提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「て、てててていとくー?どうぞおお」
「ん、ありがとう………鳳翔さん」
ここは居酒屋鳳翔。
やはり変わらずある鎮守府の居酒屋に救の姿はあった。
執務を終わらせて風呂に入り…着物のようなラフな格好で夕食に来た。
鳳翔はニコニコしながらお酌をする。
「鳳翔さん?全部こぼれてますよ?」
「あら…あらあららららrrrr」
しかし鳳翔の手は緊張のあまり震えていた。ビチャビチャとお酒を俺の手にぶちまけまくる鳳翔サン…可愛い。
「あらあらあらあら…申し訳あひまひぇん」
と、着物の色以上な色に顔を染めて慌てて拭くほっしょさん。
「いいんですよ?鳳翔さん…空母の訓練に居酒屋…色々大変でしょう?」
溢れた酒を拭く鳳翔の手に手を重ねる。
「はぅ!?えっ!?ひゃえ!?」
なんて素っ頓狂な声をあげる鳳翔を見つめる。
「顔赤いですよ?熱でも––––––」と顔を近付ける。無論、全てわざとだ…ッ!!
「ひゃぅぅぅぅ!!!?!?!?」
多分5オクターブくらい上のキーで叫んだ鳳翔は撃沈した。
その頃艦娘達。
会議は長引いた。
「でも下手に手を出したら私達処分されるんじゃ?」と言う意見が大多数を占めていた。
「それに私達は海を守る艦娘…。いくら男日照りとはいえ男に欲望のまま手を出すのは艦娘としての矜持が許さないわ」と言うのは加賀。
おおーっと言う称賛の声。
「さすが加賀さん…!!」
「本音は?「今すぐ押し倒したいわ」
その時1人がポツリと言う。
「本当に提督が痴男だったら?」
「いやいやいやいや!それは無いだろ!この世の余程のアホ男以外は女嫌いなんだぜ!?」
「あなたもわかるでしょ?男に手を出した女の辿る末路…」
「OO鎮守府の綾波なんか……」ガタガタガタガタ
そう、男に手を出した艦娘の末路は悲惨なものだ。
憲兵を買収できたら逃げられるかもしれない。
しかし、軍法会議にかけられた艦娘は人が変わったかのようになって帰ってくるらしい。一説によると凄まじい教育プログラムを施されるらしい…ある意味去勢されたかのようだとか…。
しかしながらやっとこさきたO☆TO☆KO
どうにか手にしたいと思う艦娘しか居ない。
どうすれば…ッ!!!!
「いやでも…あの人痴男の可能性あるんですよね?」
ポツリと誰かが言う。
「吹雪は…そういえば向こうから触れてきたんだよな?」
「え、あ、はい!提督さんから…こうガッと手と肩を掴んで来られました」
にへーと笑いながら答える吹雪。
「と言う事は…自分から触れても何も思わない人ということになるな…?」
「だとすれば私達にも勝機はありますね!」
そう、ほぼ9割くらいが女嫌いな男の中で自分から女に触れる男なんか淫乱以外の何者でも無いのだ。
「合法的に触れられる…!?」
「憲兵さんにも通報されない!?」
「遂に大人の階段登れる!?」
.なんてアホなことを真剣に考えるアホ達。
しかしながら彼女達には無いッ…! 自ら地雷原に飛び込む勇気ッ…!!
仮に…仮に痴男を装うスパイだった場合…!見える!鎮守府の解体の未来ッ!
自ら1人の愚行で路頭に迷う艦娘…!押される不届き艦娘の烙印…!
「誰が…逝く?」
そう呟く長門に対して黙る面々。
そうだ。だれよ地雷は踏み抜きたく無い。しかもメガトン級の大地雷。
「………」
「私が征きマース!!」
声を上げたのは満身創痍(笑)の金剛。
「こ、金剛!!お前が逝くと言うのか!?無茶だ!そんな身体で!」
「だ、大丈夫デース!ちょっとした致命傷デース」
フラフラと立ち上がりながら気丈に振る舞う金剛…全く感動的では無い。
「まーこのやり取りに意味はないのにねww」
「様式美ですよwww」
「にしても…本当………ねぇww」
「大変だぁあ!!鳳翔さんがぁぁぁぁ!!!」
「まじか…」
ある日。
「ネー?テートクー?」
「なんだ?」
「テートクの好みはどんな人デス?」
「……そうだなあ…」
「の前に…遠くね?」
金剛が居るのは長椅子の端!
真っ赤な顔を逸らし…ながらの質問。
「んーお前達みたいな…子かな」
これは本音である。
西波島艦隊の艦娘達…麗ちゃんや幸ちゃん達のような皆が好き。
勿論…目の前のお前達も大切だぞ。
「…ッ!…!! あ、ありがとうデース!嬉しいデース!!」
「てことはテートクと私もーワンチャンあったり…??」
「あり得るかもなあ」
「ききき急に距離を詰められると………ひぅぅ」
「まだまだだな…」
金剛を入渠させに行く。
何人目だろう?このやりとり…。
演習もそんな感じだ。
近海は平和そのものらしく、今はもっぱら鎮守府内での演習がメインらしい。
目の前では北上が軽やかに戦場を駆け回っている。練度はそれなりに高いようだ。
そして目が合う。ニコリと笑いかけてみた途端に北上はコケた。
こちらと目があった瞬間にギョッとした顔になりバランスを崩しそのまま海にズシャーーーっとね。
大井に抱えられ陸へと上がる北上の下へと駆けつける。
何となく理由はわかってるが心配なのは変わらない。
「おおいー!北上ー!!調子悪いのかーー!?!?」と、デコに手を当てる。熱中症かもしれないからね?一応ね?
「い、いいいいいや!そんなこと無いよぉぉお」
うん!確実に体温は急上昇中だね!!
あの顔が赤いのはあれは爆発したからなのか?
んな訳ないわな…俺に見られてるからだろぉぉん??
知ってるぜぇぇ???
「きゃぁぁぁ!!被弾してないのに島風がぁぁぁぁ!!!」
「提督の褒めの頭ポンポンで大破しましたぁぁぁぁあ」
「わ、私も大破しに行ってきますぅぅぅ!!!」
「やめろぉ陸奥ぅぅ」
「「「ウボァーーー」」」
「もう!提督ったら…」
「ごめんよ間宮さん…!!」
「…いきなり来て夜食が食べたい!だなんて…」ドキドキ
「あはは…間宮さんの料理が食べたくてね」
「……簡単なものしかできませんよ?」
「ありがとう!間宮さん!」
「あっ…ててて手を握るだなんて……きゅうぅ」
「ま、間宮さん!?間宮さん!?まみやさぁぁぁあん!!」
「て、てててていとくー!あそぼーー」
「ん、いいぞ?何する?」
「おおおおまままままごと…」
「て、提督はお父さんで私が…およm「させるかぁぁあ!!!」
「あんたがお嫁さんなんかしたら10秒ももたないわ!!」
「例え10秒でも…幸せの中で逝けるなら…私は!!!」
「赤ちゃん役なら抱っこされ放題……??ブフッ」
「おおおおい!!!択捉!かえってこおおおい!!!想像で轟沈するなぁぁぁぁあ!!!」
「どうぞ!司令官!!」
「何これ?」
「比叡特製カレーですが?」
「新たな兵器ではなく?」
「失礼な!!私の愛情たっぷりこめたカレーです!気合い!入れて!作りました!」
「カレーとは紫色だったかな?」
「夏野菜カラーじゃないですか?」
「入ってんの?夏野菜」
「いいえ??」
「だめじゃん!絶対アカンやつやん!!!!」
「さあ…ッ!!冷めない内に…!食べて…下さいッッッ!」
「覚めない眠りに…ついちゃうからヤダッ…!!」
「ダメです!食べてくださいー!!!」
「ウボァーーー!」
そうやって過ごして行く……夏の日