提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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330話 バレンタイン in 鎮守府

ほーん…チョコねえ…

 

 

目の前には芸術とも言えるチョコ(等身大)

 

 

金剛のは…あれか?大破ポーズなのね?めっちゃセクシーやん?

 

榛名………なんで水着着せて……………おおぅ…めっちゃリアルやん…コレ…まじ?そこまでする?普通?

 

桜大鳳は……ウエディングドレス?え?これもチョコ?ヤバくね?ヤバくねしか声が出ない語彙力がやばくね?

 

桜赤城は…また可愛いしぐさで…かわいいなあ…。

 

 

 

んで?蒼オイゲン…は?

「マイネリーベ?このチョコソースを掛けて私を食べてね?」

なんて言ってきそうな部類なのだけれども…と思いながら彼女の方を見る。

 

「マイネリーベ?きっと胃もたれするからオイゲンは…明日に胃に優しいおじやをつくってあげるわ♡」

なんて言うんだ。思わず抱きしめた。

 

「マイネリーベ?どうしたの?やっぱりチョコの方が良かった?」

 

「君の心遣いに感謝してるところだ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一通りの等身大を食べながら、何日で消化できるかを考えてみる。

来年は数ヶ月単位でかかるのでアホみたいにでかい冷凍室を使うのだ。

さて…桜赤城のを食べるか…。

 

 

 

 

 

 

人差し指を出したポーズの桜赤城チョコ。

まあ良いか…とその人差し指にぱくついてみる。

 

お?生チョコ風?柔らかいな?

 

 

 

ん?何だこれは…。

すこし硬めのチョコか?

舌触りが……

 

 

「あん、指揮官様♡」

 

「!?」

 

甘い声と共に

口の中で何かがうごめいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々とまずい気がして口を離す。

 

指だ。

指がうにうにしてる。

 

 

パキパキとチョコ赤城だったものが崩れ去って桜赤城本体が生まれた、もとい羽化した。

 

全裸である。

この鼻血はきっとチョコのせいだろう……きっとそうだ。

 

 

「おま…何してるん…」

 

「指揮官様に食べて欲しくて………ぽっ」

 

 

 

 

 

「…情熱的な…ねぶり方でした…♡」

「さあ…もっと食べてください…ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろん食べた。食べ尽くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コレはお返しな?俺からのチョコだぞ」

 

「……赤城は…赤城はもう…お腹いっぱいですぅ」

 

チョコだよね?チョコのはず、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて…

「…提督ー!」

「食べてー!」と、六駆組がチョコを持ってくる。

 

彼女達らしい、不器用ながらもきっと一生懸命に作ったであろうチョコだった。

「ありがとうな?じゃあ…俺からも、はいどうぞ」

と頭を撫でながらチョコ達を差し出す。

 

「提督さんの手作りなのです!?」

 

「わあ!はらしょー!」

 

 

 

キャッキャと喜びながら帰る天使達を野獣の如き眼光で俺は見つめていた–––

 

 

「おい、ナガモン…変なナレーションを入れるなハゲ」

 

「おま!ハゲて!ナガモンて!違うだろう」

「ゴホン……いや、アレだ…。コレを…あなたに…渡したくてな?」

 

「駆逐艦チョコとか言わないよね?」

 

「茶化すな!本命へのチョコだ…」

「わ、私の心はいつも提督と共にあるから…な」

 

「ありがとう…」

「ならコレをお返しに君に」

とチョコを渡す。

 

「ありがとう…な、なんか照れるな……ありがとう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた?」

「…もうたくさんもらって………妬いちゃいますね」

 

「ん?何のコト…」

 

「それに…女のカンです…!もう……」

「……今年は頑張って…教えてもらいながら作りました」

スッとそれを前に差し出す彼女。

 

俺は知っている。

何故かおしることかの料理は得意で、お菓子作りは苦手な彼女の事を。

毎年、買うか料理を出すかで悩んでくれていた事を…。

 

料理なら自信があるだろう。

ただ…苦手だからと言っても作りたかったのだろう。

甘い…想いをチョコに混ぜて届けたかったのだろう。

 

必死で本を見ながら、間宮に聞きながら、アレコレ慣れない事をやって…。それはただ1人の笑顔が見たいから。

 

だから応える。

「え?め、目の前で開けて食べるんですか?!」

あわあわと慌てる彼女。

 

ガサガサと開けると…そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハート型のチョコに

I Love Youの文字。

 

震えながら一生懸命に描いたであろう文字、シンプルな形であるが…1番ストレートに伝わる愛の形。

 

 

 

 

 

 

 

 

パキッ…とその愛を頂いた。

 

 

 

 

 

「……」

不安そうに見つめる彼女。

戦さ場でも滅多に見られない表情…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂糖と塩も間違ってないはず!

分量も、文字のスペル?も間違ってないはず!

包装も…一生懸命やりました!

大丈夫…よね?

 

思わずキュッと手を前で握ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「美味しいよ…。君のチョコが1番美味しい」

 

 

 

 

 

優しい味だった。

 

ただ一心に

ただひたすらに、その人の事を思って作るものに心を撃たれた。

 

だから…正直に心から出た言葉だった。

 

 

 

 

「……ッ!!」

ポロリと何かが私から出ていった。

それは…嬉しさだろうか?幸せだろうか?

分からないけれど…一つだけ言えることは…見たかった笑顔と美味しいの言葉。

 

 

 

 

「……悔しいけれども…仕方ないねー…私が榛名と揉み合ってる間も、皆がワイワイやってる間も…ただ1人、真剣にチョコ作りやってたもんね」

と、金剛が言う。…お前キャラは?

 

 

 

「そうですね…。どうして今年はお菓子を作るのですか?と聞いたら…鳳翔さん…『あの人にいつでも美味しい幸せを差し上げたいから…』って言って、ずーっとあの人はこうしたら…って悩んでましたね」

 

「はい、チョコの形も文字もずーっと悩んで悩んで…シンプルに愛を伝えよう…って」

間宮と伊良湖が微笑みながら言う。

 

 

「ありがとう…鳳翔。これ、御礼のチョコ」

 

「食べさせてください…あーん」

 

「はい…あーん」

 

「…とってもおいひぃです♡」

 

 

 

 

微笑ましい空気。

そっと…身を預けてくる鳳翔。

悔しそうながらも微笑む彼女達…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが…

彼女達はもっと居る。

メラメラと闘志を燃やす彼女達が…

 

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