提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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382話 鎮守府と提督 ②

皆の不安や悪い予感を他所に、救は巌と合流していた。

 

「何?今日の呼び出しとやらは?」

 

「ん?褒章らしいけどな」

 

「……出なくちゃダメ?」

 

「直直の指名だからな…」

 

 

上司である俺が迎えに来たのにも関わらず…。

西波島の奴等はものっそい形相で俺を睨んでやがる…。

 

「…………」ジー(×人数+殺意の目が数名)

 

 

「なら、皆!行ってくるよ」

 

「ダーリン♡気をつけてね?(本音)早く帰って来てね?(超本音)」

 

「ついて行こうか?(心の底からの本当に)不安でしょ?」

 

「ううん、大丈夫だよ」

「ごめんな?今日居られなくて…。また埋め合わせはするからさ」

 

「ううん…いいの!仕事だから仕方ないよ(建前)」

 

 

…え?何あのキャラの変わりよう…怖い!怖いんですけど!

神崎が振り向いた瞬間にあんなに屈託の無い笑顔に変わるの!?

〜って!神崎がコッチ向いたらまたあの虚無の表情に戻ったァァ!!

怖いよぉ!もう怖いんだけど!!

 

巌大本営の大淀から渡された胃薬をそっと飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船の上で…

 

 

「…神崎よ」

 

「はい?」

 

「今日本当に良かったの?」

 

「なんでです?」

 

「いや…えと…何となく?アイツらと予定あったのかなー?って」

 

「大丈夫ですよ?それにお偉いさんからの褒章なら出ておかないと…」

 

「う…うむ、すまんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ははは…大丈夫だって?

 

んなわきゃねえだろう!

なんて日にこんな予定ぶち込んでくれてんだァ!?お偉いさんとやらはぁあ!!

全休とって皆に日頃の労いと感謝とかetcする為に色々と準備して来たってのによおおおお!!

下らん理由の呼び出しとやらなら………ダークサイドに堕ちるからな!

一瞬で暗黒面に堕ちてやっからな!!

 

 

 

 

何故かわからないが、今年は無性に祝いたかった救。

 

ゴールデンウィークだから皆に休みを許して1人で色々と準備してた。料理からプレゼントから色々!なのにコレ。

 

もうキレかけていた。殺意すら湧いていた。

お偉いさん?誰よ!

首相?誰か知らねえよッ!!こちとら島からほぼ出てないんだ!島だぞ!?選挙!?行けるもんか!

 

 

 

 

 

 

 

 

メキィ…

神崎は船の手摺を握りしめていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えええ…手摺を握りつぶしてんじゃんか…。

 

もうやだ…

設備壊さないでよ……

 

 

巌は更に胃薬を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

船も巌の胃腸も痛みながら航路は首都へと進む。

お互いに一致しているのは「早く終わるか、この招集が今すぐ中止にならないかな?」という思想だけだった。むしろ、巌の方がそれを強く望んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その前に新しい軍服に着替えようか……」

 

「やだ…」

 

何故かコイツは初期の軍服に拘る。

ハッキリと言うと綺麗ではない。

破れたところは綺麗に補修してあるが、焦げ跡等も目立つのにも関わらず大本営にもそれで平気で来る。

周りの若い奴やジーサン達も「何アレ?貧乏なの?」とか言うけど本人は全く気にしてない。

本人曰く、1番馴染むんです…だとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、都内の某ホテルの大広間に彼らの姿はあった。

普段は絶対と言っていいほどに見る機会は無いであろう煌びやかなシャンデリアや超大型丸テーブル、床は一面豪華模様の絨毯か?

一体いくらかかったのだろうか?と想像しようとしてやめた。

 

しばらくして、小難しい名前のおっさんがやってきた。

 

「誰?」

 

「馬鹿!首相だ」

なんてやり取りをして更に巌の胃が痛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…提督スイッチ…おーん」

明石がポチりとボタンを押す。

もはや狂気ではあるが、提督に渡したペンは超小型カメラ付きの(以下略)リアルタイムで様子が見れる!

 

「…ほら!提督に何かあった時に!場所とか犯人とかわかるでしょ!?」

 

「………許可します!」

大淀達ももはやネジが飛んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…君が神崎君か!若いのに凄いらしいな!」

「色々と海軍ではあったらしいが……な」

 

 

チラリとこちらを見る大和田総理大臣。

耳が痛いが仕方ない、事実だからな。

 

異例中の異例なのだ。

原因は度重なるクーデターと海軍の最高司令官とされる元帥の失踪。

その中で頭角を現して来たのは20代の若造だった。

奴の立場は俺の嫌がらせもあっての立場であるが、本当によく仕事はこなしてくれる。

 

 

 

「さあさあ!表彰と祝賀会だ」

 

 

 

 

 

形ばかりのお褒めの言葉と勲章の授与が行われた。

調べて言葉にしました!感満載の神崎の功績を添えて

 

 

 

 

 

 

「…本当に表彰なんだね」

「でも…この胸騒ぎはなんですか」

盗聴……しながら艦娘達は喜び半分、何とも言えない気持ち半分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

形ばかりの表彰が終わり、祝賀会と言う名の立食パーティーとやらが始まった。

名前もわからないような奴等がこぞって神崎の所へのニタニタしながら行く。

 

 

(褒章ならもっと早くに渡せたはずだ、なのにこのタイミング…)

 

 

 

 

 

「いやあ!おめでとう!神崎君!」

「君みたいな愛国心のある若者を誇りに思うよ」

 

 

「しかし、大変だろう?数多くの危険兵器を管理するのは」

 

「…兵器?」

 

その言葉には救や巌だけでなく、艦娘達もピクリと反応した。

 

 

 

「君も若いだろうが…色々と大変だろう?」

「今後も色々と連携を取って行く必要があると思うんだ」

 

「海の化け物だけでなく、海外や色んな奴らに対しても…」

 

 

 

 

 

嫌な予感がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君も独り身じゃあ…色々とアレだろう?」

 

 

 

 

 

「娘と結婚しないか?」

 

 

 

 

 

 

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