提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「デート嬉しいなあ〜♡」
「手を…繋いでもいい?」
「ん?いいよー?」
手を繋いだ。
「まも君……手あったかいね」
「幸ちゃんの手冷たいねー!温めたげるよ」
彼は笑いながら言う。
「え!嬉しい…ケド…心が温かいから手が冷たいんだよ!きっと!!」
「へー??そーかなー!?てことは…俺冷たいのかあ…」
「え!?あ、あぅ…ま、まも君は優しさが滲み出てる…んだよお」
「苦しそうww」
「そんなことないよお!!」
「お昼は何か食べたたい?」
「え?んーとね…。僕ね?もっとまも君のこと知りたいし、僕のこと知って欲しいんだ」
「…ってもね…あはは…僕…デートもしたことないし……ご飯も行ったことないからさ…どこに行ったらいいかわかんないんだ」
「だからね?まも君の好きなお店教えて?」
「…オムライス…食べられる?」
「うん!ならお昼はオムライスにしよー!」
「いらっしゃい!おお、提督さんか…そっちは……彼女か?」
「はう!?ぼ、ぼぼ僕が彼女!?」
店主らしき人の言葉に一気に顔が赤くなる僕。
「んー…彼女!初デートなんだよね」
「か、彼女っ!!はつでぇと…」
「ほーー!いいねえ!初々しくて……いや、初々しくねえな。色んな子連れ回してるしな…」
「少なくともデート中のカップルにかける言葉では無いよね」
「せやな……で?注文は?いつもの?」
「ん、いつもの2つね」
彼と店主の会話のドッジボールの後に当たり前のように…いわゆる、「いつもの!」の注文が入った。
僕は何だかさっきから暑いけど…それ以上に彼と食べるオムライスが楽しみで仕方ない。
「はいよ!お待ちどーさん!特製!ふわとろオムライスだ」
店主が運んできたのはチキンライスの上に卵がドンと乗ったオムライス…?
「これ…包んでないやつ?」
と、私が尋ねると…クスリと2人は笑った。
「へへ…お嬢ちゃん見てな」と言うと、ぷっくりとした卵焼?オムレツ?に包丁がすーっと入る。
途端にオムレツは広がって中からトロトロの卵が流れ出てチキンライスを覆った。そこに店主がデミソースをかける。
「タンポポオムライスってんだ」
得意げに店主が話す。確かに本で見たタンポポに似てる…かな?
パクリと熱々のオムライスを口に運ぶ。
「〜〜〜ッ!!」
美味しい!感動出来るほどに美味しい!!
「おいひぃ!」
「気に入った?」
「うん!鎮守府以外で食べた物の中で…1番美味しい!!」
「お!そういってくれると嬉しいね!ありがとよ!お嬢ちゃん!」
2人がニコニコと私の方を見てくれる。
「気に入ってくれて良かった」
「うん!他の女の子ともよく来る…ってのは少し妬いちゃうケド…美味しくて幸せ」
満面の笑みで微笑む彼女にドキッとした。
もしかして俺はチョロいのか?なんて思ったり……。
「あ…そうだ。やってみたかったんだ…これ、はい!まも君!あーん」
「あーん…ん!美味しい!」
「はい!幸ちゃん!あーん」
「えへへ…恥ずかしいね…。あーーん……ん〜!美味しい!」
「好きなオムライスを好きな人にあーんしてもらったり、一緒に食べると…更に幸せに感じるね」
「僕ね。あ…私ね?「僕で良いよ」
「…え?………女の子っぽくないって言わないの?」
「その元気さが幸ちゃんでしょ?気にしないよ?」
「本当に優しいね…」
「僕ね?こんな普通をずーっと求めてたんだ」
「……長い道のりだったけど……たくさん間違ったけど…やっと叶ったんだ…」
「ありがとう!まも君!」
「…こんなに遠かった普通の幸せを感じられることがこんなに嬉しいなんて…。好きな人とこうやって過ごせるのがこんなにも幸せだなんて…。夢なんじゃないかって怖いくらい」
「一生分の幸せを味わった気分だよ」
そう儚く呟く彼女に彼は言う。
「一生分?!違うよ?まだまだ今日は長いよ?色々行こう?」
「今日だけじゃなくて、この先も…ずっとね」
「…………あはは…。ほんと…まも君は優しすぎるよ」
「…………うん!たくさん私を連れて行って!」
オムライスが少ししょっぱく感じた。
ただ目的の為にひた走って来た。
周りの世界なんか見えない程に。
だから…初めて触れる世界は…こんなにも輝いていて…私の脳内に電撃のように突き刺さる。
「クレープ?あ!本で見たかな」
「残り一個らしいけど…2人で分けない?おいしーから!」
「これが噂のクレープ……んー!?おいしいい!!」
「俺イチオシのクレープだよん」
彼は甘い物好きらしい。
私も甘いのは好きになった。残り一個のクレープを2人で分けて食べるのも何だか幸せな気分になった。
「この服とか帽子とか幸ちゃん…似合いそうだよね」
「可愛い服……と帽子……え?!似合うかなあ」
言われるがままに試着する。
「どう?まも君…似合う?」
「良いね!すごく似合ってる!かわいーよ!」
「ほ、ほほ本当?!…えへへ……嬉しいなあ」
「プレゼントさせてよ」
「え?いいの…?」
「うん、ぜひ!」
るんるんでレジへと持って行く。
「お買い上げありがとうございます!プレゼントですか?着替えて行かれますか?」
「良いんですか?!」
「えへへ…着替えて良いって言ってくれたから…着替えたよ」
「うん、やっぱり可愛い!似合ってるよ」
「ええ!?あの………ぇぇ…と……ありがとう…」
初めてプレゼントを貰った…嬉しすぎるよ!
「大切にするね?」
「今日は楽しかった!ありがとうね?まも君」
「次はもっと時間掛けて色々行こう」
「うん!もっともっと一緒に居たいな」
「………うん、やっぱり僕はまも君が好き」
「本当に1人の人として…大好き!」
「……あのね?だからね?」
「もっと僕の事見て知って欲しい…な…だからね?」
彼女は背伸びをしてキスをする。
「……はじめてのキス……です」
「えへへ…大好きだよ!…また会おうね?」
彼女は足早に帰って行こうとしたので…また腕を掴んで呼び止めた。
「ふぇ?!ど、どうした–––––
えへへ…キスされたぁ
嬉しい…なあ…。
早く会いたいなあ…!もっと好きになっちゃったよぉ!
彼女の鎮守府では…帰って部屋に戻って悶える幸の姿があった。
「…幸テートクが…悶えてマース…」
「思春期かな?」
「デレデレしちゃってー…」
「私だって…遊びに行ったんだからね?」
ぷくりと膨れた麗が居た。
「キスもしてたよね!?ズルイー!!」
「見てたんだからねえ!」
麗がヤキモチを妬いてその日は離れなかったらしい。
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