提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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419話 鎮守府の夏 ③

 

 

「持ち味を活かせッ!!」と、何故か通りすがりの赤髪の大男に言われた気がしてプラン変更。

 

各々…ないし、チームで考える「理想的なアウトドア」をする事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見るがいい!指揮官!我ら重桜のあうとどあを!」

まずは問題J……個性豊かなメンバーが多く居る重桜。

案内役を務めるのは桜長門である。

 

 

「重桜は古典的なアウトドアのイメージがあるな」

救の意外な言葉に首を傾げる桜長門、そして微笑む重桜メンバー。

 

 

 

「そうか?我らとて…文明の利器くらいは「火打ち石とか使うイメージあったんだけどな」

 

「!?!?!?!?」

 

 

ピタァッ…と時間が止まった。

 

「指揮官は我らを縄文時代の文化と勘違いしてないか?」

 

「進んでも昭和初期みたいな釜戸ご飯とか…竹筒でフーフーするような」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重桜メンバー達は考えた「え?フリ?フリなの?そうしろってフリなの?」と。「バリバリ発電機やらガスコンロやら持ち出したんですけど……と」

 

桜金剛四姉妹が救と桜長門の視線に耐えかねて桜赤城を見つめる。

少なくともそこに居合わせた重桜メンバーはただならぬ場の雰囲気に冷や汗が止まらない。

桜三笠や桜信濃ですら彼女に、助けの目線を送っていたのだから…

こんな時に限って桜加賀は居ないし!!

 

 

 

「……〜ッ!!」

「やるわよッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬおおおぉぉおッ」

桜三笠が鬼の勢いで錐揉みで火を起こす。

木の板と棒で火起こしする原始的なアレね。

 

「頑張って下さい!桜三笠様!!」

桜綾波達が応援する。

年長者として頑張らざるを得ない…ッ!!

 

 

徐々に煙が立ち込めてくる。

カッと目を見開いた桜三笠がその小さな小さな火種を次の者へと手渡す

––––––桜信濃に。

 

 

桜信濃はその火種を燃えやすい、解した麻と藁の中に入れてフーフーと息を送り込み、そしてぶん回す。

「ふ…ふぉお」

 

恐らくは普段絶対に見られない光景に驚き半分、申し訳なさ半分である。

 

 

桜信濃の手の中で燃え上がったそれに薪をくべてさらに火を大きくしようと試みる。

 

「やった!やったのです!!」

わーきゃーと駆逐艦達から声と拍手が巻き起こる。

 

年長者達は親指をグッと立てて倒れ込んだ。

 

 

「よくやってくれました!その火をこっちに頂戴!!」

声のする先には桜赤城達が石を積み上げて窯を作っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石窯を積み上げて釜戸ご飯を炊く。

「フー!フー!!」と、全力で空気を送り込む桜金剛。

 

 

その光景を大変そうだなあと思いながら桜長門は己に降りかかる

 

「さあ!桜長門様も!!」

 

「え"…本気?」

お淑やか系お嬢様系の桜金剛はそこには居ない。

汗と煤を輝かせる彼女は涼しげにこちらを見る桜長門を引き込もうと目を血走らせていた。

その気迫はかの一航戦すら「え?あぁ…はい」と言わざるを得ないだろう。

 

 

 

「フー!フー!!」

 

「はい!桜長門様ッ!ファイトですわ!そんなのじゃ火が消えて指揮官様が悲しみます」

 

「か弱い…私が…」

 

「見た目は駆逐艦でも中身は戦艦です、丈夫な子です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薪を拾い終えた桜加賀がクーラーボックスのコーラを飲もうとした所に桜赤城が掴みかかって血走った目で言う。

「水しかないわ!」

 

「な、何を言って?!」

 

「いいの!ここは今からディ◯カバリーチャンネルに匹敵するようなキャンプ場になるの」

 

「意味がわからないんだが…」

 

「アレよ!森のベアさんじゃなくてエドさんの方のレベルだからね」

 

「????」

 

「今すぐ魚と肉を調達してきて頂戴…ッ」

 

「え、え、え?な、何故?足りないならスーパーd「良いから…ッ…現地調達…ッ!指揮官様の愛の試練なのよッ!ディスカバリーなのよおおおお!」

 

また始まった…と思いかけた桜加賀であるが、周りのメンバーの目線や…あることに気付いて頷くしかなかった。

 

用意した食材は封印して山や川で獲れた新鮮な食材を使っての料理を…

 

 

風呂??石で作った風呂だってよ。

 

 

 

 

準備が終わる頃には桜加賀が狩ってきた肉を捌いていた。

誰も彼もが汗だくで煤まみれになっていたが一種の達成感があった。

上下関係なく、皆でやり遂げ、作り上げると言うのはこんなにも気持ちのだろうか–––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?指揮官はこーいうのが好み?」

 

 

良い感じの達成感は燃え上がる炎へと変わる。

 

 

 

 

 

「くっ…やはり無視できないわね…桜オイゲン!」

 

 

 

 

 

 

そう

重桜の横には鉄血軍団が居たのだから。

 

 

 

 

 

 

「はぁい♡桜オイゲンでーす」

と、彼女はヒラヒラと手を振る。

横には桜ティルピッツや桜フリードリヒ達もいる。

 

俺の横では桜赤城達が俺にしがみついてフーッ!と彼女達を威嚇している。

 

 

「ふむ、指揮官?重桜だけ贔屓するのは寂しいわ?ね?桜ビスマルク?」

 

 

 

 

 

 

 

「あーっはっはっはっははは!!」

高笑いと噴射するスモークの奥から現れたのは…

 

 

 

 

「そ、そうだぞー指揮官。わ、我ら鉄血の最新てくのろじーをふ、ふんだんに使ったキャンプをぜひ見てほしぃ…」

 

 

慣れない高笑いキャラに恥ずかしがる桜ビスマルクだった。

 

 

 

 

 

 

「…慣れないならするべきではないわよ?」

桜赤城かマジトーンで突っ込んだ。

 

「………」

桜ビスマルクはいじけてしまった。

 

 

 

 

「…ね?指揮官?彼女も頑張ったの」

「だから…ウチにも見に来てね?」

 

と、桜オイゲンが目をうるうるさせながら上目遣いで言う、反則だろこれ。

 

「あぁ…うん、わかったよ」

と返事したら「ありがとう、まあダーリン♡」とキスされた。

 

 

 

 

 

固まる両陣営。

待ってるわね!と退散する張本人。

残された俺。

 

 

突き刺さる視線。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平和な夏は…まだ遠いらしい

 

 

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