提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
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「結婚して…呉の提督を継ぐ…ですか?」
「まあ、最初は雑務からだがな…数年は呉で補佐として頑張ってもらうぞ 」
いやいやいや!
そんなの聞いてない!お見合い…だろ?
無論俺は今の鎮守府から離れたくない。
「あの…鎮守府移動の事なんですが…」
「もし断ったら… なんだがな?…俺の力でお前達への補給等の締め付けを強めるつもりだ… 」
「なっ!?」
「考えてもみろ?今の僻地のちっぽけなとこで一生を終えるか、出世のレールに乗るか、どちらが幸せなんかなんてすぐわかるだろう」
「…受けたとしてても今のメンバーは?」
「あん?まあ新しい提督が着任するが…お前に懐いている奴は全員除隊だな…新しい提督に馴染まんだろうしな」
「いや!今のメンバーごとの異動とか…」
「は?お前は呉を弱くするつもりか?何より娘と結婚するなら…お気に入りが居たら…娘がかわいそうだろ」
「…」
「あの…救様?」
「あっ!はい!すみません…ぼーっとしてて…」
今俺は2人で庭を歩いている…
ぶっちゃけ頭に何も入ってこない。
「あの…本当にすみません…父があんなので…私も止めたのですが…お前にもそれが幸せなんだと聞いてくれなくて…」
「救様は…艦娘の方とご結婚されてるんですよね?それを引き離して結婚して…誰が幸せになれるのでしょうか…」
「きっと父は…救様の艦隊と勝負をしてでもこの話をつけようとするはずです…完膚なきまでに勝って諦めさせる…お前らは俺には勝てないんだ…と、今までも同じような方法で色んな提督を潰してこられました…」
「お願いします…父を…止めてください!私がこんな事を言ってはいけませんが…救様なら出来る気がして…」
「私も結婚相手は自分で決めたいのです…敷かれたレールだけなんて耐えられません」
「……」
どうすればいいのか?
「おう、話し合いは終わったか?」
ん?親父が震えている…?
「お前もなあ…こんな庶民より俺が親の方がいいだろ?」
「この人にはな、それなりに包むもん包むからよ…な?」
何故こんなことを言うのか?
「それによぉ…艦娘と結婚なんてバカなことは辞めとけ、アイツらはな…戦争の兵器なんだからよ」
「大将殿ッ!!流石に酷すぎます!」
「んー?答えは出ただろう?」
「……いえ…」
出ない…出せない。
答えが出ねえか?ならコレを受けとれ…。
背中を後押ししてやろう…。
コレは演習の申し込みだ!
わかるな?元帥閣下の正式な押印もされてある…
逃げてもいいぞ?だが逃げれば…わかっているな?
お前は人生に汚点を残すだろう… 軍に居られなくなるだろうなぁ。
そうすりゃお前の大切な艦娘は… わかるな?
なら受けるしかねえよな?
そして…お前が負ければこの話を受ける。
お前が勝てば話は無しだ…まあ…お前の鎮守府は苦しくなるだろうがな
?
演習は1vs1 艦隊なんぞ出さんでいい!
その一言は容易に俺の心を握りつぶした。
艦娘に自分の人生の左右を押し付けるなんて…
その先は覚えていない。
いつの間にか鎮守府へと、帰ってきた…
自分を…艦娘を…親父をバカにされた……
なのに、何もできなかった。
あの一言のために…。
親父は…気にするなと言っていたが…。
悔しかった…何も言い返せなかった自分が。
自分を支配したのは…
アイツを許せない気持ちと
どうしよう…と思う気持ちだけだった。
救が帰った後の話ー
「お父様…」
「ふん…何だ、腑抜けかと思ったぞ」
「ヘコヘコと話を受けていたら縊り殺してやろうと思ったが…フフフ面白い事になりそうだ…」
「あなた? 余り年下の子を虐めちゃだめですよ?」
「お義母様…」
夏子の視線の先には先ほどの美人…大和が居た。
「おお!大和、いや… 色んな噂がある奴だからな……だがあの程度で折れるようじゃこの先はないな」
「でもお父様!失礼でしたよ?救様…は…」
「なぁに…こっちも奴を一眼見てな…血が滾っておるんだ…奴は中にとんでもない獣を飼ってるぞ…」
「御蔵のオヤジから頼まれたから…お前は自分を見つめ直せって言っても気付かねえ事ってあんだろ?アイツはよ……トコトン追い込まれて気付くことってあんのさ……奴は今、今までで一番追い込まれてる…嫌なもんから目ぇ逸らさずに見詰めるしかねえんだよ…ぶつかり合うしかねえ時もあるんだよ…まあ…逃げたらそれまでだけどな」
「戦うのは私達ですけどね」
「うっ…すまんて」
少し前…
「松田さん…いきなりの無礼…許して欲しい」
目の前には頭を下げている時成が居る。
「時成さん!?」
「そしてどうかこのまま…無礼な役を続けさせて欲しい…」
海軍元帥から、救を頼まれた事。
巌自身が彼に興味を持っている事、縁談なぞ理由付けでしかなく、彼を真に見定めたいと。
コレからの戦争の将来を担う役割はアイツが背負うかもしれない。
実際に神崎の戦果は目を見張るものがある…
ただ、それだけなんだ。
アイツは自分の存在が何かをわかってない、、
アイツは自分を信じてない…艦娘との絆を信じてない。
アイツらは特別な奴らなんだ。
他の奴らとは違う…!
だから知らなくてはならない!
本当の自分を…
このままでは…奴は死んでしまう。
だからそうさせない為に、間違ったやり方で奴を追い込む…と。
「汚れ役じゃないですか」
と言う松田に巌は答えた。
それは同じ男で先輩の俺の役目だ…と。
そしてそれは可愛い後輩には内緒にして欲しいと伝えてきた。
「提督…聞いたよ」
川内から事の内容を聞いた艦娘。
「呉と言えば…蒙武さえも赤子のように感じる強さの所らしい」
「そんな訳の分からない条件なんか!飲まなくていいだろう?!」
「…演習を申し込まれた…もう逃げられない…」
勝っても皆を苦労させ…負けたら…逃げたら…。
「コレは…元帥の押印… 正式な演習…」
軍人として逃げはご法度である。
例え演習でも負ける事よりも逃げる事の方が重いのだ。
つまり、巌は初めから救に選択肢など与えていない。
己の無力を噛み締めながら敗北し望まないレールに乗るか。
万が一…億が一勝てたとして…厳しい逆風の中で生きるか。
「大丈夫よ!誰だって!全力で戦うから!」
「私達は提督についていくから」
「作戦を立てるよ…」
それだけしか言葉が出てこなかった。
そう言って俺は部屋に篭った。
「提督…」
部屋の前で立ち尽くす艦娘。
「待ちましょう…」
どうしよう…何で俺がこんな目に…?
俺が何をしたんだ?
どうして居場所が奪われなくちゃならないんだ?
誰かに責任を押し付けなきゃいけないんだ?
どんどん…ネガティヴになってしまう。
そもそも俺は…この世に必要なのか?
何故俺が…ここにいるのか?
本来…死んだのなら…俺は……
本当は誰にも必要となんてされてないんじゃないか?
俺は…?
寒い…
誰か…
主人公は意外に闇が深い(๑╹ω╹๑ )