提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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440話ー!本日は2話投稿ですのでご注意下さいませ!
ありがとうございます!
めちゃくちゃあきましたけど…申し訳ない


440話  いつか夜は明けるから 最終話

コイツら

 自らが世界を作り上げて…存在を確立してきたと言うのか!?

いや!そんな材料があるはずがない!!

この男も死んであの西波島を示すようなものはこっちの世界には何一つ––

 

いや

 

 

 

ある

 

 

 

 

俺だ。  俺という存在もあの世界を契機に生まれたとなら…俺という存在があの世界を肯定している。

しかも…艤装を展開し、深海棲艦を召喚した。

つまりはあの世界との繋がりが切れてないということだ。

 

 

 

あいつら

俺の存在を繋ぎ止めやがったのか!?!?

 

 

『貴様らぁぁあ!何の意味があるッ!?何故そこまで拘泥る!?!』

 

 

『…やり残した事がありマース!!」

色鮮やかな憎たらしい奴等がそこに立っていた。

…やり残したことねぇ…奴の仇を取るために俺を消しに来たか?

 

『泣ける忠誠心だねぇ』

 

 

 

 

 

 

 

 

『行けッ!!』

 

ずらりと並ぶ深海棲艦に号令を出す。

 

 

大和田と呼ばれた奴を金剛へと向かわせる。

『ヤツモバカな奴ダッタ!キサマラモ––––

大和田の言葉が最後まで発されることはなかった。

バチっバチっと地面に叩きつけられながら後方へ飛んでいた。

視線を戻すと大和と呼ばれた戦艦の艦娘がその拳を振り抜いていた事がわかった。

 

「…この程度で私達に勝てる訳ないでしょう」

 

『どこにそんな力が…!?いくら何でも強すぎる!』

サーッと砂のように消えゆく大和田。

思いの力…いや…

存在を否定され、提督という力の存在もなくし、自らの名前すら失っていた奴等だぞ!!ただでさえ力も出ないはずなのにどこにそんな力が!!!

何かを代償にしなければ得られない程の力…恨みの力の深海棲艦よりも強大な力だと!?

 

 

 

 

 

 

『…ッ!行けっ!行けええ!』

再度深海棲艦に号令を出し奴等へと向かわせる…が同じように一撃で砂のように消されてしまった。

 

 

が、白はその違和感見逃さなかった。

深海棲艦に攻撃した艦娘の様子がおかしい。

彼女たちの色味が消えかかっていたのだ。

決定付けたのは、加賀が空母棲姫を打ち破った時だった。加賀弓を持つ左手が薄く消え掛かっていたのだ。

 

 

『…お前らまさか』

驚く表情を見せる白に対して金剛達はニヤリと笑った。

 

 

『己の存在を犠牲に力に変えてるのか!?』

 

 

 

 

 

 

 

どういうカラクリか…奴等は奴等自身の力で世界をもう一度作ったらしい。提督のいない色のない世界を!

しかし何故だ!奴等は色を得ている!寧ろ…眩しい程に輝いて…!!

 

そうしてまで仇を取るために!?

 

その微かな…目に見えない微かなモノを頼りに作り上げたと言うのか!?

 

 

 

見れば、桜赤城や蒼オークランド達も戦っていた。

戦って色を少しずつ無くして行っていた。

 

「はぁぁぁぁッ!!一斉掃射ぁぁ!!!撃てえええええッ!!」

ドォン!という轟音と共に深海棲艦が吹き飛んで行く…代わりに奴等が薄くなる。それでも彼女達は攻める手を止めなかった。その中には麗や幸も居て…

 

『…ッ!!おい!貴様らまで!良いのか?!存在を賭けてせっかく戻った存在を犠牲にして!!もう2度と微かな望みすら抱けなくなるんだぞ!!』

 

その問いに彼女達は「それでもやらなきゃならないことがあるからここにいるのよ」と言った。

 

 

 

何故?!何故!?何故何故n「あなたなら分かるはずですよ」

 

 

 

 

 

あなたの為なら…

世界を全てを敵に回してもいい

私達の全てを賭けて…あなたを愛してるから

 

 

 

 

『愛…だとおお』

 

フザケルナッ!!

ゴウッ!と言う音と共に白は駆けて行く。

一際輝く艦娘の元へ。

 

 

 

拳と拳がぶつかり合う鈍い音がした。ジワリ…と金剛の手の色が薄くなる。

『貴様らなんぞに!ここまで来て邪魔されてたまるかぁぁあ!!』

 

同時に白の手も同じように薄くなる。

『貴様らにできるのなら…俺だってえええええ!!』

 

自らの存在を燃やして殴り抜いた。

「ぐうっ!!」よろめいた金剛の腹めがけて拳を繰り出した。

 

重い音と共に金剛が後ろへと飛ばされる。

畳み掛けるようにラッシュを浴びせた。

 

 

拳が当たるたびに薄くなる金剛。

『アハ…お前ぇ!消えそうだぞ!消えるぞ!消えるぞ!見ろ!仲間も悲しんで–––

 

誰1人として泣き言を上げてなかった。

消えかけの散々たる彼女達はただ真っ直ぐにこちらを見ていた。

周りの深海棲艦は全て消え去っており、殆どの色を失ってる者も居た。

 

『ガハァ!!』

ドゴッ!という音が腹から聞こえた。金剛が俺を殴り抜いていたらしい。

返されるようにラッシュを浴びせられる。

 

 

『消えかけのはずなのに!どうしてそこまで…なんだよ!愛とかそんな不確かなもののために!何で貴様らは!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その愛を教えてくれたのが…ダーリンだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なんだよ!そんなに奴のためなら何でもできる?!そんなバカな!

やり残したこと?!俺の方が正しいんだぞ!?』

 

 

 

 

俺だって役割を全うしてるんだ!

貴様らだけ…神崎 救だけが特別なんて許されてたまるものか!!

奴だけが報われて、救われてたまるものか

 

 

なら

 

 

 

 

なら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なら俺も救ってくれよ!』

力いっぱい叫んだ。

本音だった。役割を終えたはずの俺の心からの叫び。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はい…その為に来ました』

真っ直ぐとその輝く目で俺を見て奴は言った。

 

 

 

 

 

『なに…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハン!馬鹿じゃないのか!?お前n『あなたも…ダーリン(神崎 救)デスから』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ白になった。この馬鹿どもの言葉に。

そして思い出した。俺も神崎 救だったんだ…と。

俺を嫌な奴のまま終わらせない為に…?

 

 

 

あぁそうだ

()()()()()()()()()()()の考えた奴等は…

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで白は理解した。

自分の与えられた本当の役割に。

 

『あぁ……俺の役割は……お前達との…絆…かぁ…」

 

 

金剛が目の前に迫る。

もはや多くの色も残っていない。

全てを賭けて殴りにくるのだろう。なのに何でだ?避ける気にならないのは

 

 

 

 

 

 

 

『眠って下さいッ!ダーリン!!』

 

金剛は涙目でその右手を振りかぶる。

俺はスッと力をぬいてしまった。

 

 

 

 

「…ッ!!」

 

 

 

 

 

 

白はフッと笑った。

笑って言った。

 

 

 

『泣いてんじゃねえか………

 

 

 

 

 

 

 

ごめんな…ありがとう…金剛…救

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…ッ!!!ダーリィィン!!』

 

その右拳は…白を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おーい

こんごー

 

 

 

『はい!ダーリン!私はココに居マス…もちろん皆も』

 

ありがとうな!もう1人の俺のことも…

みんなもありがとうな

 

『いえ…苦しい思いをさせてごめんなさい』

 

いいや…俺は幸せだったよ

お前達のおかげで俺は人生で一番幸せな時を皆と過ごせたんだからな

 

 

『……』

ニセモノなんかじゃない!

誰が何と言おうと、俺にとっては全てが本物だからな

 

『…ごめん…ごめんなさい』

 

いいや、俺の魂を繋ぎ止めてくれてありがとう

愛してくれてありがとう、愛させてくれてありがとう

 

『…ぐぅぅ』

 

おい泣くなって

 

『むりだよお…無理だよお』

 

そんな顔をするな

またきっと会えるさ

 

な?

 

 

 

 

 

『…はい!信じてます』

 

『ずっと…あなたを待ってます』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ずっと…待ってます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

彼女達は立っている。

自ら達が作った世界に。確かに存在している。

 

白は神崎 救から生まれたもう1人の神崎 救

故に存在は彼そのものだった。

救が作り出した艦これ、アズレン、ブルーオース、救の世界の4つの世界の願いや思いを糧にして金剛達は自分等を楔として世界を構築した。

無論、そこに救は居ない。居るはずがない。

しかし、彼女達はやらねばならなかった。

もう1人とはいえ、彼もまた神崎 救だから…愛した人だから、あのまま終わってほしくなかった。彼の事も解き放ってあげたかったのだ。

 

彼女達は存在を糧として戦った。

そして白を解き放った。

 

しかし、世界は消えなかった。

彼女達は色の無い世界の色の無い鎮守府で過ごしていた…消えかけの体で。

また来ると約束したから

 

 

 

「…今 は来るか あ」と艦娘達が話している。

彼女達の目の前には机と椅子があり、その席は主人を艦娘等と共に待ち続けている。

 

「早く  いと寂し な」と、誰かが言うと「何年でも待つさ」と誰かが返す。

誰かが昔に言った『あなたのいない世界に色はない』

モノクロの彼女達は今も待ち続けている。

かき消えた存在は戻らず、手足の無い者もいるが、特に不自由はしていなかった。言葉も一部が抜けたような言葉しか発せなかったけど…なんとかうまくやっていけていふ。

何年の月日が経ったかなんてもうわからない。

それでも彼女達は待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不意に懐かしい匂いが鼻をついた。

あっ…と誰かが声を漏らした。もうご飯の時間か…と。

辿るように、惹きつけられるようにその元へと歩き出した彼女達。

 

 

 

 

「お腹 いたー!」

食堂のドアを開け……そこに間 が居て…?

あれ?

「宮 ?どーし タ?」

 

震えている間ミヤは「あっ…れ」と指を指す。

どうやら泣いているようだ。

「虫で 出 のー?」

 

ケラケラと笑いながら視線を上げると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁっと何かが通った気がした。

モノクロの世界は色を得た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カレーを皿によそいながらあの人が笑いかけてきた。

 

 

 

 

「あっ……あっ…」

声にならない声より、体が動いた。

 

「ダーリンッ!!」 「提督ッ!!!」「指揮官!」「救君!」「まも君!」

各々が言えなかったその名前を叫び駆けて行く。

 

 

 

 

「言えた!よべたぁぁあ!!」

提督!提督!と何度も何度もその言葉を叫んだ。

 

 

 

抱きしめてと言いたかった。

愛してると言いたかった。

でもそれよりも先にあなたのその温もりに触れたかった。

ほんとにあなたなの?夢じゃないよね?…と。

 

 

 

 

 

「おう!俺だぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

生まれ変わりか…はたまた妄想か…

しかし、彼等の涙と笑顔は本物である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい!押すなよ?カレーは逃げないし俺ももう逃げないからな」

 

 

 

–––提督が鎮守府に着任しました––––

 

 

 





小難しく、ごちゃごちゃしたのでだるい部分もあったかと思いますが描きたかったことは描けました。




メインのストーリーはこれが最後になります。
とは言え、最後の最後は…誰かが帰ってきたようなのでその後の話はまだまだ続けたいなと思います。
夫婦話等もまだ描きたいので…ね
ほのぼのして、笑えて、少し泣けるような話をお届けできたらなと思います。
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