする鼓動が胸に当てる手に頭に嫌なほどに響いて来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は君を愛している。俺が君を幸せにする」

「何があっても君を死なせない。君がその命を全うしたその最後には…きっと飢えなんか忘れられる程の幸せをこれからをかけて君に捧げたい」

 

 

 

 

 

 

 

「この指輪は…その約束の証だ」

 

 

 

 

 

 

 

「……君が他の奴にプロポーズを受けた時は………モヤモヤした。ごめんな。当たり前に君が居るって思ってたんだ」

「だから…君が俺にプロポーズしてくれたのは嬉しかったんだ」

 

 

 

 

 

「頼りない提督だろう。女たらしと言われるだろ…違うな、言われている。皆を幸せにしたいとも思ってる。でも…」

 

「君を想う気持ちは…誰にも負けない!」

 

 

 

 

 

「…ッ!……ッ!!!」

 

 

 

 

あぁ……

こういう人なんだ…。

 

この人は本当に私を嫌ってもなければ…

あの事すら…気にしてないんだ。

 

 

私が幸せにするって言ったのに…

この人は…自分から…。

 

 

私あなたの為にって思ってた。

力抜いていいんだよ…って

 

失礼します…の時もそうだった。

最後まで言わせずに…おかえりって言ってくれた。

私の事を…ずっと…ちゃんと考えてくれている人なんだ。

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

「…私のプロポーズ……足りなかった?」

少し意地悪を言う。

 

 

「んにゃ?」

 

でも…と彼は言う。

「愛する君に俺から伝えたかったんだ」

 

 

 

 

 

 

 

「愛してる。だからどうか…この指輪を「もちろん!!喜んで…なによりも!なによりも喜んで受け取るわ」

 

 

彼が私の手を取って…ソレを指に入れる。

 

途端に左手の薬指に慣れないけれども心地いい違和感と…確かにずっしりとした愛の重さを感じた。

 

 

 

 

 

「昨日言った意味…」

 

 

彼がそっと私に口づけをした。

 

 

 

彼は言った。

明日のキスはきっと違うキスになる…と。

 

 

夫婦として…本当にケッコンしての初めてのキス。

私の初めてのキスはあなたに捧げた。

ケッコンしての初めてのキスも…。

 

 

 

 

「ねえ?」

 

「うん?」

 

 

「あなたって呼んでもいい?」

 

 

 

「ああ…いいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた…」

 

「うん?」

 

 

 

 

 

「あなた」

 

「はい」

 

 

 

 

 

「あなた!」

 

「足柄!」

 

 

 

 

「ふふ…呼び方が変わっただけなのに…何だか…ずーっとあなたを近くに感じる」

 

「良かった…夫婦だもんな…本当に」

 

 

 

 

 

「ねえ?」

 

「うん?」

 

「昨日言った…事本当だったね…キス…」

 

「でしょ?」

 

 

 

 

「あなた…もう一回…ううん、もっと…してもいい?」

 

「うんいいよ!たくさんしよう?」

 

 

 

 

 

寒い冬の船の上だけど…寒さなんか忘れた。

涙で唇はしょっぱいけど…

それでも私は彼から離れなかった。

 

ちらつく雪も、通り抜ける冷たい風も…

私達を離すことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ばかな…」

 

「………」

 

 

「完全和食的だと!?」

「な、なぁ…?足柄…?カツは?カツはどこだい?」

 

「ないわよ」

 

「嘘だ…出るんだろ?山盛りのカツ…がよぉ…」

 

「いや、本当にないわよ?」

 

 

目の前にあるのは…

鯖の塩焼き、卵焼き、味噌汁、ごはん。

プチおでんに、きんぴらごぼう…。

 

 

 

「カツをくれぇ…アレが…アレがないとぉ…ヒヒ…」

 

「カツジャンキーじゃない!!た、たまには無くてもいいでしょ!?」

「わ、私だって…カツ以外も作れるんだから」

 

「だから…朝昼は外食の少し濃いめにしたのか」

 

「正気だったのね!?もう……そうよ!この和食を引き立てるためのね!!」

 

「さすが狼…抜け目ない」

 

「ふふ…さあ?食べましょう?あなた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん!美味い!優しい味付けだな」

 

「そう?ありがとう!おかわりもあるからね?」

 

食べる姿をニコニコと見つめる足柄。

 

「??」

不思議そうに思う彼に彼女は言う。

 

「そんなに美味しそうに食べてくれるのって…あなたくらいよ?」

「だから…あなたの食べる姿…好きなの」

 

なかった微笑む彼女が可愛くて顔が熱くなる。

「……ッ!?」

 

「あら?照れた?照れたの!?」

 

「……」

顔を逸らせて手を振る救。

 

 

「ふふっ。あーもう!好きよ?好き!大好き!!愛してるわ?」

相当嬉しかったのか、横に来て抱きつく彼女。

 

「食べにくいよ…足柄」

 

「やだー!離れたくないもの」

 

「終わってから…な?」

と言う彼を見て足柄も何故か顔が赤くなる。

 

 

「おや!?おやおやおや!?」

 

「な、なによおお!!」

 

「可愛いな、足柄」

「愛してるよ」

 

 

 

「〜〜〜ッ!!も、もうー!?」

 

2人はおアツいひと時を過ごしてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから…他の部屋でやってくれえ」

「胸焼け…お腹いっぱいよ」

 

「…私も…あんな風に……」

 

 

 

場所は別として…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「オイ!やめろ!足柄ッ!キスしようとするな!やめろ!羽黒への悪影響になる!」

 

「やめなさいー!せめて外で!羨ましいから!泣きたくなるから!!」

 

「はぅ…姉さん……」

 

 

「「「あああああああ!!!」」」

 

 

 




カツジャンキー…って何だ?
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