提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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61.5話 閑話 過ぎ去りし日の話 西波島鎮守府のバカンス ④ 

あなた(読者)普段通り生活していたはず

しかし急に目の前が真っ暗になります

そして

 

今 あなたの目の前にはある人物が居ます

「君…そうだ いつも画面の向こうに居る君だ、少し話に付き合ってくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

獣は死して皮を残す

人は死して名を残す

名を残すとて

しかしそれは極々一握りの存在

 

 

歴史の中には影に隠れ歴史に埋もれてしまった故人というものが多く存在する

世界を動かす訳でもなく

日本を救った訳でもなく

小さな輪の中で語り継がれる話もある

 

 

 

 

 

これはあまり知られていない

 

しかし知る人は知る

 

英雄と呼ばれた鎮守府の話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前…怖くないのかい?」

 

「僕には守るものがありますから」

 

 

迫りくる敵影

 

傷ついた艦娘

 

砲撃で穴だらけの鎮守府

 

ボロボロな仲間たち

 

背後には護るべき街、人

 

 

「なら立ちな!アタシが支えてやるよ」

「少将殿は…厳しいですね」

 

「弱音は禁止だよ!」

 

 

震える手で、声で指揮を採る

「何が何でも…守り抜くッ」

 

 

 

 

 

 

防衛戦は熾烈を極めた

 

止め処なく攻め入る深海棲艦

 

聞こえる砲音

 

切り裂くような悲鳴

 

傷付き倒れる仲間達(艦娘や仲間)

 

鬼神の如き戦う艦娘達

 

爆音と共に沈む深海棲艦

 

 

皮肉な事に

この日の戦闘は1番艦娘との繋がりを強く感じた日だった

 

 

皆の思いは唯一つ

 この後ろに何があっても深海棲艦を進めないこと

 

 

 

 

 

約半日にも及ぶ戦線の終わりには

 

 

海は残骸で溢れ

 

誰一人として そこに立つも者は居なかった

 

 

 

 

 

 

 

「提督…無…事です……か?」

と聞いてくる***

 

「ああ… どうだろう…」

力無く提督は答える

××提督の腹からは血が流れていた

被弾したのだろうか…

しかし彼は

最後の最後まで執務室から離れなかった

 

 

「生き残りは…私だけですが…私…も、もう…ダメです……」

と力無く言う**

 

「すまない…皆も…死なせてしまった…」

涙声なのか…余力のないかすれ声なのか…

提督は震える声で言った

 

 

「いえ…皆あなたと共に戦えて…幸せでした……」

 

 

「誇れ…チビ助…達 街も…住民…も無事らしい…ぞ」

と執務室へ現れた少将殿が言う

 

 

 

「あぁ…良かっ…た…流石提督…私の大好 な………ーー」

そのまま艦娘は静かに息を引き取った

 

 

 

 

 

 

 

「おい…***……くそっ …皆… ごめんな…俺も 

 

すぐそっちに行くから…」

 

 

 

 

 

「チビ助…田舎の親父さんは…お別れも出来ず…悲しむだろな…医者だっけか?」

 

 

 

 

「ええ… 少将殿の旦那さんも提督でしょう? 娘さんも家で待ってるんじゃ…」

 

 

「そうさねえ…でもコレは仕方ないさ…戦争だからね…でもアタシ達は……勝ったんだ…」

 

 

 

「ええ…でも…守り抜けたから…良かったです…ね…少将殿?」

 

「………」

 

「時成少将?」

 

 

「あ…ぁ 聞こえてるよ… チビ…助…」

 

「もう…チビ助はやめてくださいよ…」

 

 

「そう…さな…松田…提督……良くやっ…た…よ…………」

 

 

「ありがとう…ございます… ごめん…親父…でも僕は…頑張った………よ 悔いは…ないと言うと嘘になるけど……頑張った……ー僕は守り切ったんだ……誇りに…思って欲しいな…ーーーー」

 

 

「…夏子……ごめんね 成人までの約束…守れなくて

アンタ…後は…頼んだよ…ーーー」

 

 

 

 

 

 

とある日…

とある鎮守府所属が崩壊した

 

提督 1名

指導役1名

軍人 12名

艦娘 52名

 

誰一人として生き残った者は居ない

 

 

「生き残りはいないか!?誰か…」

 

援軍の到着した時には既に戦闘は終わっていた

 

「ここは…執務室か?なんて有り様だ…」

 

数時間にも及ぶ砲撃を受け続けた鎮守府の執務室に

提督と指導役と艦娘が静かに眠っていた

 

「夏枝……お前…まで…くそ…」

 

 

しかし…

彼らの犠牲のお陰で守られたものは多い

彼らは鎮守府より後方へ一切の砲撃も侵入も許さなかったのだ

たった1発の流れ弾も 瓦礫も 深海棲艦も

 

その凄惨さは街の壁となった鎮守府の跡地が物語っていた

 

この出来事を機に

大本営は各鎮守府の更なる増強を進めた

 

 

あまり大々的には知られていないが

軍関係者とその街の人は知っている

街では彼らの偉大さを…誇り高き英雄と感謝した

 

反面に

 

残された者の心に大きな傷を残して

「祐樹……」

 

 

「お母さん……」

 

 

 

 

 

 

 

その誇りは受け継がれる

 

 

 

 

その誇りある鎮守府の名は 猛武鎮守府 猛る武神の如き鎮守府

今なおその跡地は住民達の感謝の印となっている

 

 

 

そして…

場所は少し変わったが猛武鎮守府は存在している

蒙武鎮守府と通称される鎮守府には里中 麗が提督として居る

彼女もまたその鎮守府と街を守る提督である

 

 

 

 

複雑な運命の流れは時を経て

とある男へと続いて行く

 

世界を超えてやって来た

 

その誇り高き提督の命を受け継いだ男へと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やあ 君

そうだ!私だ加奈江先輩だ! いや祐樹先輩か?

 

何で話かけてるかって?

うーん

君達には知って欲しかったからさ

 

ほら 資料だけだと

攻められて 鎮守府崩壊しか載ってないだろう?

 

人はね本当に忘れ去られた時こそ

人生の終わりなんだ

…だから知って欲しかったんだ

 

まあ私の命は彼の中に有るから

消える事はないんだがね

 

それに…僕も皆に会えたから嬉しいんだ

わかるかい?!

この奇跡が!

 

全く、彼には驚かされてばかりだ…

 

おっと

話が逸れたかな?

 

まあ これからも可愛い後輩君を一緒に見守ってくれたら嬉しいな

 

 

 

また話しかける事もあるかもしれないね

 

じゃあ、またね

 

 

 

とその人はあなたの前からずっと消えて

あなたは現実に戻される

 




先輩が、皆さんに話かけていたようですね?




松田先輩は実は提督だったと言うお話でした

だから艦娘は懐かしく思い 思い出せたと…
きっと艦娘は 生まれ変わったら…の約束を守ってまた来るでしょう

救の中に居る提督ともう一度一緒に戦う為に

後は巌の奥さんですね
共通するのは共に軍人で死んだと言う事

松田に関しては 親は軍人としか言ってませんでしたが
正義の在りどころ で息子に聴いたが…提督が鎮守府に居ないと艦娘が弱くなるんだろ?
ってのが ほんの小さな伏線?のつもり?でした?

救は資料で松田がいかに凄い先輩だったかを知ります



実は この2人は
構想段階から こうなる予定でした

巌と言うよりは
夏子と救ですかね まあ そんなに絡みはまだ無いですが

ちなみに夏子と麗にも関係があったりします

ノリでホラー書いてたらこんなしんみりした話になっちゃった!
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