提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「………」
こんにちは!提督です。
ただ今…アレですね。艦娘に抱き締められてます。
「あの?」
「気にしないで?」
彼女はそう言った。
良い匂いはするし……柔かぁい……
オマケに撫で撫でされてますからね…これは落ちますね。
とは言え…
「いやね?そうは言ってもね?見られてるからね?」
「見せておけば良いんですよ…あなた♡」
「初対面ですよね?」
「10分前に会いましたから、もう初対面ではないですよ?」
「すんげえトンデモ理論ッ!」
「姉相手でも大丈夫?」
「はい」
「姉が怒ってても?」
「妬いてるだけですよ♡」
「包丁構えてても?」
「はい」
「んな訳あるかぁぁ!!」
「襲撃ぃぃいいい!誰か!助けてぇぇええええ!??!」
「…好きって言ったのに」
「ほらこっち来たよ!
「重い?そう思うなら直すよ?絶対にあなたの負担にならないようにするよ?私の悪いとこは言って?直すように努力するから」
「その発言がもうクソ重いですよ?…姉さん…」
「私の家族は救く……–––––って!そうだ!私は迅鯨だった…そうだ…あなたは妹よ……」
「え?提督は弟さんなんですか?…でしたら、提督が家族なら……結婚はできないですよね?姉さん?」
「え?いや、救君は私にとって弟なんだけど……え?でも…あ…血が繋がってないから行ける!!?えと…救君は弟で………えと」
「姉さんは混乱してるね。面白い」
頭を抱える迅鯨に、姉を笑う長鯨。
「さ?今の間に私と結婚しましょ?」
「え?話が読めないし、君の理論なら…俺は君の兄弟にもなってしまうから…結婚できなくね?」
「・………」
頭を抱える鯨が増えた。
そんなこんなでやって来たのは長鯨。
迅鯨の妹!常識人と見せかけてそうでもない!以上!!
「説明雑じゃないですか?」
「それ以外の説明…できる?」
「あなたの運命の艦娘ですが?」
「ほらね?ヤベーヤツじゃん」
「で?救君?何で私は縛られてるのかな?」
「身体中…どこに包丁を隠してるかわからないからだよ?」
「浮気するのが悪いと思うんだけど?」
「あの状況を見て浮気と言われるとキツイよね?」
「でもデレデレしてましたよね?あぁ…柔らかいとか良い匂いとか思ったでしょ?」
「え?何怖い…エスパー?」
「ほら!やっぱり浮気じゃない!!好きって言ってくれたのにいいい!!!」
「え?ドキドキしてくれたんですね?やっぱり私が1番ですよね?!」
抱きついてくる長鯨……柔かぁい…。
ロープをどこに隠してたか分からん包丁で切り裂き、両手で包丁を構えてこちらを睨む迅鯨。
「ひどいよ!!!」
「くっ…!!ツッコミが追い付かん!!」
「夕立はここからどうなると思う?」
「僕は…提督がサックリやられるに5000円」
「…迅鯨さんが『できない!やっぱりできないよぉ!』って言うのに5000円っぽい」
「時雨と夕立はそういうのやめない?」
「てか、時雨はそれでいいの?」
なかなかカオスな状況になった。
「…浮気は許さないッ!!」
突っ込んでくる迅鯨。ヤンデレとかでなく最早サイコな奴になりかけてねえか?
カラン…
「できない!やっぱりできないよぉぉ!!」
包丁を床に落として泣き崩れる迅鯨。
「………くっ!」
歯を食いしばりながら5000円を夕立に渡す時雨。
「おい!お前が勝ってたら俺は死ぬか怪我してたんだぞ!?負けて喜べよ!」
「…そうだね!提督ぅー!無事でよかったよお!」
「そうだろ?無事で良かっただろう?」
「今月ピンチなんだ……その…ね?お金…ちょうだい?」
「あー…欲しいものがある時だけ擦り寄ってくる子供を持った親の気持ちがわかったわ…」
「たくさんじゃなくて良いんだ!その……3万円ほど……ね?」
「増えてんじゃねえか」
「そんな事より…この人は?」
「……長鯨」
「はい!先程、建造して頂きました!
「サラッと姉をディスったっぽい!」
「提督さんの運命の人です!」
「思考回路もやばい!!」
「ヘーイ!新入りー!私達を差し置いて嫁面なんて…!」
「そうです…譲れません…」
「あ!金剛さん!加賀さん!長鯨です!よろしくお願いします!あの…コレ…つまらないものですが…」
と、何やら紙袋を2人に差し出す長鯨。
「あ!このプリン…は!!」
「あなた……もぐもぐ……良い子ね」
「良きライバルでいましょう」
「あっさり買収されたな…お前ら…」
「てか…いつ買ったの?そのプリン」
「あぁ!!!それ!?私の買ったプリンっぽい!?」
どうやら長鯨は夕立の買い置きしたプリンを差し出したらしい。
「ぬぁぁあ…ぽいいいいい」
崩れ落ちる夕立。最早プリンは2人の腹の中にある!
「長鯨さん!酷いっぽい!!」
「後で一緒に買いに行きましょう?10個くらい買いましょう?」
「一生着いて行くっぽい!」
一瞬で陥落する夕立。
「なかなかに策士だぞ!?」
「……で?」
「まさかとは思うけど…僕を忘れてたりしないよね?」
「はい!もちろん…!」
「……」
何やらごにょごにょと耳打ちする長鯨。
ニヤニヤ顔の時雨の表情が一気に青ざめた。
「姐御!!僕も一生着いて行くよ!!」
え?何を言ったのアイツ?
てか本当に建造して来た子なの?
「さあ……提督さん?私と…………ぎゃん!?」
俺に手を伸ばしたところで頭にゲンコツが落ちた。
「コラ!長鯨!!いい加減にしなさいッ!!皆を困らせないの!」
迅鯨だった。
姉として、妹にやられっぱなしという訳では無かったらしい。
小さくなる妹を叱る様は、さすがにお姉ちゃんしてた。
「夕立ちゃんにも!時雨ちゃんにも!金剛さんや加賀さんにも謝るッ!!」
「はい…ごめんなさい…」
「はい!次は救く…提督にも謝る!!」
「はい…提督さん、ごめんなさい……」
「私からも…ごめんね?救君」
「うん、気にしてないよ?良い思いもしたし「あ?」
どこからかまた包丁を出す迅鯨。
「すみません…」
「…姉さんもごめんなさい……」
「…提督はね?素敵な人よ?でもね?変なことしちゃダメよ?」
「包丁向けるのはいいn「わかった?」
「包丁向けるn「わかった?」
「包丁むk「わかった?」
長鯨も長鯨でメンタルが強かった…。
「というわけで!迅鯨の妹の長鯨だぞー!仲良くするんだぞー」
「「「「はーーい!!」」」」
「…ねえ?長鯨?提督から離れなさい?」
「ヤダ!!離れないッ!!」
「いいけど執務の邪魔はしないでぇぇ……」
午後の昼下がり。
相変わらず、長鯨は俺にベッタリで迅鯨かそれを引き剥がそうとするのが日常になりかけていた。
「ご主人様?顔がニヤけてます。手を動かして下さい」
桜加賀ベルファストからきびしー指摘が入る。
が、コホンと咳払いして言う。
「柔らかいのが御所望でしたら私にもございます」
「え?本当?…………おい待て嘘だって!長鯨!首絞まるッ!!……迅鯨!?持ち物検査したのに包丁出すの!?」
結果
鎮守府にヤベーヤツが増えました。