提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
一度起きたことは…いつか起こりうる–––––
たとえその火を消そうとも、燻る灰の中から新しい火は灯る–
そしてその小さな火はやがて大きな大火となって全てを焼き尽くす炎となる–––
世界を超えて焼き尽くす炎に–––
–––大丈夫…
どれだけの困難が待っていたとしても…
あなたには私達がついてるから
例え見えなくても…
きっと背中を押して–––––––––
『やる…のね?』
『あぁ、やろう』
男は笑う、傍の**の肩を抱きながら。
『……全てへの復讐の始まりだ』
『なッ!?』
あり得ない光景が目の前に広がっていた。
先程迄何も無かった筈の景色は一瞬にして変わる。
目の前に–––
**が現れたのだ。
『お前は……k––––––
その言葉を発する途中に彼女は吹き飛ばされる。
ドォォオン!!
秘密裏に動く訳でもなく、堂々と構えられた主砲から放たれた一撃は彼女を更に粉微塵にして行く。
その音に反応……する前からその存在を理解した仲間が集まる。
『反応がいきなり現れたと思ったら………貴様らは…ッ!!』
『……』
響く轟音は彼女達…セイレーンを恐怖へと誘う。
彼女達には自負があった。
自分達がどんな存在か……という。
薙ぎ払われる艦隊はその考えを一変させる。
セイレーンの艦隊は蹂躙されていた。
たった数隻の…数人の
『くっ…なんだコイツらッ』
『セイレーンの力が…歯が立たないだと!?』
『私達はとんでもないバケモノの相手をしていたのか?』
『皮肉なものだネ…私達を打ち破るとすれば、君だろうと思ってはいたが……』
目の前に居るのは
神崎 救と金剛そのものだったから。
『やはり……神崎 救はどうあっても……世界を滅ぼす人間…』
『しかし!何故今は制御下にあって敵対もしていないはずの我等を攻撃する!?』
『私達が誰かを忘れたのかッ!!?』
セイレーンの1人が叫んだ。
神崎 救と呼ばれた者は彼女達を見下しながら言う。
『…黙れ……』
『いつ俺が、俺を作ってくれと頼んだ』
『全てを踏み潰すッ!!…この世界も!あの世界もッ!!本物もッ!!もう誰にも止められないッ!!』
グシャリとオブザーバーを踏みつけて更に笑う。
『お前らより強いんだ…俺は奴よりも強い』
オブザーバーはニタリと笑って言う。
『お前は奴を…奴等を甘く見ない方がいい』
『なら、答えろ。本物はどこに居る!?』
『自分で探せ』
『まぁいい…奴には最高の絶望が待っている。それが早くなるか遅くなるか…だけだからな』
神崎 救は笑いながら去って行く。
死に体のセイレーン達には目もくれず、道端に転がる小石を踏みつけるようにしながら…
彼女達の意識はそこで絶たれた。
『…さあ始めようか、最終戦争だ』
重桜組の原始的なキャンプを体感しながら、現れた鉄血グループに誘われた俺。
妬ましそうにコチラを見つめる重桜組の視線が物凄く痛い。
「さあ!指揮官?私達鉄血は都会派なキャンプよ」
「田舎も…「あぁん?!」……コホン、レトロ感漂うキャンプではないって事よ」
田舎者と言おうとしたのだろうか?
重桜組の鬼の目線に気付いた鉄血メンバーは言い方を変えた。
はずだった。
「始めようか」
そう聞こえた気がした。
「……ん?」
見慣れた天井だった。
……厳密に言うとそれは今は見慣れない天井だった。
体を起こす。
天井という面から景色は変わり、首を回すとやはりかつては見慣れていた光景が広がっていた。
頬をつねってみても痛い。
つまりこれは現実…?
いや
たまの休みの日の朝じゃないか。
何だかリアルな夢を見ていた気がする。
長い…長い夢を見ていた気がする。
「誰の夢を…何の夢を見てた?」
でも
なんだろう…
何か大切な事を忘れている気がする。