提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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413話 提督と釣り ①

母港の一角の長ーーい防波堤の先端に彼は居た。

折り畳みの椅子に腰掛け、慣れた手つきで針に餌をつけて投げる。

そう、釣りである。

 

「おっ?アタリか」

ピクンと手に伝わる感触がアタリ…所謂魚が食ったと分かり、彼は一気に合わせてリールを巻く。

ググッと竿がしなり、彼も負けじと踏ん張っては竿を立てながらひたすらにドラグを調整しながら巻いてゆく。

キラリと見えたピンク色の魚影が鯛…しかも大物だと分かった途端に俄然やる気が湧いてくる。

 

「ぬぉおおおおおおお」

そして彼はついにそれを釣り上げた!!

 

50センチ…あるかないかくらいの真鯛だった。

 

「おっほー!!いいね!いいねぇ!!」

 

「ダーリン!凄いね!」

「ダーリンさん!流石です!」

「はい、あなた?写真撮りましょう」

 

金剛、榛名、鳳翔が盛り上がる。

 

 

 

 

そう…今日はオフで釣りをしているのだ。

え?いつもオフじゃないかって?

執務の様子なんか見ても楽しくないでしょ?

そんな忙しい合間の貴ッ〜重なオフを放映していますからね!!

 

 

救が釣り上げた真鯛を掲げる。

向かいの防波堤では桜シリアスと加賀…蒼オークランド達が拍手を贈ってくれている。

 

 

パシャリと写真を撮ってもらい、生簀網にそれを入れる。

 

 

「いいねぇ…釣り」

金剛がにこやかに言いながら竿を振る。

 

「はい、西波島の鎮守府じゃ……ね」

榛名が微妙そうな顔で答える。

 

「………ね」

鳳翔も同じく。

 

 

「「「機雷とイの奴とかしか釣れないからね」」」

 

「…というかアイツらってミミズとか食べんのね」

 

鎮守府近海では釣りをすれども来る日も来る日も深海棲艦しか釣れないのだ。

怒り狂ったメンバー…主に赤城を主軸とする食間メンバーは駆逐作戦を決行。鎮守府近海域の海上で網を仕掛けたり、潜水艦のローラー作戦を展開し約4日をかけてマジで駆逐した。

この作戦は西波島鎮守府近海域火の4日間と言われており、地元民からは「この世の終わりかと思ったら近海が安全になった」とか、「もう赤城さんだけで深海棲艦滅ぼせるんじゃない?」とか言われ…赤城は地元民の間では鎮守府の赤い悪魔と呼ばれることになった。

 

まあ…その近海域の魚も赤城が食い尽くすんじゃね?とか言われてるのは内緒である。

 

まあ…そこら辺の深海棲艦に負ける奴等ではないよなあ…

仮に俺が超絶ブラックの悪の提督だったとして…大破進軍しろ!とか言っても、ふっつーに生き延びるだろうしなあ…

今の大和とか…坊ノ岬沖…沖縄どころか世界一周して華麗に帰投しました!とか言いそうだもん…

赤城も運命の5分間…というか相手の命が、相手の運命が5分間なんだよなあ…

 

 

その中で唯一の犠牲者…と言うべきか…

蒼エリザベスなのだが…

 

彼女は作戦の途中で複数のイ級に腹部に噛みつかれた。

仲間を庇っての事だった、彼女らしいと言えばそうなのだが。

 

イ級の歯は深くまで食い込んでいるようで彼女は苦痛の声と表情を見せる。引き剥がそうにも無理そうで彼女は医務室で様子を見ざるを得なかった。

何よりそのイ級はイレギュラーらしく、毒を持っているようだった。

その毒に侵されているようで苦痛を訴えるようだった。

そしてその後3日苦しみ続け…

 

死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イ級が

 

 

 

 

 

初めて見た。

イ級があんなに悲鳴を上げながら3日苦しみ続けて死ぬ様を…。

死の間際なんか「あ、やっと解放されます?」みたいな感じだったよ?アイツら喋らんけども。

 

「チャッ○・ノ○スかよ…」と思わず突っ込んでしまう俺。

 

「ちょっ!納得いかないんですけど!?」

蒼エリザベスは吠えるが、誰かが「薔薇って棘あるもんね」と言った時の彼女の顔が忘れられない。

その日から彼女は薔薇姫と呼ばれるようになった。

 

呼んだらものっそいキレられるけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ話を元に戻すけども、こちらは本当に母港周辺海域は平和なもので…

こうやって釣りにも勤しめる訳だ。

 

 

 

「?ホーショー?なにしてるの?」

金剛が鳳翔に尋ねる。

 

「ご飯を炊いてます、折角いいお魚が釣れたので食べませんか?」

 

鳳翔はどうやら飯盒でご飯を炊いているようだ。

ん?その飯盒どこかで見たな…

具体的には900円くらいで当たったらラッキーな感じのする…親近感湧きそうな飯盒だな?

 

「ご飯が炊けたらお魚を捌きますね」

 

 

 

 

 

 

「…では、榛名も頑張ります!ダーリンさん!見ててくださいね」

と、ノーマル榛名が奮起する。

 

と、同時に榛名に当たりが来たようだ。

 

「あ!ダーリンさん!来ました!来ました!!」

えい!とフッキングを行い、リールを巻く。

 

 

 

 

 

 

よっぽど大物なのか格闘が暫く続く。

 

「頑張れ榛名!」

 

「…ッ!ハイ♡」

恐らく今の一言でエンジンがフル回転したのだろう、榛名は渾身の力で魚を引き寄せた…。

が、

ソイツは水面を思いっきり尾で叩いた!

 

 

水が飛び散って俺にかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

ブツン…と音が聞こえた。

 

 

 

決して糸がやられた訳ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榛名のエンジンがフル回転を通り越して、ノーマル榛名からデビル榛名へと変貌したようだ。

 

 

 

 

 

「よくもダーリンさんを…」

 

ガシャン!と艤装を構えるデビル榛名を金剛と2人がかりで止める。

「でも…」と納得のいかない榛名は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拳で海を割った。

 

 

 

 

久しぶりに見たわ…

十戒みたいにキレーに割れてんの…

 

 

 

 

 

 

 

 

榛名は海底だった所に飛び降りてにソイツを握り揚げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クッソでっかいウツボだった。

 

なんか榛名らしいな……って思った。

 

「ダーリンさん!見てください!榛名はやりました!」

恐らくウツボの返り血かな?榛名が赤く見えるよ…

やりました?殺りましたじゃなくて?

 

 

 

 

 

え?そのウツボ?

 

鳳翔が焼いてるってよ…





少なくてすみません…

暫く休みになります
流行りのアレ…かかりまして…
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