提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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444話

北上に指輪を渡してからというもの…

「あっ!司令官は指輪のこと忘れてないんだねえ」という認識が再発したらしく…様々な手法でおねだりをする奴等が後を耐えなかった。

 

「なぁ?ウチにもくれてもええんよ?」

ニコニコと笑う龍驤が目の前にいる。

今は朝ごはんの時間である。

隣で少し緊張した潮が俺にご飯を食べさせてくれているという状況を除けば微笑ましい日常の会話なんだろうけど

 

「まあまあ…ちゃんと渡すから」

 

「おっ!言ったな!?言ったな!?期待しとくからな!?」

とりあえずー!結納とー式場の予約とーとかいう謎の呪文を唱えながらウッキウキで食堂を後にする龍驤をポカンと見つめながら「私も待ってます」と言う潮の頭を撫でておく。

 

 

 

朝ごはんを食べ終わり、執務室へと向かうがその道中すら安心してはならないッ

「……なにをしてるんだ?山風」

 

「……」

キラキラと輝く目でこちらを見つめ…もとい見上げるのは山風。

この状況だけなら あーかわいいねえ〜なんて撫で回すのだが…

ダンボールに『拾ってください』と大きく書いて中にインしてる捨てられた子犬モードだからねえ…

 

「3食昼寝と指輪を所望したいです」

 

「出撃は!?てかお前が条件出すんかいッ!!」とツッコミつつ…

「すまんな…ウチはペット禁止なんだわ…」と言う。

 

ここはスルー一択だな!と華麗にスルー…「いやぁぁあ!!ぱぱぁぁぁ!!!」

させてくれるはずもなく、聞く人が聞けば完全に通報モノなセリフと共に泣きじゃくりながら足へとしがみつく。

 

 

 

 

「…ご主人様?」

出勤した時点で4人を引きずりながら執務室へとやって来た救を見てもあまり表情を崩さないあたり、流石のメイドだろうなと思う。

しかしこの駄メイドのシリアスは内心は「くっそ羨ましいいいいですううううう!!はううう!誇らしきご主人様ぁー!私もお私も引っ付いて行きたいですううう!…でもメイド長に怒られるしなあーあーあーあー」

 

「……シリアス?」

 

「はい?何でしょう?誇らしきご主人様?」

 

 

「全部口から出てるし飛びついてるし」

 

見上げるシリアスは正面から抱きついていたというより飛びついていた。

柔らかい感触に平静を保つ努力をフル稼働させる救に対して殺意の目を向ける瑞鶴の視線が突き刺さる。

 

「oh……わ、わたくし!誇らしきご主人様への愛が深いばかりに…言葉だけでなくアクションまで!?も、申し訳ございません!誇らしきご主人様ぁっ!この!このダメなメイドにどうか罰をお与えくだ−–––ぁぁっ!違いますッ!メイド長じゃないです!私は誇らしきご主人様n––––––––ぁぁぁぁぁぁぁ…

 

メイド長かそっちの道の人か分からんベルがさっと現れシリアスを引き剥がして豊満な…アレを掴んで引きずっていった。

引き摺られてゆくシリアスは尚も俺に向かって愛の言葉と痛い痛いという言葉を交互に叫びながら消えていった。

 

「………瑞鶴?その視線「大きかったらええんか?」イエメッソウモゴザイマセン」

下手な事を言うのはやめよう…いや本当に……

おい!!バ加賀ぁ!!胸元を開けるんじゃないいい!押し付けてくるなぁぁ!!

「……フッ…哀れね」」だとよ!煽んな煽んな!

 

「おまっ…加賀ッ!きっさまぁぁあ!!」

 

 

「そりゃ…私の旦那様ですもの…まな板なんかより大きい方がいいに決まってますよね?あなた?」

と言う。アホか巻き込むな、碌なことにならん質問をするな

おい!暁!そんなに涙目で落ち込むんじゃないッ!お前は将来有望だぞう!?

 

「はぁぁあ!?私の旦那さんだけどおおお!?そんな贅肉の塊なんかより!!慎ましい方がいいわよね!?ね!?」

お前も乗るんじゃないッ!!

バカな質問は−––––ってぇ!!潮おおお!?そんな目で胸を見つめるなっ!!お前の個性だぞ!良さだぞッ!もぎ取ろうとするなぁ!?!?

 

 

 

 

 

「…………もん!」

誰かが何かあったようだ。

 

「「「え?」」」

俺と瑞鶴と加賀が同時に聞き返し…どうやら声の主は暁のようで。このくだらん喧嘩を止めてくれるんだろうな…お前はいいk「司令官はぁ!!!慎ましい方が好きなんだもんんんんん!!!」

ダバダバ涙を流しながら暁が叫びはじめやがった。

 

「違いますぅ!!提督は大きい方が好きなんですぅ!!」

対して潮が同じく叫びやがります。

 

 

ポカポカと叩き合いになる2人。

暁の手が潮の豊満な胸に当たり「ちくしょおおおお!!」といつものキャラを忘れた暁が発狂してる。

 

横を見ると加賀と瑞鶴が取っ組み合いをしてる(いつも通りの光景)

「うがぁぁあ!!この五航戦んんん(ぺったんこぉぉぉ)

 

「うおおおお!!一航戦んんんん!!!(駄肉の塊ぃぃい!!)

 

 

このままでは鎮守府が大変なことに(いつもの爆発オチ)なってしまうううう!!大淀も呆れ顔でどうにかしてとこちらを見ている。

 

 

「「「「どっち!!!!」」」」

 

「喧嘩ばかりする子はいやだなぁ「「「「ごめんなさい」」」」

 

見事な土下座。

それはそれは100点満点完璧な土下座であった。

 

そして何より恐ろしいのが……執務に何も取り掛かれてねぇ…というね…

目の前にある本ッ当ーーに存在理由と意味と価値が未だによく理解出来ない書類の山 山 山ッ!!

漫画でしか見たことねぇぞ!?ってレベルの量だなぁぁぁあ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし問題がある。

とてーつもなくおおきなもんだいデース

 

 

 

 

 

① ベルファストはシリアスを調k……折檻中

 

② 秘書艦の瑞鶴は加賀との激闘の末カウンタークロスからのWKOで撃沈

 

③ 世話役の潮は暁ともどもびーびー泣くので鳳翔に連れて行かれた

 

誰も居らんやん?

チラッと大淀の方を見ようと思ったけどやめておこう

きっと修羅の表情をなさっておられるッ!俺悪くないけどッ!!

 

「…提督?」

声がいつもよりツートーンくらい低い大淀さん。多分これオルタ化してるわ。

 

 

どうしようかと途方に暮れる俺の肩をポンと叩く人がいた。

誰か?と思いながら横を見ると…

 

 

居たわ

 

ダンボールの住人が居たわ。

グッと中指を立てて「ね?ぱーぱ♡」とニコニコと見つめる山風。

この時ばかりは山風が天使に見える。いつも天使やけどね。

 

その後、龍驤にも頼み込んで仕事を行う。

少しというかフツーに時間はオーバーしそうけど何とか執務を終えられそうだ。

喧嘩していた時以上に泣きながらごめんなさぁぁい!と執務室に来た潮と暁、申し訳なさそうにする瑞鶴と加賀も加わったのでほんとに何とか!

仕事量減らねえかなあほんとに

しかし、夜中になったので皆には寝てもらう事にした。まあそれなりの時間には終われるだろう。

泣き疲れたであろう潮を部屋に配達して自室へと戻ろうとした。

 

「ダーリン!遅くまでお疲れ様デース」

そう声を掛けてくれたのは金剛だった。

 

「金剛?珍しいな。眠れなかったのか?」

 

「いえ、少し目が覚めたので…執務室の中から声が聞こえたのでまだ起きてると思ったので頑張るダーリンにお夜食を…と」

 

「本当は手伝おうとしてくれてるんだろう?」

チラチラと金剛の姿が見えたから居るのだろうとは思った。お夜食も…まあ理由の一つなんだろう。

 

「…はい」と顔を赤らめて頷く金剛。

 

 

 

お夜食は久しぶりのおにぎり、卵焼きに味噌汁だった。

金剛の作る夜食はおいしい。皆のも美味しいが…格別な気がする。

食べる姿を愛おしそうに見つめる彼女を見つめる。

「美味しいよ、ありがとう」と伝えると「愛情がたーくさん詰まってマース」と金剛らしい答えを返してくれる。

 

こんな幸せな時間が…たまらなく嬉しい

 

 

 

 

 

 

 

書類のミスさえ発見しなければ

 

 

「あぁぁあッ!!」

「ダーリン!!ここの書類全部間違ってマース!!」

ホラーな顔で雄叫びを上げる金剛。

ぶっちゃけこのタイミングでのこの発覚は深海棲艦とか幽霊なんかよりも遥かに怖いッ!!

 

「ぬぅぅあああ!!瑞鶴ううう!アイツミスしてるううう」

書類に目を通して絶望する俺!今すぐ瑞鶴を起こしに行こうかッ!

 

「ええええ!!今から頑張って直しましョーー!?朝になる前にいい」

 

 

 

「……ぷっ…あはは」と笑いながら2人で仕方ないね、頑張ろうかと言い合う。たまには悪くないか?

 

瑞鶴は明日から地獄を見ることになるだろうがな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…おはようございます提督。早くから珍し………あら」

 

大淀が早めに出勤してみると、座ったまま寝る救に寄りかかる金剛がいたとか。

「おおよどさま。朝早くまで頑張ったので少しだけねさせてください…ps瑞鶴絶対許さないッ!!…そうとう恨みを込めて書いてますね、この文章」

 

仕方ありませんね…と机に向かう大淀。

少し妬けたので2人の頬をつまんでおいた。

そしてなにより元凶の瑞鶴をどうするかを考えながら仕事に取り掛かる大淀であった。

 

 

 

 





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