提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「つまり!あなたには着任した以上提督として……くどくど」
営倉での説教は約1時間にもなった。
大淀の話をまとめてみた。
この世(?)は深海棲艦の進行前から男の数が減りに減りまくったらしい。
故に男はこの世界では貴重な存在…でありながら、女性がある意味実権を握ってるらしい。
いわゆる…貞操の概念が逆転してる世界なんだよなあ…
ある意味日常と変わんねえじゃねえか
なんて邪念を抱きつつ、ふと思い至る。
ここの奴らは俺の事を知らないんだよな?
ニタリと嫌な笑みをこぼす救と不安そうな大淀。
そう
いつからか男性が少なくなった。
出生率の内男性を占める割合は少なくなった。故にどんどんと減っていった。
故に男への性犯罪が爆増した。
貴重な男…というだけでボロ雑巾になるまで搾り取られるか監禁される…売り物にされると言う事件は後を絶たなかった。
何の対策も取られなかった訳ではない。
女性中心となった世界では男は貴重だからと庇護下に置かれる政策が進んだ。
ある意味国の管理するところ…男性の地位は保証されているが、つまるところ今までのような自由恋愛が困難になっている。
出会う機会が少ない。
仮に出会えたとしてもライバルが多い。
金や自由を与えられる富裕層でないと男を獲得するのは難しい。
だから事件も多い。
全ての男性が国の庇護下に置かれている訳ではない。
ヒモのような自由を求める男性も極小ではあるが存在する。
脱いだりして女への欲求を刺激して金を稼ぐ…なんて者も居る。
だが、そう言ったものを狙う飢えた女も居るのだ。
中でも鎮守府は艦娘が相当数所属している。
今や憲兵はおろか、整備担当ですら女性が多い。
提督になりたがる男性が少ないのは……想像できますよね?飢えた猛獣の檻の中にウサギを放り込むようなものですからね。
そして目の前にいるのは…神崎 救と言う新任提督。
艦娘という存在に囲まれる提督という職務に就くなんてもの好きは居ないと思っていた。
私たちが怖くないのだろうか?
しかしこの提督…スケベすぎるッ!!
何ですか?その格好は…初めて見た時は理性を抑えつけるのに苦労しましたよ…。
榛名さんも言ってましたね…『何か遺伝子レベルで本能が訴えかけてきました…襲えと』って…。
連行する際に彼に触れて子はもう手を洗わないわ!とか言ってましたし。
逆に触れてもらった吹雪さんはまるでハジメテを捧げた大人の女みたいな感じの扱いになってましたからね…
そういう人かわかりませんが…
今は目の前で私がこの空気を独占していますからね…皆様には悪いですけど…このままうまいこと誘導してラッキースケベにもつれ込んでやりますよグヘヘヘヘ「なあ?大淀…?」
おや、私としたことが…提督の呼びかけに気づかないなんて…
ぷちぷちとボタンを外し胸元をみせながら救が大淀に話しかけてみる。
「はい?って!ボタン外しすぎです!」
名前を呼ばれるのが嬉しいのか、笑顔で返事した大淀は俺の胸元を見て一気に顔を赤くした。–––––––面白っと救は感じる。
距離を詰めながら話を続ける。
「俺って提督…なんだよな?新任の」
「ひ…ひゃい、救さんは…貴重な男性提督でふ……」
「なら可愛いお前達を守らなくちゃな…俺の立派な…作戦でな」(イケヴォ)
「私なんかが…かっ…かかかわいい!?!?」
「当たり前だろ?この髪も目も…眼鏡をかけた姿も…」
サラッと髪や頬に触れてみる。どうだ?本当に耐性ないなら……ー
ボン!という音と共に大淀は撃沈した。
んで
執務室での仕事中…大淀は轟沈寸前で入渠してるらしい。
陸で轟沈寸前になる艦娘とは?
あの時「何事ですか!?」と音を聞きつけた高雄達が見たのは服をはだけた俺と鼻血を出しながら倒れてビクンビクンとなっている大淀…。
「事件だぃぁあぁぁぁ!!!」なんて叫びやがる。
「大淀が提督を襲ったぞおおおおお」だとさwww
ズルズルと引きずられて行く大淀を尻目に経緯をかなりざっくりと説明。
暑かった。俺は悪くない。としか言ってない。すんごい微妙な顔されたけど…。
やっぱり男としての自覚を〜と説教される。
されるのはいいがお前らのその目線は目を見てないよね?はだけた胸元見てるよね?
「いいですか?あなたは猛獣の檻の中に入れられたウサギさんなんですからね?」とかいう。
はいはい…ってボタンを直そうとしたら「話を聞く時はモゾモゾしない!」だってさww嘘つけw目に焼き付けるだけだろw
軍服に着替え…おい誰だ舌打ちした奴。
こっちだって暑い上にオフのはずなのにこんなとこで執務だぞ?!ふざけんな!
机に向かい仕事をやるが、やる事はいつもと変わらん。
判子!印鑑!はんこ!承認印!!!!!
どこから湧いてくんだ?この書類の山!!!
しかし平和だ。
いつもなら秘書艦との触れ合い(過激)とか部屋に忍び込んでる奴等との触れ合い(過激)とかのイベントがあるのにな…お世話係とかもできたのに…。
廊下を歩いて艦娘に挨拶しても「キャッ」とか言いながら目だけ隠れてない照れ隠しをしたり、逃げたり顔を伏せたりされる。
吹雪だけは何かドヤ顔で腕組んでるし、普通に挨拶してくる。
そして周りの駆逐艦達に「えっ!?吹雪ちゃん男の人と触れ合ったの?!…すごい」とか言われてさらにフン!と鼻を鳴らしてドヤ顔してる。
手に触れただけだよね?とか思ってるとこちらを見つめてくる。
ニタリと笑う吹雪。
「はい!もう私はオトナですからね」だとよ。
お前も気絶してただろうが!!
なんて思いながら笑顔で返す。
よし!奴はそのうちディープキスの刑だな!!
あの時はあの時で大変だったが…ないならないで寂しい。
金剛の紅茶やベル達のスコーンが懐かしい…
そしてー
バァアン!!
と言う音と共に扉が吹き飛ばされ、俺の平和は壊された。
懐かしいと思っていた俺を殴りたい。
「ヘーーイ!テートクー!!」
という叫び声?と共に金剛のエントリー
あーーコイツは変わらんのね?なんて思ってたんだけど…俺を一目見てフリーズしやがった。
「!?!?!?」と状況が飲み込めて無い俺に対して
「あ…えっと…あの…こんごぅ型一番艦の…金剛デース」
と小さな声でモジモジしながら言ってる。何だコイツ可愛いの化身か?
「ん?金剛か?どうした?」
俺も不意な金剛のエントリーに鼻血を出しかけながら務めて冷静に問いかける。
ボタンを外しながら
「なっ…ぐっ……テ、テートクー!?」
片手で鼻口を押さえるがボタボタと垂れる鼻血は隠しきれていない。
クハハハハ!見てて愉快だ!
「むっ?!どうした金剛!!熱中症か!?」とすぐさま近寄る。
「近…ッ!!!い、いえ!こ、こここれは…熱中症ではありまセン」
だろうな?知ってる。
ジリジリと近寄る俺に遠ざかろうとする鼻血艦娘金剛。
しかしまあ…逃すわけないよね。
「君はこの鎮守府にとって………いや!俺にとっても大切な艦娘…!何かあってからでは遅い!鼻血のときは頭を高く…だったか!?……くそう!明石のところまで運ぶ間に何かあったらいけない」
「えっ!?ワ、私が大切な–––––!?!?!?」
頭が沸騰しそうな金剛!そこに畳み掛ける!!!
「よおおおし!膝枕!膝枕だッ!!!!」
「…ッ!?!?」
状況の飲み込めていない金剛を抱き寄せて膝枕をする。
ズボンが更に生温かくなった気がする。主に血で。
「あっ…テー…ッ!ぐっ…ガフっ」
声にならない金剛の頭を撫で鼻にティッシュを詰める。クソ笑える光景や…色んなとこが血だらけの絵面を除けば…な。
「ヴァルハラ…」の言葉を残して金剛は落ちた。気を失った。
本当コイツらキスでもしたらどうなるのか??なんて思いながらとりあえず次に来る艦娘を待つ救であった。
「金剛がやられたらしい…」
夜中の鎮守府では艦娘による会議が開かれていた。
「なっ!?まさかあの金剛が!?」
金剛の入渠は相当な事件になったらしく艦娘の間でも衝撃が広がっていた。
「えぇ、あと一歩…いや、半歩のところで一命を取り留めました」
「確かにあの出血…ただ事ではなかったな…」
「ええい!あの提督は化け物か!?」
なんて会話が飛び交う中…
「45…」
どこぞのNER◯のゲンドーさんみたいなポージングで霧島が言う。
「本日付けで配属?となった提督によって入渠送りになった艦娘の数よ」
「なっ…!?」
そのセリフを聞いて戦慄する陸奥。
「ウチの艦隊のほとんどじゃない!?」
「えぇ…。確かに私達は男に飢えてる…。でもまさかここまでとは…金剛お姉様も…」
「あの子が一番重症なのよね…」
「ヴァルハラに旅立ちました…ぐぅっ」
「そ、そんな…ッ!…でもあの子は誰よりも男に憧れてたからね…」
涙ながらに語る霧島に寄り添う陸奥。皆で黙祷を捧げる
「生きてまス」
そんなやりとりをしてるのを救は知らない。