提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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362話 大和と1日夫婦 ②

名残惜しいと思いながらも大和のブラを時間をかけて返却した救。

ゆっくりと差し出したソレをなんとも言えぬ表情で受け取る大和の顔に武蔵が爆笑していた。

 

ちなみにその瞬間を激写したパパラッチ(ブルーリーフ)さんは、あえなく大和に捕らえられてアイアンクローで持ち上げられていた。

青葉の頭からキリキリと音がする中で「あ……何か頭から出そう」と、マジトーンで言う青葉がかなり記憶に残った。

 

 

 

そして次の日…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう御座います、あなた様」

 

「誰だお前!?」

思わず口に出た言葉。

 

「酷くないですか?!」

 

「だって……昨日のポンコツ娘が朝ごはんの乗った食卓の横で三つ指ついて頭下げてんだもの……」

 

 

そう、この大和は昨日のある意味本来の姿失態を取り返すべく、必死に頑張っていつも通りの優等生として朝ごはんの支度からやっていたのだ。

 

「うぅ…一度イメージを持たれると大変ですね…」

 

「本来の姿だろう?」

 

「……いわないでぇ…見本みたいな娘のままでいさせてぇ…」

 

 

この感じ…

本当普段の大和を想像するとダメだわ…。

メガネ探す時の大淀とか料理するときの蒼ポートランドとか…そんな感じが……。

 

顔を洗いながらそんなことを考えた。

 

 

 

 

んで?

朝ごはんは?

味の塩焼きと卵焼きと味噌汁とほうれん草か。

シンプルイズザベスト!好きなメニューだ。

 

 

「頂きます」

 

「はい!」

 

「……ん?!めちゃくちゃ美味しい!」

 

「本当ですか!?夜中から頑張った甲斐がありました!」

 

「早朝じゃなくて?」

 

「潮の関係で、夜中からアジを釣りに行きました」

 

「は!?」

 

そして帰り次第、下処理をした後に鶏小屋から卵を取って…駆逐艦農園のほうれん草や、野菜を収穫……」

 

「そして、新米を釜戸で炊き上げて……「そこまで!?」

 

「はい!もちろんです!」

 

 

 

「いや…本当に美味しいから…でも、何もそこまでしなくても…」

 

「あなた様に喜んでもらえるなら…私は何でもしますよ」

 

「朝カレーではないのね?」

 

「ホテルネタはNGですよ」

 

「洋食バイキング…」

 

「ホテルネタは…」

 

「朝食チケット……」

 

「怒りますよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて会話をしながら2人で朝ごはんを食べる。

釜戸で炊いて、おひつに入ったご飯はマジで美味かった。

 

「…大和は料理が上手いな」

 

「そうですか?」

 

「うん、かなーり美味しい」

 

「ふふっ…そう言ってもらえると、頑張った甲斐がありましたね」

「師匠直伝の料理ですから♪」

 

…恐らく、鳳翔だろう。

鳳翔の味付けは本当に俺好みが基準だからなあ…。

 

 

「大和の手料理が食べられるなら幸せだな」

 

「煽ても何も出ませんよ?」

 

笑いながらの食卓は楽しく、すぐに過ぎ去ってしまう。

 

 

 

「大和?渡したいものがあるんだが………」

 

「……ッ…。もう?あなた様?今は食事中ですよ?」

 

「そ、そうだな」

 

ん?心なしか…

否定的な気が……?

 

 

 

 

ご馳走様でした。

と言う言葉を終えて前を見ると大和が居なかった––––––と、同時に背中に柔らかい感触が‥ゲフンゲフン。

 

「大和?」

 

「………」

ぐすん…と言う小さな小さな声が聞こえた。

肩のあたりに何か温かいものを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

大和は泣いていた。

 

恥ずかしい姿を見られたからではない–––

 

 

 

 

「……っぅ」

彼女の声と力が強くなった。

 

 

「大和?」

 

「ず…すごしだげ……ごのままで居させてくだざい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたが無事でよかった」

「あなたが帰って来てくれて良かった」

 

 

大和はそう言った。

「あなたが…いつも危険な目に遭うたびに…心が締め付けられるんです」

 

「ぐすっ…普通に生きてくださいって言うべきなんですよね。でも…私はあなたと離れたくない…。わがままですよね」

「それがあなたを危険に晒す事になるのに」

 

「絶対に私があなたを守りますから」

「どうか…グスッ…見捨てないでください…!!」

 

「きっと危険な目に遭わせてしまうと思います。でも!命に替えてもあなたを守り切りますから!!お願いします」

 

 

 

「大和…」

 

「お願いします!」

 

 

 

 

振り返りたくても…アホみたいな力で抱きしめられてるので叶わない。

 

 

「や、やまとぉ…」

 

「離したくないんです!」

 

ちゃうねん

めっちゃ苦しいねん…

 

 

 

 

 

 

 

ガクッー…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて事にはならないッ!!

 

泣いているから。

愛する人が…泣いているから。

 

グッと堪えて何とか振り返る。

びっくりした彼女の顔が目の前にあった。

 

「……あなた様?」

何とか絞り出した声で彼女は言った。

 

 

「大和」

 

「グスッ…はい」

 

「君が俺を守ってくれるように……俺も君を守る」

「…俺は居なくならないよ」

 

「……」

 

「不安にさせてたんだな…ごめんな」

 

「…私こそすみません……取り乱して…」

「もう少しだけ……このままでもいいですか?」

 

「好きなだけ…いいよ」

「でも…約束の証として…これを君に」

 

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ッ」

「い、嫌です」

「受け取れません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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