提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「ご主人様、本日のお勤めお疲れ様でございました」
「紅茶等を用意しますね」
比較的早く終わった今日の執務。
終わらせたって言った方がいいか?
主にあの人が…
というより、桜ベルファストがアホみたいな速度で終わらせた。
恐らくアレは忍者の類だ!だって分身してたもん!!
え?してない?嘘つけ!!
桜ベルファストはバグった映像みたいにブレッブレだったよね?
何あれ?軽巡って何?超高速巡洋艦なの?ねえ?
「…提督さん…書類が飛んでたのです」
なんて電が言ってたぞ!!
「桜ベルファストさんは凄いのです!忍者か何かですか?」
「はい」
嘘つけお前日本生まれじゃねーじゃん
「電様?メイドたるもの…このくらいは基礎中の基礎でございます」
「電も頑張ったらアレくらいできるようになりますか?」
「ええもちろん!見る人が見たら書類だけが舞うようになりますよ!ロイヤルメイドは皆…………」
シリアスは別の意味で書類が舞ってるけどな…なんて救は思う。
「……大体は習得しておりますよ!」
あ、一部抜きやがった。絶対アイツだ。
「きゃぁあ〜」ガシャンガラン!!
さすがは桜シリアス!完璧なタイミングでやってくれたぜ!
「も、申し訳ありませんんんんん」
「仕方ないなぁ〜シリアスぅぅ…不本意ながら…お仕置きが必要…「既に完了しております」
なんて涼しい顔の桜ベルファスト。
何のことかわらかない俺達……のすぐ後に…スパァァン!!って音が聞こえた。
「ひゃううう!?お尻がぁあ!!」
うずくまる桜シリアス。どうやらお尻を叩かれたらしい。
音より早い…桜ベルファスト…。
もうお前1人で世界の平和取り戻せるって…
「……プッ…」
「わ、笑わないでくださいー!!」
………
……
…
「さて、ご主人様!明日から1日…よろしくお願い申し上げます」
ドアの内側でペコリと頭を下げる彼女。
「よろしくね」なんて挨拶を返す俺。
「では荷物を…失礼しますね」
と、ドアの向こう側からチラリと見えた唐草模様の風呂敷包みが1個…2個…3個4個!?!?
「…その荷物は?」
「…?今から明後日の朝までご主人様と過ごすセットですが?」
「…大荷物すぎん?」
「はい、ここから出るつもりが有りませんから」
「なんと!?」
ベルファストの荷物は多かった。着替えだけ♡なんてそんなもんじゃやかった。
桜ベルファストの後ろには大風呂敷4つ分くらいの荷物があった。
夜逃げでもすんの?
「半ば駆け落ちみたいなイメージですね」
こいつはエスパーか?
というか、メイド服の桜ベルファストが唐草模様の風呂敷の荷物を両手にひとつずつと背中にふたつ抱えて来た様は…クソシュール。
加賀とか赤城とかが似合いそうな感じだったのに…。
「他の女の子の事考えてません?」
やっぱりエスパーか?
ひょこっ!
「似合ってるというのは褒め言葉ですか?」
「私も気になります」
ぽぽい!と2人を外に出してから桜ベルファストに……って!?何してんの!?
「何…って…愛の巣を作っていますが?」
「愛の巣ぅ〜?」
「ええ、今この時からこの桜ベルファストはあなた様の嫁でもあります」
「つまり!この私室は夫婦の部屋も同然ッ!!……といっても普段は1人用か来客用の小物くらいしかないので…私色も混ぜさせてもらおうかと思いまして…」
「ただ…このメイド服で畳の座布団に座るのは…いささかアレなので…テーブルとイスをご用意させて頂いております」
しゃなり…と一礼する桜ベルファスト。
「え?そのテーブルとイ「ご主人様?お静かに…」
「いや、その風呂し「ご主人様?」
「いや、だ「キスで塞ぎますよ?口を」
「いや、それなら喜んで」
「………ッ!!」
よし!赤くなった!俺の勝ちッ!!
「ん?てか?桜ベルファストは嫁なの?メイドなの?」
そうだ。
夫婦と言いながらメイド服を脱がないベルファスト。
「夫婦ってならご主人様ってより、前みたいにさん付けとかの方が良いんだけど…」
「申し訳ございません、このベルファスト!メイドでお嫁さんですので!!」
「アッハイ」
「さて…お夕飯を作らせて頂きますね?」
と、何故かさっきまで無かったキッチンに向かって調理を開始する彼女。
アレだな…この際、俺の部屋の広さについては言及しないでおこうか…
「賢明な判断です、ご主人様」
……精密検査受けようかな。何か仕込まれてない?脳とかに
「ご主人様…お待たせ致しました」
お待たせ致しました。
と桜ベルファストが料理を持ってくる。
牛フィレのステーキ、スープ、サラダ……にシーフードパスタ?
「何気に様ベルファストの手料理って珍しいよね?」
「普段はお菓子を作るくらいでございますからね」
「にしても…桜ベルファストがパスタってなんか珍しい気がする」
「…ぱ、パスタは練習したので食べて頂きたくて……」
カァーって顔を赤くして視線を逸らす桜ベルファスト。
実の所、料理は鳳翔達にかなり頼み込んで教えてもらった。
パスタ好きと聞いていたのでかなり練習してきたらしい。
「ご主人様がパスタ好きと聞いたので…」
可愛いじゃん…もう!
んで目の前にはいつの間にか着替えたベルが居る。
仕事モードがオフになったのか、着替えてラフな格好になる桜ベルファスト。
気付かなかったがその首元には…
「あ!そのネックレスは」
彼女はそのネックレスをきゅっと握って言う。
「ええ、片時も離さず身につけております」
「私の大切な大切な宝物です」
「…あなた?旦那様?救さん?」
「好きに呼んでよ」
と、笑いながら返す。すると、桜ベルファストは悩みながら…
「ご主人様「…はやめようね!?」
「………」少し膨れる桜ベルファスト…やめろ、可愛い。
「…では…旦那様でよろしいでしょうか?」
「…うん、それで」
「旦那様?」
「何だい?ベル」
そう、俺はこう言う時はベルと呼ぶ。
俺だけがそう呼んでいるのだ。
「…〜っ!い、いきなりそれは反則…です」
「…」
彼女は無言で抱き着いてくる。
普段見られない…………事はないな!暴走気味だもんな!!
いつものベルだな!!
「旦那様?この時だけは…私だけを…愛してくださいね?」
普段見せない表情にドキッとする。
可愛くて仕方ない。
「旦那様。ベルの料理はお気に召しましたか?」
「勿論さ…ベルの手料理…幸せだぞ」
「…嬉しいです…」
本当にギャップよ、ギャップ…。
ご馳走様でした…と手を合わせる。
お互いに風呂を済ませてお疲れ様!と夜の晩酌をする。
やはり、ベルのチョイスしたツマミはなかなか美味い。
曰く、「ご主人様の事をご主人様以上に知っているのは恐らく私だけだと思います!」とか言ってたなあ
夜も深くなり…うとうと…とする。
どうぞ…とベルが膝をポンポンと叩くので膝枕に甘える…。
少しずつ落ちる意識…
桜ベルはニヤリと笑う…。
「…さあ……目が覚めたら………うふふ……」
凄いメイドはニンジャの末裔らしい!
さすがベルファスト=サン