提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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322話 羽黒と1日夫婦 ①

一歩…踏み出すんだ!!

前に…前に!!

 

だから…お願い…力を貸して!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ああああの!ふ…ふちゅ…不束者ですが」

「どうぞよ、よよよろしくお願い  いたし ます!!」

 

 

部屋に帰ったら羽黒が顔を真っ赤にして三つ指ついていた件について…

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひううう…わ、わたしなんかあ…」

プシューって音が聞こえてきそうな程に顔が赤い。

加虐心が疼くが、後が怖い!辞めておこう。

 

 

 

 

 

「あ!夕飯……作ったんですけど」

 

「マジか!食べる!食べる!!」

 

 

 

目の前に並ぶ料理。

大人しめな和食。

しかしながら味付けは薄めだがしっかりとされていた。

 

 

「……あの…お味は…?」

「あ、あの…つ、疲れてるかなあ?なんて思って少し薄めにしました!わ、私にできることは…それくらいなので……」

 

「結婚しよう」

 

「は!?え!?!?」

 

「本当に…羽黒は優しいな」

そう言いながら頭を撫でてくれました。

 

「あ……ありがとうございます…」

 

2人で黙々とご飯を食べました。

時折向けてくれる笑顔が…嬉しくて、微笑み返そうとして恥ずかしくて顔を伏せてしまう。

あと一歩踏み出したいのに。

 

 

 

 

 

 

 

『一歩を踏み出しなさい?』

 

『恋なら…私達に叫びなさい?力を貸すわ』

 

姉さん達のその言葉を思い出した。

部屋を出てここに向かおうとする時に言ってくれた言葉。

 

 

だから…

姉さん…私に力を貸して…ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トン…と背中を押された気がした。

 

 

 

 

「…ッ!!提督!」

 

「うん?」

 

「……す、好きです」

「1日…わ、私だけを見てください!!」

 

座ったままペコリと頭を下げた羽黒。

 

 

 

 

 

 

羽黒は基本的に気弱な性格だ。

キレた時は……うん、アレだけど…。

 

それでも細かな気遣いが本当にできる子で…俺もそれに何度も助けられた。

 

 

 

 

 

「羽黒?」

 

 

「はい…?」

彼女の体がビクンと跳ねた。

慌ててこちらを向いたようだ。

 

 

 

 

 

「………ッ!?」

私はその状況を飲み込むのに数秒は掛かっただろう。

 

目の前に開いた小箱があったから。

そこから覗いていたのは…足柄姉さんが着けていた幸せの証。

いいえ?あなたと居られる今も幸せなのですが…それをもっと…もっと近くに感じられるであろう幸せが…目の前に。

 

 

 

 

「あの…あの……て、提督?」

嫌な程に大きな鼓動が全身から伝わってくる。

 

 

「……君にコレを贈りたい」

「俺とケッコンしてくれないか?」

 

「優しい君が好きだ。怒った君も、困った君も…」

「ずっとそばにいて欲しい」

 

 

「……は…ぃ…ッ………よ…よろごんで…」

指に伝わるこの重さ…

唇に伝わるこの暖かさ

 

 

 

「幸せ…です」

 

 

 

 

 

指輪もキスも…嬉しくて泣けて…ああ

こんな幸せが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日は朝からお出かけです。

街のカフェでホットサンドを食べてからショッピング。

 

「このマフラー羽黒に似合いそうだな」

と、店に飾ってたマフラーを私に巻いてくれました。

 

「あ…あったかい…」

ごめんなさい…。嬉しさと緊張で月並みな感想しか…うう

 

「気に入った?なら…君に贈るよ」

 

「ふぇ!?い、いいいんでふか!?」

 

「もちろんとも」

彼は笑顔で答えてくれた。

 

「えへへ…」

と、マフラーに埋もれてみる。

……暖かいのは…きっとマフラーのおかげだけじゃない。

 

 

幸せだなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで?

 

なんで邪魔されるの?

 

 

 

 

ランチ前のデート中に街に深海棲艦が現れた。

はぐれ組だろうか?

いや、そんな事より…守らなきゃ!!

 

 

「危ないッ!!」

 

 

 

砲撃してくる彼女達。

 

砲撃から私を庇って怪我をした。

 

え?

 

「提督ッ!!提督ッ!!」

 

「大丈夫ッ!このくらい」

 

 

 

 

 

 

 

『む?…貴様…提督と言ったな?』

『都合が良い!来てもらうッ!!』

提督を引っ掴む棲姫。

 

 

「待ちなさ…きゃあ!!」

追いかけようとする私を深海棲姫は弾き飛ばした。

 

 

「くっ…羽黒ッ!!応援を呼べ!俺は……皆を……

連れ去られる提督。

 

 

 

 

 

 

 

武装が有れば……いや!武装が無かったって!!

艤装…展開ッ!!

 

 

街も…あの人も私が守る!!

 

私は海に立った。

 

 

 

 

追いかける私を見た奴が言う。

『これでも…?』

 

ザパァ…と水面に現れる深海棲艦達。

 

 

 

「負けるもんか…!!」

 

私は…敵陣に突っ込んで行く。

 

 

 

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