提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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390話 残された者の行方 ① 鎮守府サイド

「……」

 

『誇らしきご主人様あー!!桜シリアス…朝ご飯を作りましたあ♡』

 

『ちょっと!小娘!何抜けがけしてるの!?……指揮官様?桜赤城、朝ご飯のご用意が出来ております』

 

『ちょ!先輩!醜い争いはやめましょうよ…』

取っ組み合いをする2人に桜瑞鶴が止めに入る。

 

『桜瑞鶴…。えぇ、そうよね…みっともなかったわね』

さすがは桜赤城、ちゃんと自分を律することが出来るようだ、故に重桜の一航戦として後輩を引っ張って行けるんだな…。

桜瑞鶴も桜赤城の後輩として…しっかり背中を見て育ってるんだな…。

 

『そうですよ?重桜の幹部なんですからしっかりして下さいね?………そんなことより、指揮官?私の部屋で朝食でもとりながら…『『お前もじゃん!!』』

 

うん、見てたわ。しっかり背中見て育ってたわ後輩。

 

 

 

 

「ふふっ」

 

「どうかしましたか?」

 

「ん?不知火、いや、色々と思い出して…な」

 

「アズールレーンの皆の事ですね」

 

「あぁ…」

「未だに色々と受け入れられないところがある」

 

「桜ビスマルクさんのことですね」

 

「あぁ、一度会って話をしたい。ロイヤル達は彼女を許さないと言うだろうが…それでも……俺は…アイツらを信じたい」

 

「提督らしいです」

「そんな提督が私達は大好きですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ありがとう…と、慣れた手で紅茶を淹れて飲む。

桜ベルやシリアスのに比べたらまだまだ…だな。

 

一息入れてから思考を巡らせる。

 

 

 

 

 

「………」

アズールレーンの離脱、これは母港の強襲に際してのものだから仕方がない。

だが、どうして声をかけてくれなかった?

 

① 俺達が頼りない。

② 俺達が世界を超えられない。

③ 俺達の事を考慮して。

 

どちらにせよ…寂しい事には変わりない。

 

 

そして…ビスマルク。

鉄血と重桜の離反…。

これは相当に深刻な問題だ。

 

 

 

 

元々、確かに彼女達はアズールレーンから離反した。

セイレーンの技術を取り入れるだとか、カミとして扱うだとか…陣営の思想や方向性の違いによるものではあるが…。

 

少なくとも…あのビスマルクは再度アズールレーンとしてこの世界に来たはずだ。あの時の戦い以降には。

 

 

 

 

「…TBちゃん」

 

「はい、何でしょうか?指揮官様」

 

「……あの映像を見せるように仕向けたのは誰だ?」

 

「………桜フッド様です」

 

「桜フッドが?」

 

「はい、『勝手な事をしてごめんなさい。こうするしかなかったの。この問題は私達で解決するわ…。だから……だからあなたはこっちへは来ちゃダメ』と」

 

「…………そうか」

 

「向こうとは連絡は取れないのか?」

 

「俺達の力も必要なら…「不可能です」

TBちゃんはキッパリと言い切った。

 

「何で?」

 

「………」

 

「言えないのか?」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

いや、考えろ考えろ!

アイツらは来られたんだ。何故だ?何故来られた?

いや…違う。

なんで帰ることが出来た?

 

 

 

 

俺…か?

 

彼女達は言っていた。

「俺の為に来た…」と。

 

 

 

 

「………まさかねえー!」

俺が鍵だなんてはあり得ないだろう。

 

「ど、どうしましたか!?」

大淀と不知火がびっくりして声をかけて来た、申し訳ない…。

 

「いや、あり得ない事を考えていただけだよ」

と、笑いながら答えた。

すると…

 

 

 

 

 

 

 

 

「あり得ないなんて事はあり得ませんよ」

 

 

 

 

 

「え?」

 

その言葉にびっくりして2人の方を見ると…

2人は真っ直ぐに、真剣にこちらを見ていた。

 

 

「そうですよ?提督」

 

 

 

 

 

 

「あり得ないなんて事はあり得ないんですよ?だって何故なら既にあり得ない事は起こっているから…」

 

 

「あなたがこの世界に来た事、皆があなたを追いかけてこの世界に来た事ですよ」

 

 

 

そうだ…

もうそれは起こっていた。

 

 

 

 

何かが晴れた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「TBちゃん」

 

「はい」

 

「あるんだろ?方法が」

()()()()()()()()()

 

「…ッ!!」

「指揮官様…フッド様からは…」

 

「俺は行くぞ」

 

「行かなくて何が指揮官か!側にいなくて何がケッコンか!!」

「アイツらは俺を支えてくれた!なら俺が皆を支えなくてどうする!!」

 

「絶対に見つけて見せる」

「俺は…アイツらの指揮官だッ!」

「他の誰でもない!俺が……俺だけがアイツらの指揮官なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

熱く語る救に声をかける者が居た。

 

 

 

 

 

 

「行くにしても、鎮守府とかはどうするつもりなの?」

 

麗だった。横に

 

 

「麗ちゃん……それは…」

確かにそうだ。

俺にも立場や、やらなければならない事は沢山ある。

それらを放っぽり出して…結果としてこの世界が危なくなったら本末転倒だ…。

 

 

「俺1人で行くよ…………………なんて事は言わせないからね」

金剛が居た。

いや、他にも部屋の中にも廊下にも皆が居た。

 

「ダーリン?これで置いて行かれる気持ちは分かったでしょ?」

 

「そうやで、1人で行くなんて言ったらあかんで」

 

「私達だってどんな時でも…提督と一緒ですからね?ね?」

 

 

「でも、お前達…鎮守府は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行って来なよ」

 

「え?」

 

「…ここも、救君の大切な街もみーんな…」

「私達に任せてよ」

 

 

 

 

 

 

「……でもッ そr「私は…そんなに頼りない?」

 

彼女は寂しく笑いながら言った。

 

「任せるって言ってよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「私ね?これでも結構頑張ったんだよ?」

「大好きなあなたの背中を預かれるように…って」

「あなたの帰りを待つ事だって出来るようにって!」

 

「安心してあなたが行って…あなたの帰る場所を…大切なものを一緒に守ることが出来るようにって!!」

 

「だからさ…だからさあ」

 

 

 

彼女はきっとこの将来もこの世界を背負って立つ娘だろう。

その子がそんな事を言ってくれる俺はきっと幸せ者なんだろう。

ずっと守りたいと思っていた、でも…彼女も俺をずっと守って支えて来てくれたんだ。

 

本当は海ちゃんもついて行きたいと言いたいはずだ。

それをグッと…グッと押さえて今の言葉を俺にかけてくれてるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「私は…ッわt「任せる」

 

「ここも…この街も…何もかも大切なものだ。勿論、君もその中で………言い表せないくらいに大切な人」

「だからこそ頼んだ。何があっても皆で絶対に帰ってくるから」

 

ドキッとした。

私の肩を持って…彼の顔が近いからではない。

私の好きな人はこんなに真剣に私を見て任せてくれたから、その真剣な眼差しがこんなにかっこよかったんだ…って。

 

 

「うん」

 

 

 

「よし、準備だ!」

 

 

 

 

「……その前に行く方法見つけないとね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




暗い話が続いてます。
メンタルの方はまだ耐えられますでしょうか?
鬱展開やキッツイ話も出てきます…



少しでもお楽しみ頂けたなら幸いです。
感想などお待ちしてます!
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