提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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414話 提督と釣り ②

 

さてさて

こちらは対岸の防波堤…

 

問題児の多く集まる防波堤…。

 

 

「あら…向こう…海割れてる?」

 

 

 

 

 

「さあさあ…釣れてくださいね」

なんて言いながら釣り糸を垂らすのは赤城。

 

 

その数10本!!

 

 

 

その光景を見た麻耶達は語る。

 

『艤装があるからさ…海の上に立って釣りするならまだわかる』

『でもアレは普通じゃねえ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『艦載機に釣り糸と仕掛けを付けて飛ばしてるンだぜ?』

『そっちのがぶっ飛んでるって』

 

『ヒットした瞬間に急上昇で釣り上げるんだもんなあ…』

 

『真面目に釣りしてる私らが馬鹿みたいに思えてくるよ』

 

『伊良湖と間宮達がせっせと魚料理してンだよなあ…』

 

 

 

赤城は燃えていた。

この日の為に魚を1週間も食べなかった…そのくらいの気合いだ。

 

『海が平和ですものね…。きっとお魚も美味しいに決まってるわ』

………と!

 

 

 

 

 

『あ、あの赤城さんが3日も魚を食べてない…だと?』

 

『あ、赤城さん?どうしたの?』

加賀をはじめとする面々が不安そうに赤城を見つめていた。

好き嫌いなんかある訳ない、むしろ在庫を食い尽くす事すら可能な赤城が…あの赤城が3日も魚を食べてないのだから…。

この3日目から伊良湖も食堂のオススメメニューを魚料理に変えたが、当然赤城はスルー。

 

ショックのあまり躍起になった伊良湖によって7日目には食堂のメニューの95%が魚料理になったがオリハルコン並みの心で赤城はスルー。

 

『な、なんで…』

崩れ落ちる伊良湖。

メニューを全て魚料理にしないのはせめてもの良心からであった。

ちなみに残りの5%はなんだったかと言うと?

唐揚げ丼と豚キムチ丼だった。

赤城はその2つをローテーションして耐え忍んだ。

 

もきゅもきゅと丼とは到底思えない超大型の丼で食べながらカレンダーを指差した。

 

明日の日付には赤く丸が入れられていて…解禁日と書かれていた。

 

『え?明日?何かあった?』

伊良湖達が首を傾げる。

 

 

『釣りだったよな?確か』

天龍がボソリと言いながら昨日買った竿を磨いている。

 

『『『え』』』

 

この『え』は決して釣りの事を指してるのではない。

その為に魚を食べてない赤城の行動が予測できたからである。

 

解禁日…

つまりは魚…釣り…………狩猟解禁という訳であり…

誰もが母港周辺の生態系が終了すると思っての言葉である。

 

 

 

 

そして加賀は知っていた。

彼女が夜な夜な艦載機を防波堤から飛ばして何やら訓練をしていた事を…。

 

『…ふっ………ふぅっ』

凄まじい集中力の中で操る艦載機は凄いの一言では言い表せない、鬼気迫るものすら感じていたが今となっては…別の目的があるんだろなあ…とすら思えた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……の結果が今である。

 

 

 

 

防波堤からの陸っぱり?

 

いいえ?海の上を征けるのですから…海の上に行きますとも!!

1週間我慢したのですから…根こそぎ行きますよ?

 

 

「ぽいー!まだ釣るのぉ?!」

 

「あ、赤城……さん…ぼ、ぼく…そろそろ提督のところに行きたいな……ねぇ?春雨?」

 

夕立、時雨の2名は移動式の生簀を持って赤城の後ろを着いてまわる。

釣った瞬間に生簀に入れるのだが……魚の数は数えてない。

ブーブー言う夕立に春雨に話しかける時雨。

 

「春雨なら提督のところにスープ持っていってたよ」

と、白露が返事する。彼女も艦載機から垂らす釣り糸で釣れた魚を生簀へと入れている。

 

 

「…は?」

ぐるん…とあり得ない角度に時雨の頭は動いた。

180°回っていた。

確かに視線の先には堤防で食卓を囲む提督達が居た。

 

 

 

 

「はい、あなた!お刺身と…出来ましたよ!」

 

「おっ!なら飯にするか!」

 

「榛名の釣った魚も刺身にしてみました!」

 

 

「春雨スープ持ってきました!!」

と、何故かしれーっと居る春雨。

 

「ねえ?チーム分けは?」

 

「春雨スープ作ってきました!」

 

「は、春雨?」

 

「春雨スープ作ってきました!」

 

「・・・h「ハルサメスープツクッテキマシタ」

 

「やだ!この子怖いッ!!?」

「貰うから!食べるから!ね?!?ね?!」

と、救は春雨スープを春雨から受け取る………が、春雨のドス黒い目は彼から離れない。

 

「……食べないんですか?冷めますよ?」

「春雨特製のスープですから」

 

「変なもの入ってないよね?」

 

「愛がたっぷり入ってますよ?」

 

救は諦めてスープを一口飲む、美味しい。

「…ん?美味しい。美味しいよ?春雨」

 

「本当ですか?良かった」

 

「で?何が入ってんの?何の出汁?」

 

「☆〆♪♪♪♪♪€€€€€」

聞かなかったことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「でもいいの?時雨とか夕立がブーブー言ってるんじゃないの?」

と、震える金剛が春雨に尋ねる。

榛名は「そう言う愛の形もあるんですね…」とか言ってたけどスルーさせてもらうし、帰りにはやめとくように釘を刺しておく。

そう考えながら背中に冷たい何かを感じて振り返ると……

 

 

 

 

時雨がこっちを見てた。

 

 

「…ヌケガケカナ?ハルサメ……ネェ?ナンデテートクモウレシソウニウケトッテルノ?」

 

その瞳から光は消え失せ、奥の見えない漆黒だけが蠢いていた。

てか、あれ…背中じゃね?

うわ…こわっ…。

 

 

 

「ぽぃぃ!?!?時雨が壊れたぽいいいいい!!!」とでも言ってるのだろう、夕立があたふたしているのが見えた。

 

 

 

その、げっそりとした顔をした夕立と白露がこっちに気づいてニコリと笑い手を振ってくれた……まではよかった。

その隣…つまり俺の目の前には海の上を縦横無尽に魚を釣りまくる赤城。

背中に阿修羅の如き闘気を纏わせて「サカナサカナサカナサカナサカナサカナサカナサカナサカナ」と呟く姿は最早妖怪としか思えなかった。

そして、時雨。首の方向がおかしいと思うけどもずーっとこっちを見てる。うん、怖いよその半笑い。

そして、俺の右には同じ目をした春雨。さっきから顔を赤くしてニヤニヤとこっちを見てやがる。

左には頬を少し赤くした榛名。ヤンデレかな?

 

 

後ろには飯を早く食べてほしそうにちょこんと座った鳳翔と小さくなってご飯を食べる金剛。俺の天国はそこにしかなさそうだ。

 

 

 

………考えるのをやめた。

 

 

 

 




遅くなりました!
短めですがご勘弁を!


後に残るのが辛すぎますね…おのれコロナ……
味覚と嗅覚があぼんしました。
まだまだかかりそうなのが辛いです
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