提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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434話

 

 

どうしてこうなった?

全ては完璧だったはずなのに!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある夜の事だった。

 

けたたましくサイレンが鎮守府に鳴り響いた。

 

 

「提督が脱走したぞおおおお」

 

長門大きな声はスピーカーで更に大きく鎮守府にこだましていた。

鎮守府のある物陰からそれを聞く救。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

救は現在、鎮守府から街へ行く為に脱走…お出かけをしようとする真っ最中である。

 

そう、全ては超超限定スイーツを食べる為!!

朝イチに並ぶためッ!!

 

はて…昔もこうだったか?

 

 

しかし、最近はそこそこ行方不明になる事が多かったせいか…

誰かしらは部屋に居ることになっていた。

いきなり消えるのでなく、誰かが連れ去るならそいつを血祭りにあげてやる…なんて燃えていた娘も居たっけ…な。

 

 

まぁ、それはいい。

問題は昼間なんだ。

外に出してくれないの。

 

「危ないですから」と、桜ベルファストがめちゃくちゃ圧のある目で言うの。

プリンなら間宮さんのとこでも食べられるでしょう?って言うけどね?君ィ…そーじゃないんだ、そうじゃあないんだよ。

並んで食べる…そこに意味があるのだよ!と力説したが受け入れられず、更にはその話を聞いていた間宮が無言でプリンを10個ほど差し入れしてきた。

『どうぞ、プリンです』

 

『いや、あの…えと』

 

『…せんから』

ポツリと間宮が呟いたがよく聞こえない。

 

『ん?何だ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『限定なんかに負けませんからぁぁあ!!』

 

と、大声で叫んで泣きながら執務室を後にする間宮のおかげでさらに大変なことになったのは言うまでも無い。

 

 

 

 

 

 

しかしながら食べたい。

故に俺は秘書艦の寝た後に抜け出すことにしたのであった。

 

 

『……抜けない』

今日の秘書艦は超パワータイプの長門である。

腕をガッチリホールドされて抜け出せない。

 

『ふふふ…この長門ぉ…ぜったいにぃ…むにゃ』などと寝言を言っておられる。心なしか俺の腕からはメキメキと音が聞こえる気がするんだが?

 

あの手この手で格闘すること約10分、伝説の剣を岩から抜くが如く右腕を抜き出してから準備にかかる。

 

 

 

ガシっ

 

 

『どこに行くんだ?』

突然腕を掴まれ、目線をやるとそこには鋭い眼光をこちらに向けるゴリラ(長門)がいた。起きていやがったかッ!!!

 

『お前を置いていく訳ないだろう?お花を摘みにいくのさ…良い子で待っててくれよ?』と最大限のイケボとキッスで対応することにより長門を眠らせることに成功。

 

 

 

 

 

 

 

あらかじめ用意しておいたダミー人形を布団に潜り込ませる。

 

 

即、腕をがっちりとホールドされ…やはり腕からメキメキと音が聞こえる。

 

 

 

 

 

そしてドアノブに手をかけた瞬間に気付く。

 

この気配…居るな。

ドアの向こう…誰かいるな。

恐らく開けた瞬間にトイレと嘘をついたら、まあそいつはかわせるだろう。

しかしだ、もしその声で永田が起きてしまったら……そのあとを考えるのは恐ろしくて仕方ない。

 

 

 

 

てな訳で窓から上手くなんやかんやで外に出て今に至るのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後々に知ったのだが…

俺は2つ計算ミスを犯していたらしい。

長門は俺の右腕を掴んで寝ていた。

 

 

そう、左が空いていたのだ。

それを狙った娘が潜り込んできてバレたらしい。

 

 

 

『指揮官様あ〜♡桜大鳳が参りましt……ってえ?何これ?えっ!?』

 

もぞもぞと布団に潜り込んだまではいい。

そこで掴んだのは人形だからねえ…そりゃねえ。

 

思考停止した彼女だが、直ぐに指揮官が脱走したと理解する。

軽く溜め息を吐いた後に長門を鬼の形相で叩き起こした。

 

 

 

 

そして冒頭のようにけたたましく放送が流れたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「何だとおおおお」」」」

 

部屋という部屋の灯りが点灯し、ギラついた目を光らせた艦娘達が窓を開けて辺りを見渡していた。

 

 

「古鷹とか鳥海とかめっちゃ照らしてるやん」

 

 

 

まあ、バレるとは思っていた。

しかしこんなに早くバレるとは…想定外だった。

 

 

しかしこんなところで終わらない。

 

全ては超超限定プリンを食べるため––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこに行くのですか?」

肩をがっしり掴む彼女は笑顔が恐ろしい金剛だった。

 

「こ、金剛…ッ!どうしてここが」

なぜここがバレた?放送から1分も経ってないぞ?!

 

金剛は俺の問いにニコリと笑い答えた。

 

「最初から後ろにずっといたネー」

 

これが俺のもう1つの計算ミスだ。

正妻ポジを高らかに宣言し何故かありとあらゆる俺の情報を握る彼女達の執念だ。

 

「外に行くデース?」

 

 

金剛の問いにあーーと答えあぐねていると彼女は悲しげな表情で「そうなら脱走なのでダーリンを引き渡さなきゃいけないデース」とある方向を指差す。

その先にいたのはカラカラと金棒を引いて歩く榛名や桜赤城であった。

 

「ダーリンさん〜?どこにいるのですかぁ?榛名は心配で心配で大丈夫じゃないです〜」

ハイライトなぞ消え去ってしまった榛名はセリフと行動が真逆になっているぞう?

 

 

 

 

 

バレれば死

プリンを食べて帰っても死

どちらにせよ俺の未来は暗いならプリンを食べて逝きたい!!

 

 

 

 

「金剛…一緒n「提督さんが脱走したらみなさんデザート抜きですよー』

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここデースッ!!!」

間宮のデザート無しの言葉に即即俺を売る金剛。

 

針のような視線がこちらに向けられる。

と言うか視線だけじゃないな。艤装はしまってください。金棒もしまってください。

 

 

どうするとれ

 

 

 

 

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